育休手当の計算方法は?月収別の支給額早見表と賃金日額の出し方
産休・育休が近づくと、「育休中の収入はいくらになるの?」と家計のことが気になりますよね。 育休手当(育児休業給付金)は、育休前6か月の給与から出す「賃金日額」に給付率をかけて計算します。
この記事では、育休手当の計算式と賃金日額の出し方、月収別の支給額の早見表、2025年4月に始まった出生後休業支援給付金を合わせた計算までまとめました。
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育休手当(育児休業給付金)の計算式

育休手当は、雇用保険から支給される「育児休業給付金」の通称です。 支給額は、1か月ごとの区切り(支給単位期間)ごとに、次の式で計算します。
休業開始時賃金日額の出し方
休業開始時賃金日額は、育休開始前6か月間に支払われた賃金の総額を180で割った額です。 6か月をおよそ180日とみなし、1日あたりの賃金に直しています。
ここでいう賃金は、税金や社会保険料を引く前の総支給額です。 手取り額ではないので、給与明細の「総支給額」の欄を6か月分足すと目安が出せます。
たとえば6か月の総支給額が合計180万円なら、賃金日額は1万円です。 正式な賃金日額は、勤務先がハローワークに提出する「休業開始時賃金月額証明書」をもとに決まります。
支給日数と給付率のかけ方
支給単位期間は、育休を開始した日から1か月ごとの期間です。 支給日数は原則30日で、月の日数が28日でも31日でも30日として計算します。 育休が終わる日を含む最後の期間だけは、終了日までの実際の日数になります。
給付率は、育休開始から180日目までが67%、181日目以降が50%です。 賃金日額1万円の人なら、1か月あたり「1万円×30日×67%=20万1,000円」が支給されます。
181日目から給付率が50%に下がる
給付率が下がるのは、育休を始めてから181日目です。 支給単位期間で数えると、7回目の期間から50%になります。
父親が産後パパ育休(出生時育児休業給付金)を先に取った場合、その日数も180日に含めて数えます。 たとえば産後パパ育休を28日取ってから続けて育休に入ると、67%で受け取れるのは残り152日分です。
支給額の上限額と下限額
育休手当には上限額と下限額があり、毎年8月1日に改定されます。 2026年(令和8年)8月1日からは、休業開始時賃金日額の上限が16,540円、下限が3,203円になりました。
| 項目 | 上限額 | 下限額 |
|---|---|---|
| 休業開始時賃金日額 | 16,540円 | 3,203円 |
| 休業開始時賃金月額賃金日額×30日 | 496,200円 | 96,090円 |
| 育児休業給付金67%・30日分 | 332,454円 | 64,380円 |
| 育児休業給付金50%・30日分 | 248,100円 | 48,045円 |
賃金日額の上限16,540円は、月額に直すと49万6,200円です。 6か月の平均月収がこれを超える人は、いくら給与が高くても支給額は上限額で頭打ちになります。
上限額は毎年8月に変わるから、取得する年の金額を確認しておこう
参考:厚生労働省「高年齢雇用継続給付金・介護休業給付金・育児休業等給付の受給者の皆さまへ」 / 厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続(令和8年8月1日改訂版)」
計算の基準になる給与はいつの分?

賃金日額のもとになるのは「育休を始める直前の6か月」の給与です。 ただし、どの月を数えるかにはルールがあり、出産する女性の場合は時期が大きく前にずれます。
育休開始前6か月の賃金が基準
基準になるのは、育休開始前の直近6か月に支払われた賃金です。 月の数え方は、給与の締め日で区切った「賃金月」が単位になります。
男性が育休を取る場合や、産休を取らずに育休に入る場合は、育休開始日の直前6か月がそのまま基準です。 育休開始の前月に残業が多かった、夜勤が多かったといった変動も、そのまま支給額に反映されます。
条件にあった求人を探してもらう賃金支払基礎日数11日以上の月だけを数える
6か月を数えるとき、賃金支払基礎日数が11日未満の月は除いてさかのぼります。 賃金支払基礎日数とは、その月の給与の計算の対象になった日数のことです。
体調不良などで長く欠勤した月は数えず、その前の月にさかのぼって6か月をそろえます。 11日以上の月が6か月に満たない場合は、賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上の月も数えます。
産休を挟む場合は産休開始前の6か月
出産する女性が産休から続けて育休を取る場合、基準は原則として産前休業を始める前の6か月です。 育休開始日の直前ではない点に注意が必要です。
産前休業は出産予定日の6週間前から始まるため、基準の6か月はおよそ妊娠3か月ごろから産休に入る直前までに重なります。 つまり、妊娠中の働き方がそのまま育休手当の額に反映されます。
なお、産休明けの育休開始日は、出産日から数えて58日目です。
妊娠中の給与が基準になるなんて知らなかった…!
参考:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続(令和8年8月1日改訂版)」 / 厚生労働省「Q&A~育児休業等給付~」
賃金日額に含まれる手当と含まれない手当

賃金日額に入るのは、毎月の給与として支払われる賃金です。 基本給だけでなく、夜勤や残業に対して支払われる手当も含まれるため、夜勤の多い医療・介護職は、手当の額で育休手当が大きく変わります。
夜勤手当・残業代・通勤手当は含まれる
雇用保険では、毎月の給与として支払われる手当は原則として賃金日額の計算に含めます。
- 年3回以下の賞与
- 臨時に支払われる手当
- 結婚祝金・見舞金
- 出張旅費・退職金
看護師や介護職の夜勤には、夜勤1回ごとの夜勤手当のほか、22時〜翌5時の深夜手当、休日勤務の手当が付くことがあります。 これらは働いた分に応じて毎月支払われる賃金なので、すべて賃金日額に入ります。
夜勤の回数が多い月ほど総支給額が増えるため、6か月間の夜勤回数が育休手当を左右します。 夜勤手当の相場や仕組みは、以下の記事で紹介しています。
賞与は含まれない
夏・冬のボーナスのように、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は賃金日額に含まれません。 年2回の賞与が手厚い職場でも、育休手当は月々の給与だけで計算されます。
ただし、賞与にあたるものが年4回以上支払われる場合は、毎月の賃金と同じ扱いになり、賃金日額に含めます。
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妊娠中に夜勤を外れた期間がある場合
妊娠中は、本人が請求すれば夜勤(深夜業)や残業を免除してもらえます。 労働基準法で、妊産婦が請求した場合、会社は深夜業をさせてはならないと定められているためです。
一方で、夜勤を外れた月は夜勤手当がなくなり、総支給額が下がります。 産休前の6か月にその月が入ると、賃金日額もそのまま下がります。
この試算では、夜勤を外れた月が4か月あるだけで、67%の期間の支給額が月1万7,869円、6か月で約10.7万円少なくなります。 とはいえ、夜勤の免除は母体と赤ちゃんを守るための制度です。
支給額だけで判断せず、体調を優先したうえで、減る額を家計の計画に入れておくと安心です。
- 夜勤を外れる月が産休前6か月に入るか確認
- 給与明細の夜勤手当の月額を控えておく
- 減る見込み額を産休前に家計へ反映する
妊娠中の請求で軽い業務に転換し、手当が減った場合も、同じように賃金日額に影響します。
体のためとはいえ、給付が減るのはちょっと悩ましいよね
参考:大阪労働局「雇用保険事務手続きの手引き」 / e-Gov法令検索「労働基準法」
【月収別】育休手当はいくらもらえる?

月収20万〜40万円の場合の育休手当を、1か月あたりの額で早見表にしました。 ここでの月収は、夜勤手当・残業代・通勤手当などを含む総支給額(賞与を除く)です。
| 月収 | 賃金日額 | 67%の期間 | 50%の期間 |
|---|---|---|---|
| 20万円 | 6,666円 | 133,986円 | 99,990円 |
| 25万円 | 8,333円 | 167,493円 | 124,995円 |
| 30万円 | 10,000円 | 201,000円 | 150,000円 |
| 35万円 | 11,666円 | 234,486円 | 174,990円 |
| 40万円 | 13,333円 | 267,993円 | 199,995円 |
| 約49.6万円〜 | 16,540円 | 332,454円 | 248,100円 |
各H3では、出産した女性が産休明けから子どもが1歳になるまで、約10か月(67%の期間6か月+50%の期間4か月)育休を取った場合の合計額を試算しています。
実際の支給額は、育休の開始日や終了日、賃金日額の確定額によって変わります。
月収20万円の場合
6か月の総支給額が合計120万円の場合の試算です。
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67%の期間(6か月)約80.4万円
-
50%の期間(4か月)約40.0万円
-
約10か月の合計約120.4万円
出生後休業支援給付金の要件を満たせば、28日分で2万4,264円が上乗せされます。
月収25万円の場合
6か月の総支給額が合計150万円の場合の試算です。
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67%の期間(6か月)約100.5万円
-
50%の期間(4か月)約50.0万円
-
約10か月の合計約150.5万円
基本給などが同じ月25万円でも、夜勤手当が毎月3万円上乗せされて月28万円になると、67%の期間は月18万7,593円です。 夜勤手当3万円の差が、育休手当では月約2万円の差になります。
月収30万円の場合
6か月の総支給額が合計180万円の場合の試算です。
-
67%の期間(6か月)約120.6万円
-
50%の期間(4か月)約60.0万円
-
約10か月の合計約180.6万円
181日目に給付率が50%に下がると、1か月あたり5万1,000円の減額です。 育休の後半は収入が大きく下がるため、前半のうちに家計を調整しておくと安心です。
条件にあった求人を探してもらう月収35万円の場合
6か月の総支給額が合計210万円の場合の試算です。
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67%の期間(6か月)約140.7万円
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50%の期間(4か月)約70.0万円
-
約10か月の合計約210.7万円
夜勤込みで月35万円だった人が、産休前の6か月すべて夜勤を外れて月30万円になると、67%の期間は月3万3,486円少なくなります。
早見表の額は税金も社会保険料も引かれずにそのまま振り込まれるよ!
月収40万円の場合
6か月の総支給額が合計240万円の場合の試算です。
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67%の期間(6か月)約160.8万円
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50%の期間(4か月)約80.0万円
-
約10か月の合計約240.8万円
月収40万円は上限(賃金月額49万6,200円)まで余裕があるため、上限の影響は受けません。 月収が約49.6万円を超えると、67%の期間は月33万2,454円、50%の期間は月24万8,100円で頭打ちになります。
参考:厚生労働省「Q&A~育児休業等給付~」 / 厚生労働省「高年齢雇用継続給付金・介護休業給付金・育児休業等給付の受給者の皆さまへ」
出生後休業支援給付金を合わせた場合の計算

出生後休業支援給付金は、2025年(令和7年)4月に創設された給付金です。 夫婦がともに一定期間育休を取ると、育休手当に最大28日分、13%が上乗せされます。
給付率が13%上乗せされる期間
出生後休業支援給付金の支給額は「休業開始時賃金日額×休業日数(28日が上限)×13%」です。 育休手当の67%と合わせると、その期間の給付率は80%になります。
上乗せの対象になる期間は、父親と母親で異なります。
母親は産後8週間が産休にあたるため、上乗せを受けられるのは主に産休明けの育休の最初の部分です。
賃金日額1万円の人なら、28日分で3万6,400円が上乗せされ、同じ28日分の育休手当18万7,600円と合わせて22万4,000円(28日分の賃金28万円の80%)になります。
2026年8月1日以降の上限額は28日分で60,205円、下限額は11,658円です。
夫婦で育休を取る場合の要件
出生後休業支援給付金を受け取るには、次の2つを満たす必要があります。
- 本人が対象期間内に、育休手当(または出生時育児休業給付金)の対象になる育休を通算14日以上取る
- 配偶者も子の出生後8週間以内に、通算14日以上の育休を取る
配偶者が専業主婦(夫)、自営業・フリーランス、産後休業中などの場合は、配偶者の育休は要件になりません。 父親が育休を取る場合、母親は出生日の翌日に産後休業中のため、父親は自分が14日以上育休を取れば対象になります。
父親が会社員などで育休を取れる立場の場合、母親が上乗せを受けるには、父親が出生後8週間以内に14日以上の育休を取ることが条件です。 夫婦が共働きなら、父親の育休の時期と日数で母親の給付額も変わります。
手取りで実質10割になる仕組み
給付率80%で「手取り10割相当」といわれるのは、育休中は給与から引かれていたお金がかからないためです。
働いているときの手取りは、総支給額から社会保険料と税金を引いた額です。 育休中はこれらの負担がほぼなくなるため、額面の80%の給付で、休業前の手取りとほぼ同じ水準になります。
夫婦で育休の時期を合わせると、28日間は手取りがほぼ変わらないんだね
ただし、賃金日額の上限があるため、月収が約49.6万円を超える人は手取り10割には届きません。
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参考:厚生労働省「育児休業等給付について」 / 厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続(令和8年8月1日改訂版)」
ケース別の計算の違い

月の途中で育休を始める、育休中に少し働く、2人目を続けて取る、パートや時短で働いているといった場合は、計算の前提が一部変わります。
月の途中で育休を開始した場合
支給単位期間は暦の月ではなく、育休開始日から1か月ごとに区切ります。 12月9日に育休を始めたなら、12月9日〜1月8日、1月9日〜2月8日のように数えます。
月の途中で始めても、1回目の期間は30日分が支給されます。 日数が減るのは、育休が終わる日を含む最後の期間だけです。
最後の期間が12日間なら、賃金日額1万円・給付率50%の場合で「1万円×12日×50%=6万円」です。
最初の期間に支払われた給与のうち、育休前に働いた分の給与は、育休手当を減らす賃金には数えません。
育休中に就業した場合
育休中でも、臨時・一時的な就業であれば育休手当を受け取れます。 ただし、1支給単位期間の就業は10日以下(10日を超える場合は80時間以下)に収める必要があります。
就業して給与が支払われると、その額に応じて育休手当が減ります。
たとえば賃金日額1万円の人が、67%の期間に12万円の給与を受け取ると、育休手当は「24万円−12万円=12万円」です。 出生後休業支援給付金は、給与が出ても減額されません。
2人目を続けて取得する場合
1人目の育休中に2人目を妊娠すると、2人目の産前休業が始まる前日で1人目の育休手当は終わります。 2人目の育休手当は、2人目の育休開始時点で改めて要件を確認して支給されます。
育休中はほとんど働いていないため、「育休開始前2年間に11日以上働いた月が12か月以上」という要件を満たせないことがあります。
その場合も、出産や育児で30日以上賃金を受けられなかった期間を2年に加えて、最長4年までさかのぼれます。
賃金日額も11日以上の月をさかのぼって数えるため、育休中に働いていなければ、1人目の産休前の給与が基準になることがあります。 反対に、1人目の育休中に月11日以上働くと、その月の少ない賃金が2人目の計算に使われ、支給額が下がる場合があります。
パート・時短勤務の場合
パートや契約職員でも、雇用保険に加入していて、育休開始前2年間に11日以上(または80時間以上)働いた月が12か月以上あれば育休手当の対象です。 期間を定めて雇われている場合は、子が1歳6か月になるまでに契約期間が満了することが明らかでないことも条件になります。
時短勤務中に2人目の産休に入る場合は、時短勤務で下がった給与が基準の6か月に入ります。 フルタイムの頃より賃金日額が下がる点を、家計の見通しに入れておきましょう。
2歳未満の子を育てるために時短勤務をして、給与が時短前の90%以下に下がった場合は、育児時短就業給付金として、時短中の給与の10%が支給されます。 2026年8月1日以後の支給対象期間からは、給与と給付の合計の上限(支給限度額)が48万4,121円、支給の最低限度額が2,562円です。
子どもが小さいうちの働き方や職場選びは、以下の記事が参考になります。
自分のケースに当てはめれば、育休中の家計の見通しが立てやすくなるよ
参考:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続(令和8年8月1日改訂版)」 / 厚生労働省「育児時短就業給付の内容と支給申請手続(令和8年8月1日時点版)」
まとめ
育休手当は「休業開始時賃金日額×支給日数×67%(181日目以降は50%)」で計算でき、賃金日額は育休前6か月の総支給額を180で割って出します。
この記事のポイント
- 賃金日額は賞与を除く6か月の総支給額÷180
- 産休を取る人は産休開始前の6か月が基準
- 夜勤手当・深夜手当・残業代も賃金日額に入る
- 上限は月33万2,454円(2026年8月以降・67%)
- 夫婦で14日以上育休を取ると28日分13%上乗せ
夜勤の多い職場で働いている人は、妊娠中に夜勤を外れた月が基準の6か月に入るかどうかで支給額が変わります。 給与明細の総支給額で賃金日額を試算し、産休前から育休中の家計を準備しておきましょう。 復帰後の働き方や、子育てと両立しやすい職場を探したいときは、転職エージェントに相談すると条件に合う求人を紹介してもらえます。


