鍼灸師のボーナスはいくら?相場・出ない理由・支給される職場の探し方
鍼灸師として働くうえで、「ボーナスはもらえるのか」「相場はどのくらいなのか」は気になるポイントです。鍼灸師のボーナスは、勤務先や給与形態によって大きく変わり、支給される職場もあれば、まったく出ない職場もあります。
この記事では、鍼灸師のボーナスの有無や相場、少ない・出ない理由、そしてボーナスが支給される職場の探し方まで、公的データと求人データをもとにわかりやすく解説します。
転職や就職で後悔しないための判断材料として役立ててください。
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鍼灸師にボーナスは出る?

鍼灸師のボーナスは、勤務先によって「出る職場」と「出ない職場」に分かれます。固定給を採用している鍼灸院や整骨院、法人が運営する施設では、年2回の賞与が支給されるケースが多く見られます。一方で、完全歩合制の職場や小規模な院では、賞与そのものがない場合も少なくありません。
そもそもボーナス(賞与)は、労働基準法で支給が義務づけられているものではありません。支給するかどうか、いくら支給するかは各職場の給与規程によって決まります。
そのため「鍼灸師だから必ずもらえる」というものではなく、職場ごとの制度を確認することが大切です。
また、独立開業した鍼灸師の場合は、売上がそのまま収入になるため、そもそもボーナスという概念がありません。まずは「自分の働き方でボーナスが発生するのか」を整理しておきましょう。
医療キャリアナビ掲載の鍼灸師求人データ(2026年時点)を見ると、賞与ありの求人は全体の約6割で、残りの約4割は賞与の記載がない、または歩合中心の求人です。ボーナスの有無は、職場選びの段階で確認しておきたい重要な条件だといえます。
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鍼灸師のボーナスの相場

鍼灸師のボーナスの相場は、勤務先の規模や給与形態によって幅があります。ここでは、平均的な支給額の目安、月給に対する支給月数、そして勤務先の規模による差の3つの視点から整理します。
数字はあくまで目安であり、実際の金額は求人ごとに確認が必要です。
平均支給額の目安
公的統計である厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」では、鍼灸師を含む「その他の保健医療従事者」という区分で、年間の賞与・特別給与額が集計されており、その水準は数十万円規模です。ただし、この区分には柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師なども含まれるため、鍼灸師単独の金額ではない点に注意が必要です。
より実態に近い目安として、医療キャリアナビ掲載の鍼灸師求人データ(2026年時点)では、正社員の月給の中央値は約27万円です。ボーナスが月給の1〜2ヶ月分×年2回だとすると、年間で数十万円規模になる計算です。ただし、これは賞与ありの職場に限った話であり、支給のない職場も一定数あります。
月給の何ヶ月分が目安か
鍼灸師のボーナスは、基本給の1〜2ヶ月分を年2回(夏・冬)支給する職場が一般的です。年間にすると、基本給の2〜4ヶ月分が目安になります。
ただし、この「何ヶ月分」は基本給をもとに計算される点に注意しましょう。求人票に書かれている月給には各種手当や交通費が含まれていることが多く、賞与の計算対象となる基本給は月給より少ない場合があります。そのため、月給から単純に何ヶ月分と考えると、実際の賞与額と差が出ることがあります。
なお、支給月数は職場の業績や個人の評価によって変動します。「賞与2〜4ヶ月分」と記載があっても、それが保証された金額ではなく、業績次第で増減する点は押さえておきましょう。
勤務先の規模による差
ボーナスの額は、勤務先の規模によっても差が出ます。一般的に、従業員数が多い法人や大規模な施設ほど、賞与制度が整っている傾向があります。逆に、個人経営の小規模な院では、賞与がない、または寸志程度にとどまるケースもあります。
医療キャリアナビ掲載の求人データ(2026年時点)で鍼灸師の月給を勤務先の形態別に見ると、鍼灸院や整骨院、訪問マッサージなどで水準に違いが見られます。月給の水準はそのまま賞与の原資にも影響するため、勤務先の規模や形態は収入全体を左右する要素です。
鍼灸師の求人を探す勤務先・給与形態によるボーナスの違い

鍼灸師のボーナスは、勤務先の種類だけでなく、給与形態によっても考え方が大きく変わります。固定給・歩合制・独立開業では、そもそもの収入の仕組みが異なるため、賞与の扱いも別物です。こ
こでは主な勤務先ごとに、ボーナスの有無や特徴を整理します。
| 勤務先・形態 | 賞与の有無 | 特徴 |
|---|---|---|
| 鍼灸院・整骨院固定給 | あり(年2回が多い) | 月給に加えて夏・冬の賞与が支給されるケースが主流。院の規模や業績によって支給額は異なる。 |
| 歩合制・完全歩合インセンティブ型 | 基本なし | 賞与は設けず、施術件数や売上に連動したインセンティブで収入を積み上げる仕組み。稼ぎ次第では高収入も狙える。 |
| クリニック医療機関勤務 | あり(安定) | 就業規則・給与規程に基づき賞与が支給され、金額が安定しやすい。ただし鍼灸師の求人数は少ない。 |
| 独立開業自営業 | なし(概念なし) | 雇用形態ではないため賞与という区分は存在せず、売上から経費を引いた利益がそのまま収入になる。 |
鍼灸院・整骨院(固定給)
固定給を採用している鍼灸院や整骨院では、年2回の賞与が支給される職場が多い傾向にあります。毎月の給与が安定しているぶん、ボーナスも制度として組み込まれているケースが目立ちます。
ただし、同じ鍼灸院・整骨院でも、個人経営か法人経営かで賞与制度の有無は変わります。求人票に「賞与あり」と書かれていても、金額や支給実績は事前に確認しておくと安心です。
歩合制・完全歩合の職場
歩合制や完全歩合制の職場では、賞与がないケースが一般的です。そのかわり、売上や指名数に応じたインセンティブ(歩合給)で収入を伸ばせる仕組みになっています。
固定給+歩合の職場もあり、この場合は基本給部分に対して賞与が支給されることもあります。歩合制は成果次第で収入が大きく変わるため、「ボーナスがない=収入が低い」とは限りません。自分の実力や集客力に自信がある場合は、歩合中心の職場のほうが総収入は高くなることもあります。
なお、インセンティブと歩合は似た言葉ですが、支給の条件や仕組みに違いがあります。給与形態を確認する際は、それぞれの意味を理解しておくと求人比較がしやすくなります。
クリニック
病院やクリニックで鍼灸師として働く場合は、その施設の給与規程に沿って賞与が支給されます。医療機関は給与体系が整っていることが多く、年2回の安定した賞与が期待できる職場といえます。
ただし、鍼灸師を採用している病院・クリニックの求人はそれほど多くありません。安定性を重視するなら選択肢になりますが、求人数が限られる点は理解しておきましょう。
介護・美容分野
デイサービスなどの介護分野で機能訓練指導員として働く場合は、施設の賞与制度に応じて支給されます。介護施設は法人運営が多く、賞与制度が整っている職場が多いです。
一方、美容鍼灸を扱うサロンや自費中心の職場では、歩合やインセンティブの比重が高くなる傾向があります。賞与よりも成果報酬で稼ぐスタイルが多いため、給与形態をよく確認することが大切です。
独立開業の場合
独立開業した鍼灸師には、そもそもボーナスという概念がありません。売上から経費を引いた分がそのまま収入になるため、賞与ではなく事業の利益として収入を得る形になります。
開業には自由度の高さという魅力がありますが、収入は経営状況に直結します。集客が安定するまでは収入が不安定になりやすい点も理解しておく必要があります。
鍼灸師のボーナスが少ない・出ない理由

鍼灸師のボーナスが少ない、あるいは出ないのには、業界特有の理由があります。ここでは主な4つの理由を解説します。理由を知っておくと、求人を選ぶときにどこを確認すべきかが見えてきます。
保険報酬に上限があり原資が限られる
鍼灸の施術は、すべてが健康保険の対象になるわけではありません。はり・きゅうで療養費(保険)が使えるのは、神経痛・リウマチ・頸腕症候群・五十肩・腰痛症・頸椎捻挫後遺症の6疾患に限られ、さらに医師の同意書が必要です。
そのため、保険で得られる報酬には限りがあり、施設の売上や利益が大きく伸びにくい構造になっています。賞与は利益から支払われるため、原資が限られることが、ボーナスが少なくなる一因といえます。
はり・きゅうで保険(療養費)が使えるのは次の6疾患に限られ、医師の同意書が必要です。
これら6疾患の範囲外の施術は全額自費となります。医師の同意書は初回取得後も定期的な再同意が求められます。
固定給・歩合制など給与体系の違い
鍼灸業界は、施術業という性質上、歩合制やインセンティブ型の給与体系が根づいている職場が多くあります。こうした職場では、賞与という形ではなく、日々の成果に応じた報酬で収入を得る仕組みが中心です。
「ボーナスがない」こと自体が問題なのではなく、その分をインセンティブで受け取る設計になっている場合もあります。給与の総額でどう受け取るかの違いだと理解しておきましょう。
入職時期によっては初回の対象外になる
賞与には「支給対象期間(査定期間)」が設けられているのが一般的です。この期間に在籍していないと、入職して間もない時期は賞与の対象外になることがあります。
たとえば、夏の賞与の査定期間が前年10月〜3月の場合、4月以降に入職した人は、その年の夏の賞与が満額もらえなかったり、対象外になったりすることがあります。
転職のタイミングによって初回の賞与が減ることは珍しくないため、入職時期と賞与の関係も確認しておくと安心です。
勤務先の経営状態による
賞与は職場の業績・利益から支払われるため、勤務先の経営状態が悪いと減額・不支給になることがあります。「賞与あり」と求人票に書かれていても、業績次第で金額が変わる点は理解しておきましょう。
安定した賞与を求めるなら、経営が安定している法人や、過去の支給実績が明確な職場を選ぶことが大切です。
参考:厚生労働省「はり・きゅう、あん摩・マッサージ・指圧の療養費の支給対象疾患に関する保険関係の取扱いについて」
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「賞与2ヶ月分」の計算方法に注意

求人票で「賞与2ヶ月分」と見ると、月給の2倍がもらえると思いがちですが、実際の計算方法には注意が必要です。ここを誤解すると、思ったより賞与が少なく感じる原因になります。
「賞与2ヶ月分」とは、基本給の2ヶ月分を指すのが一般的です。総支給額(月給)の2ヶ月分ではありません。月給には基本給のほかに、資格手当・住宅手当・交通費などの各種手当が含まれていることが多く、賞与の計算対象となる基本給は月給より少ないケースがほとんどです。
× 2ヶ月分
× 2ヶ月分
たとえば月給28万円でも、その内訳が基本給22万円+手当6万円であれば、「賞与2ヶ月分」は56万円ではなく44万円になります。求人票の月給だけを見て賞与額を計算すると、実際の金額との差に驚くことがあります。
転職の際は、月給ではなく基本給がいくらかを必ず確認しましょう。基本給が低く手当で月給をかさ上げしている求人は、賞与や退職金にも影響するため、内訳のチェックが欠かせません。
ボーナスが支給される職場の探し方

ボーナスが支給される職場を選ぶには、求人票の見方にコツがあります。ここでは、賞与のある職場を見極めるための3つの確認ポイントを紹介します。
求人票で「賞与あり」と支給実績を確認する
まず確認したいのが、求人票に「賞与あり」と記載されているかどうかです。ただし、「賞与あり」だけでは金額や支給実績まではわかりません。「賞与年2回(前年度実績◯ヶ月分)」のように、過去の支給実績が書かれている求人のほうが信頼できます。
実績の記載がない場合は、面接時に「昨年度の賞与の支給実績」を質問してみましょう。具体的な数字を答えてもらえるかどうかも、職場を見極める材料になります。
賞与の対象時期・条件を確認する
賞与には支給対象期間や、支給日時点で在籍している必要があるなどの条件があります。入職のタイミングによっては初回の賞与が減ることがあるため、査定期間と支給時期を事前に確認しておくと安心です。
また、「業績連動」なのか「固定支給」なのかも重要です。業績連動型は景気や経営状況で変動するため、安定性を求めるなら支給条件までしっかり確認しましょう。
基本給の内訳をチェックする
前述のとおり、賞与は基本給をもとに計算されるのが一般的です。そのため、月給に占める基本給の割合を確認することが大切です。基本給が高い求人ほど、同じ「賞与2ヶ月分」でも実際の金額は大きくなります。
手当が多く基本給が低い求人は、月給が高く見えても賞与や退職金では不利になりがちです。月給の金額だけでなく、その内訳まで踏み込んで比較しましょう。
転職活動するなら?
鍼灸師がボーナス・収入を上げる方法

ボーナスを含めた収入を上げるには、職場選びと働き方の両面から工夫が必要です。ここでは、鍼灸師が収入アップを目指すための3つの方法を紹介します。
規模の大きい施設や法人を選ぶ
安定した賞与を得たいなら、賞与制度が整った法人や規模の大きい施設を選ぶのが近道です。個人経営の小規模院に比べ、法人運営の施設は給与規程が明確で、賞与や退職金などの制度も充実している傾向があります。
求人を探す際は、賞与の支給実績や福利厚生の内容まで比較し、長期的に安定して働ける職場かどうかを見極めましょう。
指名やリピートを増やして評価を高める
歩合やインセンティブがある職場では、指名やリピート患者さんを増やすことが収入アップに直結します。施術の質を高め、患者さんとの信頼関係を築くことで、成果報酬を積み上げられます。
また、こうした実績は賞与の査定にも反映されやすく、固定給の職場でも評価アップにつながります。日々の施術を丁寧に積み重ねることが、結果的に収入を押し上げます。
美容鍼灸など自費分野で専門性を磨く
保険施術は報酬に上限があるため、収入を大きく伸ばすには自費分野での専門性がカギになります。美容鍼灸やスポーツ鍼灸などの自費メニューは、施術料金を自分で設定でき、単価を上げやすいのが特徴です。
専門資格やスキルを身につけて自費メニューを充実させれば、指名やリピートにもつながり、歩合・賞与の両面で収入アップが期待できます。将来的な独立開業を視野に入れる場合にも、自費分野の強みは大きな武器になります。
鍼灸師の求人を探す鍼灸師のボーナスに関するよくある質問

最後に、鍼灸師のボーナスについてよくある質問に答えます。転職や就職の判断に役立ててください。
ボーナスなしの鍼灸院は珍しい?
珍しくありません。特に完全歩合制や小規模な個人院では、賞与がないケースも一般的です。歩合中心の職場では、賞与のかわりにインセンティブで収入を得る設計になっていることが多く、「ボーナスなし=待遇が悪い」とは一概にいえません。総収入で比較することが大切です。
新卒1年目からボーナスはもらえる?
職場の査定期間によります。入職時期が賞与の査定期間の途中だと、1年目の初回賞与は満額もらえない、または対象外になることがあります。多くの職場では、2年目以降から本格的に賞与の対象となります。
新卒で入職する際は、初回の賞与がいつ・どのくらい支給されるのかを確認しておきましょう。
柔道整復師やあマ指と比べてボーナスは高い?
大きな差はありません。鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師はいずれも施術業であり、給与や賞与の水準は近い傾向にあります。医療キャリアナビ掲載の求人データ(2026年時点)でも、賞与ありの求人割合は3職種で大きな違いは見られません。
ボーナスの多寡は職種よりも、勤務先の規模や給与形態による差のほうが大きいといえます。
まとめ
鍼灸師のボーナスは、勤務先や給与形態によって「出る職場」と「出ない職場」に分かれます。固定給の鍼灸院・整骨院や法人運営の施設では年2回の賞与が期待できる一方、完全歩合制や小規模院では賞与がないことも珍しくありません。独立開業の場合は、そもそも賞与ではなく事業の利益として収入を得る形になります。
相場は勤務先の規模や給与形態で幅がありますが、「賞与2ヶ月分」は基本給がベースである点や、入職時期によって初回賞与が減る点など、確認すべきポイントは多くあります。求人票では「賞与あり」だけでなく、支給実績・基本給の内訳・査定条件までチェックすることが、後悔しない職場選びにつながります。
収入を上げたい場合は、賞与制度の整った職場を選ぶこと、指名やリピートで評価を高めること、美容鍼灸など自費分野で専門性を磨くことが有効です。自分の希望する働き方に合った職場を見つけ、納得のいくキャリアを築いていきましょう。





