男性看護師の転職先はどこがおすすめ?需要の高い診療科と年収を上げる方法
「男性看護師が転職するなら、どの職場が有利なんだろう?」と迷っていませんか? 男性看護師は年々増えていて、力仕事や夜勤、急変対応が多い職場を中心に需要があります。
一方で、産科や女性専用クリニックのように、そもそも求人を見つけにくい職場もあります。
この記事では、男性看護師の転職で需要の高い診療科や病院以外の転職先、年収を上げる方法、入職後に困らないための確認点を紹介します。
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男性看護師の転職市場での需要

男性看護師は、まだ少数派ではあるものの、この10年で人数も割合も増え続けています。 採用する側にとっても、男性看護師の存在は「珍しい人材」から「戦力として計算できる人材」に変わりつつあります。
男性看護師が増えている背景
厚生労働省の衛生行政報告例によると、令和6年末時点で働いている看護師は136万3,142人で、そのうち男性は11万8,068人(8.7%)です。 10年前の平成26年末は7万3,968人(6.8%)だったので、人数は約1.6倍に増えました。
看護師養成校で男子学生の受け入れが進んだことや、看護師が景気に左右されにくい国家資格として男性にも選ばれるようになったことが、増加の背景にあります。 男性の先輩が増えたことで、「男性が働きやすい職場」を具体的に選べる時代になっています。
採用側が男性看護師に期待していること
採用側が男性看護師に期待することは、おもに次の3つです。
-
体力が必要な業務体位変換や移乗介助、重い医療機器の運搬など
-
緊急時の対応暴力やせん妄による興奮がある患者さんへの対応、急変時の人手
-
職場の多様性男性の患者さんの羞恥心への配慮、チームの雰囲気づくり
もちろん、体力や性別だけで評価されるわけではありません。 看護技術や経験に加えて「男性がいることで助かる場面」がある職場ほど、男性看護師の採用に前向きです。
長期就業を前提に評価されやすい理由
看護師の職場では、結婚・出産・育児による休職や退職で人員が入れ替わりやすく、長く勤めてくれる人材は貴重です。
男性看護師は、ライフイベントがあっても長く働き続けるケースが多いと見られやすく、将来の主任・師長候補として採用されることもあります。
長く働く前提で見てもらえるのは、男性の強みだね
ただし、今は男性も育休を取る時代です。 「長く働ける」だけでなく、「家庭と両立しながら長く働ける職場か」まで見て選ぶと、転職後に後悔しにくくなります。
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参考:厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
男性看護師の需要が高い診療科

男性看護師の需要が高いのは、体力が必要な業務や緊急対応が多い診療科です。 診療科ごとに、男性看護師が頼りにされる場面が違います。
| 診療科 | 体力を活かせる | 緊急対応が多い | 専門技術が身につく | 夜勤が少なめ |
|---|---|---|---|---|
| 精神科 | ◎ | ○ | ○ | △ |
| 手術室 | ○ | ○ | ◎ | ◎ |
| 救急・ICU | ○ | ◎ | ◎ | △ |
| 整形外科 | ◎ | △ | ○ | △ |
| 透析 | △ | △ | ◎ | ◎ |
精神科
精神科は、昔から男性看護師が多い診療科です。 興奮状態の患者さんへの対応や、隔離・身体的拘束が必要な場面では、複数のスタッフで安全を確保する必要があり、男性の存在が安心材料になります。
一方で、急性期病棟に比べて医療処置は少なめなので、処置の経験を積みたい人は病棟の種類(急性期・慢性期・認知症治療病棟など)まで確認しましょう。
手術室
手術室は、重い器械や手術台の準備、患者さんの体位固定など、体力が必要な業務が多い職場です。 日勤中心でオンコールがある勤務形態が多く、器械出しや外回りの専門性を身につけられます。 手術室の経験は他の病院でも通用しやすく、転職市場での評価が安定しているのも魅力です。
救急・ICU
救急外来やICUは、急変対応や重症患者さんのケアが中心で、スピードと判断力が求められます。 体格の大きい患者さんの体位変換や、夜間の少人数体制での対応など、男性看護師が頼りにされる場面が多い職場です。
急性期のスキルは、認定看護師や特定行為研修などキャリアアップにもつなげやすい分野です。
整形外科
整形外科は、骨折や人工関節の手術を受けた患者さんが多く、移乗介助や歩行訓練の付き添いなど、体を使うケアが中心です。
手術前後の管理から退院支援まで、回復の過程を見届けられるのが特徴です。 男性の患者さんも多いため、同性の看護師がいると患者さんが安心しやすい面もあります。
看護師の求人を探す透析
透析室は、穿刺(せんし)や透析機器の操作・管理など、専門的な技術が求められる職場です。 機械の扱いに抵抗がない人には向いていて、夜勤がないか少ない職場が多いため、生活リズムを整えたい人にも選ばれています。
同じ患者さんと長く関わるので、コミュニケーションを大切にしたい人にも合っています。
自分に合う診療科って、どうやって決めればいいの?
迷ったときは、「体力を活かしたい」「専門技術を身につけたい」「生活リズムを整えたい」など、転職で一番かなえたいことから逆算するのがおすすめです。
男性看護師におすすめの病院以外の転職先

病院以外にも、男性看護師が活躍しやすい職場は増えています。 夜勤のない働き方や、年収アップにつながる職場もあるので、病院だけにしぼらず比べてみましょう。
訪問看護
訪問看護は、看護師が利用者さんの自宅を訪問してケアする仕事です。 入浴介助や移乗など体力が必要な場面があるほか、男性の利用者さんや、男性スタッフの訪問を希望する家庭もあるため、男性看護師のニーズがあります。
働いている看護師の数も増えていて、令和6年末時点で訪問看護ステーションで働く看護師は9万1,022人です。
- 正看護師求人9,633件中、訪問看護が2,535件で最多
- 訪問看護の平均月給は約32.2万円(病院は約29.6万円)
- 応募前にオンコールの頻度を確認
オンコールの有無や頻度はステーションによって違うので、応募前に確認しておくと安心です。 訪問看護の仕事内容や1日の流れは、以下の記事で詳しく紹介しています。
メンズ美容クリニック
メンズ美容クリニックは、脱毛やAGA(男性型脱毛症)治療、スキンケアなどを男性向けに提供するクリニックです。 患者さんが男性なので、同性の看護師のほうが相談しやすいと感じる患者さんも多く、男性看護師を歓迎する職場があります。
給与に売上の歩合(インセンティブ)が加わることもある一方、接客やカウンセリングの力も求められます。
産業看護師
産業看護師は、企業の従業員の健康管理を担当する看護師です。 健康診断の事後指導やメンタルヘルス対策など、予防が中心の仕事で、土日休み・夜勤なしの働き方ができます。
ただし、企業などの事業所で働く看護師は令和6年末時点で5,879人と少なく、求人も多くありません。
保健師資格や臨床経験があると選考で有利になりやすいため、長期戦のつもりで探すのが無難です。
治験関連(CRC・CRA)
CRC(治験コーディネーター)は医療機関で治験がスムーズに進むよう患者さんや医師をサポートし、CRA(臨床開発モニター)は製薬会社などの立場で治験が正しく実施されているかを確認する仕事です。 どちらも臨床経験を活かせる企業の仕事で、性別による偏りが少ないのが特徴です。
CRAは担当する医療機関への出張が多く、給与体系は企業ごとの規程で決まります。
リハビリ病院
回復期リハビリテーション病院は、脳卒中や骨折の手術後の患者さんが、在宅復帰を目指してリハビリをする病院です。 移乗やトイレ介助など体を使う場面が多く、男性看護師の力が活きます。
急性期に比べて落ち着いた環境で、理学療法士や作業療法士と連携しながら働けます。
病院を出ると、働き方の選択肢がぐっと広がるね!
参考:厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
男性看護師が求人を見つけにくい職場

性別を理由に採用を制限することは、男女雇用機会均等法で原則として禁止されています。 それでも、職場の性質や設備の事情から、男性看護師が求人自体を見つけにくい職場があります。
産科・婦人科
産科・婦人科は、患者さんの多くが女性で、内診や授乳の支援など、デリケートなケアが多い診療科です。 また、分娩の介助を行う助産師は法律上女性に限られているため、産科病棟ではスタッフの多くが女性で、男性看護師の配置が少ない傾向があります。
募集が出ても、配属先は婦人科の手術後の管理などに限られることがあるので、応募前に担当業務を確認しておきましょう。
女性専用クリニック
乳腺外科やレディースクリニック、女性向けの美容クリニックなどは、患者さんが女性に限られます。 患者さんの気持ちに配慮して女性スタッフで固めているクリニックが多く、男性看護師の求人はほとんど見かけません。
女性の患者さんが多い分野に関わりたい場合は、総合病院の外来や健診センターなど、男女両方の患者さんを受け入れる職場を選ぶのも一つの方法です。
看護師の求人を探す小規模で個室更衣室がない施設
診療所や小規模の介護施設では、更衣室や休憩室が1部屋しかないことがあります。 男性看護師を受け入れたくても、着替えの場所を用意できないことが理由で、男性の採用に踏み切れない施設もあります。
求人票に書かれていなくても、応募前に設備を問い合わせたり、見学で確認したりすると入職後に困りません。
応募してから気づくと、ちょっとへこむよね
参考:e-Gov法令検索「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」 / e-Gov法令検索「保健師助産師看護師法」
転職で年収を上げる方法

令和7年賃金構造基本統計調査をもとに、毎月決まって支給される給与(残業代・夜勤手当などを含む)の12か月分に年間賞与を足して計算すると、男性看護師の平均年収は約552万円です。
女性看護師の約521万円より高めですが、今の職場のままでは大きく上がりにくいのも事実です。
年収を上げたいなら、「手当」「資格」「役職」「分野」のどれで上げるかを決めてから職場を選ぶのが近道です。
夜勤回数の多い職場を選ぶ
一番早く年収に反映されるのが夜勤手当です。 日本看護協会の2025年の調査では、定額の夜勤手当を支給している病院の平均は、二交代制で1回1万1,470円、三交代制で準夜勤4,300円、深夜勤5,211円でした。
| 月の夜勤回数 | 月額 | 年額 |
|---|---|---|
| 4回 | 約4.6万円 | 約55万円 |
| 6回 | 約6.9万円 | 約83万円 |
| 8回 | 約9.2万円 | 約110万円 |
二交代制で夜勤を月4回から8回に増やせば、単純計算で年間約55万円の差になります。 ただし、夜勤手当の額は2010年ごろからほぼ横ばいで、職場ごとの差もあります。
求人を比べるときは、夜勤1回あたりの金額と、月の平均夜勤回数をセットで確認しましょう。
認定看護師・専門看護師の資格を取る
認定看護師や専門看護師の資格を取ると、資格手当がつく職場や、専門外来・チーム医療で役割を任される職場を選べるようになります。 認定看護師は一定年数の実務経験と教育課程の修了、専門看護師は看護系大学院の修了が必要です。
資格取得の支援制度(学費補助・休職扱い)がある病院に転職してから資格を目指すと、費用と時間の負担を抑えられます。
管理職を目指す
主任や看護師長などの管理職になると、役職手当がついて年収が上がります。 男性看護師は長期就業を前提に管理職候補として見られることもあり、昇進の道筋が見えている職場を選べば、年収アップの見通しも立てやすくなります。
面接では、主任・師長になった人の平均的な経験年数や、昇格の仕組みを聞いておきましょう。
企業・美容分野へ移る
前の章で紹介したCRAや、メンズ美容クリニックなどの分野は、病院より年収が上がる可能性があります。 美容分野はインセンティブ、企業は賞与や昇給の仕組みが病院と違うため、基本給・手当・賞与の内訳まで比べることが大切です。
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給料を上げる方法をもっと知りたい場合は、以下の記事も参考になります。
どの方法で上げるかを決めると、選ぶ職場も見えてくるね
参考:政府統計の総合窓口(e-Stat)「賃金構造基本統計調査 令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」 / 日本看護協会「「2025年 病院看護実態調査」結果」
男性看護師が転職先を選ぶときの確認点

男性看護師が入職後に困りやすいのは、給与や仕事内容よりも、求人票に書かれていない生活面の条件です。 見学や面接で、次の4つを確認しておきましょう。
| 確認したいこと | 求人票 | 見学 | 面接 | 転職エージェント |
|---|---|---|---|---|
| 男性職員の人数 | × | ○ | ◎ | ◎ |
| 更衣室・仮眠室 | × | ◎ | ○ | ○ |
| 男性の育休実績 | △ | × | ○ | ◎ |
| 男性の管理職 | × | △ | ◎ | ◎ |
男性職員の人数と比率
配属予定の病棟に男性看護師が何人いるかは、働きやすさに直結します。 男性が自分1人だけだと、力仕事や男性の患者さんの対応が集中しやすいことがあります。 病院全体の人数だけでなく、配属先の部署ごとの人数を聞いておくと、入職後のイメージがつかみやすくなります。
更衣室・仮眠室の設備
更衣室や仮眠室は、毎日使うのに求人票にはほとんど書かれていない設備です。 夜勤中に仮眠をとる職場では、仮眠の場所を男性用と女性用に分けて設けることが労働安全衛生規則で定められています。
それでも、男性用の仮眠室が狭い、更衣室がロッカーをカーテンで仕切っただけ、といった職場もあります。 見学のときに、実際に使う更衣室と仮眠室を見せてもらうのが確実です。
男性の育休・時短の取得実績
厚生労働省の令和7年度雇用均等基本調査では、男性の育児休業取得率は50.9%で、初めて5割を超えました。
ただ、制度があっても、職場に取得した男性がいなければ言い出しにくいものです。 「男性看護師で育休を取った人はいますか?」「期間はどのくらいでしたか?」と実績を聞くと、制度が実際に使われているかがわかります。
面接で育休のことを聞いても大丈夫なのかな?
聞きにくい場合は、転職エージェントに代わりに確認してもらう方法もあります。
管理職に男性がいるか
主任や師長に男性がいる職場は、男性看護師がキャリアを積める実績があるという目安になります。 管理職を目指したい人は、男性の管理職の人数や、どのような経歴で昇進したかを聞いておきましょう。
反対に、管理職が全員女性でも、評価の仕組みが公平なら問題ありません。昇格の基準が明確かどうかもあわせて確認しておくと安心です。
参考:厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」 / e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
まとめ
男性看護師は年々増えていて、体力や緊急対応が求められる職場を中心に需要があります。 転職先を選ぶときは、需要の高い職場を知るだけでなく、求人を見つけにくい職場や、求人票に書かれていない生活面の条件まで確認しておくことが大切です。
この記事のポイント
- 男性看護師は10年で約1.6倍に増え、看護師の8.7%
- 精神科・手術室・救急・整形外科・透析は需要が高い
- 訪問看護や産業看護師など病院以外の選択肢もある
- 産科や女性専用クリニックは求人を見つけにくい
- 年収は夜勤・資格・役職・分野のどれで上げるか決める
- 更衣室・仮眠室と男性の育休実績は見学・面接で確認
まずは、転職で一番かなえたいことを決め、それに合う職場を探してみましょう。 男性看護師の受け入れ実績や設備の状況など、求人票だけではわからない情報は、転職エージェントに相談すると確認してもらえます。


