スタンフォード分類|大動脈解離のA型・B型の違いと検査所見

スタンフォード分類|大動脈解離のA型・B型の違いと検査所見 イメージ

大動脈解離とは、大動脈の壁(内膜・中膜・外膜の3層構造)のうち、内膜に亀裂が生じ、その裂け目から血液が壁の中へ入り込むことで、血管の壁が裂け、本来の血液の流れとは別の通り道(偽腔)ができてしまう病態です。

突然、胸や背中に引き裂かれるような激しい痛みが現れることが特徴で、発症すると命に関わる危険性が高い緊急疾患です。

高血圧や動脈硬化、マルファン症候群などが発症の背景となることが多く、裂けた部分が広がることで、臓器への血流が不足したり、大動脈破裂や心タンポナーデなどの重篤な合併症を引き起こしたりします。迅速な診断と病型に応じた適切な治療が重要です。

なかでも「スタンフォード分類」は、解離が上行大動脈に及んでいるかどうかで分類し、緊急手術が必要か内科的治療かを判断する重要な指標となります。

スタンフォード分類とは

スタンフォード分類は、解離が上行大動脈に及んでいるかどうかに着目したシンプルな分類で、治療方針の決定に直結するため臨床で最も広く用いられています。

上行大動脈に解離が及ぶものをA型、及ばないものをB型とします。

亀裂の位置ではなく「解離がどこまで進展しているか」で判断するのがポイントです。

なお、亀裂部位を細かく分けるDeBakey分類とあわせて理解しておくと整理しやすくなります。

Stanford A型 Stanford B型
解離の範囲 上行大動脈に解離が及ぶ(亀裂部位は問わない) 上行大動脈に解離が及ばない(下行大動脈以遠に限局)
DeBakey分類 I型・II型に相当 III型に相当
頻度 約60〜70%(B型より多い) 約30〜40%
治療の原則 緊急手術(人工血管置換術)が第一選択 原則は内科的治療(降圧・安静)。合併症時は手術・ステントグラフト
主な合併症 心タンポナーデ、大動脈弁閉鎖不全症、冠動脈・頸動脈の虚血 臓器・四肢の虚血、大動脈破裂、持続する疼痛

A型・B型の治療方針

スタンフォード分類が重視されるのは、A型とB型で治療の原則が大きく異なるためです。

上行大動脈に解離が及ぶA型は、致命的な合併症のリスクが高く、原則として緊急手術の適応になります。

病型 状況 治療方針
A型 一律 心タンポナーデや大動脈破裂のリスクが高く、診断がつき次第、緊急の人工血管置換術が第一選択となる。
B型 合併症なし 血圧コントロールと安静を中心とした内科的治療が原則。
合併症あり 臓器虚血や破裂の切迫、持続する痛みなどがあれば、ステントグラフト内挿術や手術を検討する。

大動脈解離の主な検査所見

大動脈解離は症状だけで確定診断するのが難しく、複数の検査を組み合わせて評価します。

確定診断には造影CTが第一選択です。代表的な検査所見を整理します。

検査・所見 主な所見・評価ポイント
身体所見 血圧の左右差・脈拍欠損、大動脈弁閉鎖不全による拡張期雑音、ショック徴候。
胸部X線 縦隔陰影の拡大が手がかりになる(ただし正常でも否定はできない)。
血液検査 D-ダイマー上昇(正常値であれば大動脈解離の可能性は低い)、白血球増多や炎症反応。
心電図 多くは非特異的だが、A型で冠動脈が巻き込まれるとST変化を認めることがある。
造影CT(確定診断) 内膜フラップ、真腔・偽腔、解離の進展範囲を評価できる第一選択検査。
心エコー(経胸壁・経食道) フラップや大動脈弁閉鎖不全、心嚢液貯留・心タンポナーデの評価に有用。

印刷して活用しよう

スタンフォードA型・B型の違いを1枚にまとめた資料を用意しました。解離の範囲・頻度・治療の原則・合併症をひと目で比較できるので、学習の整理や現場での確認にお役立てください。下のフォームから無料でダウンロードできます。

スタンフォード分類

スタンフォード分類

大動脈解離のスタンフォードA型・B型の違い(解離範囲・頻度・治療方針・合併症)を1枚に整理した資料です。

会員登録時のパスワードになります。ログインや情報変更の際に使用しますので、必ず控えてください。

プライバシーポリシーに同意して

\ シェア・拡散していただけると嬉しいです /

転職をご検討中の方へ

医療業界に詳しいキャリアパートナーが無料で転職サポートをさせていただきます!新着・非公開求人の紹介も可能です!