訪問看護が合わなかった看護師へ|続ける・変える・戻るの判断と対処法
病棟から訪問看護に移ったものの、「思っていた働き方と違う」「自分には合わなかったかもしれない」と感じている看護師の方は少なくありません。1人で判断する場面の多さ、オンコールの負担、病棟とはまったく違う仕事の進め方など、合わないと感じる理由はさまざまです。
ただ、合わないと感じたときにすぐ決めるべきなのは「辞めるかどうか」ではありません。何が合っていないのかを切り分けると、今の職場で解決できること、ステーションを変えれば解決すること、訪問看護という働き方そのものが合わないことの3つに分かれます。
この記事では、訪問看護が合わなかったと感じる理由を整理したうえで、続ける・変える・戻るという3つの方向それぞれについて、判断材料と具体的な対処法をまとめました。辞めることをすすめる内容でも、我慢を促す内容でもありません。ご自身で判断するための材料としてお読みください。
お申し込みを受け付けました
以下からひな形と見本をダウンロードできます。
訪問看護が合わないと感じる理由

訪問看護が合わないと感じるのは、珍しいことではありません。就業している看護師のうち訪問看護ステーションで働く人は一部にとどまり、多くの看護師にとって訪問看護は入職後にはじめて経験する働き方だからです。
病棟で身につけた仕事の進め方がそのままでは通用しない場面が多く、経験年数を重ねた方でも戸惑いを感じます。ここではまず、合わないと感じる理由としてよく挙がるものを事実として並べます。ご自身がどれに当てはまるかを確認しながら読み進めてみてください。
1人で判断する場面が多い
訪問看護では、利用者さんの自宅に1人で訪問します。バイタルの変化や皮膚の状態、いつもと違う様子に気づいたとき、その場で相談できる同僚や医師はいません。
制度上、訪問看護は主治医の指示にもとづいて提供されます。指定居宅サービス等の基準では、訪問看護ステーションはサービスの提供開始に際して主治の医師による指示を文書で受けなければならないと定められています。つまり、看護師が単独で治療方針を決めているわけではありません。
とはいえ、指示書に書かれていない変化に出会う場面は日常的にあります。その場で「報告すべきか」「次回まで様子を見てよいか」を判断する必要があり、この重さが負担になる方は多くいます。
※訪問看護は、主治医の指示と現場からの報告のやり取りの中で進む仕組みです
オンコールの負担が大きい
夜間や休日に電話を持ち、必要に応じて緊急訪問に出るオンコールは、訪問看護特有の負担です。呼び出しが実際にあるかどうかにかかわらず、電話を持っている時間帯は気持ちが休まらないという声が多く聞かれます。
医療保険の訪問看護では、24時間対応できる体制を整えたステーションが24時間対応体制加算を算定できるしくみになっています。ステーションにとってこの体制は収入にも直結するため、オンコールを担当できる看護師が少ないほど、1人あたりの当番回数は増えます。
移動や天候に左右される
訪問看護は、1日の多くの時間を移動に使います。自転車やバイク、車で地域を回るため、真夏の暑さや真冬の寒さ、雨や雪の影響を直接受けます。
渋滞や駐車場所の確保に手間取れば、その後の訪問時間もずれ込みます。病棟のように建物の中で完結する働き方と比べると、体力面でも時間管理の面でも負担の質が異なります。この点が合わないと感じる方も少なくありません。
病棟との仕事の進め方が違う
病棟では、医師や先輩看護師がすぐ近くにいて、必要な物品もそろっています。訪問看護では、限られた持ち物と利用者さんの自宅にあるもので対応することが前提になります。
判断の相談も、その場ではなく電話や記録を通じて行われます。ケアの目的も、治療して退院を目指す病棟に対し、訪問看護では生活を続けられる状態を保つことに重心が置かれます。この違いに慣れるまで、自分のやり方が通じない感覚が続きます。
そもそも、訪問看護ステーションで働く看護師は全体の中では少数派です。就業場所ごとの人数を見ると、その差がはっきり分かります。
ステーション
教育体制が整っていない
訪問看護ステーションは、看護職員が常勤換算で2.5人以上いれば開設できます。小規模な事業所も多く、病棟のような体系立てた新人教育のしくみを持たないステーションは珍しくありません。
同行訪問の期間も事業所ごとに大きく違います。数か月かけて段階的に単独訪問へ移行するところもあれば、人手が足りず短期間で1人立ちを求められるところもあります。教えてもらえないまま任される状況が続けば、合わないと感じるのは自然なことです。
利用者さんや家族との距離感が難しい
訪問看護では、利用者さんの生活の場に入ります。滞在時間は決まっていて、その間は看護師と利用者さん・ご家族だけで過ごすことがほとんどです。
関係が近くなる分、ケア以外の相談や要望を受ける場面も出てきます。ご家族の考えとケアの方針が食い違うこともあります。病棟のようにチームで受け止める形をとりにくく、対応を1人で抱えやすい点が難しさにつながります。
訪問件数のノルマがある
多くのステーションでは、1日あたりの訪問件数の目安が決まっています。事業所の収入は訪問の実績で決まるため、件数の管理は避けられません。
件数が目安に届かないことを気にしながら働くと、1件ごとのケアに集中しづらくなります。記録や電話連絡は訪問の合間や訪問後に行うため、件数が増えるほど時間の余裕はなくなります。ケアの質を優先したい方ほど、この点に葛藤を感じやすくなります。
参考:厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」 / e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」 / 近畿厚生局「医療保険の訪問看護について」
看護師の求人を探す合わない原因を3つに切り分ける

「訪問看護が合わない」と一言でまとめてしまうと、次の行動が決められません。同じ「合わない」でも、時間が解決するものと、環境を変えないと解決しないもの、働き方そのものが向いていないものがあります。
ここでは、ご自身の状況を当てはめられるように3つのタイプに分けます。当てはまる項目が多いところが、いま向き合うべき課題です。複数にまたがることもあるので、いちばん強く感じるものから確認してください。
慣れれば解決する問題
経験を重ねることで負担が軽くなるタイプです。次のような状態が当てはまります。
- 訪問先までの道順や駐車場所を覚えきれず、移動に時間がかかる
- 1人での判断に自信が持てず、報告のたびに緊張する
- 記録や請求に関わる書類の書き方に手間取っている
- 利用者さんごとのケア手順を思い出しながら訪問している
これらは、担当する利用者さんが固定され、訪問の流れが身につくにつれて負担が減っていく部分です。入職から半年ほどは、覚える量の多さそのものがストレスになっている状態と考えられます。この段階での「合わない」は、訪問看護そのものへの評価としては早い判断になりがちです。
ステーションを変えれば解決する問題
事業所の体制に原因があるタイプです。同じ訪問看護でも、別のステーションに移れば解消する可能性があります。
- 同行訪問がほとんどないまま単独訪問を任された
- オンコールの当番が特定の人に偏っている
- 訪問件数の目安が高く、記録の時間が確保できない
- 相談したい場面で連絡がつく人がいない
- 自分の経験と、ステーションが得意とする領域が合っていない
これらは看護師個人の努力では変えにくく、事業所の人数や方針に左右されます。ここに当てはまる項目が多い場合は、訪問看護を続けたまま環境だけを変える選択肢が現実的です。
30秒でかんたん登録!
無料で応募書類テンプレをプレゼント
訪問看護という働き方が合わない問題
働き方の前提そのものが自分に合っていないタイプです。制度上、介護保険の訪問看護は病状が安定期にある利用者さんに対して、療養上の世話や必要な診療の補助を行うものと定められています。
急変対応や処置の多い現場でこそ力を発揮したい、チームで動きたい、勤務時間外は完全に切り離したい。こうした希望が強い場合、ステーションを変えても同じ理由で合わないと感じる可能性があります。生活を支える看護よりも、治療の場での看護にやりがいを感じる方も同じです。
このタイプに当てはまるなら、無理に訪問看護の中で答えを探すよりも、病棟やクリニックを含めて働く場を考え直すほうが、納得のいく結論に近づきます。
ここまでの3タイプを、質問に答える形で確認できるようにまとめました。上から順にたどってみてください。
参考:e-Gov法令検索「介護保険法施行規則」 / e-Gov法令検索「介護保険法」
ステーションによって働き方が違う

「訪問看護が合わない」と「そのステーションが合わない」は、分けて考える必要があります。訪問看護ステーションは全国で1万8千か所を超え、規模も体制も得意分野もそれぞれ違うからです。
同じ訪問看護という名前でも、実際の1日の動き方は事業所によって別の仕事に近いほど差があります。違いを知らないまま次を選ぶと、同じ理由で辞めることになりかねません。ここでは、違いが出やすい3つの軸を確認します。
規模による違い
もっとも分かりやすい違いが、働いている看護職員の人数です。訪問看護ステーションの人員基準では、看護職員は常勤換算で2.5人以上、そのうち1人は常勤と定められています。つまり、最小構成なら3人前後で運営されているステーションもあります。
一方、医療保険には機能強化型訪問看護管理療養費というしくみがあり、届け出るには常勤の看護職員が一定数以上必要です。人数が多いステーションほど、オンコールの当番は分散し、相談できる相手も増えます。
反対に小規模なステーションでは、判断も当番も少人数で回すことになります。人数の多さは、そのまま1人あたりの負担の重さに直結すると考えてよいでしょう。
※常勤換算と常勤の実人数は、数え方が異なります。
※機能強化型1〜4は、二十四時間対応体制加算の届出が要件です。
オンコール体制による違い
オンコールは、あるかないかだけでなく、どう回しているかで負担がまったく変わります。24時間対応体制加算を届け出ているステーションでは、常時連絡を受けられる体制と、計画外の緊急時訪問ができる体制が求められます。
加えて、この加算には24時間対応体制における看護業務の負担軽減に資する業務管理等の体制を評価する区分が設けられています。負担軽減の取り組みが制度上も位置づけられているということです。
ただし、実際にどこまで工夫がなされているかは事業所によって差があります。同じ「オンコールあり」でも、中身は同じではありません。
同じ「オンコールあり」でも、運用によって負担は変わる
※24時間対応体制加算には、看護業務の負担軽減に資する業務管理等の体制を評価する区分がある
得意とする領域による違い
ステーションによって、主に受けている利用者さんの層が違います。精神科に特化したステーション、小児の在宅を多く受けるステーション、がん末期の方のターミナルケアを中心に行うステーションなど、それぞれ求められる知識も関わり方も変わります。
精神疾患のある方への訪問看護は、医療保険で精神科訪問看護基本療養費として位置づけられ、必要な体制を整えたステーションが提供します。医療処置よりも対話と関係づくりが中心になり、バイタル測定や処置を主な業務として想定していると、大きなギャップを感じます。
前の職場で身につけた経験が活きるかどうかは、この領域の相性で決まる部分が大きいといえます。領域ごとに、求められる関わり方は次のように変わります。
参考:厚生労働省「訪問看護療養費に係る訪問看護ステーションの基準等」 / e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」 / 厚生労働省「令和6(2024)年介護サービス施設・事業所調査の概況」
- 正看護師×訪問看護の求人は2,535件。月給中央値は32.0万円
- 病院(29.8万円)やクリニック(28.6万円)より訪問看護はやや高めの水準
- ただし月給は17.2万〜56.7万円と幅が大きく、事業所ごとの差がある
今の職場で試せる対処法

合わない原因が「慣れ」や「ステーションの体制」にある場合、辞める前に試せることがあります。気分転換や休息といった一般的な方法ではなく、訪問看護の業務に直接関わる相談です。
いずれも、感情ではなく事実を材料にして伝えるのがポイントになります。困っている状況と、こうしてほしいという希望をセットで示すと、管理者も調整の判断がしやすくなります。
同行訪問を増やしてもらう
単独訪問に不安がある場合、まず相談したいのが同行訪問です。特定の利用者さんについてだけ同行してもらう、医療処置のある訪問に限って同行してもらうなど、範囲を絞って頼むほうが受け入れられやすくなります。
「まだ1人では不安です」とだけ伝えると、慣れの問題として受け取られがちです。処置の手順が確認できていない、ご家族への説明の仕方が分からないなど、不安の中身を具体的に挙げてください。同行の目的がはっきりすれば、管理者も予定を組みやすくなります。
担当する利用者さんの調整を相談する
担当する利用者さんの組み合わせによって、負担は大きく変わります。医療処置の多い方、対応が難しいご家族のいる方が重なっていれば、経験年数にかかわらず消耗します。
担当変更は事業所全体の割り振りに関わるため、すぐには通らないこともあります。それでも、どの訪問に時間と気力を使っているかを具体的に伝えること自体に意味があります。訪問件数の目安を見直してもらう、移動距離の近い利用者さんをまとめてもらうといった調整につながる場合もあります。相談の進め方は、次の順番で組み立てると伝わりやすくなります。
オンコールの回数を相談する
オンコールの負担は、当番の回数そのものを減らす以外にも軽くする方法があります。勤務の組み方を変えてもらう、夜間に相談できる相手を決めてもらうといった形なら、事業所側も調整を検討しやすくなります。
前述のとおり、24時間対応体制における看護業務の負担軽減は、加算のしくみの中にも位置づけられています。個人的なお願いではなく体制の話として相談できる材料があると考えると、切り出しやすくなります。
- 「当番の翌日に訪問が続くと集中しづらいので、翌日の予定を調整できないか相談したいです」
- 「先月は緊急訪問が重なったので、今月の当番の回数を見直せないか確認させてください」
- 「夜間に判断へ迷ったとき、管理者に二次相談できる形にしていただけると助かります」
参考:公益社団法人日本看護協会「訪問看護」 / 厚生労働省「訪問看護療養費に係る訪問看護ステーションの基準等」
看護師の求人を探す別の訪問看護ステーションを探すときの確認点

訪問看護は続けたいけれど今のステーションが合わない。そう整理できたなら、次に見るべきは求人票と見学のときにどこを確認するかです。
前の職場で負担になっていた点が、次の職場では違うのかどうか。ここを言葉で確認できないまま入職すると、同じ理由で合わないと感じることになります。以下の4点は、そのまま質問として使える形にしています。
独り立ちまでの同行期間
まず確認したいのが、単独訪問を始めるまでの同行期間です。「しっかり教えます」「丁寧に指導します」といった表現だけでは、期間も内容も分かりません。
同行訪問は何か月か、何件くらいか、誰が同行するのかを数字で聞いてください。加えて、単独訪問を始める判断は誰がどう決めるのかも確認したい点です。人手が足りない事業所では、予定より早く1人立ちを求められることがあります。
オンコールの分担と手当
オンコールは、当番が回ってくる頻度と手当の中身の両方を確認します。求人票に「オンコールあり」とだけ書かれている場合、実際の負担は聞いてみないと分かりません。
特に見落としやすいのが、待機しているだけで支給される当番手当と、実際に訪問した場合の出動手当が分かれているかどうかです。入職後すぐに当番へ入るのか、何か月後からかも必ず聞いておきたい点です。
1日の訪問件数
1日に何件訪問するかは、働き方を決める大きな要素です。件数だけでなく、記録を書く時間が勤務時間の中に含まれているかを合わせて確認してください。
訪問と訪問の間の移動時間、担当エリアの広さも聞いておきたい点です。同じ件数でも、エリアが狭くまとまっていれば余裕が生まれ、広ければ移動だけで消耗します。件数の目安が達成できなかったときにどう扱われるかも、遠慮せずに確認したい部分です。
ステーションが得意とする領域
そのステーションがどんな利用者さんを多く受けているかは、入職後の毎日を左右します。精神科が中心なのか、小児を受けているのか、ターミナルケアが多いのかによって、必要な知識も関わり方も変わります。
前の職場で「対応が難しかった」と感じた層が中心のステーションを選べば、同じ悩みが繰り返されます。反対に、病棟時代の経験が活きる領域を選べば、立ち上がりは早くなります。利用者さんの疾患や年齢層の内訳を具体的に聞くことが、この確認の中心です。
なお、令和6年4月から労働条件明示のルールが改正され、就業場所や業務の変更の範囲も明示事項に加わりました。書面に書かれる内容と、見学で聞いて確かめる内容を分けて考えると、確認の抜けが減ります。
確認事項の仕分け表
| 書面で確認できる | 聞いて確かめる |
|---|---|
|
|
※令和6年4月から就業場所・業務の変更の範囲も労働条件の明示事項に追加された
参考:厚生労働省「令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます」 / 厚生労働省「訪問看護療養費に係る訪問看護ステーションの基準等」
30秒でかんたん登録!
無料で応募書類テンプレをプレゼント
病棟やクリニックに戻る場合の考え方

訪問看護という働き方そのものが合わないと整理できたなら、病棟やクリニックに戻る選択も現実的です。このとき多くの方が気にするのが、訪問看護に出たことがマイナスに受け取られないかという点です。
結論から言えば、訪問看護の経験は病院の中でも必要とされています。ただし、そのままでは伝わりにくいのも事実です。ここでは、経験がどこで評価されるのか、どう伝えれば実務として伝わるのかを整理します。
訪問看護の経験が評価される場面
病院には、退院後の生活を見据えて調整する部門があります。診療報酬の入退院支援加算では、入退院支援と地域連携を担う部門を設け、その業務に十分な経験を有する専従の看護師または社会福祉士を配置することが施設基準に定められています。
在宅でどんな支援が受けられるのか、ご家族がどこで困るのか、退院後にどんな不安が出るのか。これらは訪問看護で日常的に見てきた内容です。退院支援や地域連携の部署では、この視点がそのまま業務につながります。
単独訪問で培った観察と判断、多職種と連絡を取りながら進める調整も、病棟の中で評価される場面があります。訪問看護の経験は、看護から離れていた時間ではありません。
ブランクと受け取られないための伝え方
一方で、伝え方によっては「病棟の実務から離れていた期間」と受け取られることがあります。訪問看護の1日の動きは、病院側の採用担当者にとって想像しにくい部分があるためです。
「訪問看護をしていました」だけで終わらせず、何を、どのくらいの頻度で、どんな判断のもとに行っていたかを具体的に伝えてください。担当していた利用者さんの人数や疾患、行っていた医療処置、主治医への報告の頻度などが材料になります。
急変時の対応や、緊急訪問での判断も伝えたい内容です。単独で観察し、報告の要否を判断してきた経験は、病棟でも通用する力として説明できます。
戻る前に整理しておくこと
戻ると決める前に、確認しておきたいことがあります。訪問看護を離れる理由が、訪問看護という働き方そのものにあるのか、今のステーションの体制にあるのかという点です。ここが曖昧なまま病棟に戻ると、今度は病棟の働き方に対して同じ迷いが出ることがあります。
夜勤の有無、希望する勤務形態、通勤にかけられる時間など、生活面の条件も先に決めておくと選びやすくなります。看護師等の免許を持つ方は、離職時などに都道府県ナースセンターへ届け出るしくみがあり、復職に向けた情報提供や相談を受けられます。
「訪問看護に出たこと」ではなく「訪問看護で何をしてきたか」を話せると、受け取られ方が変わります。担当していた利用者さんの疾患、行っていた医療処置、主治医へ報告した場面を、面接前に書き出しておくのがおすすめです。
なお、訪問看護の経験を活かしながら病院に戻る形として、退院支援や地域連携の部署、在宅療養支援を行う診療所という選択肢もあります。病棟に戻ることだけが選択肢ではありません。
参考:厚生労働省「基本診療料の施設基準等」 / 厚生労働省「看護師等免許保持者の届出制度」
まとめ
訪問看護が合わなかったと感じたとき、大切なのは「辞めるかどうか」より先に、何が合っていないのかを切り分けることです。慣れれば解決すること、ステーションを変えれば解決すること、働き方そのものが合わないことでは、取るべき行動が変わります。
今の職場で試せることとしては、同行訪問を増やしてもらう、担当する利用者さんを調整してもらう、オンコールの回数や翌日の勤務を相談するといった方法があります。いずれも事実を材料にして具体的に伝えることが、話を進めるうえでのポイントです。
環境を変える場合は、独り立ちまでの同行期間、オンコールの分担と手当、1日の訪問件数、得意とする領域の4点を必ず確認してください。同じ訪問看護でも、事業所によって働き方は大きく違います。
病棟やクリニックに戻る場合も、訪問看護の経験はマイナスではありません。在宅の視点は退院支援や地域連携の場面で必要とされています。合わなかったと感じた経験も、次にどんな働き方を選ぶかを決めるための材料になります。


