看護師で転職するのが不安なときはどうする?不安の種類別に対処法を解説
転職を考えてはいるものの、「本当に今の職場を離れていいのか」「次の職場でうまくやっていけるのか」と不安が先に立って動けない。看護師の転職では、こうした迷いを抱えたまま時間だけが過ぎてしまうケースが少なくありません。
不安そのものは自然な感情ですが、やっかいなのは、性質の違う不安がひとかたまりになっていることです。「求人票と実際の条件が違うかもしれない」という不安と、「新しい職場に馴染めるだろうか」という不安では、打てる手がまったく違います。ところが多くの場合、この2つは「転職が不安」というひとことにまとめられてしまいます。
この記事では、看護師が転職で感じる不安を情報で小さくなる不安・行動で減らせる不安・完全には消えない不安の3つに分けたうえで、それぞれに効く対処法を具体的に整理します。
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看護師が転職で感じる不安

看護師の転職に伴う不安は、転職を決める前・活動中・転職後という3つの時期に分けて整理できます。時期が違えば、抱く不安の中身も変わります。まずはどんな不安があるのかを一度すべて並べてみましょう。ここでは列挙にとどめ、対処法は記事の後半でまとめて扱います。
自分の不安がどの時期のものかが分かるだけでも、頭のなかの混乱はかなり整理されます。「全部が不安」という状態から、「自分が引っかかっているのはこの部分だ」という状態に持っていくことが第一歩です。
なお、看護職の転職や離職は決して珍しいことではありません。日本看護協会の調査によれば、2023年度の正規雇用看護職員の離職率は11.3%でした。10人に1人以上が1年のあいだに職場を移っている計算になります。
看護師が転職を考えるときに向き合う数字
正規雇用看護職員の離職率(2023年度)
11.3%前年度の職場から1年以内に離れた人の割合
10人の看護師のうち
1人以上が1年で職場を移っている
転職を決める前の不安
転職するかどうかを決めきれていない段階では、「そもそも辞めていいのか」という根本的な迷いが中心になります。
- 今の職場を辞めて後悔しないか分からない
- 辞めたい理由が甘えではないかと感じてしまう
- 経験年数が浅く、転職に踏み切っていいのか判断できない
- 次の職場が今より悪い環境だったらどうしようと思う
- 上司や同僚に退職を切り出せる気がしない
この時期の不安は、比較の材料が足りないことから生まれるものが多くあります。今の職場のことは毎日見ているので具体的に分かる一方、転職先の情報はほとんど持っていません。
そのため、頭のなかでは「よく知っている現状」と「よく分からない将来」を比べることになり、判断がつかなくなります。
転職活動中の不安
実際に動き始めると、不安の中身は「うまく進められるか」という実務的なものに変わります。
- 求人票に書かれている条件が本当かどうか分からない
- 在職中に活動していることが職場に知られないか心配になる
- 面接で退職理由をどう説明すればいいか迷う
- ブランクや経験の少なさをマイナスに見られないか気になる
- 複数の求人を比べても、どこがよいのか決められない
活動中の不安は、確認する手段が用意されているものが多いという特徴があります。求人票の内容や労働条件、医療機関の体制などは、自分で調べたり質問したりして精度を上げられる情報です。この点は記事後半で詳しく扱います。
転職後の不安
内定が出たあとや入職直後には、また別の不安が出てきます。
- 新しい人間関係にうまく入っていけるか分からない
- これまでと違う診療科や機材に対応できるか自信がない
- 即戦力として見られてしまい、質問しづらいのではないかと感じる
- 前職とのやり方の違いに戸惑わないか心配になる
- 辞めた判断が正しかったのか、あとから迷いそうな気がする
転職後の不安は、事前に完全になくすことはできません。実際に働いてみないと分からない部分が必ず残るためです。ただし、備え方によって受ける衝撃の大きさは変わります。
参考:労働政策研究・研修機構「正規雇用看護職員の離職率は11.3%に/日本看護協会調査」
看護師の求人を探す不安を3つに仕分ける

ここからが本記事の中核です。ここまでに並べた不安を、性質によって3つに仕分けます。仕分けが必要なのは、不安の性質によって効く手段がまったく違うからです。
「情報が足りないから不安」なことに対して気分転換をしても解消しませんし、「やってみないと分からない」ことをいくら調べても答えは出ません。逆に言えば、自分の不安がどのタイプかを見極めれば、次に取るべき行動は自然に決まります。
仕分けの基準はシンプルです。調べれば答えが出るか、自分の準備で変えられるか、どちらでもないかの3択で考えてください。
情報を得れば小さくなる不安
1つ目は、事実を確認すれば輪郭がはっきりする不安です。給与や休日、夜勤回数、病床数、看護体制、教育制度の有無といった、答えが客観的に存在するものが該当します。
このタイプの不安は「分からないから怖い」だけであって、調べれば消えるか、少なくとも大きさが確定します。仮に調べた結果が期待外れだったとしても、「その職場は選ばない」という判断ができるので、不安は判断材料に変わります。
一方で、多くの人がこのタイプの不安を放置したまま活動を進めてしまいます。どこで何を確認できるのかを知らないことが、その主な理由です。確認先については次の章で具体的に扱います。
行動で減らせる不安
2つ目は、自分の準備によって発生確率を下げられる不安です。「面接でうまく話せないかもしれない」「職場に知られたらどうしよう」「退職の切り出し方が分からない」といったものが当てはまります。
これらは調べても答えが出ません。答えを出すのは自分の行動だからです。応募書類を先に用意しておく、面接の日程調整のルールを決めておく、質問したいことを書き出しておく。こうした準備を1つずつ済ませるたびに、不安の総量は確実に減ります。
「誰かに聞けば答えが出る」なら情報タイプ、「自分が動かないと変わらない」なら行動タイプです。迷ったら、その不安を解消できるのは自分以外かどうかで判断してください。
完全には消えない不安
3つ目は、事前にはどうやっても確定しない不安です。新しい職場の人間関係、上司との相性、実際の忙しさの体感、自分がその環境に馴染めるかどうか。これらは働いてみなければ分かりません。
大切なのは、このタイプを無理に消そうとしないことです。消えない不安を消そうとして情報を集め続けると、いつまでも決断できなくなります。ここでやるべきことは解消ではなく、起きたときの備えを用意しておくことです。
具体的には、慣れるまでの期間をあらかじめ見込んでおく、相談できる相手を早めに見つけておく、うまくいかなかった場合の選択肢も把握しておく、といった準備が該当します。
備えがあれば、想定外の事態が起きても対処できます。この3つ目のタイプへの備え方は、記事後半でくわしく扱います。
今のあなたの状況は?
情報で解消できる不安への対処

ここからは仕分けごとの対処法です。まずは情報タイプから見ていきます。「情報収集をしましょう」という一般論ではなく、どこで何を確認できるのかを具体的に示します。
確認できる場所は大きく4つあります。求人票、公的に公表されている医療機関の情報、職場見学、そして内定時に交付される書面です。この4つは確認できる内容が重なっておらず、順番に見ていくことで職場像の解像度が上がっていきます。
求人票で確認できること
求人票は最初の情報源ですが、書かれている項目と書かれていない項目を区別して読むことが大切です。
- 給与の内訳(基本給と各種手当が分かれて記載されているか)
- 夜勤の回数と夜勤手当の金額
- 年間休日数と休日の取り方(シフト制か、土日祝休みか)
- 看護配置基準や病床数などの施設規模
- 募集の背景(増員か欠員補充か)
とくに注意したいのが給与の見方です。月給の金額だけを見て比較すると、夜勤手当や住宅手当を含んだ額と基本給だけの額を並べてしまうことがあります。比べるときは基本給ベースで揃えると、実態に近い比較ができます。
なお、募集の背景が書かれていない求人票も多くあります。増員募集なのか、退職者が出たための補充なのかは、後述する職場見学や面接の場で質問できる内容です。
求人票に並ぶ条件が、実際にどのくらいの割合で出ているのかも把握しておくと、希望条件に優先順位をつけやすくなります。
- 正看護師の掲載求人は9,633件。うち未経験可は69%
- 年間休日120日以上は22%、残業ほぼなしは14%
- 託児所・保育所完備は11%、ブランクOKは9%
- 優先順位を決めておくと探しやすくなります
公表されている医療機関の情報を見る
求人票以外にも、医療機関の情報を確認できる公的な仕組みがあります。厚生労働省が運営する医療情報ネット(ナビイ)では、全国の病院・診療所・歯科診療所・助産所・薬局の情報を検索できます。
この仕組みは本来、患者さんが受診先を選ぶためのものですが、転職先を調べる立場でも役に立ちます。診療科目や所在地はもちろん、対応できる医療の内容や体制に関する情報が、医療機関自身の広告ではなく制度に基づいて公表されているためです。
求人票と公的情報の使い分け
- 求人票=労働条件の情報(給与・休日・勤務時間)
- 医療情報ネット=医療機関そのものの情報(診療科目・体制・対応内容)
- 2つを重ねると、どんな現場でどんな条件で働くのかが見えてくる
自分が働きたい分野の診療科があるか、規模はどのくらいか、地域のなかでどんな役割を担っている施設なのかを事前に把握しておくと、面接での質問も具体的になります。
職場見学で確かめること
書面では分からない部分を確認できるのが職場見学です。応募前や面接前に見学を受け入れている施設は多く、希望を伝えれば調整してもらえる場合があります。
見学で見るべきなのは、設備の新しさよりも人の動き方です。
- スタッフ同士の声のかけ方や表情
- ナースステーションの雰囲気と情報共有のしかた
- 実際に稼働している病床数と配置されている人数の感覚
- 記録に使っているシステムと、記録に充てられている時間
- 休憩室や更衣室など、勤務外の時間を過ごす場所の状態
見学のときは、案内してくれる担当者に募集の背景を尋ねてみるのも有効です。増員なのか欠員補充なのか、直近で何人辞めているのかといった点は、求人票には出てこない情報です。
内定時に書面で確認すること
内定が出たあとに必ず確認したいのが、労働条件の書面です。労働基準法では、労働契約を結ぶ際に賃金や労働時間などの労働条件を明示することが定められており、主要な項目については書面の交付が必要とされています。
さらに、令和6年4月から労働条件明示のルールが改正され、就業場所や業務の変更の範囲などが明示事項に加えられました。転職先で異動の可能性があるかどうかを、書面で確認できるようになったということです。
書面を受け取ったら、求人票との差がないかを1項目ずつ照らし合わせてください。ここで違いが見つかった場合は、入職前に確認するのが原則です。入職後に指摘しても、条件を戻すのは難しくなります。
ここまでの4つの情報源は、確認できる内容がそれぞれ違います。1つの窓口だけで職場の全体像をつかむことはできないため、順に見ていくことが必要になります。
求人票・医療情報ネット・職場見学・内定書面 確認できることの違い
| 確認したい内容 | 求人票 | 医療情報ネット | 職場見学 | 内定書面 |
|---|---|---|---|---|
| 給与の内訳(基本給・手当) | 内訳の記載あり | - | - | 確定額を明示 |
| 夜勤回数・夜勤手当 | 募集時点の目安 | - | 実際の運用を聞ける | 確定回数を明示 |
| 年間休日数・休日の取り方 | 記載あり | - | - | 確定日数を明示 |
| 看護配置基準・病床数 | 記載あり | 施設の基本情報として検索可 | 稼働病床と人数の実感 | - |
| 診療科目・対応する利用者さんの層 | 簡単な記載のみ | 条件を絞って検索できる | 現場で確認できる | - |
| スタッフの雰囲気・人の動き方 | - | - | 実際に見て確認できる | - |
| 就業場所・業務の変更範囲 | 簡単な記載のみ | - | - | 法定の明示事項として記載 |
横に並べると、ひとつの項目を確認できる情報源は多くても2つ。ひとつの窓口だけで職場像の全体をつかむことはできない組み合わせになっている。
参考:厚生労働省「医療情報ネット(ナビイ)」 / 厚生労働省「令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます」 / e-Gov法令検索「労働基準法」
行動で減らせる不安への対処

続いて行動タイプの不安です。このタイプは調べても答えが出ないかわりに、準備を済ませた分だけ確実に小さくなるという性質があります。
ポイントは、動き出す前に準備を終えておくことです。求人を見てから慌てて書類を作り、日程調整に追われながら面接に臨むと、準備不足そのものが新しい不安を生みます。先に手を打っておけば、選考が始まってからは目の前の1社に集中できます。
応募書類を先に作っておく
履歴書と職務経歴書は、応募したい求人が見つかる前に作っておくのがおすすめです。看護師の求人は募集が出てから締め切られるまでが早い場合もあり、書類の準備で数日を失うと応募自体が間に合わないことがあります。
職務経歴書には、これまでの勤務先の概要(病床数・診療科・看護配置)、担当した業務、経験した処置や機器、委員会やリーダー業務の経験を書き出します。1度作っておけば、応募先に合わせて強調する部分を入れ替えるだけで使い回せます。
勤務先の病床数と診療科、1日の受け持ち人数、夜勤の形態と月あたりの回数、経験した処置や医療機器。この4点は面接でもほぼ聞かれるため、書き出しておくと書類と面接の両方で使えます。
スケジュールを決める
いつまでに何をするかを決めておくと、「まだ動かなくていいのでは」という先延ばしを防げます。在職中の転職活動では、退職を申し出るタイミングから逆算して組み立てるのが基本です。
看護師の職場では、シフトが1か月単位で組まれることが多くあります。退職の意思を伝える時期が遅れると、シフトが確定してしまい、引き継ぎや有給消化の調整が難しくなります。就業規則で申し出の期限が定められている場合は、その期限も確認しておいてください。
面接で質問することを用意する
面接は評価される場であると同時に、こちらが職場を確認する場でもあります。聞きたいことを事前に書き出しておくと、その場の雰囲気に流されずに済みます。
- 夜勤の回数と、繁忙期に増えることがあるか
- 教育体制の具体的な内容(誰が、どのくらいの期間、どう関わるか)
- 中途入職者が過去1年で何人いて、今も在籍しているか
- 配属先が決まっているか、変わる可能性があるか
- 残業時間の実績と、申請の運用方法
質問はメモに書いて持参して構いません。準備してきたことが伝わるほうが、印象としてもプラスに働きます。逆に「特にありません」と答えると、志望度が低いと受け取られる場合があります。
この3つの準備は、書類、日程、面接の順に進めると手戻りが起きにくくなります。とくに日程は、退職日から逆算して組み立てるのがポイントです。
転職活動するなら?
現職に知られずに進める方法

在職中の転職活動で多いのが、「職場に知られたらどうしよう」という不安です。これは行動タイプの不安の代表格で、あらかじめルールを決めておけば大部分は防げます。
そもそも、転職活動をしていること自体を職場に報告する義務はありません。問題になるのは、活動の痕跡が意図せず職場に伝わってしまうケースです。日程の取り方、連絡手段、話す相手とタイミング。この3点を先に決めておきましょう。
面接日程の調整
面接は基本的に平日の日中に設定されます。看護師の場合、夜勤明けや公休を活用することで、有給を使わずに調整できる場合があります。
日程を調整するときは、応募先に希望日を複数まとめて伝えるのが効率的です。1日ずつやり取りすると回数が増え、勤務中の対応が必要になる場面も増えます。候補日は3つ以上まとめて提示すると、往復のやり取りを1回で済ませられます。
急な有給申請が続くと不自然に見えることもあるため、面接が複数重なりそうな場合は、あらかじめ休みの取り方を分散させておくと安心です。
連絡手段の設定
応募先とのやり取りに使う連絡先は、職場の端末やメールアドレスと完全に分けることが大前提です。
- 私用のメールアドレスを転職活動専用に用意する
- 電話は私用のスマートフォンで受け、勤務中は留守番電話に切り替える
- 職場の共有パソコンで求人サイトを開かない
- 更衣室や休憩室で通話しない
- SNSの公開アカウントに転職を示す投稿をしない
意外と見落とされがちなのが、通知のプレビュー表示です。ロック画面にメールの件名が表示される設定のままだと、応募先の名前が周囲から見えてしまうことがあります。活動中は通知内容を非表示に切り替えておくと確実です。
同僚に話すタイミング
親しい同僚に相談したくなる気持ちは自然なものですが、退職が正式に決まるまでは伝えないのが原則です。悪意がなくても話は広がりますし、内定前に伝わってしまうと、活動を続けにくい空気になることがあります。
伝える順番は、直属の上司が最初です。上司より先に同僚が知っている状態は、引き継ぎや調整の面でも支障が出ます。上司に伝えたあとは、上司と相談してチーム内への共有時期を決めるのが穏当な進め方です。
日程・連絡手段・伝える順番の3つを工程として並べると、次のようになります。
転職後の不安への備え

3つ目の「完全には消えない不安」への向き合い方です。転職後のことは事前に確定できませんが、備えを用意しておけば、実際に不安な出来事が起きたときの立て直しが早くなります。
日本看護協会の調査では、2023年度の新卒採用者の離職率は8.8%、既卒採用者の離職率は16.1%でした。転職して入職した人のほうが、1年以内に離れる割合は高くなっています。この差は、既卒者が即戦力として扱われやすく、支援を受けにくい環境に置かれがちなことと無関係ではありません。
裏を返せば、最初から支援を求める前提で動くことが、転職後の不安への最も現実的な備えになります。
入職直後にすること
入職して最初にやるべきなのは、業務を早く覚えることよりも、その職場のやり方を把握することです。
- 記録システムの操作と、記録のルール(何をどこまで書くか)
- 物品の置き場所と、補充・発注の担当
- 急変時や当直医への連絡経路
- 申し送りの形式と、共有される情報の範囲
- 分からないときに誰に聞けばよいかの担当分担
経験のある看護師ほど、前職のやり方でそのまま進めてしまい、あとから食い違いに気づくことがあります。同じ処置でも手順や記録の書き方は施設ごとに違うため、最初の数週間は確認を挟みながら進めるのが安全です。
質問することをためらう必要はありません。中途入職者に対しても、確認しながら進める姿勢のほうが評価されます。
慣れるまでの期間の考え方
新しい職場に慣れるまでには時間がかかります。焦って「まだできない」と自分を責めると、判断が短期的になりがちです。
目安としては、業務の流れを覚えるまでに1〜3か月、その職場のやり方が身についてくるまでに半年前後を見込んでおくとよいでしょう。この期間は施設の規模や診療科によっても変わります。最初の3か月でうまくいかないことがあっても、それだけで判断しないという前提を持っておくと、必要以上に落ち込まずに済みます。
慣れるまでの期間の目安と考え直す分岐点
一方で、期間を区切らずに我慢し続けるのも避けたいところです。半年経っても状況が変わらない、あるいは心身に不調が出ているという場合は、記事の後半で扱う相談先も含めて考え直す段階といえます。
相談できる相手を早く見つける
転職後の不安を1人で抱えないために、相談相手を早い段階で確保しておくことが有効です。
-
職場内の相談相手プリセプターや教育担当、同時期に入職した人
-
職場外の相談相手以前の同僚や看護学校の同期など、状況を客観的に見てくれる人
-
公的な相談窓口ハラスメントや心身の不調に関する相談ができる窓口
職場内だけに相談先を限ると、「この職場では普通なのかもしれない」と判断がゆがむことがあります。外の視点を1つ持っておくと、今の状況が一般的なのかどうかを確かめられます。
参考:労働政策研究・研修機構「正規雇用看護職員の離職率は11.3%に/日本看護協会調査」
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不安が強くて動けないときは

ここまでの方法を試しても動けない場合、不安の大きさそのものが問題になっている可能性があります。無理に転職活動を進めるのではなく、いったん立ち止まって整理する時間を取りましょう。
判断が難しいときほど、選択肢を1つに絞らないことが大切です。転職するかしないかの二択で考えると、どちらも決められない状態が続きます。
現職に残る選択肢も並べて比べる
転職を考え始めると、現職に残る道が視野から外れがちです。しかし実際には、部署異動や勤務形態の変更、夜勤回数の調整など、職場を変えずに状況を改善できる場合もあります。
比較するときは、転職した場合と残った場合を同じ項目で並べてください。給与、通勤時間、夜勤の負担、人間関係、身につくスキル、5年後の働き方。同じものさしで見ると、どちらが自分の希望に近いかが判断しやすくなります。
| 比較項目 | 転職した場合 | 現職に残った場合 |
|---|---|---|
| 給与 | 新しい職場の求人条件で決まり直す | 今の給与体系と昇給ペースのまま |
| 通勤時間 | 勤務先が変わり通勤時間も変わる可能性がある | 今の通勤時間のまま変わらない |
| 夜勤の負担 | 新しい職場の夜勤回数・体制に合わせ直す | 部署異動や夜勤回数の調整で見直せる余地がある |
| 人間関係 | 人間関係をゼロから築き直す | 今の人間関係を維持できる |
| 身につくスキル | 違う診療科や機材に触れる経験が増える | 今の領域の経験を積み重ねられる |
| 5年後の働き方 | 新しい環境でキャリアを積み直す形になる | 異動や役割の変化を含め今の職場でキャリアを積む形になる |
なお、現職に残ることを選んだとしても、調べた情報や作成した書類が無駄になるわけではありません。次に迷ったときに、すぐ動ける状態が手元に残ります。
期限を決めて考える
考える時間に期限を設けないと、不安を抱えたままの状態が長引きます。「3か月後の時点でどう感じているかで決める」というように、判断する日をあらかじめ決めておく方法が有効です。
期限を決めるときは、その日までに何を確認するかもセットで決めます。求人を10件見る、興味のある施設を2か所見学する、上司に異動の希望を伝えてみる。行動が伴えば、期限の日には判断材料が増えているはずです。
期限を決めるときの3点
- いつ判断するかを具体的な日付で決める
- その日までに確認することを2〜3個に絞る
- 判断できなかった場合にどうするかも決めておく
心身の不調が続く場合の相談先
眠れない状態が続く、食欲が落ちている、休日でも気分が晴れないといった不調が続いている場合は、転職の判断より先に体調への対処を優先してください。不調があるときの判断は、どうしても悲観的になりがちです。
厚生労働省は、働く人のメンタルヘルスに関する情報提供と相談窓口の案内を行う「こころの耳」を運営しています。電話・メール・SNSでの相談窓口が案内されており、勤務先を通さずに利用できます。
また、職場でのハラスメントが背景にある場合は、厚生労働省の「あかるい職場応援団」でハラスメントの類型や相談先を確認できます。我慢して働き続けることが解決につながるとは限りません。状況によっては、医療機関の受診や休職も選択肢に入ります。
参考:厚生労働省「こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」 / 厚生労働省「あかるい職場応援団」
まとめ
看護師の転職で感じる不安は、ひとかたまりに見えても中身は3種類に分かれます。情報を得れば小さくなる不安、行動で減らせる不安、そして完全には消えない不安です。
情報タイプには、求人票・医療情報ネット・職場見学・内定時の労働条件の書面という4つの確認先があります。順に見ていけば、職場の姿はかなり具体的に把握できます。行動タイプには、応募書類の事前準備、スケジュールの設定、面接での質問の用意が効きます。連絡手段や日程調整のルールを先に決めておけば、現職に知られる心配も大きく減らせます。
残る「消えない不安」は、消そうとするのではなく備えるものです。慣れるまでの期間を見込み、相談できる相手を職場の内と外に用意しておく。それだけで、想定外のことが起きたときの立て直しが早くなります。
まずは、自分がいま抱えている不安を紙に書き出して3つに仕分けるところから始めてみてください。仕分けが終われば、次にやることは自然に見えてきます。もし不調が続いていて考えること自体がつらい場合は、判断を急がず、公的な相談窓口を利用することを優先しましょう。





