【パッと確認】ASIA分類|脊髄損傷レベル・症状の評価

脊髄損傷とは、脳からの指令を全身に伝える脊髄が損傷を受けることにより、運動・感覚・自律神経機能に障害が生じる状態を指します。
事故や転倒などによって起こることが多く、障害の程度は損傷の部位や重症度によって大きく異なります。
脊髄損傷の国際評価法として普及しているASIA分類(エイシア分類)は、初期の脊髄損傷重症度レベルを評価するために用いられます。(脊髄損傷の評価は、受賞後72時間以内に行うことが推奨されています。)
ASIAは、評価結果を元にA~Eの5段階に分類されます。
- A Complete
- 完全麻痺:S4–S5髄節に運動・感覚機能なし
- B Sensory Incomplete
- 感覚不全麻痺:運動完全・感覚不完全
- C Motor Incomplete
- 運動不全麻痺:損傷高位以下で運動機能が温存、麻痺域の主要筋の筋機能評価がMMT3未満
- D Motor Incomplete
- 運動不全麻痺:麻痺域の少なくとも半数の主要筋の筋機能評価がMMT3以上
- E Normal
- 正常:運動・感覚機能とも正常


感覚検査
検査部位をC2~S4/5までの28髄節に分けて、痛覚・触覚検査を行います。
検査は両側から行い、対象者の頬の感覚を正常(E)と定義し、それと比較して評価していきます。
直腸周囲の痛覚・触覚が消失している場合には、深部肛門感覚検査を行います。
運動検査
左右の各10筋節内の主要筋機能を評価します。
検査不可能な髄節(C1~C4、T2~L1、S2~S5)では、近位の検査可能な髄節を検査し、筋機能評価が3未満の場合、運動レベルは感覚レベルと同程度と推定されます。
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