夜勤中、認知症患者さんが「家に帰る」と言って立ち上がろうとしている。最も効果的な対応はどれか? イメージ

夜勤中、認知症患者さんが「家に帰る」と言って立ち上がろうとしている。最も効果的な対応はどれか?

  • 1. 「ここが病院です」と現実を伝える
  • 2. 「もう夜だから明日にしましょう」と説得する
  • 3. 「お疲れさまでした。少し休んでから帰りましょうか」と共感する
  • 4. 「危険だから座ってください」と制止する
正解は3

多くの看護師さんがこの場面を経験したことがあるのではないでしょうか。

つい、「病院ですよ」「明日にしましょう」などの声掛けをしてしまいがちな場面です。

認知症の方の発言には必ず感情的な意味があります。

「帰りたい」は「安心できる場所にいたい」という心理的ニーズの表れです 。

なぜ他の選択肢がダメなの

1) 現実見当識の訂正 → 混乱と不安を増大させます

2) 論理的説得 → 認知機能低下により理解困難です

4) 制止 → 反発心や不安を煽ります

Cが効果的な理由

感情を受け止めることで安心感を与えることができます。また「少し休んでから」という提案で時間的猶予を作ることができます。否定せずに方向転換を図ることはリダイレクション技法といわれ、認知症の方に効果的な対応になります。

知っておきたい認知症療法の考え方や技法

パーソンセンタードケア

「その人らしさ」を大切にするケアの考え方で、利用者を単なる“ケアの対象”ではなく、1人の人格として尊重します。過去の生活歴や価値観、好み、人間関係などを理解し、その人に合った関わり方をすることが特徴です。特に認知症ケアの現場で重要とされており、本人の安心感や尊厳を守ることを目的としています。

バリデーション療法

認知症の方の発言や行動に対して「現実と違うから」と訂正せず、その時の感情や訴えに共感し受け入れるケア技法です。例えば、故人に会いたいという発言に対して、「もう亡くなってます」と否定するのではなく、「大切な人だったんですね」と気持ちに寄り添う対応をします。ナオミ・ファイルが提唱した方法で、本人の不安や混乱を和らげ、信頼関係の構築を目指します。

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