クスマウル呼吸の発生機序・特徴
クスマウル呼吸(Kussmaul breathing)は、深く大きい呼吸が速く規則的に続く異常な呼吸パターンです。糖尿病性ケトアシドーシスをはじめとする代謝性アシドーシスのサインとして知られています。
クスマウル呼吸には、ほかの異常呼吸と区別するための特徴があります。
深く大きい呼吸が続く1回換気量が大きく、ひと呼吸が深い
呼吸回数が多い頻呼吸(速い呼吸)を伴う
リズムは規則的無呼吸(呼吸停止)を伴わない
意識障害・脱水を合併することがある原因となる代謝異常(DKAなど)に伴って見られる
クスマウル呼吸が起こる機序
クスマウル呼吸は、酸性に傾いた血液のpHを呼吸によって調整しようとする代償反応です。次の流れで起こります。
- 1代謝性アシドーシス血液が酸性に傾く(血中pHが低下する)
- 2化学受容体が感知頸動脈小体や延髄の化学受容体がpHの低下を感知する
- 3呼吸中枢が刺激される1回換気量と呼吸回数が増え、深く速い呼吸になる
- 4CO₂を排出してpHを是正(呼吸性代償)CO₂を多く吐き出し、血液のpHを正常に近づけようとする
原因となる主な疾患
クスマウル呼吸は、代謝性アシドーシスを起こす次のような病態でみられます。
| 原因・疾患 | 背景 |
|---|---|
| 糖尿病性ケトアシドーシス(DKA) | インスリン不足でケトン体(酸性物質)が蓄積し、代謝性アシドーシスになる |
| 尿毒症(腎不全) | 腎機能の低下で体内の酸を十分に排泄できず、酸が蓄積する |
| 乳酸アシドーシス | 組織の低酸素や循環不全などにより乳酸が産生・蓄積する |
| 重症の下痢など | アルカリ性の腸液(重炭酸塩)が失われ、代謝性アシドーシスになる |
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クスマウル呼吸
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