コメディカル・メディカルスタッフってなに?医療現場を支える代表的な22の職種をご紹介!

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「コメディカル」という言葉からどんなことを想像しますか?

聞いたことはあるけれど詳しくは知らない。もしくは”メディカル”と付いているので何となく医療関連のことが頭に浮かぶかもしれません。

医療現場では患者さんの健康を多角的にサポートする「コメディカル」と呼ばれる職種が必要不可欠です。

そもそも「コメディカル」と呼ばれる職種とは一体なんなのか、どんな職種が該当しているのかなど、医療現場のサポート役「コメディカル」に焦点を当て、その多様な職種について紹介します。

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目次

コメディカル・メディカルスタッフとは?

医療現場では医師だけではなく、多種多様な専門職の人たちが重要な役割を担って働いています。

コメディカルの定義

医師、歯科医師を除いたこれらの医療現場で働く職種の総称を「コメディカル」と呼んでいます。

メディカルスタッフと呼ぶ場合も多いですが、これらの呼び方だと該当する職種の範囲が不明確ということもあり、それぞれの職種名で表記することも増えてきています。

それでは、どのような職種がコメディカルに含まれているのでしょうか。

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コメディカル・パラメディカル・メディカルスタッフの違い

用語の違いを調べる本と電球のイメージ

この記事のタイトルにも「コメディカル」と「メディカルスタッフ」という2つの言葉が並んでいますが、なぜ同じ人たちを指すのに呼び方が複数あるのでしょうか。ここに「パラメディカル」を加えた3つの言葉は、生まれた時期も、込められた意味合いも異なります。

違いを読み解く鍵は、言葉の頭に付いた接頭辞にあります。para(補助)からco(協同)へ、そして接頭辞を持たないメディカルスタッフ(対等な一員)へ。呼び方は、医師との関係性のとらえ方が変わるのに合わせて置き換わってきました。まずは3語の違いを表で整理します。

3つの呼び方の違い
用語接頭辞の意味使われ始めた時期現在の位置づけ英語圏での意味
コメディカル(co-medical) co = 協同・ともに 1982年ごろ(通説) 日本癌治療学会などが使用自粛を表明 和製英語で英語圏には存在しない
パラメディカル(paramedical) para = 補助・側面・準ずる 起点は不詳(英語由来の外来語) 上下関係を連想させるとして敬遠されることがある paramedic は救急救命士という職種名
メディカルスタッフ(medical staff) 接頭辞なし。staff = 対等な一員 2010年の厚生労働省通知以降 行政・学会文書での標準的な言い換え語 病院に所属する医師団を指す場合が多い
※コメディカルの提唱年は通説に基づくもので、一次資料では確認できていません。

表のとおり、3語は日本語での使われ方だけでなく、英語圏での意味も大きく異なります。ここからは接頭辞が持つ意味の違い、行政用語としての定着、学会による使用自粛の経緯を順に見ていきましょう。

パラメディカルとコメディカルの違い|para(補助)とco(協同)

パラメディカル(paramedical)の para- は、「補助・側面・準ずる」という意味を持つ接頭辞です。そのため日本語では「医師の医療行為を補助する職種」というニュアンスで受け取られる場合が多くなります。英語由来の外来語であり、コメディカルより先に日本語へ入ってきた言葉といえます。

一方、コメディカル(co-medical)の co- は「協同・ともに」を指し、医師と一緒に医療をつくるという発想から生まれました。1982年に東京慈恵会医科大学学長の阿部正和氏が提唱したとされていますが、こちらは英語圏に存在しない和製英語です。どちらも「医師とそれ以外」という線引きを前提にしている点は共通しており、後の見直しにつながっていきます。

メディカルスタッフという呼び方が主流になった理由

メディカルスタッフには接頭辞がなく、staff という語そのものがチームを構成する対等な一員を意味します。広まる後押しとなったのは、2010年4月30日付の厚生労働省医政局長通知(医政発0430第1号)「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」でした。行政文書で用いられたことにより、学会や医療機関の資料でも標準的な言い換え語として定着しつつあります。

ただし英語の medical staff は、病院に所属する医師団を指す場合が多く、日本語で「医師以外」を表す用法とは意味がほぼ逆転しています。paramedic も英語圏では救急救命士という特定の職種名です。英文履歴書や国際学会の抄録では、総称をそのまま英訳せず、正式な職種名を英語で書くほうが誤解を避けられます。

2012年、日本癌治療学会が「コ・メディカル」の使用自粛を会告した経緯

呼び方の見直しがはっきりと形になったのが、2012年1月25日に日本癌治療学会が出した会告です。学会は「コ・メディカル」という用語について、次の3点を問題点として挙げました。

「コ・メディカル」という言葉は、一般的には医師以外の医療専門職(看護師、薬剤師、検査技師等)の方を意味する用語として現在広く使用されていますが、この用語には、

  • 意味する職種の範囲が不明確である
  • 「喜劇」の形容詞と解釈される場合があり和製英語としても不適切である
  • 「医師とそれ以外」といった上下関係を暗示させ、すべての医療人が対等に参画することが原則のチーム医療の精神に反する

等の問題点が兼ねてより指摘されています。

日本癌治療学会 会告(2012年1月25日)

そのうえで学会は、コ・メディカルの使用を原則として自粛し、医師・薬剤師・看護師・診療放射線技師といった正式名称を使用することを推奨しています。2012年3月には日本放射線技術学会、続いて日本核医学技術学会などが同調する会告を発出し、正式名称への言い換えが医療界へ広がりました。

呼び方が移り変わってきた流れ
1982年(通説)
東京慈恵会医科大学学長・阿部正和氏が「コ・メディカル」を提唱したとされる
1980〜2000年代
「コメディカル」が医療現場や医療系メディアで、医師以外の医療専門職を指す総称として定着
2010年4月30日
厚生労働省医政局長通知「医政発0430第1号 医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」が発出され、行政文書として「医療スタッフ」の語が用いられる
2012年1月25日
日本癌治療学会が「コ・メディカル」の使用を原則として自粛する方針を表明
2012年3月〜現在
日本放射線技術学会・日本核医学技術学会などが同調する会告を発出し、正式名称の使用への言い換えが医療界に広がる

求人票や職務経歴書ではどの呼び方を使うべき?

では、求人票や職務経歴書ではどの呼び方を選べばよいのでしょうか。実務では総称を避け、法令や資格制度に基づく正式な職種名をそのまま記載する方法がおすすめです。具体的には次のような書き分けになります。

  • 職務経歴書は「コメディカルとして5年」ではなく「臨床検査技師として5年」と資格名で書く
  • 複数の職種をまとめて説明する場面では「医療スタッフ」や「医師以外の医療専門職」と表現する
  • 英文の書類では co-medical を使わず、Registered Nurse や Physical Therapist などの職種名を用いる
  • 職種名には担当した業務内容を添え、経験の中身が伝わるようにする

総称は、意味する職種の範囲が読み手によって変わってしまいます。コメディカルには学会レベルで使用自粛が呼びかけられた経緯もあるため、正式名称と担当業務をセットで記載するほうが、専門性が採用担当者へ正確に伝わると考えられます。

出典:日本放射線技術学会「コ・メディカルという用語の使用自粛について」日本癌治療学会「コ・メディカル用語の使用自粛のお知らせ」厚生労働省「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」

今のあなたの状況は?

コメディカル22職種の分野別マップ|資格区分と主な職場で早見

チェックリストと書かれた紙とペン

コメディカルと一口にいっても、担当する領域や求められる資格は職種ごとに大きく異なります。このあと22職種を1つずつ紹介していきますが、その前に全体像を整理しておきましょう。

ここでは22職種を7つの分野に分け、資格区分・主な養成ルート・主な職場を一覧にまとめました。自分の関心がどの分野に近いのかを先に把握しておくと、個別の職種紹介も読み進めやすくなります。

分野別に見る22職種の早見表

22職種を、診療・ケア系/薬・栄養系/検査・画像診断系/リハビリテーション系/心理・福祉系/東洋医学・施術系/歯科系の7分野に分けて整理しました。同じ分野の職種は働く場所や連携する相手が近く、比較検討の出発点になります。

資格区分の欄では、業務独占をオレンジ、それ以外をグレーのラベルで示しています。まずは気になる分野をざっと眺め、詳しい仕事内容はこのあとの職種紹介で確認してみてください。

コメディカル22職種 分野別早見表
職種名資格区分主な養成ルート主な職場
診療・ケア系
看護師業務独占国家資格3年制の看護専門学校または4年制の看護系大学・短大病院、診療所、訪問看護ステーション、介護施設
保健師名称独占国家資格看護師資格取得後、保健師養成課程(1年以上)修了保健所、市区町村保健センター、企業の健康管理室、学校
助産師業務独占国家資格看護師資格取得後、助産師養成課程(1年以上)修了病院・診療所の産科、助産所、市区町村保健センター
臨床工学技師名称独占国家資格3〜4年制の養成校病院の臨床工学部門・手術室・透析室、医療機器メーカー、健診機関
薬・栄養系
薬剤師業務独占国家資格6年制の薬学部病院・診療所の薬剤部、保険薬局、製薬会社、行政機関
管理栄養士名称独占国家資格4年制の管理栄養士養成施設、または栄養士資格取得後1〜3年以上の実務経験病院・診療所、学校、介護老人福祉施設、行政
検査・画像診断系
診療放射線技師業務独占国家資格3〜4年制の養成校病院・診療所の放射線科、健診センター、検診機関
臨床検査技師名称独占国家資格3〜4年制の養成校病院・診療所の検査室、検査センター、健診機関
リハビリテーション系
義肢装具士名称独占国家資格3年制以上の養成校義肢装具製作会社、病院のリハビリテーション部門、義肢装具製作所
視能訓練士名称独占国家資格3〜4年制の養成校眼科診療所、病院の眼科、健診機関
理学療法士(PT)名称独占国家資格3〜4年制の養成校病院・診療所、介護老人保健施設、訪問リハビリテーション事業所、スポーツ関連施設
作業療法士(OT)名称独占国家資格3〜4年制の養成校病院・診療所、精神科医療機関、介護老人保健施設、障害者支援施設
言語聴覚士名称独占国家資格3〜4年制の養成校、または一般大学卒業後2年制養成課程修了病院・診療所、老人保健施設、児童発達支援施設、特別支援学校
心理・福祉系
公認心理師名称独占国家資格4年制大学(指定科目履修)+大学院、または実務経験3年以上病院・クリニックの精神科、学校、福祉施設、企業の相談室
臨床心理士民間資格指定大学院修了病院・クリニック、学校、福祉施設、企業の相談室
介護福祉士名称独占国家資格3年制以上の福祉系養成校、または実務経験3年以上+実務者研修介護老人福祉施設、介護老人保健施設、訪問介護事業所、障害者支援施設
社会福祉士名称独占国家資格4年制大学(指定科目履修)、または一般大学卒業後養成施設修了福祉事務所、地域包括支援センター、病院の医療ソーシャルワーカー部門、社会福祉施設
東洋医学・施術系
柔道整復師業務独占国家資格3年制以上の養成校接骨院・整骨院、病院・診療所のリハビリ部門、介護施設、スポーツ関連施設
あん摩マッサージ指圧師業務独占国家資格3年制以上の養成校あん摩マッサージ指圧院、病院・介護施設(機能訓練指導員等)、企業のヘルスキーパー
鍼灸師業務独占国家資格3年制以上の養成校(はり師・きゅう師それぞれの国家試験)鍼灸院、接骨院との併設施設、スポーツ関連施設
歯科系
歯科衛生士業務独占国家資格3年制以上の養成校歯科診療所、病院の歯科口腔外科、保健所・市区町村保健センター
歯科助手資格不要資格不要(実務研修や民間講座は任意)歯科診療所(受付・診療補助業務)

臨床工学技師の法令上の正式名称は「臨床工学技士」です(臨床工学技士法)。資格区分と養成ルートはe-Gov法令検索で各根拠法を確認しています。

表を横に見ていくと、養成ルートの長さと資格区分は必ずしも一致しないことが分かります。3年制の養成校で受験できる職種もあれば、看護師資格を取得したうえでさらに1年以上学ぶ職種もあります。

国家資格・民間資格・無資格で就ける職種の違い

転職先を検討するうえで押さえておきたいのが、業務独占名称独占の違いです。この2つを混同すると、求人票を見たときに応募できるかどうかの判断を誤りやすくなります。

業務独占は、資格を持たない人がその業務そのものを行うことを法律で禁じている区分です。名称独占は、資格取得者以外がその名称を名乗ることを禁じる区分で、業務自体は無資格でも行える場合があります。

資格区分4種の違い
業務独占

資格を持たない人がその業務を行うこと自体を法律で禁じている区分です。

薬剤師の調剤、柔道整復師の施術など

名称独占

業務自体は無資格でも行える場合がありますが、資格取得者以外がその名称を名乗ることは禁じられています。

理学療法士、社会福祉士、管理栄養士など

民間資格

国の法律に基づかず、民間団体が独自の基準で認定している資格です。

臨床心理士(日本臨床心理士資格認定協会が認定)

資格不要

法律上の資格制度そのものが存在せず、実務研修や民間講座の受講は任意です。

歯科助手

読者が誤解しやすいのが臨床検査技師です。臨床検査技師は名称独占の国家資格ですが、採血や検体採取などは医師・歯科医師の具体的な指示の下で「診療の補助」として実施できると法律に定められています。

名称独占だから何でも無資格で代替できる、という理解は正確ではありません。実際に任される業務範囲は根拠法の規定によって決まるため、求人票の業務内容と資格要件を合わせて確認するのがおすすめです。

病院以外にどんな職場がある?(介護・企業・行政・在宅)

早見表の「主な職場」の列を見ると、病院以外の選択肢が想像以上に広いことが分かります。介護、企業、行政、在宅の4方向で整理すると、キャリアの選び方を考えやすくなります。

たとえば薬剤師は保険薬局や製薬会社、行政機関でも働けますし、管理栄養士は学校給食や介護施設、保健所が活躍の場になります。働く場所によって求められる役割も変わるため、職種名だけで進路を決めない視点が役立ちます。

  • 介護分野: 介護福祉士の訪問介護事業所・障害者支援施設、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の介護老人保健施設や訪問リハビリテーション事業所
  • 企業分野: 保健師の健康管理室、公認心理師・臨床心理士の相談室、あん摩マッサージ指圧師のヘルスキーパー
  • 行政分野: 保健師・助産師・歯科衛生士が働く保健所や市区町村保健センター、社会福祉士の福祉事務所や地域包括支援センター
  • 在宅・地域分野: 看護師の訪問看護ステーション、柔道整復師や鍼灸師の開業・スポーツ関連施設

教育の現場も選択肢の1つで、言語聴覚士は特別支援学校、公認心理師や臨床心理士はスクールカウンセラーとして関わる場合が多いです。病院勤務を前提にせず探すと、候補は大きく広がると考えられます。

出典:e-Gov法令検索厚生労働省「資格・試験情報」

キャリアパートナーからのアドバイス
  • 業務独占か名称独占かで、求人の応募条件は大きく変わります
  • 同じ資格でも、病院・介護・企業で仕事の中身は別物です
  • 分野が近い職種は、経験を活かして横に移れることがあります
キャリアパートナー

コメディカル・メディカルスタッフの職種紹介

医療現場を支えるコメディカル/メディカルスタッフには、多岐に渡る専門職があります。

ここではその一端を知ってもらうために、代表的な職種をピックアップしてご紹介していきます。

薬剤師

薬剤師は、医薬品の専門家として医療の場で不可欠な役割を果たしています。

医師が処方した薬の調剤を行うだけでなく、患者さんへの服薬指導を通して、薬の正しい使用方法や副作用の管理を行います。

また薬剤師は病院だけでなく、ドラッグストアや薬局での相談役としても活躍しており、地域医療への貢献も大きい職業です。

薬剤師の詳細なアドバイスは、患者さんの健康維持に欠かせないサービスの一つとなっています。

看護師

看護師は、医療現場において患者さんの健康管理とケアを行う専門職です。

看護師の役割は多岐にわたり、患者さんの身体的なケアだけでなく、精神的な支援も含まれます。

看護師は患者さんとその家族に対して、疾病の予防、健康の維持・促進、病気の治療、リハビリテーションの支援など、広範囲にわたるサービスを提供します。

看護師の就職先は非常に多岐にわたります。

主な就職先としては、病院、診療所、公衆衛生施設、介護施設、学校、企業の保健室などがあります。

また進んで資格や経験を積むことにより、専門看護師や認定看護師といったさらに高度な専門性を持つ看護師への道もあります。

保健師

保健師は、公衆衛生の向上と地域社会の健康促進を目指す専門職です。

保健師の主な業務は、疾病の予防、健康の保持・増進、生活環境の改善に関わる活動を行うことです。

保健師は、個人だけでなく、家族や地域社会全体の健康に対するアプローチを行います。

これには、健康教育、予防接種、健康相談、疫学調査、保健指導などが含まれます。

保健師の就職先は多岐にわたりますが、主に公的機関である保健所や市町村の保健センター、病院、学校、企業の健康管理部門などがあります。

またNPO法人や国際機関で活動する機会もあります。

助産師

助産師は、妊娠、出産、産後ケアを専門とする医療専門職です。

母体と胎児の健康管理、安全で自然な出産のサポート、新生児のケア、そして出産後の母親の健康回復を支援します。

助産師の役割は、医療的介入が必要ない正常な妊娠と出産プロセスの管理に重点を置いていますが、緊急時には医師と連携して対応します。

またフリーランスとして独立開業する助産師や自宅出産をサポートする助産師もおり、妊婦とその家族の希望に応じた多様なケアを提供しています。

義肢装具士

義肢装具士は、医療機器や福祉用具の設計・製作・調整を行う専門職です。

主に、障害を持つ人々や高齢者が日常生活や社会生活を送るのを支援するための装具(サポート用の器具や支援具)を扱います。

義肢装具士の業務は、単に装具を製作・提供するだけでなく、使用者の身体的条件や生活環境に合わせたカスタマイズが重要となります。

そのため、医師や理学療法士(PT)、作業療法士(OT)などの他の医療専門家と連携し、利用者さんに最適な装具を提供するための評価や相談を行うことが求められます。

視能訓練士

視能訓練士は、目の機能障害を持つ人々に対する診断支援、治療、リハビリテーションを行う医療専門職です。

視能訓練士の業務は多岐にわたり、主には視力検査、斜視・弱視の評価と治療、眼球運動障害のリハビリテーション、ビジョンセラピーなどがあります。

高齢社会の進展やデジタルデバイスの普及により、視覚に関する問題が増えている現代において、視能訓練士の役割はますます重要になっています。

理学療法士(PT)

理学療法士は、疾患や怪我による運動機能の障害を持つ患者さんに対して、運動療法や物理療法を用いて治療を行います。

その目的は、痛みの軽減、機能回復、運動能力の向上を図り、日常生活や社会生活への復帰を支援することです。

リハビリテーションプランの作成、運動指導、歩行訓練、姿勢改善など、様々な治療を提供します。

中にはスポーツ現場で活躍している理学療法士も存在します。

作業療法士(OT)

作業療法士は、身体的、精神的障害を持つ患者さんが日常生活や社会生活を自立して送れるように、作業活動を通じて支援します。

この「作業」には、個人の日常生活動作(ADL)、仕事、趣味、学習などが含まれます。

作業療法士は、患者さんの能力や環境を評価し、必要なスキルの訓練や環境調整を行うことで、生活の質の向上を目指します。

言語聴覚士

言語聴覚士は、言語、発話、嚥下(えんげ)、聴覚に関する障害を持つ人々の診断と治療を行います。

発音障害、言語発達遅延、失語症、聴覚障害、嚥下障害などが対象です。

言語聴覚士は、患者さん一人ひとりのニーズに合わせた治療計画を立て、言語やコミュニケーション能力の向上、嚥下機能の改善に向けて支援します。

公認心理師

公認心理師は、心理学の専門知識を生かして、心の悩みや精神的な問題を持つ方々のサポートを行います。

カウンセリングや心理療法を通じて、患者さんの精神的な健康を守り、生活の質の向上を目指します。

また、予防や教育、研究などの分野でも活躍することができる多岐にわたる専門職です。

公認心理師は、2015年に公認心理師法が公布され、2017年に全面施行されたことで誕生した、比較的新しい国家資格です。第1回の公認心理師試験が実施されたのは2018年でした。

同法では公認心理師の活動分野を「保健医療、福祉、教育その他の分野」と定めており、医療分野だけに限られる資格ではありません

臨床心理士

臨床心理士は、心理学の専門家として、心理的な問題や障害を抱える個人や家族の診断、評価、治療を行います。

カウンセリングや心理療法を通じて、患者さんの精神的な健康をサポートし、社会復帰や生活の質の向上を目指します。

病院や学校、福祉施設など、さまざまな場所で活躍しています。

今のところは業務内容において公認心理師と明確に大きな違いがあるわけではないですが、臨床心理士は民間資格であり、5年に一度の更新が必要となっています。

介護福祉士

介護福祉士は、主に高齢者や障害を持つ人々に対して、日常生活をサポートする専門職です。

そのサポートは身体的な介護だけでなく、社会参加やレクリエーション活動の支援も含まれます。

食事や入浴などの日常生活の支援、社会参加や趣味活動の支援のなど、その人らしさを尊重したケアを提供することが必要になってきます。

社会福祉士

社会福祉士は、個人や家族が抱える様々な問題に対して、専門的なアドバイスやサービスの提供を行う専門職です。

その活動範囲は広く、貧困、虐待、障害、高齢化、依存症など、社会的な問題の解決に向けて支援します。

社会福祉士は、利用者さん一人ひとりの権利を守り、より良い生活が送れるように支援することが目標です。

管理栄養士

管理栄養士は、人々の健康を栄養面からサポートする専門家です。

食事の計画、指導、栄養評価を行うだけでなく、病院や福祉施設、学校などでの給食管理も担当します。

管理栄養士の専門知識は、食生活や健康、疾病予防に不可欠で、特に病院では治療の一環として栄養摂取が非常に重要視されています。

また、健康志向が高まる中、一般企業や地域の健康推進活動における彼らの役割も重要になってきています。

診療放射線技師

診療放射線技師は、レントゲンやCT、MRIといった医療用の画像診断装置を操作し、適切な画像を撮影する専門家です。

診療放射線技師は患者さんに安全な方法で画像撮影を行い、正確な診断に必要なデータを提供します。

また近年では放射線治療に関わる技師も増えており、医療チームの一員として患者さんの治療に直接関わることもあります。

臨床工学技師

医療の現場で使用される様々な生命維持装置や治療機器の管理・運用を担うのが臨床工学技師です。

医療機器の専門家として、機器のメンテナンスやトラブルシューティングを行います。

また、手術の際には機器の操作を担当したり、医師の指示のもとに医療機器を用いた治療を行うこともあります。

急速に進歩する医療技術の中で、常に最新の知識を学び続けることも重要な役割となります。

臨床検査技師

臨床検査技師は、医師の診断や治療のために必要な検査を行う専門家です。

血液や尿、組織などの検体を分析し、病気の有無や進行度を調べます。

臨床検査技師が行う臨床検査は、医師が的確な診断を下すための情報を与える重要なものです。

正確な検査結果を提供することで、患者さんの健康を支えています。

柔道整復師

柔道整復師は、骨折や脱臼、捻挫などの外傷の応急処置やリハビリテーションを行う専門家です。

手技療法や運動療法を通じて、患者さんの身体機能の回復をサポートします。

スポーツ現場や整骨院などで活躍し、身体の健康維持に貢献しています。

独立して自分の院を持つ柔道整復師も多く、幅広い分野での活躍が期待できます。

あん摩マッサージ指圧師

あん摩マッサージ指圧師は、日本で認められた医療関連の専門職であり、手技療法を用いて人々の健康維持や疾病の予防、治療を行います。

あん摩マッサージ指圧師は日本独特の資格制度に基づいており、あん摩(圧迫)、マッサージ(擦る)、指圧(圧を指で加える)という三つの手技を中心に、患者さんの身体的な不調を和らげることを目的としています。

高齢者の増加や健康志向の高まりに伴い、予防医学の一環としてのニーズが拡大しています。

鍼灸師

鍼灸師は、鍼(はり)と灸(きゅう)を用いた治療を行う伝統的な東洋医学に基づいた専門職です。

鍼治療は、特定のツボに細い鍼を刺入することで、体内の気の流れを調整し、患者さんの健康状態を改善することを目的としています。

灸治療は、ツボの上に灸(もぐさ)を置き、温熱刺激によって同様の効果を目指します。

これらの治療は、痛みの緩和、自律神経の調整、免疫力の向上など、さまざまな効果があるとされています。

歯科衛生士

歯科衛生士は、歯科医療チームの一員として、主に口腔衛生の保持と向上に関わる専門職です。

予防歯科に重点を置いて活動し、歯科医師の指導のもとで患者さんの口腔ケアを行います。

その業務は、歯垢や歯石の除去、フッ素塗布、歯間ブラシやフロスの使用指導など、患者さんの口腔衛生状態の改善と維持に向けたものです。

また、歯科衛生士は、患者さんに対する口腔衛生指導や栄養相談、禁煙指導なども行い、全身の健康維持にも貢献します。

歯科衛生士の専門性を活かして、歯科材料や口腔ケア用品の販売・開発に携わることもあります。

歯科助手

歯科助手は、歯科医院の運営をサポートする職業であり、患者さんの受付や診療介助、院内の清掃や器具の準備など多岐に渡る業務を行います。

国家資格は必要とされない場合が多いですが、歯科診療に関する基本的な知識や技術、そしてコミュニケーション能力が求められる仕事です。

歯科助手は、患者さんと院内スタッフとの橋渡しをする重要なポジションであり、歯科治療の効率化に大きく貢献しています。

また、歯科医院におけるチーム医療や患者さんへの分かりやすい説明の工夫については、「チーム医療×「見える化」〜幅広い治療と動画説明で安心の歯科治療~|歯科メディ」も参考になります。

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チーム医療におけるコメディカルの役割と主な医療チーム

勉強会に参加する医療スタッフの様子

ここまで22の職種を1つずつ見てきましたが、現場ではそれぞれが単独で動いているわけではありません。実際の医療は、複数の職種が同じ患者さんを囲んで役割を分担する「チーム医療」の形で進みます。

国もこの考え方を制度として後押ししており、要件を満たしたチームには診療報酬の加算が認められています。ここでは定義の確認から代表的なチームの構成、連携のつまずきや転職での評価のされ方まで整理します。

厚生労働省が定義するチーム医療とは

チーム医療という言葉は現場で広く使われますが、公式な定義は厚生労働省の検討会報告書に示されています。平成22年3月の「チーム医療の推進について」では、次のように説明されました。

医療に従事する多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供すること

要点は、高い専門性・目的と情報の共有・連携と補完の3つがそろって初めてチーム医療と呼べるところにあります。同じ病棟に多くの職種がいるだけでは、この定義を満たしたことになりません。

国はこの報告書を受け、各職種が担える業務の範囲を通知で示してきました。コメディカルの活躍の場が広がった背景には、制度面の後押しがあると考えられます。

代表的な医療チームと参加職種の対応表

病院で実際に動いているチームには、診療報酬の加算対象になっているものが多くあります。加算のあるチームは施設基準で構成職種が定められており、どの職種がどこで求められるのかが見えやすくなります。

代表的な7つのチームについて、目的と主な参加職種、関連する加算をまとめました。表は横にスクロールできます。

代表的な医療チームと主な参加職種
チーム名 目的 主な参加職種 関連する診療報酬加算
栄養サポートチーム(NST) 患者さんの栄養状態を評価・管理し、低栄養の改善や合併症の予防を図る 医師、歯科医師、薬剤師、看護師、管理栄養士 栄養サポートチーム加算
感染制御チーム(ICT) 院内感染の予防・早期発見とアウトブレイク時の対応にあたる 医師、薬剤師、看護師、管理栄養士、臨床検査技師 感染対策向上加算
緩和ケアチーム がん患者さん等の身体的・精神的苦痛を多職種で緩和する 医師、薬剤師、看護師、理学療法士(PT)、社会福祉士 緩和ケア診療加算
褥瘡対策チーム 褥瘡の発生予防と治療にあたる 医師、薬剤師、看護師、管理栄養士、理学療法士(PT) 褥瘡ハイリスク患者ケア加算
呼吸ケアサポートチーム 人工呼吸器を装着している患者さん等の呼吸管理と早期離脱を支援する 医師、薬剤師、看護師、理学療法士(PT)、臨床工学技師 呼吸ケアチーム加算
摂食嚥下チーム 摂食・嚥下機能を評価・訓練し誤嚥性肺炎等を防ぐ 医師、歯科医師、薬剤師、看護師、管理栄養士、言語聴覚士 摂食嚥下機能回復体制加算
医療安全管理チーム 院内の医療事故防止や安全体制の構築、職員教育にあたる 医師、看護師、薬剤師、臨床工学技師 医療安全対策加算

参加職種は代表的な構成例です。算定要件や実際のメンバー構成は医療機関によって異なります。

薬剤師と看護師はほぼすべてのチームに名前が挙がります。一方で管理栄養士はNSTや褥瘡対策、言語聴覚士は摂食嚥下、臨床工学技師は呼吸ケアや医療安全と、専門性が生きる場所が分かれています。

自分の職種名を表のなかで探してみると、転職先で任される役割の輪郭がつかみやすくなるはずです。

多職種連携でつまずきやすいポイントと現場での工夫

多職種連携は理想的な形で語られがちですが、実際に進める過程では戸惑いも生まれます。厚生労働省がタスク・シフト/シェアの推進にあたり整理した課題は、連携全般のつまずきとしても読み取れます。

起こりやすい課題と、現場で取られている工夫を対にして並べました。

連携でつまずきやすい場面と現場での工夫
つまずきやすい点

タスク・シフト/シェアを一部の職種や管理者だけで進めようとすると、機運が高まらず定着しない

現場での工夫

管理者向け研修に加え、医師全体への説明会、各部門責任者向け研修、全職員向けの意識改革研修など、組織全体で啓発する

つまずきやすい点

新しく任される業務に必要な知識・技能が不足していると、医療安全への不安から現場に抵抗感が残る

現場での工夫

座学だけでなくシミュレーター等による実技研修を行い、指導方法・研修内容・マニュアルを統一する

つまずきやすい点

業務を引き受ける側の職種に余力がないと、特定の職種に負担が集中してしまう

現場での工夫

ICT機器の導入で業務全体を縮減し、医師からだけでなく看護師から他職種へなど、複数の方向で組み合わせる

つまずきやすい点

医師の「包括的指示」の内容について、指示を出す医師と受ける看護師等との間で認識のずれが生じる

現場での工夫

指示内容を標準的プロトコールやクリティカルパスなど文書で明示し、記録・管理して事後的に検証できるようにする

厚生労働省がタスク・シフト/シェアの推進で示した課題と対応をもとに整理しています。

4つに共通するのは、個人の頑張りではなく組織の仕組みで解決している点です。研修内容の統一、ICT機器の導入、文書によるルール化は、いずれも病院として整えるものになります。

裏を返せば、仕組みのない職場では連携の負担が個人に寄りやすくなります。転職先を見るときの確認ポイントにしておくと安心です。

チーム医療の経験は転職でどう評価される?

チームへの参加経験は、多職種と円滑に連携できる実務能力の裏づけとして評価されます。専門技術そのものは書類で伝わりにくい一方、チームでの動き方は具体的な場面として示せるからです。

職務経歴書には、参加したチーム名と自分の役割、カンファレンスの頻度まで書き添えると伝わりやすくなります。面接で「チーム医療で大切にしていることは」と問われた場合は、次の3点を実際の経験と結び付けて話すと説得力が増します。

  • 自分の職種の専門性を、他職種にわかる言葉で明確に伝える姿勢
  • 他職種の役割や視点を尊重し、目的と情報を共有しようとする姿勢
  • 患者さんの状態変化を早期に共有し、連携・補完し合った具体的な行動

職場選びでは、専門チームが立ち上がっている病院かどうかも判断材料になります。連携が回っている職場ほど、次の点に具体的な答えが返ってくる場合が多いです。見学や面接の場でたずねてみてください。

  • 多職種カンファレンスの頻度が週1回か月1回か、参加している職種はどこか
  • 電子カルテやクリティカルパス、プロトコールなど記録・指示の共有方法が整備されているか
  • 各種のチーム加算を算定しているか

連携の広がりに合わせて、各職種が担える業務の範囲も見直されてきました。令和3年の厚生労働省通知では、現行制度の下で実施できる業務が職種ごとに整理されています。

看護師は特定行為研修の修了後、手順書に基づく人工呼吸管理や薬剤投与量の調整を担えます。薬剤師の周術期の薬学的管理や処方提案、臨床検査技師の病棟採血、臨床工学技師の人工呼吸器装着中の動脈路採血なども、医師の具体的な指示の下で担える業務として明確化されました。

担える領域が広がった分、チームのなかで発揮できる専門性も大きくなっているといえます。

出典:厚生労働省「チーム医療の推進について(チーム医療の推進に関する検討会 報告書)」厚生労働省「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」

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コメディカル22職種の平均年収を比較【厚生労働省データ】

積み重なったコインと右肩上がりの折れ線グラフ

コメディカルは職種の数が多く、年収の水準にも差があります。ここでは厚生労働省の令和6年(2024年)賃金構造基本統計調査をもとに、22職種の平均年収を一覧で比較します。推計年収は、きまって支給する現金給与額を12倍し、年間賞与その他特別給与額を加えて算出しました。

集計の対象は一般労働者・産業計・企業規模10人以上・男女計です。22職種のうち同調査に区分があるのは一部のため、区分のない職種は数値を補わず「同調査に区分なし」と記載しました。

コメディカル職種別 平均年収ランキング一覧表

次の表は、推計年収の高い順に22職種を並べたものです。区分がある職種にだけ順位を付け、区分のない職種は順位欄を「-」としています。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士は同一区分のため、同じ数値が4行に入ります。

コメディカル22職種の推計年収一覧(令和6年/2024年 賃金構造基本統計調査)
順位職種推計年収平均年齢備考(集計区分)
1薬剤師約566.8万円40.1歳「薬剤師」区分
2助産師約566.7万円41.2歳「助産師」区分
3診療放射線技師約556.5万円41.1歳「診療放射線技師」区分
4保健師約551.4万円42.4歳「保健師」区分
5看護師約524.7万円42.1歳「看護師」区分
6臨床検査技師約482.0万円40.2歳「臨床検査技師」区分
7理学療法士(PT)約443.6万円36.2歳理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士の4職種を1つの区分として集計。個別の数値はありません
7作業療法士(OT)約443.6万円36.2歳上記4職種を1つの区分として集計
7言語聴覚士約443.6万円36.2歳上記4職種を1つの区分として集計
7視能訓練士約443.6万円36.2歳上記4職種を1つの区分として集計
8社会福祉士約441.7万円46.0歳「その他の社会福祉専門職業従事者」区分の数値。資格保有者に限定した数値ではありません
9管理栄養士約404.0万円38.9歳「栄養士」区分の数値。管理栄養士を含めて集計されています
10歯科衛生士約396.0万円36.4歳「歯科衛生士」区分
11介護福祉士約388.0万円45.3歳「介護職員(医療・福祉施設等)」区分の数値。無資格者も含まれます
義肢装具士同調査に区分なし
臨床工学技師同調査に区分なし
公認心理師同調査に区分なし
臨床心理士同調査に区分なし
柔道整復師同調査に区分なし。開業(自営)が多く、雇用者を対象とする本調査では実態を捉えにくい職種です
あん摩マッサージ指圧師同調査に区分なし。開業(自営)が多い職種です
鍼灸師同調査に区分なし。開業(自営)が多い職種です
歯科助手同調査に区分なし
令和6年(2024年)賃金構造基本統計調査/一般労働者・産業計・企業規模10人以上・男女計の数値をもとに作成。推計年収=きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額。区分のない8職種は数値を補わず「-」と記載しています。

上位は薬剤師の約566.8万円、助産師の約566.7万円、診療放射線技師の約556.5万円です。保健師と看護師も500万円台で、夜勤や当直、専門性が手当や賞与に反映されていると考えられます。

全産業平均と比べるときは、賞与を含まない所定内給与額どうしで見ます。一般労働者全体は月額33.04万円で、これを上回るのは薬剤師・診療放射線技師・助産師・保健師・看護師です。全体の平均年齢は44.1歳と高く、年齢構成の差も数値に効いています。

年齢・経験年数で年収はどう変わる?

この調査の数値は、その区分に含まれる人の年齢構成を映した平均値です。理学療法士などの4職種区分は平均年齢36.2歳、歯科衛生士は36.4歳と、全体平均の44.1歳より8歳ほど若い水準です。

反対に、社会福祉士に近い区分は46.0歳、介護職員の区分は45.3歳と全体平均に近い年齢です。平均年齢が低い区分ほど平均年収も低く出やすく、若い職種は伸びしろが数字に表れていないといえます。

  • 平均年齢が若い区分は、管理職層や勤続の長い層が少なく、平均が下がりやすくなります
  • 全体の平均勤続年数は12.4年で、勤続が短い区分ほど昇給や賞与が積み上がりにくい傾向です
  • 夜勤や当直のある職種は、その手当の分だけ平均値が押し上げられます

女性の割合が高い職種では、出産や育児にともなう離職が勤続年数の平均を短くすることもあります。夜勤の有無と合わせ、働き方の違いまで見ておくと数字を読み違えにくくなります。

勤務先別に見る年収差|病院・クリニック・介護施設・企業・公務員

同調査には勤務先別の内訳がないため、ここでは金額ではなく手当の構造と役割の違いから整理します。同じ資格でも、どこで働くかによって収入の組み立て方は変わります。

  • 病院:夜勤手当・当直手当・オンコール手当など、時間帯に応じた手当が収入に乗りやすい環境です
  • クリニック:日勤中心で夜勤手当は付きにくい一方、担う役割の幅が広く、経験を重ねると交渉の余地が生まれます
  • 介護施設:処遇改善に関する加算が人件費の原資となるため、施設の取得状況で手当の付き方が変わります
  • 企業:医療機器メーカーや製薬会社などでは、業績に連動する賞与やインセンティブが設定される場合があります
  • 公務員:保健所や自治体などでは給料表に沿って昇給し、地域手当や扶養手当が加わります

地方では特定の職種が慢性的に不足しており、独自の手当を上乗せする施設もあります。生活費の水準と合わせると、額面だけでは見えない差が出る場合が多いです。

コメディカルが年収を上げる5つの方法

最後に、コメディカルが年収を高めていくための方法を5つ整理します。いずれも自分が属する区分の中で、上位に位置づくための打ち手です。

コメディカルが年収を上げる5つの方法
1.
上位の認定資格を取得する

学会や職能団体の認定資格は、資格手当の対象になっている職場があります。専門領域を絞って取得すると、配属や担当業務の選択肢も広がります。

2.
管理職・役職に就く

主任や技士長などの役職に就くと、役職手当が基本給に上乗せされます。人員配置やシフト管理まで担う立場になり、評価の対象も変わります。

3.
夜勤や当直のある働き方を選ぶ

夜勤手当や当直手当は、月々の支給額に直接反映される部分です。回数を増やすほど収入は上がりますが、生活リズムとの兼ね合いで判断したいところです。

4.
職域を転換する

同じ資格を活かしたまま、企業の学術職や治験関連、教育機関、行政などへ職域を移す道もあります。臨床とは異なる評価軸で待遇が決まる働き方です。

5.
転職して条件を見直す

同じ職種でも、施設の規模や手当の設計によって年収の水準は変わります。経験年数が積み上がった段階での見直しが、条件を比べやすいタイミングです。

記載は待遇の考え方を整理したもので、金額を保証するものではありません。手当の名称や支給条件は勤務先ごとに異なります。

どれが向いているかは、資格の種類と現在の職場の制度によって変わります。まずは手元の給与明細で、基本給・資格手当・夜勤手当の内訳を確認するのがおすすめです。

出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」

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コメディカルに関するよくある質問

FAQと書かれたブロック

ここまで、コメディカルという呼称の背景と、医療現場を支える22の職種を見てきました。とはいえこの言葉は範囲の線引きがはっきりせず、読み進めるほど細かな疑問が残りやすいテーマでもあります。

そこで、検索でよく見かける質問を6つ選び、公的な資料や統計にもとづいて回答しました。いずれも短い結論から入り、そのあとに根拠を添える形にしています。

気になる質問をタップすると回答が開きます。転職活動で職種名の書き方に迷ったときの判断材料としてもお使いいただけます。

コメディカルに医師・歯科医師は含まれますか?
一般的には含まれません。コメディカルは、医師以外の医療専門職をまとめて指す総称として広まった言葉だからです。日本癌治療学会の会告でも、看護師や薬剤師、検査技師などを意味する用語と説明されています。医師・歯科医師はチーム医療を構成する一員ではあるものの、この総称の対象からは外して扱われる場合が多いです。
看護師はコメディカルに入りますか?
本記事では、看護師をコメディカルの職種の一つとして紹介しています。医師以外の医療専門職の代表例として挙げられることが多いためです。一方、組織図の上では看護部門を独立させ、コメディカル部門には含めない病院も実在します。同じ言葉でも施設によって指す範囲が変わるわけです。この揺れこそ、日本癌治療学会が使用自粛の理由に挙げた「意味する職種の範囲が不明確である」という指摘の実例といえます。
医療事務や介護職は含まれますか?
判断が分かれるところです。本記事では、医療現場を支える立場として介護福祉士や歯科助手を職種紹介に含めています。一方で医療事務は、本記事が取り上げる22職種には入れていません。国が定めた統一の線引きは存在せず、含める範囲は資料や施設ごとに違います。求人を見るときは総称ではなく、募集職種の名称そのものを確かめるのがおすすめです。
コメディカルは全部で何職種ありますか?
公的に定まった数はありません。本記事では代表的な22職種を取り上げていますが、これが唯一の正解というわけではなく、範囲を定義する側によって数は変わります。国家資格に限るのか、民間資格や資格不要の職種まで広げるのかで、対象は増えたり減ったりするためです。数を数えるより、どの職種が含まれるかを個別に確かめるほうが実務では役立つと考えられます。
一番年収が高いコメディカルはどの職種ですか?
令和6年(2024年)の賃金構造基本統計調査に独立した区分がある職種のうち、推計年収がもっとも高いのは薬剤師の約566.8万円でした。助産師が約566.7万円で、ほぼ並んでいます。ただし義肢装具士・臨床工学技師・公認心理師・臨床心理士・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師・歯科助手の8職種は同調査に区分が無く、この比較には含められません。
社会人からでもコメディカルを目指せますか?
目指せる場合が多いです。多くの職種は3〜4年制の養成校を修了したうえで国家試験に合格する流れで、薬剤師は6年制の薬学部、臨床心理士は指定大学院の修了が前提となります。養成校のなかには、社会人経験者を対象とした入学制度を設けている学校もあると考えられます。必要な年数や条件は職種と学校で異なるため、志望先の募集要項を早めに確かめるのがおすすめです。
※年収は令和6年賃金構造基本統計調査(一般労働者・産業計・企業規模10人以上・男女計)をもとにした推計値です。

出典:日本癌治療学会「『コ・メディカル』用語の使用自粛のお知らせ」厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」e-Gov法令検索厚生労働省「資格・試験情報」

コメディカルのまとめ

「コメディカル」とは、医師や歯科医師を除く医療現場で活躍する多様な専門職の総称です。

普段関わることがなかったり聞いたことがない職種もあるかもしれませんが、医療現場ではこれだけ多くの専門職種の方々が患者さんや地域住民の方々の健康を支えています。

興味を持った資格があれば、ぜひ深く調べてみてください。

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この記事を書いた人
医療キャリアナビ編集部

医療キャリアナビ編集部

記事の執筆・編集は、医療業界に精通した編集スタッフが担当しています。日々の転職支援業務で得た現場のリアルな情報と、厚生労働省をはじめとする公的機関のデータに基づき、信頼性の高いコンテンツをお届けしています。

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