歩行周期(立脚期・遊脚期)のイラスト図解と筋活動まとめ
歩行周期(gait cycle)は、リハビリテーションや動作分析の基礎となる重要な知識です。
なかでも「ランチョ・ロス・アミーゴ方式」は、1歩を立脚期・遊脚期の合計8つの相に分けてとらえる、臨床で広く使われる分類法です。
歩行周期とは、一側の足が接地してから、同じ足が次に接地するまでの一連の動きを指します。この1サイクルは、足が地面に接している「立脚期(スタンス期)」と、足が地面から離れて前方へ振り出される「遊脚期(スイング期)」に大きく分けられます。
通常の歩行では、立脚期が約60%、遊脚期が約40%を占めます。

- 立脚期:足が接地している期間。全周期の約60%を占め、体重を支え前方へ推進する。
- 遊脚期:足が地面から離れている期間。全周期の約40%を占め、下肢を前方へ運ぶ。
- 両脚支持期:両足が同時に接地している期間。1周期に2回あり、歩行速度が上がると短くなる。
立脚期:体重を支える5つの相
立脚期は、踵が接地してから足趾が地面を離れるまでの期間です。衝撃を吸収しながら体重を受け止め、身体を前方へ送り出す役割を担います。
各相と主な筋活動は次のとおりです。
| 相(略称) | 主な役割・機能 | 主な筋活動 |
|---|---|---|
| 初期接地 IC(Initial Contact) |
踵接地の瞬間。踵から地面に接地する。 | 前脛骨筋(背屈保持)、大殿筋・ハムストリングス |
| 荷重応答期 LR(Loading Response) |
両脚支持期。衝撃を吸収しながら体重を受け継ぐ。 | 大腿四頭筋(膝屈曲を遠心性に制御)、前脛骨筋 |
| 立脚中期 MSt(Mid Stance) |
単脚支持。身体を支持脚の上へ前進させる。 | 下腿三頭筋(ヒラメ筋)、中殿筋(側方の安定) |
| 立脚終期 TSt(Terminal Stance) |
踵離地。重心が前足部を越えてさらに前進する。 | 下腿三頭筋(強く働く)、足趾屈筋群 |
| 前遊脚期 PSw(Pre-Swing) |
蹴り出し〜足趾離地。遊脚への移行を準備する。 | 腓腹筋・長母趾屈筋、腸腰筋(振り出し開始) |
遊脚期:脚を前へ運ぶ3つの相
遊脚期は、足趾が地面を離れてから、再び踵が接地するまでの期間です。下肢を持ち上げて前方へ振り出し、次の接地に備えて減速します。
各相と主な筋活動は次のとおりです。
| 相(略称) | 主な役割・機能 | 主な筋活動 |
|---|---|---|
| 遊脚初期 ISw(Initial Swing) |
足趾離地〜遊脚肢が支持脚と並ぶまで。足部を引き上げる。 | 腸腰筋・大腿直筋(股関節屈曲)、前脛骨筋(背屈) |
| 遊脚中期 MSw(Mid Swing) |
遊脚肢が支持脚を通過し前方へ。下腿を前へ振り出す。 | 前脛骨筋(足部クリアランスの保持) |
| 遊脚終期 TSw(Terminal Swing) |
下腿の振り出しが完了。次の接地に備えて減速する。 | ハムストリングス(遠心性に減速)、前脛骨筋、大腿四頭筋(膝伸展保持) |
歩行周期を評価に活かすポイント
歩行を相ごとに分けてとらえると、「どの相で」「どの筋が」うまく働いていないかを整理しやすくなります。観察のときは、次の視点を押さえておくと分析がスムーズです。
- 初期接地〜荷重応答期の衝撃吸収が十分か(前脛骨筋・大腿四頭筋の遠心性収縮)
- 立脚中期〜終期で体幹が支持脚上に乗り、前方へ推進できているか
- 前遊脚期で十分に蹴り出し(push off)ができているか
- 遊脚期に足部が持ち上がり、つま先が床から離れているか(foot clearance)
- 遊脚終期で下肢を減速し、安定して次の接地に移れているか
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歩行周期(立脚期・遊脚期)のイラスト図解
ランチョ・ロス・アミーゴ方式による立脚期・遊脚期の8相と主な筋活動を1枚にまとめた資料です。学習や臨床実習の復習にご活用ください。