熱型の種類|稽留熱・弛張熱・間欠熱・波状熱の違い
発熱している患者さんの体温を記録していると、「ずっと高いまま」「朝は下がるのに夕方また上がる」など、上がり下がりのパターンに違いがあることに気づきます。このパターンを表したものが熱型(ねつけい)です。
熱型とは
熱型とは、発熱中に体温がどのように上下するかを表したものです。
代表的なものに、稽留熱・弛張熱・間欠熱・波状熱があります。
熱型を見分けるときは、「体温の変動幅」「平熱まで下がるか」「何日もかけて変化するか」の3点に注目します。なお、熱型だけで病気を診断することはできません。あくまで体温の推移をとらえるための見方のひとつとして使います。
代表的な4つの熱型
| 熱型 | 体温の変化 | 見分けるポイント |
|---|---|---|
| 稽留熱(けいりゅうねつ) | 高い体温が続き、1日の変動が小さい | 高いまま、ほぼ横ばい |
| 弛張熱(しちょうねつ) | 1日の中で大きく上下するが、平熱までは下がらない | 上下しても、平熱に戻らない |
| 間欠熱(かんけつねつ) | 発熱と平熱に戻る時間帯を繰り返す | いったん平熱まで下がる |
| 波状熱(はじょうねつ) | 有熱期と無熱期が、数日以上の経過の中で波のように現れる | 1日の上下ではなく、長い期間の波を見る |
教科書や試験では、稽留熱を「日内変動が約1℃以内」、弛張熱・間欠熱を「日内変動が約1℃以上」と説明することがあります。
ただし、数値の境界だけで覚えようとすると迷いやすいため、最低体温が平熱まで戻るかを図で確認すると区別しやすくなります。
熱型の見分け方
実際に記録された体温を見るときは、「体温が高いまま続いているか」「平熱に戻る時間帯があるか」の順に確認すると整理しやすくなります。特に混同しやすい組み合わせを2つ取り上げます。
稽留熱と弛張熱の違い
どちらも発熱が続きます。体温の変動が小さければ稽留熱、大きく上下しても平熱まで下がらなければ弛張熱です。上の図の①と②を見比べると、同じ「高いまま」でも、線の揺れ幅がはっきり違うことがわかります。
弛張熱と間欠熱の違い
どちらも体温が大きく上下します。平熱まで下がるかどうかが見分けるポイントです。②の弛張熱は谷の部分が平熱の線より上にとどまり、③の間欠熱は谷が平熱の線まで届きます。
波状熱の見方
波状熱は、1日の中の上下ではなく、数日以上の経過で見ます。
熱のある期間(有熱期)と、熱のない期間(無熱期)が、波のように繰り返し現れるのが特徴です。そのため、1日の記録だけでは判断できず、数日〜数週間の推移を並べて確認する必要があります。
体温を観察するときのポイント
- 測定時刻と測定部位をそろえ、体温の推移を記録する
- 最高体温と最低体温、その差を確認する
- 平熱まで下がる時間帯があるかを見る
- 解熱薬を使った時刻も記録する
- 悪寒、発汗、呼吸状態、意識状態なども合わせて観察する
なお、「37℃以下なら平熱」と一律に決めず、本人のふだんの平熱も踏まえて判断します。
また、解熱薬などによって体温の推移は変わります。熱型を確認するために治療を控えるのではなく、薬を使った時刻と体温の変化を一緒に記録することが大切です。
典型的な熱型がみられないこともあるため、熱型と特定の疾患を一対一で結びつけず、症状や検査結果と合わせて評価します。
印刷して活用しよう
4つの熱型の体温曲線、特徴の比較表、体温観察のポイントを1枚にまとめた資料を用意しました。印刷して実習ノートに貼ったり、ナースステーションに掲示したりと、必要なときにすぐ確認できる形で活用してください。
熱型の種類
稽留熱・弛張熱・間欠熱・波状熱の体温曲線を同じ軸で並べ、特徴と見分けるポイント、体温観察のポイントをA4・1枚にまとめた資料です。