看護師と准看護師の違いとは?どちらが自分に合っている?
医療現場で働く看護職には「看護師」と「准看護師」の2つの資格があります。
外から見ているとどちらの資格も同じような仕事をしているように見えるかもしれませんが、実はこの2つの資格にはいくつかの大きな違いがあります。
そんな疑問をお持ちの方に向けて、この記事では看護師と准看護師の免許・資格に関する違い、仕事内容、そして給料の面での違いをわかりやすく解説していきます。
試験の合格率や准看護師制度の今後の見通しまで取り上げますので、これから看護の道を目指す方はもちろん、准看護師として働きながらキャリアアップを考えている方にも参考になる内容です。
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看護師と准看護師の違い

看護師と准看護師は、どちらも医療の現場で活躍する専門職です。病院や診療所、介護施設などさまざまな場所で活躍していますが、免許の種類や業務範囲、給与面などにいくつかの違いがあります。
外から見ているとどちらも同じような仕事をしているように見えるかもしれませんが、資格の取得方法や求められる役割には明確な違いが存在します。
それぞれの違いについて、詳しく見ていきましょう。
免許・資格に関する違い
看護師になるためには、看護師国家試験に合格し国家資格を取得する必要があります。一方で、准看護師は看護師国家試験とは別の試験に合格することで資格が与えられます。
看護師は厚生労働大臣が発行する国家資格ですが、准看護師は都道府県知事が発行する免許という点が大きな違いです。ただし、准看護師も看護師と同じく「保健師助産師看護師法」という法律で認められた正式な免許であり、医療従事者としての法的な位置づけは確立されています。
看護師の資格取得には、看護教育を受けるための学校への入学資格として高校卒業以上の教育を受けていることが求められますが、准看護師であれば中学卒業でも学校に入学することができます。
以下の表で、主な違いを比較してみましょう。
看護師と准看護師の基本比較
| 比較項目 | 看護師 | 准看護師 |
|---|---|---|
| 免許交付者 | 厚生労働大臣 | 都道府県知事 |
| 資格区分 | 国家資格 | 都道府県免許 |
| 受験資格(学歴) | 高校卒業以上 | 中学卒業以上 |
| 養成期間 | 3年〜4年 | 2年 |
| 主な養成機関 | 看護大学、看護専門学校(3年制・4年制) | 准看護師養成所、高等学校衛生看護科 |
| 就業者数2024年12月31日現在 | 1,363,142人(約136万人) | 233,022人(約23万人) |
就業者数を見ると、看護師は2年前の調査から約5万1千人増えている一方で、准看護師は約2万1千人減っています。看護職全体のなかで准看護師が占める割合は、年々小さくなってきています。
この教育期間の違いは、学ぶ内容の深さや専門性にも影響します。看護師養成課程では、より高度な医療知識や看護理論、研究的な視点なども学びますが、准看護師養成課程では基本的な看護技術と知識を中心に学習します。
看護師は卒業後すぐに自律的な判断を求められる業務に携わることができますが、准看護師は医師や看護師の指示のもとで業務を行うという位置づけになっています。
業務内容の違い
看護師と准看護師の業務内容には、いくつかの違いがあります。以下の表で具体的に比較してみましょう。
できること・できないことの比較
| 業務内容 | 看護師 | 准看護師 |
|---|---|---|
| 看護計画 | 立案・実行・評価が可能 | 単独では立案できない。看護師の指示のもとで実行 |
| 判断と指示 | 自己判断での看護業務が可能。他の看護師への業務指示も可能 | 自己判断での看護業務はできない。医師や看護師の指示が必要 |
| 基本的なケア | 患者さんの身の回りのお世話、バイタルチェック、食事・入浴・排泄介助など | 看護師と同様に実施可能 |
| 医療行為 | 人工呼吸器管理、中心静脈カテーテル管理、救急蘇生処置など高度な医療行為も実施 | 注射・点滴・採血などの医療行為を医師や看護師の指示のもとで実施 |
| 患者教育 | 健康指導、退院後の生活指導、服薬管理の説明などを主導的に実施 | 看護師の指示のもとで患者教育に参加 |
| チーム医療 | カンファレンスの主導、ケア方針の調整など中心的な役割 | チームの一員として医師や看護師と連携 |
| 教育・指導 | 新人看護師の育成、学生の実習指導を担当 | 基本的には担当しない |
| 管理職 | 主任、師長、看護部長などへの昇進が可能 | 法令上の禁止規定はないが、実務上は看護師が担うことがほとんど |
管理職については「准看護師は昇進できない」と説明されることもありますが、法律で禁止されているわけではありません。看護計画の立案や看護師への指示ができない立場であるため、看護師長や看護部長といったポジションは看護師が担うのが一般的、というのが実情です。
准看護師と看護師では担える役割に違いはありますが、准看護師として経験を積んでから看護師を目指す道もあるため、最初の選択が全てを決めるわけではありません。
給与・待遇面の違い
看護師と准看護師では、一般的に給与や待遇に差があるといわれています。まずは最新の統計で、平均年収の差を確認してみましょう。
平均年収の比較(令和7年)
年収以外の待遇についても、全体の傾向を表で整理してみましょう。
給与・待遇面の比較
| 項目 | 看護師 | 准看護師 |
|---|---|---|
| 平均年収 | 約524.7万円 | 約427.5万円 |
| 初任給 | 施設により異なる | 看護師より数万円程度低いことが多い |
| 給与の伸び | 経験を重ねると昇給幅が大きい | 看護師に比べると昇給幅は限定的 |
| 各種手当 | 夜勤手当、資格手当などが充実 | 看護師より金額が低い場合がある |
| 福利厚生 | 研修制度、教育支援、キャリアアップ支援が充実 | 看護師に比べるとやや限定的 |
| 地域・施設差 | 都市部や大規模病院で高待遇になりやすい | 人手不足の地域では好待遇のケースもある |
表のとおり、平均的には看護師のほうが給与水準が高い傾向があります。これは資格の違いや業務範囲、責任の重さなどが反映されるためです。一方で、待遇は勤務先や地域によって大きく異なり、准看護師でも看護師と同等の条件で採用されるケースもあります。
参考:厚生労働省|令和6年 衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況/厚生労働省|令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況
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看護師と准看護師の試験・合格率の違い

資格を選ぶうえで気になるのが「どちらが取りやすいのか」という点ではないでしょうか。看護師と准看護師では試験の実施主体も出題範囲も異なり、合格率にも差があります。
直近の実施状況を、それぞれ確認していきましょう。
直近の合格率
(第115回・2026年)
(令和6年度・全国計)
准看護師試験の概要と合格率
准看護師試験は国家試験ではなく、都道府県(または関西広域連合などの広域組織)がそれぞれ実施する試験です。試験日や合格発表日も実施主体ごとに異なり、例年2月ごろに行われています。
厚生労働省が全国分を取りまとめた令和6年度の実施状況では、受験者12,718人に対し合格者は12,574人で、合格率は98.9%でした。養成課程で学んだ内容を確認する性格の試験であるため、合格率は例年高い水準で推移しています。
ただし合格率が高いからといって、準備なしで合格できるわけではありません。2年間の養成課程を修了することが受験の前提になるため、まずは学校に通い切ることが最初のハードルになります。
看護師国家試験の概要と合格率
看護師国家試験は厚生労働省が全国一斉に実施する国家試験です。2026年2月に行われた第115回試験では、出願者60,311人、受験者59,614人に対し、合格者は52,666人でした。
2つの試験の比較
| 比較項目 | 看護師国家試験 | 准看護師試験 |
|---|---|---|
| 実施主体 | 厚生労働省(全国一斉) | 都道府県・広域連合ごと |
| 実施時期 | 毎年2月 | 実施主体により異なる(例年2月ごろ) |
| 受験の前提 | 看護師養成課程(3〜4年)の修了 | 准看護師養成課程(2年)の修了 |
| 直近の受験者数 | 59,614人(第115回) | 12,718人(令和6年度・全国計) |
| 直近の合格率 | 88.3%(新卒94.1%) | 98.9% |
合格率だけを見ると准看護師試験のほうが高くなりますが、これは試験の難しさというより、受験するまでに求められる教育年限や出題範囲の広さの違いが表れたものです。看護師国家試験は既卒者を含めた全体で88.3%、新卒者に限ると94.1%と、受験する時期によっても結果に差があります。
合格率の高さ=資格の取りやすさではありません。准看護師は2年、看護師は3〜4年の養成課程を修了することが受験の前提です。
「どちらが早く現場に出られるか」で選ぶなら准看護師、「どこまで役割を広げたいか」で選ぶなら看護師、という考え方が目安になります。
参考:厚生労働省|令和6年度准看護師試験の実施状況/厚生労働省|第112回保健師国家試験、第109回助産師国家試験及び第115回看護師国家試験の合格発表
准看護師から看護師になる方法

准看護師と看護師の違いを知ったうえで、「将来的には看護師を目指したい」と感じる方もいるのではないでしょうか。実際に、まず准看護師として経験を積み、その後に看護師資格を取得する人も少なくありません。
准看護師から看護師資格を取得するまでの流れを紹介します。
准看護師から看護師になるステップ
准看護師が看護師を目指す場合は、看護師学校養成所の2年課程に進学し、卒業後に看護師国家試験を受験するのが基本ルートです。進学先は全日制・定時制・通信制の3つがあり、それぞれ教育年限と入学要件が異なります。
准看護師が看護師資格を取得するまでの流れ
2年課程
2年課程
2年課程
全日制と定時制は、高校を卒業している場合は実務経験がなくても入学できます。中学卒業から准看護師になった方は、准看護師としての実務経験が3年以上必要です。
通信制2年課程の入学要件が、実務経験7年以上から5年以上に短縮されました。
保健師助産師看護師養成所指定規則の改正(令和7年2月25日公布)によるもので、令和8年4月1日入学生から適用されています。
進学する養成課程の選択肢
3つの課程は、通う頻度と必要な実務経験が大きく異なります。働き方や生活スタイルに合わせて選ぶことになるため、それぞれの特徴を整理しておきましょう。
2年課程の3つの選択肢
| 養成課程 | 教育年限 | 必要な実務経験 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 全日制 | 2年 | 高校卒業なら不要/中学卒業は准看護師として3年以上 | 昼間に通学し、最短で資格取得を目指せる |
| 定時制 | 3年 | 高校卒業なら不要/中学卒業は准看護師として3年以上 | 夜間や特定の曜日に通学し、働きながら学べる |
| 通信制 | 2年 | 学歴を問わず准看護師として5年以上 | 自宅学習が中心で、通学は面接授業や実習が中心 |
一部の病院では、准看護師から看護師への資格取得を支援する制度を設けているところもあります。
学費の補助や勤務時間の調整、奨学金制度など、さまざまな形でサポートを受けられる場合があるので、勤務先の制度を確認してみるとよいでしょう。
准看護師から看護師を目指すメリット
准看護師から看護師を目指すのは決して不可能ではありませんが、仕事と学業の両立には相応の努力が必要です。働きながら勉強時間を確保することや、学費の負担など、いくつかの課題はあります。
ただし、准看護師としての実務経験があることは大きな強みです。実際の医療現場を知っているからこそ、学んだ内容を理解しやすく、すぐに現場で活かせます。また、働きながら学べる養成課程を選べば、収入を得ながら資格取得を目指せます。
計画的に準備を進め、周囲の協力を得ながら取り組めば、十分に実現可能な目標です。実際に、多くの准看護師が看護師資格を取得してキャリアアップを果たしています。
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准看護師制度は廃止される?今後の見通し

准看護師について調べていると、「制度が廃止されるのでは」という話を見かけることがあります。これから資格を取ろうとしている方にとっては、気になるところではないでしょうか。
現時点での状況と、関係団体の見解を整理します。
廃止は決まっていないが養成規模は縮小している
まず前提として、准看護師制度の廃止は決まっていません。准看護師は保健師助産師看護師法に定められた免許であり、制度としては現在も存続しています。すでに免許を持っている方の資格が失効することもありません。
一方で、養成の規模が年々小さくなっているのは事実です。日本看護協会の資料によると、准看護師学校養成所の数と入学者数はこの20年で大きく減少しています。
准看護師の養成規模の推移
福井県や沖縄県、秋田県、新潟県、岡山県、山形県のように、県内の准看護師養成所がすでに学生募集を停止している地域もあります。就業者数で見ても、准看護師は2年間で約8.4%減少しました。
制度そのものは残っていても、新たに准看護師になる人は減り続けている、というのが現在の状況です。
日本看護協会と日本医師会で見解が分かれている
准看護師制度をめぐっては、関係団体の間で立場が分かれています。それぞれの主張を整理すると、議論の背景が見えてきます。
関係団体の主な主張
両者の見解が分かれているため、制度の見直しがすぐに進む見通しは立っていません。ただし、准看護師として長く働き続けることを考えている場合は、進学ルートも視野に入れておくと選択肢を広く持てます。
自分に合っているのは看護師?それとも准看護師?

看護師と准看護師はどちらも大切な仕事ですが、向いている働き方やキャリアの考え方には違いがあります。ここでは、それぞれに向いているタイプの特徴を整理します。
看護師が向いている方
看護師は、看護計画の立案や判断を含め、より幅広い役割を担える資格です。患者さんの状態に合わせて自分で考えながら動く場面も多いため、主体的に学び続けたい方や、将来のキャリアを広げていきたい方に向いています。
看護師に向いている方の特徴
准看護師が向いている方
准看護師は、医師や看護師の指示のもとで看護を行い、患者さんに近い距離で日々のケアを支える役割です。現場でのケアにじっくり向き合いたい方や、まずは早く医療現場で経験を積みたい方に向いています。
准看護師に向いている方の特徴
看護師と准看護師のどちらが正解というわけではなく、「どんな働き方をしたいか」「将来どんなキャリアを描きたいか」で選ぶことが大切です。まず准看護師として経験を積み、後から看護師を目指すという選択肢もあります。
- 迷ったら「今すぐ働きたいか」「役割を広げたいか」で考えると整理しやすいです
- 准看護師からのスタートでも、進学ルートは残されています
- 准看護師の求人は診療所や介護施設に多く、地域によって条件差があります
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看護師と准看護師の違いに関するよくある質問

最後に、看護師と准看護師の違いについて、よく寄せられる質問をまとめました。資格を選ぶときの参考にしてみてください。
看護師と准看護師についてよくある質問
正看護師と看護師は違う資格ですか?
同じ資格です。保健師助産師看護師法における正式名称は「看護師」で、准看護師と区別するために現場で「正看護師」と呼ばれることがあります。免許の内容に違いはありません。
准看護師でも夜勤や注射はできますか?
どちらも可能です。注射や点滴、採血などの診療の補助は、医師または看護師の指示のもとで実施できます。夜勤についても、准看護師が担当している職場は多くあります。ただし、看護計画の立案や他の看護職への指示は行えません。
働きながら看護師の資格を取ることはできますか?
できます。看護師学校養成所2年課程には定時制(3年)と通信制(2年)があり、いずれも働きながら学ぶことを前提とした課程です。通信制は准看護師としての実務経験が5年以上必要になります。
准看護師の求人は減っているのでしょうか?
就業者数は減少傾向にありますが、求人がなくなったわけではありません。診療所や介護施設を中心に募集は続いており、人手が不足している地域では看護師と近い条件で採用されるケースもあります。
まとめ

看護師と准看護師は、どちらも医療現場に欠かせない存在ですが、資格の取得方法や業務範囲、将来のキャリアには違いがあります。
看護師は自律的な判断や看護計画の立案などより幅広い役割を担える一方で、准看護師は医師や看護師の指示のもと、身近なケアを支える重要な役割を担います。どちらが優れているということではなく、自分が目指したい働き方や将来像に合わせて選ぶことが大切です。
准看護師として経験を積みながら看護師を目指す道もあるため、無理のない形でキャリアを考えていきましょう。制度をめぐる議論は続いていますが、進学ルートは今も残されています。
この記事を通じて、看護師と准看護師の違いだけではなく、自身のキャリアプランとライフスタイルに合った選択をする上での参考になればと思います。
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