デイサービスの管理者に資格は必要?要件と兼務の範囲について解説

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デイサービスで働くうちに、管理者という立場に関心を持つ方は少なくありません。ただ、「管理者になるには資格が必要なのか」「今の資格のままで務まるのか」が分からず、行動に移せない方も多いのではないでしょうか。

結論からいえば、通所介護(デイサービス)の管理者に資格の要件は定められていません。ただし、これはあくまで通所介護に限った話です。同じ「デイサービス」と呼ばれるサービスでも、種類によっては研修の修了が求められる場合があります。

この記事では、デイサービスの管理者に資格が必要かどうかを法令にもとづいて整理し、サービスの種類による要件の違い、兼務できる職種と条件、管理者を目指すときの進め方までを解説します。

看護師や理学療法士、柔道整復師などの資格を持つ方が、機能訓練指導員を兼ねながら管理者を務める形についても触れていきます。

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    デイサービスの管理者に資格は必要か?

    デイサービスの食堂として使われる介護施設のオープンフロア

    デイサービスの管理者について定めているのは、介護保険法にもとづく指定基準です。ここでいう指定基準とは、事業者が満たすべき人員・設備・運営のルールを厚生労働省令で定めたもので、通所介護の場合は「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」がこれにあたります。

    この省令を確認すると、管理者に求められているのは資格ではなく勤務の形であることが分かります。まずは条文で何が定められているのかを見ていきましょう。

    通所介護の管理者に定められた要件

    指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準の第94条では、通所介護の管理者について次のように定められています。

    条文

    指定通所介護事業者は、指定通所介護事業所ごとに専らその職務に従事する常勤の管理者を置かなければならない。ただし、指定通所介護事業所の管理上支障がない場合は、当該指定通所介護事業所の他の職務に従事し、又は他の事業所、施設等の職務に従事することができるものとする。

    条文で求められているのは、「常勤であること」と「専らその職務に従事すること」の2点だけです。保有資格や実務経験年数についての規定は置かれていません。

    なお「常勤」の意味は、厚生労働省の解釈通知で示されています。事業所で定められた常勤職員が勤務すべき時間数に達していることをいい、その時間数が32時間を下回る場合は32時間を基本とするとされています。週の勤務時間が一定量に達していれば常勤として扱われる、という考え方です。

    第94条が定める管理者の要件構造

    原則(本則)
    専らその職務に従事する常勤の管理者を配置
    要件①常勤であること
    目安32時間
    要件②専らその職務に従事すること
    資格の保有・実務経験年数の規定はない
    ただし書き(例外)
    兼務が認められる場合がある
    条件:事業所の管理上支障がないこと
    兼務①同じ事業所の他の職務
    兼務②他の事業所・施設等の職務

    資格がなくても就ける理由

    同じ通所介護の省令でも、管理者以外の職種には資格の定めがあります。生活相談員は社会福祉法に定める要件に該当する人、機能訓練指導員は理学療法士や看護職員など特定の資格を持つ人、と限定されています。

    管理者だけに資格の規定がないのは、職務の性質が異なるためです。

    通所介護 5職種の資格要件
    職種資格要件要件の内容
    管理者 なし —
    生活相談員 あり 社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者、またはこれと同等以上の能力を有すると認められる者
    看護職員 あり 看護師または准看護師
    介護職員 なし —
    機能訓練指導員 あり 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護職員・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師等

    ※はり師・きゅう師は機能訓練指導員を配置した事業所での実務経験6か月以上が必要

    管理者の職務は、事業所の従業者と業務の管理を一元的に行うことにあります。利用者さんに直接介護を提供したり、相談援助や機能訓練を行ったりする専門職としての行為ではないため、資格による裏づけが求められていない、という整理になります。

    ただし、法令上の要件がないことと、実際に採用されやすいことは別の話です。管理者は指定の要件を満たす人員配置を組み、行政への届出や実地指導にも対応する立場にあります。

    そのため、多くの事業所では独自に実務経験や資格を採用条件として設けています。

    「資格不要」は法令上の話です。事業者が独自に設ける採用条件までは緩和されないため、求人票の応募資格は必ず個別に確認してください。

    参考:e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」 / 厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準について」

    サービスの種類によって要件が変わる

    地域密着型の介護老人福祉施設の外観

    ここまで説明してきた「資格は不要」という話は、通所介護についてのものです。日常的に「デイサービス」と呼ばれているサービスは、介護保険の制度上ひとつではありません。

    介護保険法では、通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護がそれぞれ別のサービスとして定義されています。呼び名は同じでも根拠となる省令が異なり、管理者の要件も一律ではありません。

    求人を探すときに「デイサービス」とまとめて検索していると、この違いを見落としたまま応募してしまう可能性があります。

    「デイサービス」3サービスの事業所数(令和6年10月1日時点)
    010,00020,00030,000か所
    通所介護
    24,585か所
    前年比 +8か所(+0.0%)
    地域密着型通所介護
    18,921か所
    前年比 -235か所(-1.2%)
    認知症対応型通所介護
    3,370か所
    前年比 -135か所(-3.9%)

    通所介護

    利用定員が19人以上のデイサービスです。指定を行うのは都道府県(政令市・中核市を含む)で、根拠となるのは指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準です。

    管理者の要件は前章のとおりで、常勤かつ専従であることのみが求められます。研修の修了は必要なく、3つのサービスのなかでは事業所数も最も多くなっています。

    地域密着型通所介護

    利用定員が18人以下のデイサービスです。平成28年に通所介護から分かれたサービスで、指定を行うのは事業所のある市町村になります。

    根拠となるのは指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準です。第21条では通所介護とほぼ同じ文言で管理者について定められており、こちらも資格や研修の要件はありません。

    ただし、指定と指導監督を担うのが市町村である点は押さえておきたい違いです。兼務の可否など個別の判断は市町村ごとの運用によるため、確認先が都道府県ではなく市町村になります。

    認知症対応型通所介護

    認知症のある利用者さんを対象とするデイサービスで、こちらも市町村が指定を行う地域密着型サービスです。指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準の第43条では、常勤専従の管理者を置くことに加えて、次のように定められています。

    条文

    単独型・併設型指定認知症対応型通所介護事業所の管理者は、適切な単独型・併設型指定認知症対応型通所介護を提供するために必要な知識及び経験を有する者であって、別に厚生労働大臣が定める研修を修了しているものでなければならない。

    つまり、認知症対応型通所介護では管理者に研修の修了が義務づけられています。グループホームなどの居室や食堂を活用して行う「共用型」についても、第47条で同じ研修の修了が求められています。

    ここでいう研修は、認知症介護実践者研修と認知症対応型サービス事業管理者研修を指します。実施主体は都道府県や指定都市で、受講の順序や年間の開催回数は自治体によって異なります。定員に限りがあり希望した年度にすぐ受講できるとは限らないため、この分野で管理者を目指す場合は早めに自治体の案内を確認しておくと安心です。

    なお共用型では、事業者の代表者に指定居宅サービス事業等の運営について3年以上の経験があることも求められます。

    認知症対応型の管理者要件を満たす研修ルート

    1
    認知症介護実践者研修
    修了が管理者要件の第一段階
    →
    2
    認知症対応型サービス事業管理者研修
    実践者研修の修了が受講の前提
    実施主体
    都道府県・指定都市
    対象となる管理者
    単独型・併設型と共用型のいずれも修了が必要
    受講にあたっての注意点
    開催回数や受講順序は自治体ごとに異なる
    定員に限りがあり希望した年度にすぐ受講できるとは限らない

    ※第2段階は第1段階の修了が前提条件

    3つのサービスの違いを、管理者の要件を中心に整理すると次のとおりです。

    通所介護3サービスの指定・管理者要件の違い

    項目 通所介護 地域密着型通所介護 認知症対応型通所介護
    利用定員・対象19人以上18人以下認知症のある方が対象
    指定を行う自治体都道府県(政令市・中核市を含む)市町村市町村
    管理者の勤務形態常勤・専従常勤・専従常勤・専従
    資格・研修要件なしなし厚生労働大臣が定める研修の修了が必要

    管理上支障がない場合はいずれも兼務が認められている

    参考:e-Gov法令検索「介護保険法」 / e-Gov法令検索「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」 / 厚生労働省「令和6(2024)年介護サービス施設・事業所調査の概況」

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    管理者の仕事内容

    パソコンで書類を作成する管理者の手元

    管理者の職務は、指定基準で「従業者及び業務の管理を、一元的に行わなければならない」と定められています。抽象的な表現ですが、実務に落とすと、運営基準で事業者に課された義務を日々の運営として回すことが中心になります。

    具体的には次の5つの領域に分かれます。事業所の規模や法人の体制によって、管理者がどこまで担うかは変わります。

    事業所の運営管理

    事業の目的や運営方針、従業者の職種と員数、営業日と営業時間、利用定員などを定めた運営規程を整え、掲示や説明を行います。

    日々の業務としては、勤務体制の確保が大きな比重を占めます。指定基準では、事業所の従業者によってサービスを提供することが求められており、月ごとの勤務表を作成して、生活相談員・看護職員・介護職員・機能訓練指導員が人員基準を満たす形で配置されているかを管理します。急な欠勤が出たときの調整も管理者の役割です。

    職員の管理と育成

    採用や配置の判断に加えて、従業者に対する研修の機会を確保することも運営基準に定められた事業者の義務です。

    また、虐待の発生や再発を防ぐための委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者の配置が求められています。ハラスメント対策として、職場における言動に起因する問題への相談体制の整備も必要です。これらは形式を整えるだけでなく、記録として残しておくことが実地指導での確認対象になります。

    サービスの質の管理

    利用者さんごとに通所介護計画を作成し、内容を説明して同意を得たうえで交付します。実施状況を把握して必要に応じて見直すところまでが一連の流れです。

    このほか、苦情を受け付ける窓口の設置と記録、事故が起きたときの市町村・家族・居宅介護支援事業者への連絡と記録、感染症や食中毒の予防に関する委員会と指針、非常災害に備えた計画の策定と訓練などがあります。

    感染症や災害が起きてもサービス提供を継続するための業務継続計画は、令和6年度介護報酬改定で完全に義務化されました。

    通所介護計画の管理サイクル
    ①
    通所介護計画の作成
    様式が基準どおりかを確認する
    ②
    利用者さん・家族への説明
    説明の記録が残っているかを確認する
    ③
    同意を得る
    同意の記録が残っているかを確認する
    ④
    計画の交付
    交付の記録があるかを確認する
    ⑤
    実施状況の把握
    計画どおりに進んでいるかを確認する
    ⑥
    必要に応じた見直し
    見直しが放置されていないかを確認する
    ①
    ①へ戻り、くり返す
    記録は完結の日から2年間保存する

    行政手続きと書類の作成

    指定の申請や、管理者の変更・事業所の平面図の変更などが生じたときの変更届は、期限内に指定権者へ提出します。加算を算定する場合の届出も管理者が窓口になることが一般的です。

    サービス提供の記録や苦情・事故の記録は、完結の日から2年間の保存が求められます。実地指導では、これらの書類が基準どおりに整備されているかを確認されるため、日常的に記録が溜まらない仕組みをつくることも管理者の仕事といえます。

    収支の管理

    介護報酬は利用者さんの人数と算定できる加算で決まるため、稼働率と加算の取得状況が事業所の収支に直結します。人件費の比重が大きい事業のため、シフトの組み方が収支に与える影響も小さくありません。

    収入を決めるもの
    基本報酬(利用者さんの人数と提供時間の区分で決まる)
    各種加算の算定
    稼働率(定員に対する利用実績)
    収支
    支出の主な内訳
    人件費(比重が最も大きい)
    送迎にかかる費用
    給食にかかる費用
    家賃・光熱費
    管理者の判断が効くところ
    ①
    稼働率を上げるための空き枠の調整
    収入
    ②
    加算を算定できる体制づくり
    収入
    ③
    人員基準を満たしつつ過剰にならないシフト
    支出

    ここまで見てきたとおり、管理者の業務は現場の介護とは性質が異なります。なお、デイサービスの管理者に限定した平均給与の公表統計は確認できないため、金額の目安は求人票で個別に確認してください。

    参考:e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」 / 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」

    兼務できる職種と条件

    デイサービスでストレッチをする高齢者の様子

    管理者は「専らその職務に従事する常勤」が原則ですが、条文にはただし書きが置かれています。事業所の管理上支障がない場合は、その事業所の他の職務や、他の事業所・施設等の職務に従事してよいという内容です。

    実際のデイサービスでは、管理者が他の職種を兼ねている事業所が多くあります。ただし「管理上支障がない」かどうかを判断するのは指定権者である都道府県や市町村で、運用には地域差があります。ここでは職種ごとの考え方を整理します。

    生活相談員との兼務

    生活相談員は、サービスの提供日ごとに、提供している時間帯を通じて1以上が確保されるよう配置しなければならない職種です。資格の要件は特別養護老人ホームの基準に準ずるとされ、社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する人、またはこれと同等以上の能力を有すると認められる人とされています。

    管理者と生活相談員の兼務は、実務上よく見られる組み合わせです。どちらも利用者さんや家族、居宅介護支援事業所とのやり取りが多く、業務が重なる部分があるためです。

    ただし生活相談員には「専ら提供に当たる」ことが求められます。これは原則としてサービス提供時間帯を通じて他の職務に従事しないという意味です。兼務する場合、日中は生活相談員として動き、管理業務は営業時間外に回りやすい点は理解しておく必要があります。

    機能訓練指導員との兼務

    機能訓練指導員は通所介護に1以上の配置が必要な職種です。省令では「当該指定通所介護事業所の他の職務に従事することができる」と明記されており、兼務を前提とした書き方になっている点が他の職種と異なります。

    対象となる資格は、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護職員(看護師または准看護師)・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師です。はり師・きゅう師は平成30年度の介護報酬改定で追加されましたが、機能訓練指導員を配置した事業所で6か月以上の実務経験を積んでいることが条件とされています。

    これらの資格を持つ方にとっては、機能訓練指導員として現場に関わりながら管理者を務める形が取りやすい選択肢になります。

    介護職員との兼務

    介護職員は、サービス提供時間帯に必要な員数が確保されるよう配置する職種で、単位ごとに常時1人以上が従事していなければなりません。生活相談員または介護職員のうち1人以上は常勤であることも求められます。

    管理者が介護職員を兼ねること自体は可能ですが、人員基準上の介護職員として何人分に数えられるかは、実際に介護に従事した勤務時間で計算されます。管理業務に充てた時間は介護職員の勤務時間に算入できないため、兼務によって人員基準を満たしたつもりが、実際には不足していたという事態は避けなければなりません。

    他の事業所との兼務

    法人が複数の事業所を運営している場合、他の事業所の職務との兼務も認められることがあります。厚生労働省の解釈通知では、同一の事業者によって併設される事業所の職務であって、その事業所の職務と同時並行的に行われて差し支えないと考えられるものについては、それぞれの勤務時間の合計が常勤職員の勤務すべき時間数に達していれば常勤の要件を満たす、とされています。

    通知では、訪問介護事業所の管理者と居宅介護支援事業所の管理者を兼ねる例が挙げられています。この考え方は、デイサービスと併設事業所の兼務にもあてはまります。

    一方で、離れた場所にある事業所との兼務や、複数のデイサービスを掛け持ちする形は、管理上支障がないと認められるかどうかの判断が分かれます。

    兼務の範囲は自治体の運用差が大きい部分です。「他の事業所と兼務あり」の求人に応募するときは、その形が指定権者に認められているかを面接で確認しておくと安心です。

    管理者が兼務できる4パターン

    機能訓練指導員との兼務 省令に明記
    気をつける点
    省令に「当該事業所の他の職務に従事することができる」と明記されている唯一のパターン。機能訓練の計画作成・実施と運営管理を、同じ人が担うことになる。
    生活相談員
    可能
    生活相談員は「専ら提供に当たる」ことが求められるため、日中は相談員として動き、管理業務が営業時間外に回りやすい。
    介護職員
    可能
    人員基準に算入できるのは、実際に介護に従事した勤務時間分だけ。管理業務の時間は算入できない。
    他の事業所
    条件付きで可能
    併設事業所で同時並行的に行える職務なら、勤務時間の合計が常勤の勤務すべき時間数に達していれば常勤要件を満たす。離れた事業所や複数のデイの掛け持ちは判断が分かれる。
    共通 兼務が認められるかどうかを判断するのは指定権者(都道府県・市町村)

    参考:e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」 / 厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準について」 / 厚生労働省「平成30年度介護報酬改定について」

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    管理者に役立つ資格

    資格取得に向けて自己学習をする手元

    管理者そのものに資格の要件はありませんが、資格があることで兼務の選択肢が広がったり、業務の理解が深まったりします。ここでは、デイサービスの管理者を目指すうえで実際に活きる資格を4つの角度から見ていきます。

    介護福祉士

    介護の現場を代表する国家資格で、実務経験ルートでの受験資格は従事期間3年(1,095日)以上かつ従事日数540日以上に加えて、実務者研修の修了が必要です。

    デイサービスで介護職員として働きながら取得を目指せるため、現場から管理者を目指す方にとって最も現実的な選択肢といえます。介護職員としての兼務もできるほか、後述する生活相談員の要件を自治体が独自に緩和している場合、介護福祉士が認められるケースもあります。

    介護福祉士「実務経験ルート」の受験資格

    3年以上
    従事期間
    (1,095日以上)
    +
    540日以上
    従事日数
    +
    修了
    実務者研修

    3つの要件をすべて満たす必要がある

    介護支援専門員

    ケアマネジャーと呼ばれる資格です。法定資格にもとづく実務経験が通算5年以上あると受験資格が得られます。ただし要件の細部は制度改正で変わることがあり、実際の判定は都道府県や実施機関が行うため、受験を考える際は最新の要項で確認してください。

    デイサービスは居宅介護支援事業所のケアマネジャーから利用者さんの紹介を受ける立場にあります。ケアプランの考え方を理解していると、通所介護計画の作成や事業所間の連携で強みになります。併設の居宅介護支援事業所がある法人では、兼務の可能性も出てきます。

    社会福祉主事任用資格

    生活相談員の要件である社会福祉法第19条第1項各号に含まれる資格です。管理者と生活相談員の兼務を考えるなら、この資格の有無が兼務できるかどうかを直接左右します。

    大学等で指定科目を修めるルートのほか、養成機関の課程を修了するルートなどがあります。名称のとおり任用資格であり、該当する職に就いてはじめて効力を持つ点が国家資格とは異なります。

    なお、生活相談員として認められる範囲は自治体が独自に定めている場合があります。事業所のある自治体の要綱を確認しておくと確実です。

    医療系の国家資格

    看護師や理学療法士、柔道整復師などの国家資格は、デイサービスのなかで明確な役割を持っています。看護職員は通所介護に必ず配置が必要な職種であり、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師は機能訓練指導員の対象資格です。

    これらの資格を持つ方は、機能訓練指導員として人員基準上の1名を満たしながら、管理者を兼ねるという形が取りやすくなります。小規模な事業所ほど、この兼務によって人件費を抑えつつ基準を満たせるため、求人でも歓迎されやすい組み合わせです。

    一方で、機能訓練の計画作成や実施と、事業所全体の運営管理を同じ人が担うことになります。日中は機能訓練に入り、記録や届出は利用者さんの帰宅後という働き方になりやすいため、応募時にはどちらの業務にどれだけ時間を充てられる体制かを確認しておくことをおすすめします。

    資格を取る前に確認したいこと
    • まずは今の資格で兼務できる職種を確認しましょう。
    • 医療系の国家資格があるなら、機能訓練指導員との兼務が近道です。
    • 認知症対応型を目指すなら、研修の受講計画を先に立てておくと安心です。
    キャリアパートナー

    参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「[介護福祉士国家試験]受験資格:実務経験+実務者研修」 / 厚生労働省「介護職員・介護支援専門員」 / e-Gov法令検索「社会福祉法」 / 厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準について」

    資格より重視される経験

    デイサービスで折り紙をする高齢女性

    採用の場面では、資格の有無よりも「事業所を回せるか」が問われます。管理者の職務が運営管理である以上、当然ともいえます。ここでは、選考で評価されやすい3つの経験を挙げます。

    現場での実務経験

    介護の現場を知らないまま管理者になると、勤務表を組む段階でつまずきます。入浴介助にどれだけの人手が要るか、送迎の時間がどこまで押すか、といった感覚は現場を経験していないと持ちにくいものです。

    利用者さんの状態を見て「今日は人を厚くしたほうがいい」と判断できることは、そのまま事故の予防につながります。年数そのものより、サービスの流れを一通り自分で回した経験があるかが見られます。

    職員をまとめた経験

    管理者は従業者に対して指揮命令を行う立場です。役職がなくても、ユニットやフロアのリーダー、新人の指導担当、委員会の取りまとめなど、人を動かした経験は評価されます。

    介護の現場は、年齢も経験年数も資格も異なる人が同じチームで働きます。意見が食い違ったときに間に入って調整した経験は、面接で具体的に話せると強みになります。

    加算や書類の対応経験

    加算の算定要件を理解し、必要な書類を整えた経験は、管理者の実務に最も近い部分です。個別機能訓練加算の計画書作成に関わった、入浴介助加算の要件を確認して体制を整えた、実地指導の準備で記録を点検した、といった経験が該当します。

    • 加算の算定要件を調べて社内に説明したことがある
    • 計画書や記録の様式を見直したことがある
    • 実地指導や運営指導の準備に関わったことがある
    • 市町村や都道府県への届出書類を作成したことがある

    これらのうちひとつでも当てはまるなら、管理者候補として十分にアピールできます。逆にまったく経験がない場合は、今の職場で意識的に関わっておくと選考が有利になります。

    経験の伝え方の変換表

    経験の種類現場での言い方管理者候補としての伝え方
    実務経験 入浴も送迎も一通りやってきました 1日の業務の流れを把握しているので、欠員が出たときの配置を判断できます
    人をまとめた経験 フロアのリーダーをしていました ◯名の勤務調整と新人指導を担当し、シフトの穴を埋める判断をしていました
    人をまとめた経験 新人の教育担当でした 未経験者が独り立ちするまでの手順を整理し、定着につなげました
    加算・書類対応 個別機能訓練加算の計画書を書いていました 加算の算定要件を確認し、必要な記録が残る様式に見直しました
    加算・書類対応 実地指導のとき手伝いました 指導で確認される書類を洗い出し、不足を事前に埋めました

    同じ経験でも「何を判断・整理したか」を言葉にすると伝わり方が変わる

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    管理者を目指すときの進め方

    階段を上がりキャリアアップを目指す人のイラスト

    資格要件がないぶん、管理者へのルートは「誰かに任命される」か「管理者候補として採用される」かのどちらかです。どちらの道を選ぶにしても、準備の中身は大きくは変わりません。

    今の職場で役割を広げる

    最も確実なのは、現在の事業所で管理業務の一部を任せてもらうことです。勤務表の作成補助、加算の要件確認、実地指導の準備、新人の指導といった仕事は、管理者の職務と直結しています。

    管理者やリーダーに「将来的に管理者を目指したい」と伝えておくと、こうした役割が回ってきやすくなります。内部で登用されれば、事業所の利用者さんや職員を把握したまま管理者になれるため、立ち上がりの負担が小さいことも利点です。

    今の職場から管理者に近づく5段階

    段階一
    管理者を目指したい意思を伝える
    身につくこと
    役割が回ってくるきっかけになる
    段階二
    新人の指導担当を引き受ける
    身につくこと
    人に教える・育てる経験が積める
    段階三
    勤務表の作成を補助する
    身につくこと
    人員基準を満たす配置の組み方が身につく
    段階四
    加算の算定要件を調べて社内に説明する
    身につくこと
    収支と記録のつながりが分かる
    段階五
    実地指導・運営指導の準備に関わる
    身につくこと
    必要な書類の全体像がつかめる

    管理者候補の求人を探す

    外部から管理者・管理者候補として応募する道もあります。求人票では「管理者候補」「サービス提供責任者・管理者募集」といった表記で出ていることが多く、生活相談員や機能訓練指導員との兼務が前提になっているケースが目立ちます。

    新規開設の事業所は管理者を外部から採用することが多く、立ち上げから関わりたい方には向いています。一方で、指定申請から人員の確保までを担うことになるため、経験の少ないうちは既存事業所のほうが取り組みやすいといえます。

    同じ管理者でも、サービスの種類が違えば求められるものも変わります。他分野の管理者について知りたい方は、次の記事も参考にしてください。

    応募前に確認しておきたい条件

    求人票だけでは分からない部分が多いのが管理者のポジションです。次の点は、面接や見学の場で確認しておくことをおすすめします。

    • サービスの種類
      通所介護か、地域密着型通所介護か、認知症対応型通所介護か。認知症対応型なら研修の受講予定
    • 兼務の有無
      生活相談員・機能訓練指導員・介護職員のどれを兼ねるか。管理業務に充てられる時間はどれくらいか
    • 常勤の時間数
      その事業所で定めている常勤職員の勤務時間数
    • 権限の範囲
      採用・シフト・加算の判断をどこまで管理者が決められるか
    • サポート体制
      本部や統括管理者による支援があるか。前任者からの引き継ぎ期間

    とくにサービスの種類と兼務の範囲は、入職後の働き方を大きく左右します。認知症対応型通所介護であれば研修の修了が要件になるため、未受講の場合は受講の見込みまで含めて確認しておく必要があります。

    まとめ

    デイサービスの管理者に資格は必要かという問いへの答えは、サービスの種類によって変わります。通所介護と地域密着型通所介護では、常勤かつ専従であること以外に要件はありません。一方、認知症対応型通所介護では厚生労働大臣が定める研修の修了が義務づけられています。

    管理者は他の職種と兼務している場合が多く、生活相談員や機能訓練指導員との組み合わせが代表的です。とくに看護師や理学療法士、柔道整復師などの資格を持つ方は、機能訓練指導員として人員基準を満たしながら管理者を務める形が取りやすくなります。ただし「管理上支障がない」かどうかの判断は指定権者である都道府県や市町村が行うため、兼務の可否は自治体に確認してください。

    採用の場面で重視されるのは、資格よりも現場を回した経験、人をまとめた経験、加算や書類に対応した経験です。今の職場で管理業務の一部を任せてもらうところから始めれば、無理なく管理者への道が開けます。

    なお、この記事の内容は2026年8月時点の指定基準にもとづいています。介護保険制度は改正が重ねられるため、応募や申請の前には必ず最新の情報を確認してください。

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    医療キャリアナビ編集部

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    記事の執筆・編集は、医療業界に精通した編集スタッフが担当しています。日々の転職支援業務で得た現場のリアルな情報と、厚生労働省をはじめとする公的機関のデータに基づき、信頼性の高いコンテンツをお届けしています。

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