訪問看護と訪問介護の違いは?仕事内容・資格・対象・料金を比較
自宅で療養する家族のために、「訪問看護」と「訪問介護」のどちらに頼めばよいのか迷う方は少なくありません。名前が一文字違うだけで、どちらも専門職が自宅を訪ねてくれるサービスのため、違いが分かりにくいのが実情です。
訪問看護と訪問介護の最大の違いは、「医療」か「生活」かという役割の違いにあります。名前は似ていても、中身はまったく異なるサービスです。
この記事では、訪問看護と訪問介護の違いを、サービス内容・資格・対象者・保険と料金という4つの角度から比較します。両方を併用できるのかという疑問や、それぞれの現場で働く職種の違いまで整理しますので、サービス選びにも仕事選びにも役立てていただけます。
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訪問看護と訪問介護の違い

訪問看護と訪問介護は、根拠となる法律の条文の時点で役割が分かれています。
介護保険法第8条は、訪問介護を「入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話」、訪問看護を「療養上の世話又は必要な診療の補助」と定義しています。日常生活の世話までが訪問介護、診療の補助まで踏み込めるのが訪問看護、と押さえると混乱しません。
最初に押さえたい3つの違い
- 目的が違う:訪問看護は「医療」、訪問介護は「生活」を支える
- 担い手が違う:訪問看護は看護職とリハビリ職、訪問介護は介護職
- 使う保険が違う:訪問看護は医療保険と介護保険の両方、訪問介護は介護保険のみ
言い換えれば、訪問看護は治療・療養の延長線上にあるサービス、訪問介護は暮らしの延長線上にあるサービスです。
同じ「自宅」という場所で提供されても、めざすゴールが違います。訪問看護は病状の悪化を防いで回復を後押しすること、訪問介護は生活のしづらさを埋めて在宅での暮らしを続けられるようにすることが目的です。
規模にも差があります。厚生労働省の令和6年介護サービス施設・事業所調査によると、2024年10月1日時点の事業所数は訪問介護が37,264事業所、訪問看護ステーションが18,042事業所でした。
訪問介護のほうが約2倍多い一方、訪問看護ステーションは前年から9.9%増と伸び率が大きく、在宅医療のニーズが急速に高まっていることがうかがえます。訪問介護の増加率は1.0%で、こちらは横ばいに近い動きです。
参考:e-Gov法令検索「介護保険法」 / 厚生労働省「令和6(2024)年介護サービス施設・事業所調査の概況」
サービス内容の違い

訪問看護と訪問介護の違いがもっともはっきり表れるのが、実際に自宅で行われる中身です。訪問看護は医療の枠組みで行われるため、医師の指示のもとで処置や医療機器の管理まで担えます。一方の訪問介護は生活支援の枠組みで、身体に直接触れる介助と家事の援助が中心です。
同じ時間だけ自宅にいても、訪問看護師が見ているのは「体の状態」、訪問介護員が見ているのは「暮らしの困りごと」だと考えると分かりやすくなります。
訪問看護のサービス内容
訪問看護は、看護師などが自宅を訪問し、療養上の世話と診療の補助を行うサービスです。主な内容は次のとおりです。
- 血圧・体温・呼吸などのバイタルチェックと健康状態の観察
- 服薬の管理と、飲み合わせ・残薬の確認
- 床ずれの予防と処置、傷の手当て
- 点滴や注射、採血などの診療の補助
- カテーテル・在宅酸素・人工呼吸器といった医療機器の管理
さらに、病状の変化を早期に見つけて主治医につなぐ役割も訪問看護の大きな仕事です。看取りの時期には、痛みや呼吸の苦しさをやわらげるケアや、家族が不安なく最期まで付き添えるような支援も行います。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が訪問看護ステーションから訪問し、リハビリテーションを提供することもあります。歩行や起き上がりの練習、飲み込みの訓練なども、訪問看護の枠組みで受けられるケアです。
訪問介護のサービス内容
訪問介護は、訪問介護員(ホームヘルパー)が自宅を訪問し、身体介護と生活援助を行うサービスです。この2つは介護報酬の区分としても分かれています。
-
身体介護食事・入浴・排せつの介助、着替え、体位変換、通院の付き添いなど、利用者さんの身体に直接触れて行う介助
-
生活援助調理・洗濯・掃除・買い物など、日常生活に必要な家事の代行
注意したいのは、生活援助は「本人のための家事」に限られるという点です。介護保険法施行規則は、生活援助の対象を「単身の世帯である、または同居家族の障害・疾病などのため、その家事を自分たちで行うことが困難な場合」に限っています。家族の分の食事づくりや洗濯、来客の応対などは対象外です。
また、日常生活に必要とはいえない作業も頼めません。庭の草むしり、ペットの世話、大掃除や窓のガラス磨き、家具の移動といった作業は、介護保険の訪問介護では対応できない代表例です。
入浴など両方が行う業務の目的の違い
訪問看護と訪問介護は、一見すると同じことをしているように見える場面があります。その代表が入浴です。しかし、同じ入浴でも目的がまったく違います。
訪問介護の入浴介助は、安全に湯船に入り、体を洗い、着替えを終えるまでを支えることが目的です。転倒を防ぎ、体力を消耗させずに清潔を保つことに主眼があります。
これに対して訪問看護の入浴は、皮膚の状態を観察し、床ずれや湿疹、むくみの有無を確認する「アセスメントの機会」でもあります。入浴前後にバイタルを測って入浴に耐えられる状態かを判断し、必要なら創部の処置や軟膏の塗布を行います。血圧が不安定な方や医療機器を使っている方の入浴は、看護師が担うことで安全性が高まります。
服薬も同様です。訪問介護員が行えるのは、あくまで飲み忘れがないように声をかけ、手元まで薬を運ぶ「服薬介助」までです。薬の量や飲み合わせを判断し、体調に合わせて主治医に相談するのは訪問看護の役割になります。
今のあなたの状況は?
参考:e-Gov法令検索「介護保険法施行規則」 / 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス及び居宅療養管理指導に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」
働く人の資格の違い

サービス内容が違えば、担い手に求められる資格も変わります。訪問看護は医療系の国家資格者、訪問介護は介護の資格を持つ人が担当するという住み分けです。
訪問看護を提供できるのは、介護保険法とその施行規則により、看護師・保健師・准看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士と定められています。いずれも国家資格で、無資格者が訪問看護のケアを行うことはできません。
一方、訪問介護を担う訪問介護員は、介護福祉士のほか、都道府県知事が行う介護員養成研修(介護職員初任者研修課程・生活援助従事者研修課程)を修了した人と定められています。かつての「ホームヘルパー2級」に当たるのが、現在の介護職員初任者研修です。生活援助従事者研修を修了した人は、生活援助中心のサービスのみを担当します。
ヘルパーができる医療的ケアの範囲
訪問介護員は、原則として医療行為を行えません。ただし、厚生労働省の通知により、一定の行為は「医療行為ではない」と整理されており、介護職でも実施できます。体温測定、自動血圧計での血圧測定、軽い切り傷の処置、皮膚への軟膏の塗布、湿布の貼付、点眼、一包化された内服薬の服薬介助などが該当します。
さらに、喀痰吸引と経管栄養については、所定の研修を修了して都道府県に認定された介護職員に限り、医師の指示のもとで実施できます。介護福祉士は養成課程で学び、それ以外の介護職員は認定特定行為業務従事者として認定を受けることで対応が可能になります。これは例外的に認められた行為であり、研修を受けていない訪問介護員は行えません。
裏を返せば、痰の吸引や経管栄養、インスリン注射、褥瘡の処置といったケアが日常的に必要な状態であれば、訪問看護の利用が前提になります。
| 行為の区分 | ヘルパー(研修未修了) | 喀痰吸引等研修修了 | 訪問看護 |
|---|---|---|---|
| 医療行為ではないとされる行為 体温測定・血圧測定・軟膏塗布・湿布貼付・点眼・服薬介助 | ◯ | ◯ | ◯ |
| 研修修了者のみ実施できる行為 喀痰吸引・経管栄養 | ✕ | ◯ | ◯ |
| 訪問看護が前提となる行為 インスリン注射・褥瘡(床ずれ)の処置 | ✕ | ✕ | ◯ |
研修修了ヘルパーは医師の指示のもとで認定を受けた行為のみ実施可
人員配置の基準に見る違い
事業所として満たすべき人員基準にも、両者の性格が表れています。指定居宅サービス等基準では、訪問介護事業所は訪問介護員等を常勤換算で2.5人以上、訪問看護ステーションは看護職員を常勤換算で2.5人以上置くことが求められます。
人数の下限は同じですが、中身が「介護資格者2.5人」か「看護職2.5人」かという決定的な差があります。訪問看護ステーションでは、そのうち1人は常勤である必要があり、管理者も原則として保健師または看護師が務めます。
人員配置基準に見る「同じ数字・違う中身」
訪問介護事業所
訪問介護員等を2.5人そろえる
訪問看護ステーション
看護職員を2.5人そろえる
うち1人は常勤、管理者も原則として保健師または看護師
参考:e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」 / 厚生労働省「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)」 / 厚生労働省「喀痰吸引等制度について」
対象者・利用条件の違い

「誰が使えるのか」も、訪問看護と訪問介護で大きく異なります。ここを取り違えると、必要なサービスにたどり着くまでに時間がかかってしまいます。
訪問看護は、医療的なケアが必要な人であれば年齢を問わず利用できます。医療的ケア児から、難病や障害のある方、がんの終末期にある方、精神疾患のある方まで対象は幅広く、介護保険の要介護認定を受けていない人でも医療保険で利用できます。
利用の入口になるのが、主治医が交付する訪問看護指示書です。指定居宅サービス等基準は、訪問看護の提供を始めるにあたって「主治の医師による指示を文書で受けなければならない」と定めています。介護保険法施行規則でも、対象は「病状が安定期にあり、居宅において療養上の世話または診療の補助を要する人」とされています。つまり、自分の判断だけで訪問看護を始めることはできません。
| 項目 | 訪問看護 | 訪問介護 |
|---|---|---|
| 対象となる状態 | 医療的ケアが必要な状態(療養上の世話・診療の補助を要する人) | 日常生活の介助(入浴・排せつ・食事など)が必要な状態 |
| 年齢制限 | なし(医療的ケア児から高齢者まで) | 原則65歳以上(40〜64歳は特定疾病の場合) |
| 要介護認定 | 不要(医療保険での利用も可) | 原則必要(要介護1〜5) |
| 必要な書類 | 主治医が交付する「訪問看護指示書」 | ケアマネジャーが作る「ケアプラン」 |
| 要支援1・2の扱い | 予防給付の「介護予防訪問看護」として全国共通 | 予防給付の対象外。市区町村の総合事業(訪問型サービス)へ |
一方の訪問介護は、原則として要介護1〜5の認定を受け、日常生活の支援が必要な人が対象です。利用にはケアマネジャーが作成するケアプランが必要で、そこに位置づけられた内容・回数の範囲でサービスが提供されます。
注意点として、要支援1・2の方は介護保険の訪問介護ではなく、市区町村の総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)の訪問型サービスを利用します。同じホームヘルプでも制度上の区分が変わるため、自治体によって内容や料金に差があります。これに対し、訪問看護は要支援の方でも介護予防訪問看護として予防給付に残っており、全国共通の仕組みで利用できます。
参考:e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」 / 厚生労働省「介護予防・日常生活支援総合事業」
保険・料金の違い

料金の考え方は、使う保険によって決まります。ここが訪問看護と訪問介護のもっとも複雑な部分です。
訪問介護はシンプルで、介護保険のみが適用されます。自己負担は原則1割で、一定以上の所得がある方は2割または3割です。要介護度ごとに決まった区分支給限度基準額の範囲内で使うのが基本で、限度額を超えた分は全額自己負担になります。
複雑なのは訪問看護です。訪問看護は、状態や年齢によって医療保険と介護保険のどちらかが適用されます。原則は、要介護・要支援の認定を受けている方は介護保険が優先です。介護保険の認定を受けていない方や40歳未満の方は、医療保険での利用になります。
ただし例外が多く、要介護認定を受けていても医療保険に切り替わるケースがあります。
末期の悪性腫瘍や厚生労働大臣が定める疾病等に該当する場合、急性増悪などで主治医が特別訪問看護指示書を交付した場合、精神科訪問看護に該当する場合などです。
- 訪問看護の保険区分は例外が多く、状態の変化で途中から切り替わることもあります
- 医療保険と介護保険では自己負担割合も限度額の考え方も異なります
- 判断に迷ったら、主治医・ケアマネジャー・訪問看護ステーションに確認するのが確実です
料金の目安としては、どちらも介護保険を使う場合は費用の1〜3割が自己負担です。
ただし訪問看護は医療職が提供する分、同じ時間でも訪問介護より1回あたりの単価が高く設定されています。
医療保険で利用する場合は、加入している健康保険の自己負担割合(原則3割、年齢や所得により1〜3割)が適用されます。
転職活動するなら?
参考:厚生労働省「サービスにかかる利用料」 / 厚生労働省近畿厚生局「医療保険の訪問看護について」
訪問看護と訪問介護は併用できる

「どちらか一方を選ばなければいけない」と考える方がいますが、訪問看護と訪問介護は併用できます。むしろ、医療と生活の両面から支えることで在宅療養が安定するケースは多くあります。
たとえば、週2回の訪問看護で床ずれの処置と服薬管理を受けながら、週3回の訪問介護で入浴介助と買い物を頼む、といった組み合わせです。医療的な管理は看護師が、日々の暮らしは介護職が担うことで、家族の負担を大きく減らせます。
ただし、時間の組み方には決まりがあります。厚生労働省の通知では、訪問介護と訪問看護を同一の利用者さんが同一時間帯に利用する場合、心身の状況や介護の内容から見て同時に利用する必要があると認められるときに限り、それぞれの単位数を算定できるとされています。体格の大きい方の全身浴を看護師と介護職が同時に支える、といった明確な必要性が求められるため、通常は時間帯をずらして組み合わせるのが基本です。
週2回の訪問看護+週3回の訪問介護。時間帯をずらして組み合わせるのが基本形
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
訪問看護 |
- | 午前 |
- | - | 午前 |
- | - |
訪問介護 |
午後 |
- | 午後 |
- | - | 午後 |
- |
※同じ曜日・同じ時間帯に重ねる場合は事前にケアマネジャーへ相談
どの曜日にどのサービスを何回入れるかは、ケアプランで調整します。
併用を検討するときは、まずケアマネジャーに相談するのが近道です。医療保険で訪問看護を利用する場合はケアプランの対象外になりますが、その場合も主治医と訪問看護ステーションが連携して調整します。
- 「何を頼みたいか」ではなく「何に困っているか」を伝えると調整が早いです
- 訪問看護を入れる場合は、まず主治医に指示書を出せるか確認しましょう
- 曜日と時間帯の希望はケアプラン作成前に伝えるのがおすすめです
訪問看護・訪問介護で働く職種の違い

サービスの違いは、そのまま「働く場としての違い」にもつながります。同じ在宅の現場でも、求められる資格・スキル・働き方が異なります。
訪問看護で働く職種
訪問看護ステーションで働くのは、看護師・保健師・准看護師と、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士です。医師が常駐しない自宅というフィールドで、その場の観察と判断が求められる点が病棟との最大の違いです。
一人で訪問して、バイタルの変化から「このまま様子を見るか、主治医に連絡するか」を判断する場面が日常的にあります。ケアマネジャーや訪問介護事業所、薬局など多職種と連絡を取り合う調整力も欠かせません。オンコール対応がある事業所も多く、夜間の連絡体制は求人を選ぶ際の重要な確認ポイントになります。
一方で、一人ひとりにじっくり関われる、生活の場でその人らしさを支えられるといったやりがいがあり、病棟からの転職先として選ぶ看護師も増えています。
- 訪問看護の正看護師求人は2,535件、月給の中央値は32.0万円です
- 看護師求人全体の中央値29.2万円より約2.8万円高い水準です
- 訪問リハビリの理学療法士求人も1,983件あり、中央値は30.0万円です
- いずれも医療キャリアナビ掲載求人データ(2026年時点)の数値です
訪問介護で働く職種
訪問介護事業所で働くのは、介護福祉士や介護職員初任者研修の修了者です。訪問介護には、現場を担当する訪問介護員のほか、サービス提供責任者という役割があります。訪問介護計画の作成、利用者さんやケアマネジャーとの連絡調整、ヘルパーの指導までを担うポジションで、介護福祉士などの要件を満たす人が務めます。
訪問介護の特徴は、利用者さんの自宅というプライベートな空間で、基本的に一人でサービスを提供する点です。施設介護のようにチームで同時に動くわけではないため、生活のちょっとした変化に気づく観察力とコミュニケーション力が求められます。
医療的なケアが必要な利用者さんを担当する場合は、訪問看護師と情報を共有しながら支えることになります。喀痰吸引等の研修を修了しておくと、対応できる範囲が広がります。
お探しの求人は?
参考:e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」
訪問看護と訪問介護の違いに関するよくある質問

最後に、訪問看護と訪問介護の違いについて特に多い疑問をまとめます。
訪問看護と訪問介護は同じ日に使える?
同じ日に使えます。午前に訪問看護、午後に訪問介護といった組み合わせは一般的です。ただし、同一時間帯に重ねて利用する場合は、同時に利用する必要性が認められるかどうかで扱いが変わります。
日程の組み方はケアプランで調整するため、ケアマネジャーに希望を伝えるのが確実です。
ヘルパーに薬の管理や傷の手当を頼める?
薬の管理や傷の手当そのものは頼めません。訪問介護員が行えるのは、飲み忘れがないように声をかける服薬介助や、軽微な切り傷への処置、皮膚への軟膏の塗布といった「医療行為ではない」と整理されている範囲です。
薬の量の調整、褥瘡の処置、インスリン注射などは訪問看護の領域になります。薬の飲み合わせや残薬が気になる場合は、訪問看護や薬剤師による居宅療養管理指導の利用を検討するとよいでしょう。
訪問看護は介護保険と医療保険のどちらが使われる?
要介護・要支援の認定を受けている方は、原則として介護保険が優先されます。認定を受けていない方や40歳未満の方は医療保険です。
ただし、末期の悪性腫瘍や厚生労働大臣が定める疾病等に該当する場合、急性増悪で特別訪問看護指示書が出た場合などは、要介護認定を受けていても医療保険が適用されます。例外が多いため、事前に訪問看護ステーションへ確認しておくと安心です。
まとめ
訪問看護と訪問介護の違いは、「医療」か「生活」かという役割の違いに集約されます。訪問看護は看護師などが医師の指示のもとで療養上の世話と診療の補助を行い、訪問介護は介護職が身体介護と生活援助を担います。
資格・対象者・保険も連動して変わります。訪問看護は看護職とリハビリ職が担当し、年齢を問わず主治医の指示書があれば利用でき、状態によって医療保険と介護保険を使い分けます。訪問介護は介護福祉士や初任者研修修了者が担当し、原則は要介護認定を受けた方が介護保険で利用します。
そして、どちらか一方を選ぶ必要はありません。時間帯をずらせば併用でき、医療と生活の両面から在宅療養を支えられます。どの組み合わせが合うか迷ったときは、ケアマネジャーや主治医に相談してみてください。
働く場として見た場合も、訪問看護と訪問介護では求められるスキルも働き方も異なります。在宅の現場に関心があるなら、それぞれの職場の特徴を知ったうえで、自分の資格と経験を活かせるフィールドを選んでいきましょう。



