薬剤師の初任給はいくら?職場別の比較と手取り・選び方を解説
薬剤師として働き始めるとき、最初の給料である初任給がいくらになるのかは気になるポイントです。薬剤師は国家資格を必要とする専門職で、初任給は一般的な大卒者よりも高い傾向があります。
ただし、調剤薬局・ドラッグストア・病院・企業・公務員など、就職する職場によって金額の差が大きいのも特徴です。
この記事では、薬剤師の初任給の平均を職場別に比較し、額面と手取りの違い、初任給が高い職場の注意点、そして自分に合った職場の選び方までをわかりやすく解説します。就職・転職の判断材料として役立ててください。
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薬剤師の初任給の平均

薬剤師の初任給は、月給24〜26万円程度が一つの目安とされています。厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、大学卒業者全体の初任給は月248,300円(男女計)です。
薬剤師は6年制の薬学部を卒業して国家資格を取得する必要があるため、初任給は大卒全体の平均と同等か、やや高めの水準になる傾向があります。
ここで示す金額は、あくまで各種調査や求人情報にもとづく2026年時点の目安です。実際の初任給は、勤務先の業態・地域・企業規模によって差があります。特に薬剤師の場合、後述するように職場ごとの差が大きいため、平均額だけで判断せず、自分が希望する職場の相場を確認することが大切です。
初任給は学歴によっても差があります。薬剤師は6年制薬学部で修学期間が長い分、初任給の面では有利なスタートを切りやすい職種といえます。
(6年制)
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参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
薬剤師の初任給を職場別に比較

薬剤師の初任給は、就職する職場によって金額が大きく変わります。一般的には、ドラッグストアが最も高く、病院が最も低い傾向にあります。
ここでは主要な5つの職場について、初任給の目安と、その金額になる理由を見ていきます。なお、各職場の金額は各種調査による目安であり、実際の求人によって幅があります。
調剤薬局
調剤薬局の初任給は、月25〜30万円程度が目安です。薬剤師の就職先として最も一般的で、求人数も豊富です。地域や店舗の規模によって差はありますが、全国的に安定した需要があり、初任給の水準も平均的です。
医療キャリアナビ掲載求人データ(2026年時点)では、調剤薬局の薬剤師求人(正社員)の平均月給は約36.2万円で、経験を積んだ薬剤師も含む金額ではあるものの、調剤薬局が薬剤師の主要な職場であることがうかがえます。
ドラッグストア
ドラッグストアの初任給は、月30〜35万円程度と、薬剤師の職場のなかでも高い水準です。金額が高い理由は、調剤業務に加えてOTC医薬品(市販薬)の販売や店舗運営にも関わることが多く、そのぶん薬剤師手当が手厚く設定されている場合が多いためです。ただし、初任給の高さには残業や店舗業務の負担が反映されていることもあるため、金額だけでなく働き方も含めて確認することが大切です。
病院
病院薬剤師の初任給は、月20〜25万円程度と、他の職場に比べて低めの傾向があります。理由としては、チーム医療の一員として臨床経験を積める環境であることや、教育・研修体制が整っていることなど、給与以外の価値が大きいためです。
初任給は控えめでも、専門・認定薬剤師の資格取得やキャリア形成につながりやすい点が病院で働く魅力といえます。
製薬会社(企業)
製薬会社などの企業に就職した場合、初任給は月23〜26万円程度で、他業態と大きく変わらないか、やや控えめなこともあります。ただし企業は昇給・賞与の幅が大きく、年齢とともに年収が大きく伸びやすいのが特徴です。
MR(医薬情報担当者)や研究開発、学術など職種も幅広く、初任給よりも将来の年収カーブで比較すべき職場といえます。
公務員
公務員薬剤師(国家公務員・地方公務員)の初任給は、月20〜24万円程度と低めですが、安定性と福利厚生が手厚い点が大きな魅力です。給与は法律や条例で定められた俸給表にもとづいて決まり、勤続年数に応じて着実に上がっていきます。
保健所や公立病院、厚生労働省などが主な勤務先で、目先の初任給よりも長期的な安定を重視する方に向いています。
薬剤師の求人を探す参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
薬剤師の初任給の手取り
求人票などに記載される初任給は、社会保険料や税金が引かれる前の総支給額(額面)です。実際に銀行口座へ振り込まれる「手取り」は、総支給額から健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・所得税・住民税などが差し引かれた金額になります。
一般的に、手取りは総支給額の75〜80%程度が目安です。たとえば額面が月25万円の場合、手取りはおよそ19〜20万円になる計算です。額面の金額をそのまま自由に使えるわけではない点に注意しましょう。
| 差し引かれるもの | 目安額(月) |
|---|---|
| 健康保険料 | 約 −13,000円 |
| 厚生年金保険料 | 約 −23,800円 |
| 雇用保険料 | 約 −1,500円 |
| 所得税(源泉徴収) | 約 −5,100円 |
| 住民税(2年目〜) | 約 −10,000円 |
| 合計(概算) | 約 −53,400円 |
額面(総支給額)と手取りは異なります。求人票の金額は額面である場合がほとんどです。実際の生活費を考えるときは、額面の75〜80%を手取りの目安として計算しておくと安心です。
なお、住民税は前年の所得に対して課税されるため、就職1年目は差し引かれません。そのため、2年目以降は住民税のぶん手取りがやや減る点も知っておくとよいでしょう。
お探しの求人は?
参考:日本年金機構「厚生年金保険の保険料」 / 全国健康保険協会「令和6年度保険料額表(令和6年3月分から)」
初任給が高い職場の特徴と注意点

初任給が高い職場には、共通する特徴があります。ドラッグストアのように初任給が高い職場は、基本給に加えて薬剤師手当の割合が大きいケースが多く見られます。手当が大きいこと自体は悪いことではありませんが、手当は業績や役割によって変動する場合があるため、内訳を確認しておくことが大切です。
また、初任給が高くても生涯年収では他の職場が上回ることもあります。たとえば製薬会社や病院は初任給が控えめでも、昇給幅が大きかったり、キャリアアップで年収が伸びやすかったりするため、長期的に見ると逆転することも珍しくありません。初任給の金額だけで職場を決めてしまうと、後悔につながる場合があります。
| 初任給が高い職場 (例:ドラッグストア) |
初任給が控えめな職場 (例:病院・企業) |
|
|---|---|---|
| 給与の構成 | 手当が厚い 薬剤師手当や店舗手当の比率が大きく、そのぶん初任給が高く見えやすい |
基本給ベース 基本給の比率が高く、昇給・賞与・退職金の計算ベースになりやすい |
| 昇給・キャリア | 手当中心のため、長期的な伸びは緩やかになる場合がある | 昇給幅や専門資格の取得で、年収が伸びていきやすい |
| 生涯年収の傾向 | 入口の金額は高いが、途中で頭打ちになることもある | スタートは控えめでも、勤続やキャリアで後半に追い上げることがある |
| 向いている人 | 早い段階で手取りを増やしたい人 | 長期的な年収と専門性を重視したい人 |
職場を選ぶときは、初任給だけでなく次のような点も含めて総合的に判断することがおすすめです。
- 昇給のペースと幅(2年目以降にどれだけ上がるか)
- 賞与(ボーナス)の支給月数と実績
- 基本給と各種手当の内訳
- 年間休日数と残業の有無
- 教育・研修体制やキャリアアップの機会
初任給はあくまでスタート地点の金額です。数年後の年収は、昇給や賞与、キャリアの伸びで大きく変わります。2年目以降の待遇まで含めて職場を見比べることが、後悔しない選び方につながります。
目先の金額に惑わされず、数年先まで働き続けたときの働きやすさと収入のバランスを見極めることが、職場選びで失敗しないコツです。
薬剤師の求人を探す参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
初任給の高い職場に就職するには?

初任給の高い職場に就職するには、いくつかのポイントがあります。同じ薬剤師でも、地域や業態、条件の見極め方によって受け取れる金額は変わります。ここでは初任給を高めるための3つの視点を紹介します。
人手不足の地域を狙う
薬剤師の初任給は、都市部よりも地方のほうが高くなる傾向があります。地方は薬剤師が不足している地域が多く、人材を確保するために好条件の求人が出されやすいためです。
都市部にこだわらず、勤務地の選択肢を広げることで、より高い初任給の求人に出会える可能性が高まります。
住宅補助や引越手当が用意されている求人もあり、生活面のサポートを含めて比較するとよいでしょう。
ドラッグストアや大手調剤を検討する
前述のとおり、ドラッグストアは薬剤師の職場のなかでも初任給が高い傾向にあります。また、全国展開する大手の調剤薬局チェーンも、福利厚生や研修制度が整い、初任給の水準が安定していることが多いです。
初任給を重視するなら、こうした業態を候補に入れて比較検討することがおすすめです。
ただし、業務内容や働き方が自分に合うかどうかも合わせて確認しましょう。
手当や福利厚生も含めて比較する
初任給の金額だけでなく、手当や福利厚生を含めた総額で比較することが大切です。住宅補助・退職金制度・賞与の有無などは、長期的な収入に大きく影響します。
薬剤師の求人では賞与や退職金制度、社会保険完備といった条件が整っているものが多く、その充実度は求人によって差があります。
求人票の初任給だけでなく、こうした条件面もあわせて確認することで、実質的に有利な職場を選びやすくなります。
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薬剤師の初任給に関するよくある質問

薬剤師の初任給について、就職・転職を検討する方からよく寄せられる質問をまとめました。
薬剤師の初任給は他の職業より高い?
薬剤師の初任給は、大卒全体の平均(月248,300円)と同等か、やや高めの水準にあります。6年制の薬学部を卒業して国家資格を取得する専門職であることが、初任給が高めになる理由です。
ただし、初任給が突出して高いわけではなく、昇給の幅は職場によって差があります。生涯年収まで含めて他職種と比較することがおすすめです。
初任給が一番高い職場はどこ?
一般的にはドラッグストアが最も高く、月30〜35万円程度が目安です。調剤業務に加えて店舗運営やOTC販売にも関わることが多く、薬剤師手当が手厚く設定されているためです。ただし、その分の業務負担や働き方も確認しておくことが大切です。
初任給が高い職場を選べば安心?
初任給が高いからといって、必ずしも生涯年収まで高いとは限りません。初任給が控えめでも、昇給幅が大きい職場や、キャリアアップで年収が伸びる職場もあります。
初任給はあくまで最初の1年の金額です。昇給・賞与・手当の内訳・年間休日などを含めて、総合的に判断することが後悔しない選び方につながります。
まとめ
薬剤師の初任給は、月24〜26万円程度が目安で、大卒全体の平均と同等かやや高めの水準です。ただし職場による差が大きく、ドラッグストアが月30〜35万円程度と高く、病院は月20〜25万円程度と低めの傾向にあります。企業や公務員は初任給が控えめでも、昇給や安定性に強みがあります。
また、求人票の初任給は額面(総支給額)であり、実際の手取りはその75〜80%程度になる点も押さえておきましょう。初任給が高い職場は薬剤師手当の割合が大きいこともあり、生涯年収では他の職場が上回るケースもあります。
職場を選ぶときは、初任給の金額だけでなく、昇給・賞与・手当の内訳・年間休日・2年目以降の伸びまで含めて総合的に判断することが大切です。自分の希望に合った職場をじっくり比較し、納得できる形で薬剤師としてのキャリアをスタートさせましょう。





