鍼灸師の履歴書で職歴が書ききれないときの対処法|掛け持ちや開業の書き方
午前は鍼灸院、午後は整骨院、週末は出張施術と、複数の働き方を重ねてきた鍼灸師ほど、履歴書の職歴欄はすぐに足りなくなります。
業務委託や自宅開業の期間を、どの行にどう書けばいいのか迷う人も多いはずです。
この記事では、鍼灸師の履歴書で職歴が書ききれないときに行数を確保する方法、省略してよい職歴の線引き、掛け持ち・業務委託・開業など鍼灸師特有の経歴の書き方、職歴の多さを選考で強みに変える伝え方を紹介します。
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鍼灸師の履歴書で職歴が書ききれないときの対処法

職歴欄が足りないときは、いきなり別紙を用意するより、書き方と様式の工夫から試すほうが読みやすい履歴書になります。 1行あたりの情報を整理し、それでも収まらない分だけを別の書類に回すのが基本の流れです。
職歴欄の行数が多い履歴書を選ぶ
市販の履歴書には、一般用のほかに学卒者用・転職者用・パート・アルバイト用などの種類があります。 転職者用は、志望動機や自己PRの欄が小さい代わりに学歴・職歴欄の行数が多めに取られているものが多く、職歴の多い鍼灸師に向いています。
購入前に、見開きで職歴欄が何行あるかを数えておきましょう。 用紙サイズはA4を選ぶと、書類をまとめて管理する応募先でも扱いやすくなります。
入社と退社を1行にまとめる
通常の書き方では、入職と退職で1行ずつ使うため、勤務先が4か所あれば8行必要です。 入職の行の末尾に退職年月を添えれば、1つの勤務先を1行で書けるので、必要な行数は半分になります。
1行にまとめる場合は、すべての勤務先を同じ書式にそろえます。 一部だけ2行で書くと、どの形式が正しいのか読み手が迷うためです。
学歴を最終学歴だけにする
学歴は高校卒業から書くのが一般的ですが、行数が足りないときは鍼灸の養成校(専門学校・大学)の入学と卒業だけにしても差し支えありません。 はり師・きゅう師の国家試験を受けるには養成校の卒業が必要なので、養成校が書いてあれば受験資格の経路は伝わります。
一般の大学や他業種を経てから養成校に入った人は、前の学校も残しておくと、社会人経験の流れが読み取りやすくなります。 応募先から「高校卒業から記入」と指定がある場合は、指定に合わせましょう。
詳細を職務経歴書に回す
履歴書の職歴欄は「どこに、いつからいつまで在籍したか」を伝える欄です。 担当した症状や施術方法、1日の施術人数などは、職務経歴書に書くほうが読み手に伝わりやすく、履歴書の行数も節約できます。
とくに鍼灸師は、同じ「鍼灸院勤務」でも美容鍼・スポーツ鍼灸・不妊鍼灸など得意分野が院ごとに違います。 この違いは職歴欄の1行では伝えきれないため、職務経歴書で院ごとに分けて書きましょう。
別紙を添付する
1行化や学歴の短縮をしても収まらない場合は、職歴だけをまとめた別紙を添付します。 掛け持ちや業務委託の期間が長い鍼灸師は、勤務先の数が10を超えることもあるため、無理に詰め込むより別紙に回すほうがすっきりします。
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パソコンで作成して行数を調整する
パソコンで作成すれば、行の高さや文字サイズを調整して、手書きより多くの行を入れられます。 厚生労働省の履歴書様式例にはA4のExcel版もあり、職歴欄の行を追加して使うこともできます。
行を増やそうと文字を小さくしすぎると、印刷したときに読みにくくなります。行を増やしても見開き1枚に収まらない場合は、別紙に切り替えましょう。
掛け持ちしてると、職歴欄なんてすぐ埋まっちゃうよね
履歴書全体の書き方や、免許・資格欄、志望動機欄の書き方は以下の記事で紹介しています。
参考:ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」
職歴を省略してよい範囲

行数を減らしたいからといって、どの職歴でも省いてよいわけではありません。 判断の目安は、その期間の主な仕事だったか、応募先が採用を判断するのに必要な情報かの2点です。
省略すると経歴詐称になるケース
採用の判断に関わる重要な経歴を隠したり、事実と違う内容を書いたりすると、経歴詐称とみなされるおそれがあります。 厚生労働省のモデル就業規則でも、「重要な経歴を詐称して雇用されたとき」が懲戒解雇の事由の例として挙げられています。
鍼灸師の場合に注意したいのは、次のような書き方です。
-
在籍期間の水増し半年の勤務を「約1年」とするなど、期間をずらして書く
-
施術経験の過大表示リラクゼーション店での勤務を鍼灸の施術経験のように書く
-
主な勤務先の省略数年続けた業務委託先を、雇用ではないからと書かずに済ませる
数か月で退職した院の扱い
数か月で辞めた院も、雇用されて働いていたなら職歴として書くのが基本です。 入職時の手続きで提出する雇用保険の書類などから、在籍の事実が分かることもあります。
短期間で辞めた理由は、「一身上の都合により退職」とだけ書けば十分です。 院の方針と合わなかった、施術の内容が求人と違ったなど、事情を聞かれたときに他責にならない説明を用意しておくと、面接で慌てずに済みます。
鍼灸師の求人を探す業務委託・アルバイトの扱い
業務委託やアルバイトでも、その期間の主な収入源だった仕事は書いておくほうが安全です。 書かないと、その期間が空白に見えてしまいます。
一方で、正職員として働きながら、休日に単発で入っていた出張施術やイベントでの施術は、省略しても問題になりにくいです。 アピールしたい経験であれば、職歴欄ではなく職務経歴書で触れましょう。
鍼灸師以外の職歴の扱い
鍼灸師になる前に会社員や販売職などで働いていた場合も、雇用されていた経歴は省略せずに書きます。 行数が足りないときは、1社1行にまとめ、業務内容は省いて会社名と在籍期間だけにすれば十分です。
社会人経験のある鍼灸師は、接客や営業で身につけた説明力が患者さんとのやりとりに生きることもあります。 そうした強みは、自己PR欄や職務経歴書で具体的に伝えましょう。
半年で辞めた院も、やっぱり書かないとダメ?
鍼灸師ならではの書き方に迷う項目

鍼灸師の働き方は、雇用・業務委託・個人事業が混ざりやすく、一般的な記載例をそのまま当てはめられない経歴が多くなります。
複数の院を掛け持ちしていた期間
同じ時期に2つ以上の院で働いていた場合は、勤務先ごとに1行ずつ、入職した順に書くのが基本です。 期間が重なっていても、それぞれの在籍期間を正確に書けば、採用担当者は掛け持ちだったと読み取れます。
主な勤務先と週1日程度の勤務先がある場合は、週1日側に「(非常勤・週1日)」と添えると、働き方の比重が伝わります。 掛け持ち先が多く行数が足りないときは、主な勤務先だけを書き、残りは「ほか2院で非常勤勤務」とまとめる方法もあります。
業務委託契約で働いていた期間
業務委託は雇用契約ではないため、「入社」「退職」ではなく、契約を結んだことと契約が終わったことを書くのが正確です。 契約形態が書いてあれば、社会保険の加入歴などとの食い違いを聞かれたときにも説明しやすくなります。
| 雇用契約 | 業務委託契約 | |
|---|---|---|
| 始まり | 入職・入社 | 業務委託契約を締結 |
| 終わり | 一身上の都合により退職 | 契約満了・契約終了 |
| 記載例 | ○○鍼灸院 入職(令和5年3月退職) | ○○鍼灸院と業務委託契約を締結(施術担当、令和5年3月契約満了) |
なお、契約書の名称が「業務委託」でも、働き方の実態によっては労働基準法上の労働者と判断されることがあります。 履歴書には、実際に結んだ契約書の名称どおりに書くのが無難です。
雇われていたのか、契約で請け負っていたのかが伝わればいいんだね!
開業・出張施術をしていた期間
自分の鍼灸院を開業していた期間や、出張専門で施術していた期間も、仕事をしていた期間として職歴欄に書きます。 個人事業なので「入社」ではなく「開業」「閉院」「廃業」を使います。
開業した年月は、施術所の開設届や出張業務の開始届を出した時期を目安にすると正確です。 施術所を開設した人は開設後10日以内に、出張のみで施術する人は業務を始めたときに、それぞれ届け出が必要と法律で定められています。
閉院の理由は、「家庭の事情により閉院」「勤務施術者として経験を積むため廃業」など、1行で収まる範囲で書けば十分です。 開業の経験は、経営や集客に関わった経験として面接で話せる材料にもなります。
訪問鍼灸に従事していた経歴
訪問鍼灸の事業所に雇用されていた場合は、通常の職歴と同じように「入社」「退職」で書きます。 会社名だけでは業務内容が伝わりにくいため、「(訪問鍼灸マッサージ)」のように事業内容をかっこ書きで添えると、在宅の患者さんへの施術経験があることが一目で分かります。
鍼灸院に勤めながら訪問施術も担当していた場合は、職歴欄の行を分けず、職務経歴書で「訪問施術を担当」と書き足せば十分です。 訪問鍼灸の事業所から業務委託で請け負っていた場合は、前述の業務委託の書き方に合わせましょう。
リラクゼーションサロンなど資格外の勤務先
はり・きゅうを仕事にするには、はり師免許・きゅう師免許が必要です。 一方、リラクゼーションサロンや整体院での施術の多くは国家資格がなくてもできる仕事なので、鍼灸院での勤務と同じように書くと、施術経験を実際より多く見せてしまいます。
資格外の勤務先は、業態と担当業務をかっこ書きで添え、鍼灸の施術をしていないことが分かる書き方にしましょう。 鍼灸院でも、はり師のみ・きゅう師のみの免許で働いていた時期があるなら、担当した施術は正式な資格名に合わせて書きます。
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参考:e-Gov法令検索「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」 / 厚生労働省「労働者とは」
別紙に職歴を書くときのルール

別紙には決まった様式はありませんが、履歴書とセットで読まれる書類なので、見た目と書き方をそろえるのが基本です。
履歴書側への記載方法
別紙を使う場合も、履歴書の職歴欄を空白にはしません。 直近の勤務先か、応募先に関係の深い経歴を数行書き、最後の行に別紙があることを示すと、読み手はすぐに別紙を開けます。
- 職歴欄の1行目に「職歴」と書く
- 直近の勤務先、または鍼灸に関わる主な経歴を書く
- 最後の行に「その他の職歴は別紙に記載」と書く
- その下の行に右寄せで「以上」と書く
どの経歴を履歴書側に残すかは、応募先に合わせて選ぶのがおすすめです。 たとえば訪問鍼灸の事業所に応募するなら、訪問に関わった経歴を優先して残すと、書類を開いた瞬間に経験が伝わります。
別紙の書式と記載項目
別紙は、履歴書と同じA4サイズの白い用紙に、職歴欄と同じ「年・月・内容」の形式で書きます。 手書きの履歴書なら別紙も手書き、パソコンで作った履歴書なら別紙もパソコンでそろえましょう。
別紙には、履歴書に書いた分も含めてすべての職歴を古い順に書くのが読みやすい形です。 掛け持ちや業務委託の書き方は、前の章で紹介した書き方をそのまま使えます。
提出時の書類の重ね方
別紙は履歴書の一部なので、履歴書のすぐ後ろに重ねます。 その後ろに職務経歴書、免許証の写しなどの添付書類を続けるのが一般的です。
別紙があっても、順番が整っていれば読みやすいよ!
郵送するときは、送付状を一番上にしてクリアファイルに入れ、ホチキスでは留めずにまとめます。 メールで送る場合は、履歴書と別紙を1つのPDFにまとめておくと、印刷したときに順番が崩れません。
鍼灸師の求人を探す職歴が多い鍼灸師が選考で不利にならない伝え方

採用担当者が職歴の多さで気にするのは、「うちでもすぐ辞めてしまわないか」という点です。 転職や掛け持ちの理由に筋が通っていて、応募先で長く働く理由を示せれば、職歴の多さは経験の幅として受け取ってもらえます。
転職理由を一貫した流れで説明する
鍼灸師の転職は、「施術の幅を広げたい」「保険施術以外も経験したい」「訪問に挑戦したい」など、技術やキャリアの目的で説明しやすいのが特徴です。
それぞれの転職を「何を身につけるために移ったのか」という1本の軸でつなぐと、職歴の多さが計画的なステップに見えます。
- 1院目:整骨院で保険施術と接客の基本を身につけた
- 2院目:鍼灸専門院で自費の鍼灸施術を担当した
- 3院目:訪問鍼灸で在宅の患者さんへの施術を経験した
人間関係や待遇がきっかけだった転職も、「次の職場で何を重視したか」に言い換えれば、軸のある説明になります。
施術分野の幅を強みとして示す
整骨院、鍼灸院、訪問鍼灸などを経験した鍼灸師は、それぞれの現場で身につけた力を組み合わせて伝えられます。
| 身につけた経験 | 整骨院に応募 | 鍼灸院に応募 | 訪問鍼灸に応募 |
|---|---|---|---|
| 保険施術と鍼灸の併用整骨院 | ◎ | ○ | ○ |
| 自費の鍼灸施術鍼灸専門院 | ○ | ◎ | ○ |
| 在宅の患者さん・ご家族対応訪問鍼灸 | ○ | ○ | ◎ |
| 集客・予約管理開業・出張施術 | ○ | ◎ | ○ |
応募先の業態に合わせて、そのまま生かせる経験を1〜2点に絞って伝えると、職歴の多さが強みに変わります。 整骨院に応募するなら保険施術と鍼灸を併用した経験、訪問鍼灸なら在宅の患者さんやご家族とのやりとりの経験が響きやすいです。
- 鍼灸師求人2,814件のうち整・接骨院が1,864件
- 訪問マッサージの求人は415件
- デイケア・デイサービスの求人は282件
面接で職歴の多さを聞かれたときの答え方
面接で「職場が多いですね」と聞かれたら、言い訳から入らず、事実を認めたうえで転職の目的を短く伝えましょう。 面接でよく聞かれるほかの質問と答え方は、以下の記事で詳しく紹介しています。
回答の組み立て方
- 転職の目的を一言で伝える
- 各職場で身につけた施術や経験を1つずつ挙げる
- 応募先で長く働きたい理由を具体的に伝える
いろんな現場を知ってるのは、鍼灸師として大きな武器だよ
最後の「長く働きたい理由」は、見学や求人票で知った応募先の特徴と結びつけると、採用担当者の不安に正面から答えられます。
まとめ
鍼灸師の履歴書で職歴が書ききれないときは、1行化や学歴の短縮で行数を確保し、収まらない分を職務経歴書や別紙に回せば、経歴を省きすぎずに収められます。
この記事のポイント
- 入職と退職を1行にまとめ、学歴は養成校からにする
- 主な仕事だった期間は、業務委託やアルバイトでも書く
- 業務委託は「契約締結」「契約終了」で書き分ける
- 開業・出張施術は「開業」「閉院」「廃業」で書く
- 資格外の勤務先は業態を添え、鍼灸経験と区別する
掛け持ちや開業などの経歴は、書き方さえ整えれば、幅広い現場を経験してきた証として伝わります。 応募書類の書き方や、これまでの経歴を生かせる職場選びに迷ったときは、転職エージェントに相談して一緒に書類を確認してもらうのも一つの方法です。


