酸素療法のデバイス一覧|流量とFiO2の目安

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酸素療法では、患者さんの状態に合わせてさまざまなデバイス(酸素投与器具)が使い分けられます。同じ酸素投与でも、デバイスによって流せる流量や得られる酸素濃度(FiO2)が異なるため、それぞれの特徴を理解しておくことが大切です。

数値はあくまで目安であり、実際の投与は医師の指示と患者さんの状態に従ってください。

デバイス別の流量とFiO2の目安

主なデバイスの流量とFiO2の目安を一覧にまとめました。数値は代表的な目安で、製品やガイドラインによって幅があります。

デバイス システム 流量の目安 FiO₂の目安
鼻カニュレ 低流量 1〜6 L/分 24〜44%
簡易酸素マスク 低流量 5〜8 L/分 40〜60%
リザーバー付きマスク 低流量 10〜15 L/分 60〜90%
ベンチュリーマスク 高流量 アダプタごとに指定 24〜50%
HFNC(高流量鼻カニュラ) 高流量 最大60 L/分程度 21〜100%
オキシマイザーペンダント 低流量 少ない流量で効率化 同流量の鼻カニュレより高め

ポイント

低流量システムは、呼吸が速い・浅いなどの状態でFiO2が変わりやすい点に注意が必要です。正確なFiO2が求められる場合は、高流量システムが選ばれます。

低流量システムのデバイス

鼻カニュレ

鼻に差し込んで使う、最も一般的なデバイスです。会話や食事がしやすく、患者さんの負担が少ないのが利点です。一般的に6 L/分程度までで使用し、それ以上は鼻粘膜への刺激が強くなるため向きません。

酸素マスク(簡易マスク)

鼻と口を覆うマスク型のデバイスです。鼻カニュレより高い濃度の酸素を投与できます。ただし、流量が少ないとマスク内に呼気(二酸化炭素)がたまり再呼吸するおそれがあるため、一定以上の流量が必要です。

注意

酸素マスクは、目安として5 L/分以上で使用します。流量が少なすぎると、吐いた息の二酸化炭素を再び吸い込むおそれがあります。

リザーバー付きマスク

マスクに酸素をためる袋(リザーバーバッグ)が付いたデバイスで、高濃度の酸素を投与できます。重度の低酸素状態などで使われます。吸気時にバッグがしぼみきらない流量を保つことが必要です。

オキシマイザーペンダント

リザーバー機能を内蔵した鼻カニュレの一種です。ペンダント部分に酸素をため、少ない流量でも効率よく酸素を届けられるため、酸素の節約につながります。在宅酸素療法など、酸素ボンベを長持ちさせたい場面で用いられます。

高流量システムのデバイス

ベンチュリーマスク

色分けされたアダプタ(ダイリュータ)を付け替えることで、FiO2を正確に設定できるデバイスです。患者さんの呼吸パターンに左右されにくく、安定した酸素濃度を保てます。設定するFiO2ごとに必要な流量が決まっています。

ポイント

ベンチュリーマスクは、決まったFiO2を安定して投与したい場合に適しています。二酸化炭素がたまりやすい患者さんで、酸素濃度を細かく管理したいときにも用いられます。

HFNC(高流量鼻カニュラ)

加温・加湿した酸素を高流量で鼻から投与するデバイスです。高流量でも快適に使え、FiO2を幅広く設定できます。専用の機器が必要で、酸素濃度と流量をそれぞれ調整できるのが特徴です。ネーザルハイフローとも呼ばれます。

デバイス別|流量とFiO₂の早見表

鼻カニュレ ― 流量別FiO₂の目安

流量FiO₂の目安
1 L/分約 24%
2 L/分約 28%
3 L/分約 32%
4 L/分約 36%
5 L/分約 40%
6 L/分約 44%

※ 低流量システムのため、実際のFiO₂は患者の呼吸パターン(1回換気量・呼吸数)によって変動します。

簡易酸素マスク ― 流量別FiO₂の目安

流量FiO₂の目安
5〜6 L/分約 40%
6〜7 L/分約 50%
7〜8 L/分約 60%

※ 5 L/分未満ではマスク内にCO₂が貯留するリスクがあるため、最低5 L/分以上で使用します。

リザーバー付きマスク ― 流量別FiO₂の目安

流量FiO₂の目安
10 L/分約 80%
12 L/分約 85%
15 L/分約 90%以上

※ リザーバーバッグが常に膨らんだ状態を維持できる流量(通常10 L/分以上)で使用します。バッグが虚脱するとCO₂再呼吸のリスクがあります。

デバイスを扱うときの注意点

  1. 高濃度酸素の投与で呼吸が抑制されることがある(CO₂ナルコーシス)ため、慢性呼吸器疾患のある患者さんでは特に注意する
  2. 低流量システムでは、呼吸が速い・浅いとFiO₂が変動しやすい
  3. 酸素マスク(簡易マスク)は、流量が少ないと二酸化炭素の再呼吸につながる
  4. 高流量・長時間の投与では、鼻や気道の乾燥を防ぐため加湿が必要になる
  5. 流量・FiO₂の数値は目安であり、実際は医師の指示と患者さんの状態に従う

印刷して活用しよう

デバイス別の流量・FiO2の目安を1枚にまとめた早見表です。

印刷して、ナースステーションや実習・研修時の確認用にご活用ください。下のフォームから無料でダウンロードできます。

酸素療法のデバイスの種類と流量の違い

酸素療法のデバイスの種類と流量の違い

鼻カニュレからHFNCまで、主な酸素デバイスの流量・FiO2の目安と低流量・高流量システムの違いを1枚にまとめた早見表です。

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