作業療法士のセカンドキャリア|定年後・人生の転機に考える働き方と準備
「60歳が近づいてきたけれど、このまま臨床を続けられるだろうか」「親の介護が始まって、今の勤務時間では回らなくなってきた」。
長く作業療法士として働いてきた人が次の働き方を考えるきっかけは、定年だけではありません。作業療法士は比較的新しい職種で、60代以上の有資格者はまだごく少数です。身近に前例が見つかりにくいぶん、選択肢を自分で調べるところから始まります。
作業療法士のセカンドキャリアにどんな道があるのか、何を基準に選べばいいのか、そして今から手をつけられる準備をまとめました。
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作業療法士にとってのセカンドキャリアとは?

セカンドキャリアは「定年後の再就職」と同じ意味で使われることもありますが、実際にはもっと幅があります。定年、育児、介護、体力の変化といった転機をきっかけに、働く場所・時間・役割を組み替えることまでを含みます。
定年退職や人生の転機を機に、新しい働き方を考えること
作業療法士の国家資格ができたのは1965年で、有資格者が大きく増えたのは2000年代以降です。日本作業療法士協会の会員63,352人(2025年3月31日現在)の平均年齢は37.4歳。61歳以上の会員は1,091人で、全体の1.7%にとどまります。
一方で41歳以上の会員は22,438人、全体の35.3%を占めます。今後10〜20年のあいだに、多くの作業療法士が同時にセカンドキャリアを考える時期に入ります。先に辞めた先輩の話を聞いて決める、というやり方が通用しにくいのはこのためです。
※年齢不詳18人を除く
セカンドキャリアは作業療法士を辞めることとは限らない
働き方を変えることと、資格を手放すことは別です。臨床から離れても、作業療法士として培った知識や視点を使う仕事は残ります。勤務日数を減らす、領域を変える、人を教える側に回る。どれもセカンドキャリアです。
実際に、60代以降も働き続ける人は増えています。65歳以上の就業者数は930万人で21年連続の増加、就業者総数に占める割合は13.7%と過去最高です。なかでも「医療,福祉」の65歳以上の就業者は10年前の約2.3倍に伸びています。65歳以上で働く人のうち非正規の職員・従業員は76.9%で、短時間や週数日という形が主流です。
辞めるか続けるかの二択じゃないってことだね!
資格を離れて別の仕事に移る道を考えている場合は、こちらの記事で転職先の選択肢を詳しく扱っています。
参考:一般社団法人 日本作業療法士協会「2024年度日本作業療法士協会会員統計資料」 / 総務省統計局「統計トピックスNo.146 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」
作業療法士がセカンドキャリアを考えるタイミング

働き方を見直す引き金は人によって違いますが、大きく分けると定年、家庭の事情、体力の3つです。どれも「ある日急に」ではなく、数年かけて近づいてきます。
定年退職を見据え、退職後の生活を考え始めたとき
高年齢者雇用安定法は、定年を65歳未満に定めている事業主に対して、定年の引上げ・継続雇用制度の導入・定年の定めの廃止のいずれかを講じることを義務づけています。
令和7年6月1日時点で、この措置を実施済みの企業は99.9%。内訳は継続雇用制度の導入が65.1%、定年の引上げが31.0%で、65歳以上を定年とする企業(定年制の廃止を含む)は34.9%でした。65歳までは働ける制度がほぼ整っている一方、多くの職場では「定年後に再雇用される」形になります。
65歳から70歳までについては、同じ法律が努力義務として就業確保措置を定めています。定年の引上げ・65歳以上継続雇用制度の導入・定年の定めの廃止という雇用による措置のほか、業務委託契約を結ぶ制度や社会貢献事業に従事できる制度(創業支援等措置)も選べます。
ただし実施済みの企業は34.8%にとどまり、65歳以降は職場の方針次第という状況です。
65歳までの雇用確保は法律上の義務ですが、65歳から70歳までは努力義務です。
再雇用後の賃金や勤務形態は定年前と同じとは限らないので、65歳以降も働けるかを含めて就業規則を早めに確認しておきましょう。
※対象は常時雇用21人以上の237,739社(中小=21〜300人規模、大企業=301人以上規模)
育児・介護などで仕事と生活の優先順位が変わったとき
子どもの受験、親の通院の付き添い、配偶者の転勤。臨床の仕事は時間が固定されやすく、こうした事情と噛み合わなくなることがあります。
辞める前に検討できるのは、勤務先を変えずに働き方だけ変える方法です。
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常勤から非常勤に切り替える収入は下がるが、勤務日数と残業を自分で調整できる
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負担の軽い部署に異動する会議や委員会の担当を外してもらい、担当患者さんの数を減らす
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訪問系に移って件数を調整する1日の訪問件数で業務量が決まるため、予定が読みやすい
いずれも作業療法士の仕事を続けたまま、時間の使い方を変えられます。
優先順位が変わったタイミングは、「何を手放すか」を自分で決められる機会でもあります。収入を少し下げてでも時間を取るのか、時間を確保しつつ収入を維持できる職場を探すのか。ここを決めないまま転職活動を始めると、条件の比較ができなくなります。
体力や健康状態に合わせて働き方を見直したいとき
移乗介助、入浴時の立ち位置、床からの立ち上がり練習。作業療法士の業務には腰や膝に負担がかかる場面があり、年齢とともにこたえるようになります。訪問の仕事では移動そのものが負担になることもあります。
働き方の実態を年齢で見ると、非正規雇用の比率は55〜59歳で男性10.3%・女性58.1%ですが、60〜64歳では男性41.3%・女性72.6%、65〜69歳では男性67.8%・女性83.2%まで上がります。
60代に入ると、短時間や週数日の働き方が標準になっていきます。労働力人口比率も65〜69歳で54.9%、70〜74歳で35.6%と上昇が続いていて、量を減らしながら働き続ける人が実際に増えています。
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参考:厚生労働省「令和7年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します」 / 内閣府「1 就業・所得|令和7年版高齢社会白書(全体版)」
作業療法士の経験を生かせるセカンドキャリアの選択肢

臨床を続ける、教える側に回る、地域に出る、福祉用具や住環境の相談に関わる、資格を取り直す。作業療法士の経験が効く道は、臨床の内側と外側の両方にあります。
再雇用・非常勤などで臨床の仕事を続ける
もっとも移行の負担が小さいのは、臨床を続けながら量を調整する形です。定年後の再雇用、他施設への非常勤勤務、週2〜3日のパート。業務内容が変わらないので、新しく覚えることはほとんどありません。
医療キャリアナビ掲載求人データ(2026年時点)では、作業療法士の求人5,371件のうち正社員が3,925件(月給中央値27.0万円)、パート・アルバイトが1,446件です。施設区分では訪問リハビリが1,727件(月給中央値30.0万円)と最も多く、デイケア・デイサービス650件、病院805件、介護老人保健施設504件が続きます。
非常勤やパートの求人が全体の約4分の1あるため、常勤をいったん離れても戻る余地は残ります。
- 再雇用の条件は60歳になる前に就業規則で確認
- 非常勤は週2〜3日から探すと選択肢が広い
- ブランクを作らないほうが臨床に戻りやすい
後進の育成や教育・研修に携わる
人を教える仕事は、臨床経験の長さがそのまま強みになります。関わり方は大きく3つあります。
養成校の専任教員は、学生に作業療法の基礎を教える常勤の仕事です。臨床実習指導者は、臨床現場に身を置いたまま実習に来た学生を指導します。職場内の新人教育や、都道府県の作業療法士会・事業者向けの研修講師という形もあります。
このうち養成校の教員と臨床実習指導者は、一定の実務経験と講習会の修了が条件になります。
教える側に回る3つの立場
地域の介護予防や認知症支援に関わる
市町村が行う介護予防・日常生活支援総合事業には、一般介護予防事業の一つとして地域リハビリテーション活動支援事業があります。厚生労働省の指針は、この事業の内容を「通所、訪問、地域ケア会議、住民運営の通いの場等へのリハビリテーション専門職等の関与を促進する」と定めています。作業療法士が関わることが想定されている、公的な仕組みです。
令和4年度の調査では、この事業を実施した市町村は1,272市町村(73.1%)。市町村から専門職の派遣依頼を受けて実績があったのは、理学療法士が1,123市町村(64.5%)、作業療法士が852市町村(48.9%)でした。
住民が集まる「通いの場」は同年度に145,641箇所で活動実績があり、活動内容は体操(運動)が78,510箇所(53.9%)、趣味活動が30,198箇所(20.7%)、認知症予防が5,186箇所(3.6%)です。体操の指導だけでなく、生活行為そのものを見る視点が求められる場面が多くあります。
市町村の事業って、どこに声をかければいいの?
窓口は市町村の介護保険担当課や地域包括支援センターです。都道府県の作業療法士会が派遣の調整役を担っていることもあり、まずは士会に問い合わせるのが近道です。
作業療法士の求人を探す福祉用具や住環境に関する相談・支援に携わる
身体機能と生活動作の両方を見てきた経験は、福祉用具の選定や住宅改修の提案と相性が良い分野です。
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福祉用具貸与・販売事業所利用者さんに合う用具を選び、使い方を伝える福祉用具専門相談員として働く
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住宅改修の相談手すりの位置や段差の解消について、本人の動作を見て提案する。自治体によっては理由書の作成者として事前登録が必要
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自治体・社会福祉協議会の相談窓口用具や改修の相談を受け、制度の案内につなげる
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福祉用具メーカー・販売会社商品開発や営業支援で、使う人の動作を代弁する
いずれも身体の負担が臨床より軽いという共通点があります。体力面で臨床を続けるのが難しくなった人が、知識を落とさずに移れる方向です。
新たな資格や技能を身につけ、別の仕事に挑戦する
介護支援専門員(ケアマネジャー)、生活相談員、健康運動指導士、起業。資格を取り直して別の職種に移る道もあります。
ただし新しい資格は、取るまでの時間と費用がかかります。「今の仕事がつらいから」という理由だけで選ぶと、取得後に同じ悩みが出てくることもあります。取る前に、その資格で何をしたいのかを言葉にしておくのが無難です。
参考:厚生労働省「介護予防・日常生活支援総合事業の適切かつ有効な実施を図るための指針」 / 厚生労働省「介護予防・日常生活支援総合事業(地域支援事業)の実施状況(令和4年度実施分)に関する調査結果」
セカンドキャリアで生かせる作業療法士の強み

作業療法士の強みは、法律上の仕事の定義にそのまま現れています。理学療法士及び作業療法士法が作業療法の目的として挙げているのは、関節や筋力の回復ではなく「応用的動作能力」と「社会的適応能力」の回復です。
相手の生活や困りごとを捉える視点
応用的動作能力と社会的適応能力という言葉が指すのは、関節が何度曲がるかではなく、その人が自分の暮らしで何をできるかです。
日本作業療法士協会の定義も「作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す」と置き、活動の領域を医療、保健、福祉、教育、職業などとしています。病院の中だけを前提にしていない定義です。
この視点は、相談や支援の仕事にそのまま移せます。場が変わっても問われるのは「この人は何に困っていて、何ができるようになりたいのか」で、見方は臨床のときと変わりません。
本人・家族への説明力とコミュニケーション力
作業療法士は、動作の理由を言葉にして伝える仕事を日常的にしています。「なぜこの手すりの位置なのか」「どうして今はこの動作を避けるのか」を、専門用語を使わずに説明する。家族への指導も同じです。
この力が効くのは、相手が利用者さんや家族に限りません。住民向けの講座、自治体の担当者との打ち合わせ、学生への実習指導。専門知識を相手の言葉に翻訳する作業は、臨床の外に出ると一段と価値が上がります。
同じ内容を利用者さん向け・家族向け・多職種向けに言い換えたものを用意しておくと、次の場でそのまま使えます。
多職種と連携し、課題を解決してきた経験
カンファレンス、サービス担当者会議、退院前訪問。作業療法士は、医師・看護師・介護職・ケアマネジャー・相談員と同じ机で話す経験を積んでいます。
臨床の外に出ると、この経験は前提として求められます。立場も優先するものも違う相手と、その場で結論を出すという仕事だからです。専門性の高さよりも、相手の事情を聞いたうえで落としどころを示せるかが問われます。
会議で意見を言えるって、それだけで強みなんだね!
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参考:厚生労働省「理学療法士及び作業療法士法」 / 一般社団法人 日本作業療法士協会「日本作業療法士協会 作業療法の定義」
自分に合うセカンドキャリアを選ぶための判断軸

選択肢が並んだあと、迷いが長引くのは比べる軸が決まっていないからです。収入、体力、準備時間、そして報酬の有無。この4つを先に整理しておくと、候補は自然に絞れます。
収入・やりがい・自由な時間の優先順位を決める
収入が高く、やりがいがあり、時間も自由。3つすべてがそろう選択肢はほとんどありません。どれを優先し、どれを下げてもいいかを先に決めます。
決め方のコツは、下げられないものを1つだけ選ぶことです。「月◯万円は確保したい」「週◯日以上は働きたくない」のように数字で置くと、求人を見たときに迷わなくなります。
やりがいは数字にしにくいので、「誰のどんな場面に関わりたいか」という形に言い換えておくと比べやすくなります。
- 月いくら必要か
- 退職金や賞与の有無
- 常勤を続けられる職場があるか
- 週何日・1日何時間までか
- 休みの曜日を固定したいか
- 通勤時間を含めて何時間拘束されるか
- 誰のどんな場面に関わりたいか
- その場が有償の仕事なのか地域活動なのか
体力と家庭の事情に合う勤務日数・業務負担を考える
勤務日数と休日の取り方は、求人票の条件で確認できます。医療キャリアナビ掲載求人データ(2026年時点)の作業療法士求人では、退職金制度ありが50%、賞与・ボーナスありが70%、交通費支給が90%。休みの条件は日・祝休みが32%、土日祝休みが16%、シフト制が35%です。
土日祝休みの求人は限られるため、家族と休みを合わせたいなら早めに絞り込んだほうが選びやすくなります。退職金制度の有無は、60歳以降の収支に直接ひびく条件です。
再雇用や非常勤に切り替えるときは、制度が引き継がれるかどうかも確認しておきましょう。
※対象は作業療法士の求人5,371件
必要な資格・経験と、準備にかかる時間を確認する
同じ「転身」でも、明日から始められるものと数年かかるものがあります。福祉用具専門相談員は、本来は50時間の指定講習を修了する必要がありますが、作業療法士の免許があれば講習を受けずに業務にあたれます。保健師、看護師、准看護師、理学療法士、社会福祉士、介護福祉士、義肢装具士も同じ扱いです。
福祉用具貸与・販売の事業所には常勤換算で2人以上の配置義務があるので、事業所ごとに一定の人数が必要になる仕組みです。
一方、養成校の専任教員になるには、理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則により免許を受けた後5年以上作業療法に関する業務に従事し、厚生労働大臣の指定する講習会を修了していることが必要です。大学で教育に関する科目を4単位以上修めて卒業している場合は別のルートもあります。
福祉用具専門相談員 と 養成校専任教員 の違い
| 項目 | 福祉用具専門相談員 | 養成校の専任教員 |
|---|---|---|
| 必要な実務経験 | 定めなし | 免許取得後5年以上、作業療法に関する業務に従事 |
| 必要な講習 | 本来は指定講習50時間が必要だが、作業療法士は受講せずに業務にあたれる | 厚生労働大臣が指定する講習会の修了 |
| 別ルート | ― | 大学で教育に関する科目を4単位以上修めて卒業していれば別の要件 |
| 働く場 | 福祉用具貸与・販売事業所(常勤換算2人以上の配置が義務) | 作業療法士の養成校 |
有償の仕事と地域活動・ボランティアを分けて考える
セカンドキャリアの話には、報酬が出る仕事と、無償または謝礼程度の地域活動が混ざりやすいです。この2つを分けないまま進めると、収支の見通しが崩れます。
地域活動は人脈と情報が手に入る場で、次の仕事につながることもあります。ただし生活費の計算には入れられません。まず有償の仕事で必要額を確保し、その上に地域活動を重ねるという順番で考えると、どちらも無理なく続けられます。
前述の創業支援等措置(業務委託契約・社会貢献事業)は雇用契約ではないため、労働時間や賃金に関する労働基準法のルールが適用されません。
報酬額・業務量・期間を契約書で確認してから引き受けましょう。
参考:厚生労働省「理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則」 / 東京都福祉人材情報バンクシステム「福祉用具専門相談員」
作業療法士がセカンドキャリアに向けて準備すること

準備は、辞める直前に始めるものではありません。棚卸し、収支の試算、学び直し、見学。どれも在職中のほうが進めやすい作業です。
これまでの経験と、今後やりたいことを棚卸しする
履歴書に書ける項目だけでなく、職場の中でしかやっていないことを書き出します。実習生の指導、委員会の運営、新人のフォロー、他職種への勉強会。こうした経験は、教育や地域の仕事で直接の実績になります。
書き出すときは「誰に」「何を」「どのくらいの期間」をセットにします。「実習生を年2名、5年間」のように数が入ると、相手に伝わる形になります。
退職後や働き方を変えた後の収支を試算する
60歳以降は、給与以外にも収入に関わる制度が動きます。雇用保険の高年齢雇用継続給付は、60歳以上65歳未満の人が、60歳時点より賃金が下がった状態で働き続けるときに支給される給付です。
対象は被保険者であった期間が5年以上あり、賃金が60歳時点の75%未満に低下した人です。ただし令和7年4月1日から給付率が見直され、賃金の最大15%から最大10%に引き下げられました。
老齢厚生年金を受け取りながら厚生年金に加入して働くと、賃金と年金の合計額に応じて年金の一部が止まります(在職老齢年金)。この基準額は令和8年4月から月51万円から65万円に引き上げられました。以前より、年金を減らさずに働ける範囲が広くなっています。
年齢ごとにかかわる収入の制度
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学び直しや人脈づくりを少しずつ進める
学び直しは、資格の取得だけを指しません。都道府県の作業療法士会の研修に出る、認知症や福祉用具の分野別研修を受ける、地域包括支援センターの担当者と顔をつなぐ。どれも休日や勤務の合間に進められるものです。
人脈は、求人票には出てこない仕事を運んできます。市町村の事業への派遣、研修の講師、相談窓口の非常勤。声がかかる位置にいることが、選択肢の数をそのまま左右します。
専門性を伸ばす方向でのキャリアの積み方は、こちらの記事で詳しく扱っています。
見学や地域活動への参加で、次の働き方を具体化する
条件を紙の上で比べても、合うかどうかは分かりません。実際に見に行くのがいちばん早い確かめ方です。
- 通いの場やサロンを見学し、参加者の様子と運営の雰囲気を見る
- 士会や市町村の事業にボランティアで1〜2回参加する
- 候補の職場に非常勤で入り、通勤と業務量を体感する
- 続けられると判断できたら、勤務日数や契約の形を交渉する
いきなり常勤で移らず、試せる形から入ると失敗の幅が小さくなります。在職中なら収入が途切れないので、見学や単発の参加はこの時期が動きやすいです。
参考:厚生労働省「Q&A~高年齢雇用継続給付~」 / 日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」
まとめ
作業療法士のセカンドキャリアは、再雇用や非常勤で臨床を続ける、養成校や実習で教える側に回る、市町村の介護予防事業に関わる、福祉用具や住環境の相談に移る。どれも作業療法士として積んだ経験が土台になります。
選ぶときの軸は、収入・体力・準備時間・報酬の有無の4つです。福祉用具専門相談員のように免許があればすぐ始められる道と、養成校の教員のように実務5年と講習会が必要な道では、動き出す時期が変わります。
まずは今の経験を書き出すことと、気になる場を一度見に行くこと。この2つは在職中から始められます。


