SLRテスト(下肢伸展挙上テスト)|正しい測定手順・陽性基準・鑑別のポイント

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SLRテスト(下肢伸展挙上テスト)は、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛が疑われる患者に対して行う代表的な神経学的検査です。

仰臥位で膝を伸ばしたまま下肢を挙上すると坐骨神経が伸張され、L4〜S1の神経根が圧迫されている場合に、下肢後面へ放散する痛みが誘発されます。

感度が高く(約91%)、陰性であればヘルニアの可能性を下げられるため除外診断に有用です。一方で特異度は低め(約26%)のため、単独で確定診断を下すことはできず、画像所見や他の検査と組み合わせて総合的に評価します。

SLRテストの測定手順

  1. 患者を仰臥位にし、両下肢をまっすぐ伸展させる。
  2. 検査側の膝を伸ばしたまま、検者が踵(または足関節)を支える。
  3. 骨盤が動かないよう注意しながら、股関節の屈曲のみで下肢をゆっくり挙上する。
  4. 痛みが誘発された挙上角度と、痛みの部位(放散の範囲)を記録する。
  5. 反対側も同様に行い、左右差を比較する。

実施時の注意点

  • 急激な挙上は避け、愛護的にゆっくり行う。
  • 腰痛のみ・大腿部だけの痛みは陽性としない(膝より下への放散が重要)。
  • 骨盤の代償運動(後傾)を抑え、股関節の屈曲のみで挙上する。
  • 強い炎症期や高齢者では、無理をせず慎重に行う。

陽性の判定基準

挙上角度によって解釈が異なります。「30〜70度の範囲で、膝より下へ放散する坐骨神経痛が誘発されるか」が判定のポイントです。

挙上角度 解釈
〜30° 通常は坐骨神経が伸張されない範囲。この時点での放散痛は重度病変などを考慮する。
30〜70° 陽性域。膝より下へ放散する坐骨神経痛が誘発されれば、神経根症(椎間板ヘルニア)を示唆する。
70°〜 主にハムストリングスの伸張痛。椎間板ヘルニアの可能性は低い。

なお、腰痛のみ、あるいは大腿部だけの痛みは陽性とはみなしません。膝より下へ放散する痛みが誘発されることが重要です。

補強・鑑別に使うテスト

SLRテストだけでは痛みの由来がはっきりしない場合、以下のテストを併用すると神経由来かどうかの鑑別に役立ちます。

補強テスト 内容
Bragard(ブラガード)徴候 痛みが出た角度から下肢を少し下げ、足関節を背屈させて放散痛が再現すれば神経由来(陽性)。ハムストリングスの伸張痛との鑑別に有用。
交差性SLR(健側挙上テスト) 健側の下肢を挙上したときに患側へ放散痛が出れば陽性。感度は低いが特異度が高く、椎間板ヘルニアに特異的。
大腿神経伸展テスト(FNST) 上位腰椎(L2〜L4)のヘルニアが疑われる場合は、腹臥位で膝を屈曲させるFNSTを併用する。

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SLRテスト(下肢伸展挙上テスト)

脊柱・神経根の徒手検査一覧

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