機能訓練指導員の配置基準とは?対象資格・サービス種別ごとの配置要件・個別機能訓練加算の要件を解説
機能訓練指導員として働きたい方や、事業所で配置を検討している方にとって、「どの資格があれば配置できるのか」「サービスごとに何名置けばよいのか」は気になるところだと思います。
配置基準は介護保険サービスの種類によって異なり、個別機能訓練加算を算定する場合はさらに細かい人員要件が加わります。
この記事では、機能訓練指導員の配置基準について、対象となる資格、通所介護・特別養護老人ホーム・短期入所生活介護といったサービス種別ごとの配置要件、個別機能訓練加算(Ⅰ)(Ⅱ)の人員配置要件までをわかりやすく整理します。
専従と兼務の違いや、外部委託・派遣でも配置できるのかといったよくある疑問にも触れますので、転職や採用の判断材料にしてください。
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機能訓練指導員とは?

機能訓練指導員とは、介護保険サービスの利用者さんに対して、日常生活を送る力の維持・向上を目的とした機能訓練を提供する職種です。
特定の国家資格の名称ではなく、決められた資格を持つ人が機能訓練を担う場合の「役割の呼び名」だと考えるとわかりやすいです。
機能訓練指導員の基本データ
機能訓練指導員という資格試験があるわけではなく、理学療法士や看護師などの資格を持つ人が、機能訓練指導員として配置されることで初めてその役割を担います。
そのため、同じ機能訓練指導員でも、もともと持っている資格によって得意とする領域や具体的な業務の進め方には違いがあります。
機能訓練指導員は、通所介護や介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)など、多くの介護保険サービスで配置が義務づけられている職種です。
配置がなければ事業所として基準を満たせないため、施設運営に欠かせない存在といえます。
次の章から、誰が機能訓練指導員になれるのか、そしてサービスごとに何名配置が必要なのかを順番に見ていきます。
機能訓練指導員になれる資格

機能訓練指導員になれるのは、厚生労働省が定める一定の資格を持つ人に限られます。
対象となるのは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師・准看護師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の資格です。これらのいずれかを持っていれば、機能訓練指導員として配置できます。
ただし、はり師・きゅう師については、ほかの資格にはない追加の条件があります。それぞれの資格でどのような特徴があるのか、順番に確認していきましょう。
参考:厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の実施上の留意事項について」
機能訓練指導員の対象資格 比較一覧
| 資格 | 運動器 | ADL訓練 | 嚥下・言語 | 医療管理 | 実務経験要件 |
|---|---|---|---|---|---|
| 理学療法士 | ◯ | ◯ | ✕ | △ | 不要 |
| 作業療法士 | ◯ | ◯ | △ | △ | 不要 |
| 言語聴覚士 | ✕ | △ | ◯ | △ | 不要 |
| 看護師・准看護師 | △ | △ | △ | ◯ | 不要 |
| 柔道整復師 | ◯ | △ | ✕ | ✕ | 不要 |
| あん摩マッサージ指圧師 | ◯ | △ | ✕ | ✕ | 不要 |
| はり師・きゅう師 | △ | △ | ✕ | ✕ | 6ヶ月以上 |
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)は、リハビリテーションを専門とする国家資格で、機能訓練指導員の中心的な存在です。身体機能の回復や日常生活動作の改善を専門的に学んでいるため、機能訓練の計画作成から実施まで一貫して担えるのが強みです。
理学療法士は歩行や立ち座りといった基本的な動作、作業療法士は食事や着替えなどの生活動作、言語聴覚士は飲み込みや言葉・コミュニケーションを得意としています。
利用者さんの状態に合わせて、それぞれの専門性を活かした機能訓練を提供できます。リハビリ職の求人は訪問リハビリや通所系を中心に幅広く、機能訓練指導員としての需要も高い職種です。
看護師・准看護師
看護師・准看護師も機能訓練指導員として配置できます。看護師は医療的な知識を持ち、利用者さんの健康状態や持病を踏まえたうえで機能訓練に関われるのが特徴です。血圧や脈拍などの体調管理をしながら、無理のない範囲で機能訓練を進められます。
特に、看護職員として配置されている人が機能訓練指導員を兼務するケースは介護現場で多く見られます。
1人で複数の役割を担うことになるため、体調観察とリハビリの両面から利用者さんを支えられる点が評価されています。ただし、看護師本来の業務との兼ね合いには注意が必要です。
柔道整復師
柔道整復師は、骨折・脱臼・打撲・捻挫といった外傷への施術を専門とする国家資格です。身体の構造や運動機能に関する知識を持ち、徒手による評価や運動指導を得意とするため、機能訓練指導員として活躍できます。
整骨院・接骨院での勤務が中心の資格ですが、近年はデイサービスなどの介護分野で機能訓練指導員として働く柔道整復師も増えています。介護施設での需要があり、活躍の場が広がっている資格の1つです。
あん摩マッサージ指圧師
あん摩マッサージ指圧師は、マッサージや指圧の手技で身体の不調を和らげる国家資格です。筋肉や関節へのアプローチを専門とし、利用者さんの身体をほぐしながら、関節の動きを保つための機能訓練を提供できます。
訪問マッサージや整骨院での勤務が多い資格ですが、デイサービスなどでも機能訓練指導員として配置できます。手技を活かしたきめ細かなケアができる点が、介護現場で求められています。
はり師・きゅう師(実務経験が必要)
はり師・きゅう師も機能訓練指導員の対象資格ですが、ほかの資格と異なり、追加の実務経験が求められます。具体的には、はり師・きゅう師以外の機能訓練指導員が配置されている事業所で、6か月以上機能訓練指導に従事した経験が必要です。
つまり、はり師・きゅう師の資格を取得しただけでは、すぐに機能訓練指導員として配置することはできません。先に別の機能訓練指導員のもとで経験を積む必要があります。なお、実務経験の時間数や日数について細かな規定はありませんが、十分な経験を得たことを事業所の管理者が書面で確認することとされています。
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通所介護(デイサービス)の配置基準

通所介護(デイサービス)では、機能訓練指導員の配置が義務づけられています。
利用者さんの自立支援や機能の維持・向上を図るために、機能訓練を提供する体制が求められているためです。ここでは、何名配置が必要なのか、専従と兼務の扱い、看護職員との関係について整理します。
通所介護の人員基準は、機能訓練指導員だけでなく、生活相談員・看護職員・介護職員もそれぞれ配置が求められます。機能訓練指導員はそのうちの1つで、事業所全体の運営に欠かせない職種です。デイサービスとデイケアでは配置や目的に違いがあるため、迷ったときは関連記事もあわせてご確認ください。
参考:厚生労働省「通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護の報酬・基準について(検討の方向性)」
機能訓練指導員は1名以上の配置が必要
通所介護では、機能訓練指導員を事業所ごとに1名以上配置することが基準とされています。利用者さんの人数にかかわらず、最低1名は必要です。この1名がいなければ、通所介護の事業所として基準を満たせません。
ここでいう「事業所ごとに1名以上」とは、同じ時間帯にずっと専従で1名を置くという意味ではなく、事業所として機能訓練指導員を確保していることが求められるという考え方です。後述する個別機能訓練加算を算定する場合は、より細かい配置の条件が加わります。
専従と兼務の違い・看護職員との関係
通所介護の機能訓練指導員は、ほかの職種との兼務が認められています。たとえば、看護職員として配置されている人が機能訓練指導員を兼ねるケースが代表的です。1人で2つの役割を担うことで、限られた人員でも基準を満たしやすくなります。
なお、利用定員が11名以上の通所介護事業所では、機能訓練指導員とは別に、単位ごとに専従の看護職員を1名以上確保する必要があります。機能訓練指導員と看護職員の配置は分けて考える必要があるため、兼務する場合は基準を満たせているか確認が必要です。
(デイサービス)
老人ホーム
(ショートステイ)
特別養護老人ホームの配置基準

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)でも、機能訓練指導員の配置が義務づけられています。
通所介護とは少し異なる配置のルールがあるため、ポイントを整理します。
1名以上の配置が必要
特別養護老人ホームでは、機能訓練指導員を1名以上配置することが基準です。入所者の人数にかかわらず、最低1名は配置しなければなりません。施設の規模が大きくても小さくても、この点は共通しています。
機能訓練指導員は、入所者一人ひとりの状態に合わせた機能訓練計画を立て、定期的に機能訓練を実施します。寝たきりや要介護度の重い方も多いため、身体機能の維持や悪化の予防が重要な目的になります。
他職種との兼務が可能・医師の指示は必須ではない
特別養護老人ホームの機能訓練指導員は、その施設のほかの職務に従事する人が兼務することが認められています。専従でなくてもよいため、看護職員などが機能訓練指導員を兼ねる施設も多く見られます。
また、機能訓練指導員が機能訓練を行うにあたって、医師の指示は必須ではありません。これは、医療保険のリハビリテーションが医師の指示を前提とするのとは異なる点です。
ただし、利用者さんの状態によっては医師や多職種と連携しながら進めることが望ましく、安全に配慮した機能訓練が求められます。
短期入所生活介護(ショートステイ)の配置基準

短期入所生活介護(ショートステイ)でも、機能訓練指導員の配置が必要です。短期間の利用が中心のサービスですが、利用者さんの機能維持を支えるために機能訓練を提供する体制が求められます。
常勤・非常勤の扱いや、他施設との兼務について見ていきましょう。
1名以上の配置と常勤・非常勤の選択
短期入所生活介護では、機能訓練指導員を1名以上配置することが基準です。この配置は常勤・非常勤を問わず、非常勤の機能訓練指導員でも基準を満たせます。利用者さんの状況に応じて、柔軟な勤務形態で配置できる点が特徴です。
短期入所生活介護は数日から数週間の利用が中心のため、入所施設のように長期にわたる機能訓練計画を立てるというより、利用期間中の状態維持に重点が置かれます。限られた期間でも、安全に機能訓練を行える体制が求められます。
他施設との兼務の可否
短期入所生活介護は、特別養護老人ホームに併設されている場合が多くあります。
こうしたケースでは、併設する施設の機能訓練指導員が、短期入所生活介護の機能訓練指導員を兼務できる場合があります。
ただし、兼務が認められるかどうかは、施設の形態や運営の状況によって判断が分かれます。それぞれの施設で配置基準を満たせているかを確認したうえで、兼務の可否を判断する必要があります。
実際の運用にあたっては、指定権者である自治体への確認がおすすめです。
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個別機能訓練加算(Ⅰ)の人員配置要件

ここからは、配置基準とは別に、より手厚い機能訓練を評価する「個別機能訓練加算」の人員配置要件を見ていきます。
個別機能訓練加算(Ⅰ)には「イ」と「ロ」の2区分があり、機能訓練指導員の配置の手厚さによって単位数が異なります。なお、イとロは同時に算定することはできません。
個別機能訓練加算は、利用者さん一人ひとりの目標に合わせた個別の機能訓練計画を立てて実施した場合に算定できる加算です。
個別機能訓練加算(Ⅰ)イの要件
個別機能訓練加算(Ⅰ)イは、機能訓練指導員を専従で1名以上配置することが要件です。
配置する時間帯についての定めはなく、サービス提供時間帯を通じて配置し続ける必要はありません。単位数は1日あたり56単位です。
「専従」とは、その機能訓練指導員が機能訓練の業務にもっぱら従事することを指します。基本の配置基準では兼務が認められていましたが、加算(Ⅰ)を算定する場合は専従の機能訓練指導員が必要になる点が大きな違いです。
個別機能訓練加算(Ⅰ)ロの要件
個別機能訓練加算(Ⅰ)ロは、イよりも手厚い配置を評価する区分です。
機能訓練指導員を専従で2名以上配置することが要件で、単位数は1日あたり76単位です。配置時間の定めはありませんが、機能訓練指導員が2名以上配置されている時間帯について算定する仕組みになっています。
令和6年度の介護報酬改定で、(Ⅰ)ロの単位数は85単位から76単位に変更され、配置の要件も見直されました。
機能訓練指導員を2名確保するのが難しい場合は、(Ⅰ)ロに代えて(Ⅰ)イを算定することも認められています。事業所の人員体制に合わせて、どちらを算定するか判断することになります。
本文で別々に解説した(Ⅰ)イ・(Ⅰ)ロ・(Ⅱ)を、単位数・配置要件・算定単位・併算定の関係で一覧にまとめました。
| 項目 | (Ⅰ)イ | (Ⅰ)ロ | (Ⅱ) |
|---|---|---|---|
| 単位数 | 56単位/日 | 76単位/日令和6改定で85→76に減算 | 20単位/月 |
| 配置要件 | 機能訓練指導員を専従1名以上(配置時間の定めなし) | 機能訓練指導員を専従2名以上(2名配置の時間帯のみ算定) | 機能訓練の情報をLIFEへ提出しフィードバックを活用 |
| 算定単位 | 1日ごと | 1日ごと | 1か月ごと |
| 併算定の関係 | イとロは同時算定不可 | イとロは同時算定不可 | (Ⅰ)イまたはロに上乗せして算定 |
参考:厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の実施上の留意事項について」
参考:厚生労働省「介護給付費単位数の算定構造」
個別機能訓練加算(Ⅱ)の人員配置要件

個別機能訓練加算(Ⅱ)は、(Ⅰ)の算定に加えて、機能訓練に関する情報を国のデータベースに提出し、そのフィードバックを活用して機能訓練の質を高めた場合に評価される加算です。
データの活用による科学的な介護を進める目的があります。
LIFEへの情報提出が必要
個別機能訓練加算(Ⅱ)を算定するには、機能訓練の計画や実施状況に関する情報を「LIFE(科学的介護情報システム)」に提出することが必要です。
LIFEは、全国の介護現場のデータを集約し、エビデンスに基づいた介護の実現を目指す厚生労働省のシステムです。
提出したデータに対して国からフィードバックが返され、その内容を機能訓練の見直しに活用することが求められます。単にデータを送るだけでなく、その結果を現場の機能訓練に反映させることが算定の前提になっています。
LIFEを活用した機能訓練の流れ
(Ⅰ)に加えて算定可能
個別機能訓練加算(Ⅱ)は、(Ⅰ)のイまたはロを算定していることが前提です。
(Ⅱ)単独では算定できず、(Ⅰ)に上乗せする形で算定します。
つまり、まず(Ⅰ)の配置要件を満たし、そのうえでLIFEへの情報提出を行うことで(Ⅱ)が算定できるようになります。
機能訓練指導員の配置に関しては、(Ⅱ)固有の追加要件は設けられていません。(Ⅰ)の人員配置を満たしていれば、(Ⅱ)の要件はLIFE関連の対応が中心になります。
単位数と算定要件
個別機能訓練加算(Ⅱ)の単位数は、1か月あたり20単位です。
(Ⅰ)が1日あたりの算定であるのに対し、(Ⅱ)は月単位での算定となる点が異なります。
算定にあたっては、LIFEへのデータ提出を定められた頻度で継続することが求められます。
提出が滞ると算定の要件を満たせなくなるため、計画的なデータ入力と提出の体制づくりが必要です。データ活用を通じて機能訓練の質を高めることが、この加算の本来の目的です。
個別機能訓練加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の違い
| 項目 | 個別機能訓練加算(Ⅰ) | 個別機能訓練加算(Ⅱ) |
|---|---|---|
| 位置づけ | 基本となる加算 | (Ⅰ)への上乗せ |
| 主な要件 | 人員配置・個別計画・訓練実施 | LIFEへの情報提出と活用 |
| 算定単位 | 1日あたり | 1か月あたり |
| 単独算定 | 可能 | 不可 |
個別機能訓練加算の算定要件まとめ
- (Ⅰ)イ:56単位/日。専従の機能訓練指導員1名以上を配置
- (Ⅰ)ロ:76単位/日。2名以上の機能訓練指導員を配置する時間帯に算定
- (Ⅱ):20単位/月。(Ⅰ)の要件に加え、LIFEへの情報提出が必要
専従と兼務の違い

配置基準や個別機能訓練加算を理解するうえで欠かせないのが、「専従」と「兼務」という考え方です。
ここでは、それぞれの定義と実務上のポイントを整理します。
専従の定義
専従とは、その職員が特定の業務にもっぱら従事することを指します。機能訓練指導員が専従である場合、その勤務時間中はほかの職務に就かず、機能訓練に関する業務に専念することが求められます。
個別機能訓練加算(Ⅰ)を算定するには、この専従の機能訓練指導員が必要です。
基本の配置基準では兼務が認められていても、加算を算定する場面では専従が条件になることが多いため、自事業所がどの基準を満たそうとしているのかを整理しておくことが大切です。
「専従」と「兼務」の考え方
兼務できる職種・できない職種
機能訓練指導員は、基本の配置基準においては他職種との兼務が認められています。代表的なのは看護職員との兼務で、1人が看護職員と機能訓練指導員を兼ねるケースは介護現場でよく見られます。生活相談員や介護職員との兼務が可能な場合もあります。
一方で、個別機能訓練加算(Ⅰ)のように専従が求められる場面では、兼務は認められません。
兼務できるかどうかは、満たそうとする基準や加算によって変わるため、一律に「兼務できる・できない」と判断せず、根拠となる基準を確認することが重要です。
配置時間の数え方
配置時間の数え方は、満たそうとする基準によって異なります。基本の配置基準では、サービス提供時間帯を通じて常に配置し続けることまでは求められないのが一般的です。一方、加算の区分によっては、機能訓練指導員が配置されている時間帯のみ算定するといった考え方が用いられます。
そのため、機能訓練指導員を1日のうち何時間配置するか、どの時間帯に配置するかは、算定したい加算の要件に合わせて設計する必要があります。配置時間の考え方を誤ると、加算が算定できなくなる場合があるため注意が必要です。
配置時間を考えるときの流れ
加算算定かを確認
条件を確認
時間帯を整理
常勤換算の考え方
常勤換算とは、非常勤職員の勤務時間を、常勤職員何人分に相当するかに換算する方法です。事業所が定める常勤職員が勤務すべき時間数を基準に、ほかの職員の勤務時間を割って算出します。
週の勤務時間
週の時間(基準)
人数
たとえば、常勤の勤務時間を週40時間とする事業所で、週20時間勤務の非常勤職員がいれば、その職員は0.5人分として数えます。
人員基準を満たしているかを判断するうえで、常勤換算は重要な考え方です。機能訓練指導員の配置を検討する際は、この計算方法も押さえておきましょう。
- 専従はその業務にもっぱら従事すること。個別機能訓練加算(Ⅰ)の算定には専従の配置が必要
- 基本の配置基準では、看護職員などとの兼務が認められる場面が多い
- 常勤換算は「非常勤の勤務時間÷常勤の所定時間」で人数を計算する
機能訓練指導員の業務内容

機能訓練指導員の具体的な業務は、機能訓練を実施するだけにとどまりません。計画の作成から記録、定期的な見直しまで、一連の流れを担うのが特徴です。
ここでは、機能訓練指導員が日々行う主な業務を順番に見ていきます。資格による役割の違いも気になる方は、関連記事もあわせてご覧ください。
個別機能訓練計画書の作成
機能訓練指導員の業務の出発点は、利用者さん一人ひとりの個別機能訓練計画書を作成することです。計画書には、利用者さんの心身の状態、生活課題、訓練の目標、具体的なプログラム内容、実施頻度などを記載します。
計画書の作成にあたっては、利用者さんの居宅を訪問してニーズを把握することが推奨されています。在宅での生活環境や動作の困りごとを直接確認することで、より実践的な目標設定が可能になります。
計画書は利用者さんやご家族に説明し、同意を得たうえで交付します。多職種(介護職員、看護職員、生活相談員など)との連携のもとで作成することも重要なポイントです。
機能訓練の実施
作成した計画書に基づいて、利用者さんへの機能訓練を実施します。訓練内容は利用者さんの状態や目標に応じて個別に設定しますが、一般的には以下のようなプログラムがあります。
- 関節可動域訓練(拘縮予防・改善)
- 筋力強化訓練(立ち上がり・歩行能力の維持)
- バランス訓練(転倒予防)
- 日常生活動作訓練(食事・着替え・入浴動作の改善)
- 集団体操やレクリエーション活動を取り入れた訓練
訓練は個別対応が基本ですが、同じ目標を持つ利用者さんをグループにした小集団での実施も認められています。
実施記録の作成
機能訓練を実施したら、その内容や利用者さんの様子を記録に残します。どのような機能訓練を行い、利用者さんがどう反応したか、目標に対してどの程度進んでいるかを記録することで、機能訓練の効果を客観的に把握できます。
実施記録は、次の機能訓練の内容を検討する材料になるだけでなく、計画の見直しや多職種との情報共有にも活用されます。加算を算定している場合は、記録が算定要件を満たす根拠にもなるため、正確で丁寧な記録が欠かせません。
3ヶ月ごとのモニタリング・見直し
機能訓練は一度計画を立てて終わりではなく、定期的に効果を確認し、計画を見直すことが求められます。一般に3か月ごとを目安に、目標の達成状況や利用者さんの状態の変化をモニタリングします。
モニタリングでは、利用者さんの自宅を訪問して生活の様子を確認する場合もあります。状態の変化に応じて目標や機能訓練の内容を調整し、計画書を更新します。
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機能訓練指導員の配置に関するQ&A
外部委託で機能訓練指導員の配置基準を満たせますか?
機能訓練指導員の配置基準は、原則として事業所に所属する職員を配置することで満たすものです。そのため、外部の事業者に業務を委託する形では、配置基準を満たせないのが基本的な考え方です。配置が義務づけられている職種は、自事業所で確保する必要があります。
ただし、自事業所の機能訓練指導員と外部のリハビリ専門職が連携して機能訓練の質を高める取り組みは、別の加算(生活機能向上連携加算など)で評価される場合があります。配置基準そのものを外部委託で満たすことと、連携を評価する加算とは分けて考える必要があります。
機能訓練指導員は複数施設で兼務できますか?
複数の施設での兼務が認められるかどうかは、施設の位置関係や運営の状況によって判断が分かれます。同一敷地内や併設している施設どうしであれば、兼務が認められる場合があります。一方、離れた場所にある別の施設との兼務は、現実的に難しいことが多いです。
兼務する場合は、それぞれの施設で配置基準を満たせているか、勤務時間が適切に管理されているかが問われます。兼務の可否はケースごとに異なるため、指定権者である自治体に確認したうえで判断することがおすすめです。
派遣やパートの職員でも機能訓練指導員として認められますか?
機能訓練指導員の配置は、雇用形態を問いません。正社員だけでなく、パート・アルバイトといった非常勤の職員でも、対象資格を持っていれば配置基準を満たせます。非常勤の場合は、前述の常勤換算の考え方を用いて人員基準を判断します。
派遣職員については事業所の指揮命令のもとで業務にあたる場合に配置が認められると考えられますが、加算の専従要件など細かな条件には注意が必要です。雇用形態にかかわらず、満たそうとする基準や加算の要件を確認することが大切です。
1日のうち数時間だけの配置でも算定できますか?
基本の配置基準については、機能訓練指導員が1名以上確保されていれば、1日中ずっと配置し続けることまでは求められないのが一般的です。一方で、個別機能訓練加算(Ⅰ)ロのように、機能訓練指導員が配置されている時間帯のみ算定する仕組みの加算もあります。
そのため、「数時間だけの配置でも算定できるか」は、基本報酬の話なのか、どの加算の話なのかによって答えが変わります。算定したい加算の要件を確認し、必要な配置時間を満たせているかを整理することが、確実な算定につながります。
まとめ
機能訓練指導員の配置基準について、対象資格からサービス種別ごとの要件、個別機能訓練加算の人員配置要件までを解説しました。最後に要点を振り返ります。
機能訓練指導員になれるのは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師・准看護師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の資格を持つ人です。はり師・きゅう師のみ、6か月以上の実務経験が必要になります。配置基準は、通所介護・特別養護老人ホーム・短期入所生活介護のいずれでも1名以上が基本で、他職種との兼務が認められる場面も多くあります。
個別機能訓練加算(Ⅰ)を算定する場合は専従の配置が必要で、イは1名以上、ロは2名以上が要件です。さらに(Ⅱ)はLIFEへの情報提出が前提になります。専従・兼務・常勤換算といった考え方を押さえ、自事業所が満たすべき基準を整理しておくことが大切です。
機能訓練指導員としての転職や働き方を考えている方は、資格ごとの仕事内容や給料もあわせて確認し、自分に合った職場を選んでいきましょう。



