看護師1年目で転職できる?辞めたい理由と後悔しない判断基準・職場選び
「毎日、仕事に行くのがつらい」「看護師1年目だけど、もう辞めたい」そんな気持ちを抱えながら働いていませんか?
学生時代の実習と実際の勤務では、責任の重さも業務量も大きく異なります。理想と現実のギャップに戸惑い、転職や退職を考えるのは、決してあなただけではありません。新卒看護師の離職率は例年8〜9%とされ、多くの新人が同じ悩みを経験しています。
この記事では、看護師1年目でも転職はできるのか、辞めたい理由の整理から、後悔しない判断基準、そして次の職場選びのポイントまで、公的データをもとにわかりやすく解説します。
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看護師1年目で辞めてもいい?

看護師として働き始めて数か月、「思っていた仕事と違う」「もう限界かもしれない」と感じている方は少なくありません。まずお伝えしたいのは、そう感じるのはあなただけではない、ということです。
日本看護協会の調査によると、新卒で採用された看護職員の離職率は8.8%(2023年度)にのぼります。およそ10人に1人の新人が、1年以内に職場を離れている計算です。
学生時代の実習は「見て学ぶ」立場でしたが、就職後は一人の看護師として、患者さんの命に関わる判断と業務を担います。責任の重さも、こなすべき業務の量も、実習とは比べものになりません。
慣れない環境で「辛い」「辞めたい」と感じるのは、決して弱さではなく、環境の変化に対する自然な反応です。
大切なのは、その気持ちを一人で抱え込まず、なぜそう感じるのかを冷静に見つめることです。
参考:労働政策研究・研修機構「正規雇用看護職員の離職率は11.3%に/日本看護協会調査」
看護師1年目でも転職はできる

結論からお伝えすると、看護師1年目でも転職は可能です。医療業界は慢性的な人材不足のため、経験の浅い若手を歓迎する職場は数多くあります。特に卒業後おおむね3年以内は「第二新卒」として扱われ、研修体制やフォロー体制を整えて受け入れている病院・クリニックが多くあります。年齢が若く、これから育てやすい人材として前向きに評価される場面も少なくありません。
一方で、現実的な注意点もあります。在籍期間が半年に満たない段階での退職は、「働く姿勢に問題があるのでは」と不安視されやすい傾向があります。また、求人のなかには「臨床経験3年以上」を応募条件とするものもあり、経験が浅いうちは選べる求人が狭まる面は否めません。
こうした事情から、可能であれば1年程度は勤務を続けてから動くのが無難とされています。ただし、これはあくまで一般的な目安です。後述するように、心身の健康を損なうほど環境が過酷な場合は、期間にこだわらず早めに動く判断も必要になります。
看護師2年目での転職事情については、以下の記事もあわせてご覧ください。
今のあなたの状況は?
看護師1年目が転職・退職を考える主な理由

看護師1年目が「辞めたい」と感じる背景には、新人ならではの共通した悩みがあります。ここでは代表的な4つの理由を整理します。自分の気持ちがどれに近いのかを知ることは、次の職場で同じ悩みを繰り返さないためのヒントになります。
先輩との人間関係・厳しい指導
新人看護師の悩みで特に多いのが、職場の人間関係です。指導役のプリセプターや先輩看護師との相性、厳しい叱責、うまく馴染めない孤立感などが、大きなストレスになります。医療現場はミスが患者さんの安全に直結するため、指導が厳しくなりやすい環境でもあります。
指導が理不尽に感じられたり、質問しづらい雰囲気があったりすると、「自分はこの職場に向いていないのでは」と追い詰められてしまいます。人間関係の悩みは、看護師の退職理由として上位に挙げられるものです。
看護師の人間関係との向き合い方は、以下の記事でも詳しく解説しています。
理想と現実のギャップ
「患者さんに寄り添う看護がしたい」という理想を胸に入職したものの、実際は業務に追われ、一人ひとりにゆっくり向き合う時間が取れない。このギャップに戸惑う新人は多くいます。
記録や処置、雑務に時間を取られ、思い描いていた看護ができないもどかしさが、やりがいの喪失につながります。
こうしたギャップは、職場の忙しさや方針によっても大きく変わります。「看護がしたいのに、看護ができない」という悩みは、環境を変えることで解消できる場合もあります。
夜勤や責任の重さによるプレッシャー
入職後しばらくして夜勤デビューを迎え、受け持ち患者さんが増える時期は、負荷が一気に高まるタイミングです。少ない人数で多くの患者さんを見守る夜勤は、判断ミスが命に関わるという重圧を新人に強く感じさせます。
生活リズムが不規則になることで、心身の疲労も蓄積しやすくなります。「急変にきちんと対応できるだろうか」という不安が常につきまとい、眠れなくなる新人も少なくありません。
給料と業務量が見合わない
立ち仕事や夜勤をこなし、心身をすり減らしているにもかかわらず、「給料が業務量に見合わない」と感じるケースもあります。特に基本給が低めの職場では、夜勤手当を含めても納得感が得にくいことがあります。
給与水準は、病院・クリニック・訪問看護など職場の種類によっても差があります。待遇への不満が大きい場合は、給与体系の異なる職場へ移ることで改善できる可能性があります。
看護師の求人を探す参考:労働政策研究・研修機構「正規雇用看護職員の離職率は11.3%に/日本看護協会調査」
辞める前に試したいこと

「辞めたい」という気持ちが強くなっても、勢いで退職を決める前に、一度立ち止まって試してほしいことがあります。感情のままに動くと、次の職場で同じ壁にぶつかったり、後悔したりするおそれがあるためです。
辞めたい理由を具体的に書き出す
まずは、自分が何に対して「辞めたい」と感じているのかを紙やスマホに書き出してみましょう。「人間関係」「業務量」「夜勤」など、頭の中でぼんやり感じている不満を言語化することで、問題の本質が見えてきます。
書き出すことで、それが転職で解決できる問題なのか、どこの職場でも起こりうる問題なのかを切り分けられます。この作業は、次の職場選びの軸を明確にし、同じ失敗を繰り返さないためにも役立ちます。
異動や相談で解決できないか考える
悩みの原因が特定の部署や人間関係にある場合、退職しなくても部署異動で解決できることがあります。同じ病院内でも、診療科が変われば忙しさや雰囲気は大きく異なります。
まずは信頼できる先輩や上司、看護師長などに相談してみましょう。一人で抱え込んでいた悩みも、話してみると解決の糸口が見つかる場合があります。相談すること自体が、気持ちを整理するきっかけにもなります。
心身の健康を最優先にする
ここまで「まず試すこと」をお伝えしてきましたが、パワハラや心身の不調がある場合は、我慢は禁物です。眠れない、食欲がない、涙が止まらないといったサインが出ているなら、無理に続ける必要はありません。
健康を損なってしまっては、回復に長い時間がかかります。「もう少し頑張れば」と自分を追い込みすぎず、心と体を守ることを何より優先してください。次の章では、続けるべきか辞めるべきかの具体的な判断軸を解説します。
すぐ辞めるべきケースと続けた方がよいケース

「辞めたい」と感じたとき、その気持ちに従うべきか、もう少し踏みとどまるべきか。判断に迷ったときの軸となるのが、「心身の健康を損なうかどうか」という視点です。
パワーハラスメントや暴言が日常的にある、長時間労働が続いて休む時間もない。そうした心身の健康を脅かす劣悪な環境であれば、勤続年数にこだわる必要はありません。健康を犠牲にしてまで続ける価値のある職場はないため、早めに動くことをおすすめします。
一方、「もう限界」というほどの状況ではなく、異動や相談で解決できそうな悩みであれば、基本的な看護技術を身につけてから動いても遅くはありません。1年程度の経験があると、転職先の選択肢も広がります。
体調をすでに崩している場合は、退職を急ぐ前に「休職」という選択肢もあります。休職中は、健康保険から傷病手当金(標準報酬日額のおよそ3分の2)を受け取れる場合があります。支給期間は支給開始日から通算して最長1年6か月です。
まずは体を休め、落ち着いてから今後を考えるという方法も検討してみてください。
参考:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」 / 厚生労働省「あかるい職場応援団(ハラスメントの定義)」
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看護師1年目の転職を成功させるポイント

転職すると決めたら、次こそ後悔しない職場を選びたいものです。看護師1年目の転職を成功させるための4つのポイントを押さえておきましょう。
第二新卒歓迎・教育体制の整った職場を選ぶ
経験が浅いうちの転職では、「第二新卒歓迎」を掲げ、教育・研修体制が整った職場を選ぶことが成功のカギです。新人を一から育てる文化がある職場なら、経験不足を理由に萎縮することなく、安心してスキルを身につけられます。
求人票やホームページで、新人研修やプリセプター制度、フォロー体制の記載があるかを確認しましょう。教育体制が手厚い職場は、離職率が低く働きやすい傾向があります。
職場見学で雰囲気を確かめる
求人情報だけでは、職場の実際の雰囲気まではわかりません。応募前や選考の過程で職場見学を申し込み、スタッフ同士の関係性や、指導の様子を自分の目で確かめることをおすすめします。
見学では、看護師の表情や声のかけ合い、忙しさの度合いなどに注目しましょう。前職の退職理由が人間関係だった場合は特に、職場の空気感を肌で感じておくことが、ミスマッチを防ぐことにつながります。
前向きで一貫した転職理由を用意する
短期離職の場合、面接では「またすぐ辞めるのでは」という懸念を持たれやすくなります。この不安を払拭するには、前向きで一貫性のある転職理由を準備することが大切です。
「人間関係が嫌で」といったネガティブな理由をそのまま伝えるのではなく、「より丁寧な看護を実践したい」「教育体制の整った環境で成長したい」など、次の職場で実現したいことに焦点を当てて伝えましょう。
退職理由の前向きな伝え方は、以下の記事も参考になります。
転職しやすい時期を狙う
看護師の求人には、増えやすい時期があります。年度末の3月前後や、夏・冬のボーナス支給後は、退職者が出て欠員補充の求人が増える傾向があります。求人の選択肢が多い時期を狙うことで、より条件に合う職場と出会いやすくなります。
ただし、時期にこだわりすぎて、心身の限界を超えてまで待つ必要はありません。求人が増える時期を意識しつつ、自分の状態を最優先に動きましょう。
看護師の求人を探す参考:ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」
転職する場合に確認しておきたいこと

いざ転職を進める際には、円満に退職するための手続きや、看護師特有の注意点を押さえておく必要があります。トラブルなく次のステップに進むために、以下の点を確認しておきましょう。
まず、退職の意思を伝える前に就業規則を確認しましょう。多くの職場では「退職の1〜2か月前までに申し出る」と定めています。法律上は、退職の申し出から2週間が経過すれば退職できる(民法第627条)とされていますが、引き継ぎや欠員補充のことを考え、余裕をもって直属の上司に伝えるのが円満退職のマナーです。
看護師特有の注意点として、病院の奨学金(お礼奉公)を利用している場合は、残りの返済義務を事前に確認しておく必要があります。「一定期間その病院で働けば返済免除」という条件付きの奨学金は、早期に退職すると返済を求められることがあります。金額や条件を把握したうえで判断しましょう。
- 就業規則の退職予告期間を確認する多くの病院は1〜2か月前までの申し出を定めている(法律上は2週間前)
- 病院奨学金(お礼奉公)の残存返済義務を確認する一定期間より前に退職すると返済義務が生じる場合がある
- 担当患者さん・業務の引き継ぎ計画を立てる後任者への丁寧な引き継ぎは職場への最後の責任
- 直属の上司へ余裕をもって申し出る退職の意思は同僚より先に上司へ、1対1の場で伝える
そのうえで、担当患者さんや業務の引き継ぎを丁寧に行うことが大切です。立つ鳥跡を濁さず、感謝の気持ちをもって職場を去ることは、看護師という狭い業界で自分の評判を守ることにもつながります。
参考:e-Gov法令検索「民法」 / e-Gov法令検索「労働基準法」
転職活動するなら?
看護師1年目の転職に関するよくある質問

最後に、看護師1年目の転職についてよく寄せられる質問にお答えします。
1年目で辞めると再就職に不利?
必ずしも不利になるとは限りません。前述のとおり、卒業後3年以内は「第二新卒」として歓迎する職場が多くあります。ただし、在籍半年未満での退職は理由を問われやすいため、面接で納得感のある説明ができるよう準備しておきましょう。短期間であっても、そこで学んだことや前向きな転職理由を伝えられれば、マイナス評価をカバーできます。
面接で退職理由をどう伝えればいい?
ネガティブな理由をそのまま伝えるのは避け、「次の職場で何を実現したいか」という前向きな表現に言い換えるのがポイントです。たとえば「夜勤がつらい」ではなく「日勤中心で患者さんと向き合う看護を深めたい」と伝えるなど、応募先で活かせる形に変換しましょう。
辞めたいけど体調がつらいときはどうする?
心身の不調がある場合は、無理をせず、まず休むことを優先してください。退職を急ぐ前に休職制度を利用し、傷病手当金を受け取りながら体調を整えるという選択肢もあります。
一人で抱え込まず、信頼できる人や産業医、専門機関に早めに相談することが大切です。体調が回復してから、落ち着いて今後を考えましょう。
まとめ
看護師1年目で「辞めたい」と感じるのは、あなただけではありません。新卒看護師の離職率は8.8%にのぼり、多くの新人が理想と現実のギャップや、人間関係、夜勤の重圧に悩んでいます。
看護師1年目でも転職は可能ですが、判断の軸となるのは「心身の健康を損なうかどうか」です。パワハラや体調不良があるなら期間にこだわらず動くべきですし、そうでなければ辞めたい理由を書き出し、異動や相談で解決できないかを試してから決めても遅くはありません。
転職する場合は、第二新卒歓迎で教育体制の整った職場を選び、職場見学で雰囲気を確かめ、前向きな転職理由を用意することが成功のポイントです。退職の際は就業規則や奨学金の条件を確認し、円満退職を心がけましょう。
あなたが自分らしく働ける職場に出会えるよう、まずは情報を集めることから始めてみてください。





