病院で働く柔道整復師はいるの?働き方やメリットもあわせて解説
あなたの周りに、病院で働いている柔道整復師はいますか?
私は過去に、総合病院のリハビリテーション科で働いていました。
柔道整復師として働いていると「柔道整復師は接骨院やクリニックでしか働けないんじゃないの?」そんな声をよく耳にします。
結論からお伝えすると、病院で働く柔道整復師は確かに存在します。ただし人数はごく少なく、制度上のルールを知らないまま求人を探しても見つかりません。
今日は、病院で働く柔道整復師について、公的な統計と制度の裏づけを示しながら、私の経験も交えて働き方やメリットを解説したいと思います。
確かに、多くの柔道整復師が接骨院やクリニックで活躍していますが、実は病院でも柔道整復師の専門性を活かせる場面がたくさんあるんです。
それでは、具体的に見ていきましょう!
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病院で働く柔道整復師は実際にどれくらいいる?公的統計で見る実態

「病院で働く柔道整復師はいるの?」という疑問に、まずは数字でお答えします。
厚生労働省が実施している「医療施設(静態・動態)調査」は、病院や診療所で働く人の数を職種別に集計しており、その職種区分に柔道整復師も含まれています。ここを見れば、実際に何人が病院で働いているのかがわかります。
病院に勤務する柔道整復師は常勤換算364.5人
令和5年(2023年)10月1日現在、全国の病院に従事する柔道整復師は常勤換算で364.5人です。内訳は一般病院が363.5人、精神科病院が1.0人となっています。
同じ調査で、病院に従事する理学療法士は88,925.5人、作業療法士は50,304.4人です。並べてみると、リハビリテーションに関わる職種のなかで柔道整復師がいかに少数派かがはっきりします。
受け皿は病院より「一般診療所(整形外科クリニック)」が約9倍
同じ調査で、一般診療所(整形外科クリニックなど)に従事する柔道整復師は常勤換算3,316.4人でした。病院の約9.1倍で、柔道整復師の医療機関での受け皿は、病院よりも診療所のほうが圧倒的に大きいということになります。
「病院で働きたい」と考えたとき、病院という言葉だけで求人を探すと選択肢がほとんど出てきません。医師の指示のもとでチーム医療に関わりたいという希望であれば、整形外科クリニックまで視野を広げるほうが現実的です。
柔道整復師の勤務先別 従事者数(常勤換算)
就業柔道整復師78,666人という数字に病院勤務者は含まれていない
柔道整復師の人数としてよく引用されるのが、厚生労働省「衛生行政報告例(就業医療関係者)」の数字です。令和6年(2024年)12月31日現在で、就業柔道整復師は78,666人。前回の令和4年(77,632人)から1,034人(1.3%)増えています。柔道整復の施術所は50,924か所で、こちらはほぼ横ばいでした。
ただし注意したいのは、この78,666人は施術所で働いている柔道整復師を集計したもので、病院に勤務している人はこの母数に含まれていないという点です。
調査の主体も基準日も、実人員か常勤換算かという数え方も違うため、78,666人と364.5人を単純に割り算して「◯%」と語ることはできません。それでも桁がまるで違うことは確かで、病院勤務が圧倒的な少数派であることは押さえておきましょう。
出典:厚生労働省「令和5年医療施設(静態・動態)調査」/厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
柔道整復師が病院で働くならこの診療科

病院で働く柔道整復師の多くは、主に整形外科、リハビリテーション科の2つの診療科で活躍しています。
ただし、制度のうえで「この診療科に柔道整復師を置く」と決められているわけではありません。実際の採用は、運動器リハビリテーション料などの疾患別リハビリテーション料を届け出ている医療機関かどうかで決まります。診療科名はあくまで、その届出を持つ部門が置かれている場所と考えてください。
整形外科
整形外科は、柔道整復師の専門性が最も活かせる診療科です。
接骨院やクリニックと近しい業務内容のため、今までの経験を活かしやすい環境とも言えます。
私が経験した範囲では、具体的な業務内容は次のようなものでした。担当する範囲は施設ごとに違うため、応募前に必ず確認しておきたいところです。
整形外科での主な業務内容
接骨院やクリニックの外来との違いは、医師や看護師、薬剤師、理学療法士など多職種と関わりながら一人の患者さんをサポートする点です。
特に接骨院では、どのような症状なのか自分で判断しなければいけない場面が多いですが、病院の整形外科では必ず診断名がついているので、より効果的なアプローチを考え出すことができます。
また様々な疾患や外傷の患者さんが来院され、中には脳梗塞や循環器疾患の既往がある方もいるため、整形外科の治療スキルの幅が広がるだけでなく、整形外科疾患以外の知識も備わります。
リハビリテーション科
リハビリテーション科も、柔道整復師の活躍の場として注目されています。
ここでは主に、理学療法士や作業療法士と協力しながら、患者さんの機能回復をサポートします。
リハビリテーション科での主な業務内容
リハビリテーション科での働き方の特徴は、長期的な視点で患者さんと関わることができる点です。
整形外科だと週に1~2回の関わりとなることがほとんどですが、リハビリテーション科では外来を除き毎日関わることになります。
例えば、回復期病棟のリハビリテーション科に勤務した場合、脳卒中後の患者さんのリハビリ担当として、3~6ヶ月かけて目標ゴールまでサポートします。
患者さんの回復過程に寄り添えるのは、このリハビリテーション科勤務の醍醐味と言えます。
今のあなたの状況は?
柔道整復師の病院での働き方

病院で勤務する際の一般的な柔道整復師の1日のスケジュールをご紹介します。以下は私が総合病院で勤務していたときの1日の流れで、施設ごとに運用は異なります。
なお、病院以外も含めた働き方の選択肢を比べたい方は、柔道整復師が働ける場所を年収・休みで比較する記事もあわせてご覧ください。
病院勤務の柔道整復師の1日(筆者の例)
朝礼では、多職種を含めた全体の朝礼で患者さんの夜間の情報を申し受けます。他にも共有事項を報告したり、カルテの確認、予約の確認、検査の確認などを行います。
午前の診療では、問診や身体所見の確認を行い、医師に報告したり、処置やリハビリテーション業務にあたります。日によっては、カンファレンスもあります。
午後は、病院によっては外来対応は午前中のみ、午後は入院患者さんの対応メインと分けているところもあります。全ての診療が終わったら、カルテの記載や入退院に係る書類、カンファレンスや症例検討の書類作成などを行います。他にも自分が担当している院内業務があれば、それもこの時間帯に行うことが多いです。
カルテ記載や書類業務が終わっていれば、基本的に残業はありません。勉強会や症例検討会がある場合も、基本的には診療終了後の業務時間内に行われるところが多く、慣れれば定時上がりも当たり前にできたりします。
柔道整復師の求人を探す病院での柔道整復師の業務範囲|法律と診療報酬で決まるルール

病院で働くうえで一番気になるのが「実際に何をしてよくて、何ができないのか」という点だと思います。ここは感覚ではなく、柔道整復師法と診療報酬のルールで決まっています。
資格そのものの業務範囲を詳しく知りたい方は、柔道整復師法の業務範囲を解説した記事もあわせてご覧ください。
外科手術や薬の処方はできない(柔道整復師法第16条)
まず大前提として、柔道整復師は医師ではありません。病院に勤めていても、自分の判断で手術をしたり薬を出したりすることはできません。
病院では医師がすぐ近くにいるため、線引きに迷ったらその場で確認できます。これは接骨院にはない、病院ならではの安心材料でもあります。
骨折・脱臼の患部施術には医師の同意が必要(同法第17条)
柔道整復師法では、骨折や脱臼の患部への施術に医師の同意を求めています。応急手当をする場合だけが例外です。
接骨院では、この同意を得るために患者さんに整形外科の受診をお願いし、返事を待つ時間が発生します。病院なら医師が常駐しているため、その場で同意を確認して施術に入れます。これは病院勤務の実務上、非常に大きな違いです。
運動器リハビリテーション料(Ⅱ)で「理学療法士とみなす」届出ができる
そもそも、なぜ病院に柔道整復師のポストがあるのでしょうか。答えは診療報酬の施設基準にあります。
厚生労働省の「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」では、運動器リハビリテーション料(Ⅱ)の施設基準について、次のように定めています。
つまり、所定の研修を修了した柔道整復師は、運動器リハビリテーション料(Ⅱ)の届出において理学療法士とみなしてもらえるということです。病院が柔道整復師を採用する制度上の最大の理由が、ここにあります。
逆に言えば、この届出を持っていない病院には柔道整復師のポストがそもそも生まれにくいということでもあります。求人が少ない理由も、この構造から説明できます。
なお、通知の本文には研修の実施主体や名称までは書かれていません。「所定の研修の修了が条件」という理解にとどめ、具体的にどの研修が必要かは応募先の病院に確認するのが確実です。
リハビリの実施には医師または理学療法士の事前指示と事後報告が必要
実際にリハビリを担当するときにも、算定上のルールがあります。運動器リハビリテーション料は「医師の指導監督の下」行われたものについて算定するとされており、柔道整復師などが実施する場合は、医師または理学療法士が事前に指示を行い、かつ事後に報告を受けることが算定要件とされています。
また、柔道整復師が実施した分は、施設の届出区分にかかわらず運動器リハビリテーション料(Ⅲ)=85点で算定します。(Ⅰ)185点、(Ⅱ)170点と比べると点数が低く、これも採用枠が広がりにくい一因です。
脳血管疾患等リハビリテーション料や廃用症候群リハビリテーション料の(Ⅱ)(Ⅲ)の届出施設でも、運動療法機能訓練技能講習会を受講し定期的に適切な研修を修了していれば、同じ条件で訓練を担当できます。
ここで理解しておきたいのは立ち位置の違いです。理学療法士及び作業療法士法には「診療の補助として理学療法を行える」という規定がありますが、柔道整復師法には同じ規定がありません。理学療法士と同じ立場でリハビリを行うのではなく、医師や理学療法士の指示・監督のもとで従事する立場になる、と理解しておきましょう。
出典:e-Gov法令検索「柔道整復師法」/厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」/厚生労働省「医科診療報酬点数表に関する事項」
柔道整復師が病院で働くメリット

医師や多職種と連携して働ける
病院勤務の最大の魅力は、様々な医療専門職とのチーム医療が実現できることです。
医師と治療方針の確認や患者さんの状態報告を日常的に行い、看護師と患者さんの全身状態や服薬情報などを共有します。
理学療法士や作業療法士とはリハビリテーション計画を共同で立案します。
他にも薬剤師や管理栄養士、診療放射線技師など関わる多職種はとても多く、様々な専門スタッフの意見や考えをもとにゴール設定を行います。
チーム全員で同じ目標を持って働くことは、接骨院ではなかなか味わうことができないものです。
病院が行う研修や勉強会に参加できる
病院では定期的に院内研修や勉強会が開催されます。
これらは、最新の医療知識や技術を学べる貴重な機会です。
他にも月1回ペースでの症例検討会や医療安全委員会などもあります。
特に症例検討会では、自分が治療で悩んでいる患者さんに対して、多職種からも様々な意見やアドバイスをもらうことができます。
準備が大変だったり、厳しい意見をもらうこともありますが、自分の視野やスキルの幅が広がるいい機会です。
運動器リハビリテーション料の従事者として必要になる研修についても、病院に所属していれば情報が入りやすく、勤務先の支援を受けながら受講できるケースがあります。
終業時間が早い
私が勤務していた病院では、17~18時には終業となっていました。
これは、接骨院やクリニックと比べると、かなり早い終業時間だと言えます。
ワークライフバランスを重視する方にとって大きなメリットになる他、接骨院で毎日終電近くまで働いていて疲弊している方にとっても、労働環境を改善できるため病院勤務が人気となっています。
ただし、勤務時間は病院ごとの就業規則で決まります。外来の受付時間、リハビリ枠の設定、当直やオンコールの有無、年間休日数は求人票で必ず確認してください。
収入が安定しやすい
病院勤務の場合、基本的に月給制となるため、収入の安定が見込めます。
金額についてお伝えしておくと、柔道整復師だけを取り出した公的な賃金統計は存在しません。厚生労働省「賃金構造基本統計調査」では、柔道整復師はあん摩マッサージ指圧師や救急救命士などとまとめて「その他の保健医療従事者」に分類されています。
令和6年(2024年)調査(企業規模10人以上・産業計・一般労働者)でこの区分を見ると、きまって支給する現金給与額が月額30万3,600円、年間賞与その他特別給与額が65万9,000円。単純計算すると年収はおよそ430万円(男性約476万円/女性約369万円、平均年齢39.9歳・平均勤続9.3年)となります。
「その他の保健医療従事者」の推計年収(令和6年)
※柔道整復師単独の数値ではなく、施術所勤務者等も含む区分の平均
この数値は施術所で働く方も含んだものなので、病院勤務者だけを抜き出したデータではない点にご注意ください。年収そのものをもっと詳しく知りたい方は、柔道整復師の年齢別平均年収を解説した記事をご覧ください。
もう1つ、制度面から言える安定材料があります。看護職員処遇改善評価料の賃金改善の対象にできる職種として、通知の別表に「柔道整復師」が明記されています。ただし、この評価料を届け出るかどうか、誰に配分するかは医療機関の裁量なので、必ず賃上げされるという意味ではありません。
経営が安定している母体の大きい病院であれば福利厚生も充実しているので、賞与の支給月が多かったり、住宅手当が支給されたり、毎食のランチに手当がついたりします。
求人票に書かれている給与は接骨院やクリニックとあまり違いがないように感じても、福利厚生の充実度によっては意外と高い手取り額となることも期待できます。
また、自分で集客するノルマやインセンティブによる変動がないことも考慮すると、収入が毎月安定していると言えます。
出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」/厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」別表1
転職活動するなら?
柔道整復師が病院で働くうえで大変なこと

メリットばかりお伝えするのはフェアではないので、実際に働いて感じた大変な面もお話しします。ここを知らずに飛び込むと、思っていたのと違ったということになりかねません。
求人の母数が小さく、募集が出るタイミングを逃せない
冒頭でお伝えしたとおり、病院で働く柔道整復師は常勤換算364.5人しかいません。そもそもポストの総数が少ないため、求人が出る頻度も低いのが現実です。
しかも欠員補充の募集が多く、出てもすぐ埋まります。転職を考えているなら、日常的に求人情報をチェックしておき、条件が合うものが出たらすぐ動ける状態にしておくことが大切です。
医師や理学療法士の指示のもとで動く場面が多い
運動器リハビリテーションは、医師の指導監督のもとで行われ、実施にあたっては医師または理学療法士の事前指示と事後報告が算定要件になっています。
そのため、接骨院のように自分の判断で施術内容を組み立てる裁量は小さくなります。「自分の手技で治す」というやりがいを重視してきた方ほど、最初は物足りなさを感じるかもしれません。
一方で、報告や相談の相手が常にいる環境は、判断に迷ったときの安心感につながります。どちらを重視するかは人によって分かれるところです。
保険請求や経営のノウハウは身につきにくい
病院勤務では、柔道整復の療養費(受領委任)の請求業務を担当しません。レセプトは医療機関のルールで処理されるため、接骨院で必要になる保険請求の実務は経験できないと考えておいたほうがよいでしょう。
集客や売上管理といった経営面の感覚も、勤務医療機関のなかでは身につきにくい部分です。将来の開業を視野に入れているなら、病院勤務だけでキャリアを完結させない設計が必要になります。
継続的な学習と多職種とのコミュニケーションが求められる
病院で働くには、運動器リハビリテーションに係る所定の研修を修了していることが前提になります。入職後も、院内研修や症例検討会への参加が日常的に求められます。
また、柔道整復師の在籍人数が少ない職場では、同じ資格の相談相手が院内にいないこともあります。理学療法士や看護師など他職種と共通言語で話す力が必要になり、そこに負担を感じる方もいます。
- 疾患別リハビリテーション料の届出区分(運動器リハ(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)のどれか)
- 研修の修了が応募条件か、入職後の受講支援があるか
- 柔道整復師が院内に何人在籍しているか
- 担当業務の範囲(外来中心か、入院リハ中心か、書類業務の比重)
病院と整骨院・接骨院はどう違う?働き方を比較

ここまで病院の話をしてきましたが、多くの方が本当に知りたいのは「で、整骨院・接骨院と比べてどうなの?」というところだと思います。全体像を表で整理しました。
病院 と 整骨院・接骨院 の違い
| 項目 | 病院 | 整骨院・接骨院 |
|---|---|---|
| 受け皿の規模 | 常勤換算364.5人(全国の病院合計) | 柔道整復の施術所は50,924か所 |
| 主な業務 | 医師の指示下でのリハビリ、診察補助、書類業務 | 問診から施術まで自分で担当し、療養費請求も行う |
| 骨折・脱臼の施術 | 院内の医師にその場で同意を確認できる | 患者さんに受診をお願いし、医師の同意を得る必要がある |
| 裁量の大きさ | 事前指示・事後報告が前提で裁量は小さい | 施術方針を自分で組み立てられる |
| 収入の形 | 月給制。賞与・社会保険・各種手当が整いやすい | 歩合やインセンティブで変動する場合がある |
| 身につくもの | チーム医療、多職種連携、疾患横断の知識 | 手技の実践量、保険請求の実務、経営感覚 |
※人数は令和5年医療施設調査(常勤換算)、施術所数は令和6年衛生行政報告例。調査時点・定義が異なるため直接の割り算はできない
仕事内容と裁量の違い
整骨院では、来院した患者さんの状態を自分で見立て、施術方針を決めて、療養費の請求まで行います。すべてが自分の判断の延長線上にあります。
病院では、医師が診断をつけ、その指示のもとでリハビリや処置を担当します。診断名がついた状態から関われるので、狙いを定めたアプローチができる反面、自分だけで完結する場面は減ります。
また、病院では紙とデータの仕事が確実に増えます。カルテ記載、リハビリの記録、カンファレンス資料、入退院に関わる書類など、施術以外の時間の比重が上がる点は知っておいてください。
収入・雇用条件の違い
前述のとおり、柔道整復師の勤務先別の賃金を分けて示した公的統計はありません。そのため「病院のほうが高い・低い」と断定することはできません。
比較すべきは金額そのものより、収入の「形」です。病院は月給制で、賞与・社会保険・住宅手当などが就業規則で定められています。自分で集客するノルマがなく、毎月の手取りが読めることが最大の違いです。
加えて、看護職員処遇改善評価料の賃金改善対象職種に柔道整復師が含まれている点も、医療機関ならではの要素です。ただし届出と配分は病院の裁量なので、面接時に確認しておくとよいでしょう。
身につくスキルと開業への近さの違い
将来の開業を考えている方に、必ず押さえてほしいルールがあります。受領委任を取り扱う施術管理者になるには実務経験が必要で、その期間は3年以上とされています。
このうち保険医療機関(病院・診療所)で従事した期間は2年まで算入できます。つまり病院勤務の年数は無駄になりませんが、3年すべてを病院で埋めることはできず、最低1年以上は登録施術所での経験が必要という設計です。
逆に言えば、病院で2年、施術所で1年以上といった組み立て方も可能ということです。開業までの道のり全体は、柔道整復師が開業するにはを解説した記事で確認してください。
出典:厚生労働省「柔道整復師の施術に係る療養費の受領委任を取扱う施術管理者の要件について」(保発0221第2号)/厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
柔道整復師の求人を探す柔道整復師として病院で働きたいなら

病院での勤務に興味を持った柔道整復師に、具体的なアドバイスをさせていただきます。
柔道整復師として病院で働きたいなら、まずは柔道整復師を募集している病院を探す必要があります。
募集の母数が少ないことが多いため、自分で求人サイトを使って探す他にも、転職エージェントを利用して自分に合った病院を探してもらうといった方法もおすすめです。
探すときのコツは、「病院」という言葉だけで検索しないことです。次のキーワードを使い分けると、見つかる求人の数が変わります。
病院系の求人を見つけるための検索キーワード
柔道整復師としての経験が浅くても教育体制がしっかりしている病院なのか、即戦力を欲している病院なのかによって応募の意思決定が変わってくるので、応募前の下調べも重要です。
病院勤務は、チーム医療に興味がある方、幅広く多職種の専門性も治療に取り入れたい方、ワークライフバランスを大事にしたい方におすすめしたい働き方です。
新しい環境に飛び込むのは勇気がいることかもしれませんが、病院で働いてみたい!という意欲がある柔道整復師の方はぜひ、自分の可能性を信じて挑戦してみてください!
実際の募集状況は柔道整復師の求人を探すページから確認できます。
お探しの求人は?
柔道整復師の病院勤務に関するよくある質問

病院勤務について、相談を受けることの多い質問をまとめました。
よくある質問
未経験・新卒でも病院に就職できますか?
通知のうえでは、柔道整復師に実務経験年数を課す規定は置かれていません。要件として書かれているのは、運動器リハビリテーションに係る所定の研修を修了していること、専従の常勤職員であること、医師の監督下の体制があることです。ただし採用は病院ごとの判断なので、教育体制のある病院かどうかを事前に確認してください。
病院と整形外科クリニックは何が違いますか?
制度上は病床数による区分の違いです。柔道整復師にとって実務的に大きいのは受け皿の規模で、病院が常勤換算364.5人であるのに対し、一般診療所は3,316.4人と約9.1倍あります。チーム医療に関わりたいという目的なら、整形外科クリニックも候補に入れるのが現実的です。
柔道整復師が病院でリハビリを担当してもよいのですか?
担当できます。医師または理学療法士の事前指示と事後報告を条件に、運動器リハビリテーション料(Ⅲ)を算定できると定められています。脳血管疾患等リハビリテーション料や廃用症候群リハビリテーション料の(Ⅱ)(Ⅲ)の届出施設でも、運動療法機能訓練技能講習会の受講などを条件に従事できます。
病院で働きながら将来の開業準備はできますか?
できます。受領委任を取り扱う施術管理者の実務経験は3年以上必要で、そのうち保険医療機関で従事した期間は2年まで算入できます。ただし残りは登録施術所での経験が必要です。なお通知では、保険医療機関での経験が必須ではないことも示されています。
まとめ|病院で働く柔道整復師は少数派だが、制度上の居場所は明確にある

病院で働く柔道整復師は、全国で常勤換算364.5人。数のうえでは間違いなく少数派です。
それでも、運動器リハビリテーション料(Ⅱ)の施設基準に柔道整復師が名指しで書かれている以上、制度上の居場所ははっきりあります。「柔道整復師は病院では働けない」というのは、正確ではありません。
応募に向けて準備するなら、まず運動器リハビリテーションに係る所定の研修について確認すること。そして求人を探すときは、病院という言葉だけでなく、整形外科クリニック・リハビリテーション科・運動器リハビリテーション・機能訓練指導員といったキーワードを使い分けることです。
受け皿は病院より一般診療所のほうが約9倍大きいので、病院にこだわりすぎず視野を広げるほうが、希望する働き方に近づけることも多いはずです。
将来の開業を考えている方も、保険医療機関での経験は施術管理者要件の3年のうち2年まで算入できます。病院で過ごす時間は、決して遠回りにはなりません。
チーム医療のなかで自分の専門性を活かしたい方は、ぜひ一歩を踏み出してみてください。


