働きながら作業療法士の資格を取得できる?夜間部の活用法・実習期間の乗り越え方・学費の対策を解説
「働きながら作業療法士の資格を取りたい」と考えている方は少なくありません。住宅ローンや生活費など経済的な事情から、フルタイムで働きながら通えるのか不安を抱えている方も多いでしょう。
結論からいえば、働きながら作業療法士の資格を取得することは可能です。ただし、通信教育だけでは受験資格を得られず、養成校への通学が必須です。
この記事では、社会人が働きながら通える3つのルート、メリット・デメリット、実習期間の乗り越え方、そして学費を大幅に抑える給付金制度まで詳しく解説します。「いつか作業療法士になりたい」と考えている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
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作業療法士の資格は働きながら取得できるのか

作業療法士の国家試験受験資格を得るには、厚生労働大臣が指定する養成校(専門学校または大学)に在籍し、所定のカリキュラムと臨床実習を修了する必要があります。
通信教育のみでは取得できない資格ですが、近年は社会人向けに夜間部や柔軟なカリキュラムを設ける養成校も増えており、働きながら目指せる環境は着実に整ってきています。
結論:働きながら取得できるが養成校選びが重要
結論として、働きながら作業療法士の資格取得は可能ですが、養成校の選び方が成否を左右する最大のポイントです。夜間部のある専門学校なら、平日の日中は仕事を継続しながら夕方以降の授業に通うことができます。
一方、どの養成校を選んでも、臨床実習は日中に行われるため、その期間だけは有給休暇や短期休職が必要です。職場でどの程度の配慮を得られるかを事前に確認し、サポートを受けやすい職場環境かどうかも養成校選びと並行して確認することをおすすめします。
- 夜間部専門学校なら日中の仕事をそのまま続けられる
- 実習期間中(延べ数週間)は有給休暇または休職が必要
- 養成校ごとに授業時間・実習スケジュールが異なる
- 職場の理解・協力体制を事前に確認しておくことが大切
通信教育のみでは資格取得できない
作業療法士法により、国家試験の受験資格を得るには「厚生労働大臣または文部科学大臣が指定する養成施設において3年以上」修業することが定められています。現時点では通信制の作業療法士養成校は認可されておらず、対面での実技授業や医療機関・福祉施設での実習は通信教育では代替できません。
「通信で取れる」という情報を見かけることがありますが、これは作業療法士とは別の資格や、誤った情報が混在しているケースがほとんどです。正確な情報として、作業療法士の養成には必ず養成校への通学と実習が必要です。
養成校に通う必要がある
養成校には昼間部と夜間部の2種類があります。昼間部は学費が比較的低く抑えられる傾向があり、授業内容も充実していますが、日中の通学が必要なため仕事との両立には工夫が求められます。夜間部は18時頃から授業が始まるため、日中に働きながら通える点が最大の強みです。
夜間部には社会人学生が多く、仕事と学業を両立している仲間が集まりやすい環境です。年齢層も幅広く、30代・40代での入学も珍しくありません。
3年または4年間の通学が必要
修業年限は専門学校3年制(または4年制)と大学4年制があります。夜間部を設けているのは主に3年制専門学校で、効率的なカリキュラムで資格取得を目指せます。大学4年制ではより研究・理論的な学習が加わり修業期間が長くなりますが、学士号が取得でき、管理職やキャリアアップに有利な場合もあります。
働きながら通う場合は、修業年限が1年長くなるだけで負担が大きく変わるため、自分の年齢・生活状況に照らして慎重に選択しましょう。
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働きながら通えるルート①:夜間部のある専門学校

夜間部専門学校のポイント
夜間部のある3年制専門学校は、働きながら作業療法士を目指す社会人にとって最も現実的な選択肢です。授業は平日18〜21時頃が中心で、日中の仕事をそのまま続けながら通学できます。
クラスには30代・40代の社会人学生も多く、介護・医療・福祉の現場経験者が集まりやすい環境です。
授業開始は18時頃が多く、仕事終わりに直接向かうスケジュールになります。最終授業が21時頃に終わるため、帰宅後に課題や自習の時間も確保できます。
学費は昼間部より高めになりますが、継続収入を確保しながら通えることで経済的な不安を最小限に抑えられる点が大きなメリットです。
夜間部を選ぶ前に確認しておきたいポイント
- 実習スケジュールの確認:実習は日中に行われるため、勤務先との調整が可能か事前に相談する
- 夜間部の学費と給付金制度の活用:専門実践教育訓練給付金との組み合わせを試算しておく
- 通学の利便性:仕事終わりに無理なく通える距離・路線かどうかを確認する
作業療法士の夜間部がある専門学校(例)
| 都道府県 | 学校名 | 夜間部 |
|---|---|---|
| 北海道 | 札幌医療リハビリ専門学校 | 4年制 |
| 東京都 | 日本リハビリテーション専門学校 | 4年制 |
| 東京都 | 彰栄リハビリテーション専門学校 | 4年制 |
| 愛知県 | 名古屋医専 | 4年制 |
| 大阪府 | 大阪医療福祉専門学校 | 4年制 |
| 福岡県 | 福岡リハビリテーション専門学校 | 4年制 |
※募集状況や課程の詳細は変更される可能性があるため、最新情報は各校の公式サイトで必ずご確認ください。
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働きながら通えるルート②:昼間部+夜間アルバイト

昼間部の専門学校に通いながら、夜間のアルバイトで生活費を補う方法です。
週3〜4日・1日3〜4時間程度のアルバイトなら、学業への影響も比較的抑えられます。
昼間部+夜間バイトの1日の流れ(例)
9:00〜16:00
専門授業・実技・課題
16:00〜18:00
食事・休憩・課題の確認
18:00〜22:00
週3〜4日・介護補助等
22:00〜24:00
課題・復習・翌日準備
この方法のメリットは、昼間部の学費が夜間部より低い傾向があることです。ただし、実習期間中はアルバイトを一時停止する必要があるため、実習前後の収入計画を立てておくことが重要です。また、昼に授業・夜にアルバイトというスケジュールは体力的な消耗が大きいため、週の作業量を調整しながら継続できるかを見極めることが大切です。
昼間部+夜間アルバイトの組み合わせを検討している方は、アルバイト先に「実習期間は長期休暇が必要」と入職時点で伝えておくことをおすすめします。後から相談するより、最初から了解を得ておいた方がスムーズです。
働きながら作業療法士を目指すメリット

働きながら養成校に通うことには、仕事を辞めて入学する場合にはない独自のメリットがあります。事前にしっかり把握しておくことで、モチベーションの維持にもつながります。
仕事を辞めずに資格取得できる
最大のメリットは、収入を途切れさせずに資格取得を目指せることです。住宅ローン・家族の生活費・子どもの教育費など、経済的な責任を抱えている方でも、仕事を継続しながら学べる環境があれば挑戦できます。
医療・介護系の職場に勤めている方は、夜間部に通っていることを職場に伝えることで、実習時期のシフト調整に協力してもらいやすくなるケースもあります。
社会人経験を学習や実習に活かせる
介護士・ヘルパー・看護補助者など医療・福祉の現場での経験がある方は、患者さん・利用者さんとのコミュニケーション方法や基本的なケアの知識が、授業や実習に直結します。職場で培ったチームワークや状況判断力は、実習先でのOT見習い期間に高く評価されることが多いです。学校側も多様なバックグラウンドを持つ社会人学生の経験を歓迎する傾向があります。
経済的な不安が少ない
仕事を辞めて昼間部に通う場合、3〜4年間の無収入期間を貯蓄や奨学金で補う必要があります。働きながら通う場合は毎月の収入で生活費・学費の一部を賄えるため、経済的な安定を保ちながら資格取得を目指せます。
- 毎月の給与で生活費・学費の一部を賄える
- 専門実践教育訓練給付金(最大192万円)で学費の実質負担を大幅に削減できる
- 学校独自の奨学金・特待生制度と組み合わせてさらに負担を軽減できる
貯蓄を取り崩す不安を最小限に抑えられることは、在学中の精神的な余裕にもつながります。
同じ立場の社会人学生と交流できる
夜間部には、働きながら通う社会人学生が多く集まります。転職を検討している方、子育て中の方、医療・介護分野からキャリアアップを目指す方など、多様なバックグラウンドを持つ仲間と出会えます。互いの悩みや工夫を共有しながら励まし合えるクラスメートの存在は、最低3年間の長い養成期間を乗り越えるための大きな支えになります。
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働きながら作業療法士を目指すデメリット

メリットがある一方で、仕事と学業の両立には乗り越えるべき困難も存在します。事前に把握することで適切な準備と対策が立てられます。
1日のスケジュールが過密になる
仕事が終わってから授業、帰宅後に課題・自習という生活が3〜4年間続きます。特に夜間部の場合、21〜22時に帰宅してから翌朝の仕事に備えるため、睡眠時間の確保や体調管理が重要です。
-
仕事後の夜間授業疲れた状態で2〜3時間の授業を受けるため集中力の管理が必要
-
帰宅後の課題・自習深夜まで課題をこなす日が週複数回発生する
-
週末の自習試験前や実習前は土日も学習時間に当てなければならない時期がある
週5日以上の授業日がある学校では、自由な時間がほとんどなくなる時期も出てきます。家族の協力体制を整えておくことが、長期間の継続のカギです。
実習期間中は仕事を休む必要がある
臨床実習は通常、医療機関・福祉施設で日中の時間帯に行われます。夜間部に通っていても、実習期間(通常数週間×複数回)は有給休暇または休職が必要です。一般的に実習スケジュールは1〜2年前から確定するため、早めに職場に相談しておくことで有給取得の計画が立てやすくなります。
職場の同意を得られないと実習参加できない場合があるため、入学時点から職場への説明と相談を続けることが重要です。
学費が高く負担が大きい
夜間部は昼間部より学費が高い傾向があります。3年間で400〜600万円程度かかる場合もあり、たとえ給付金制度を活用しても自己負担が数百万円規模になることもあります。学費の全体像を把握した上で、給付金制度・奨学金・学校独自の特待生制度を組み合わせた資金計画を立てておくことが大切です。
3つのルート 選択ポイント比較
| 仕事継続のしやすさ | 総学費の安さ | 実習への対応 | 修業年限の短さ | |
|---|---|---|---|---|
| 夜間部専門学校 | ◯ | △ | △ | ◯ |
| 昼間部+夜間バイト | △ | ◯ | △ | △ |
◯ = 対応しやすい △ = 要調整・やや難しい
体力的・精神的にきつい
仕事の疲れが残った状態での夜間授業は、集中力を保つのが難しい日もあります。試験期間や実習前後に学業の比重が増すと、「仕事か学業か」の板挟みになるストレスが避けられない時期も出てきます。
定期的な体力回復の時間を確保し、無理のない計画を立て直す柔軟さを持つことが3年間を乗り越えるコツです。学校のカウンセリング制度や仲間との情報共有も積極的に活用しましょう。
働きながら通う場合の1週間のスケジュール例

実際にどのような生活になるのかをイメージしておくことで、入学前の準備や職場への相談がしやすくなります。
夜間部に通う社会人の1週間の過ごし方
以下は、介護施設でパート勤務(週4日、9〜17時)をしながら夜間部専門学校に通う社会人学生の1週間のスケジュール例です。授業は月・火・木・金の週4日、18〜21時です。
夜間部に通う社会人学生の1週間(例)
実習期間中はこのスケジュールが大きく変わり、実習先の指示に従って日中の時間帯に通うことになります。また、試験前は自習時間が増えるため、その時期に向けて仕事のシフトを事前に調整しておく学生も多くいます。
入学前に年間スケジュール(試験・実習時期)を確認し、職場とあらかじめ調整しておくと安心です。
学費の目安と負担を減らす方法

働きながら通う上で避けられない学費の問題。養成校の種別ごとの目安と、活用できる支援制度を整理します。
養成校別の学費の目安(専門学校・大学)
作業療法士養成校の総学費(入学金・授業料・諸経費の合計)は養成校の種別によって大きく異なります。以下のグラフは、各種別の総学費の目安を示しています。
昼間部専門学校(3年制)は3年間で300〜450万円程度、夜間部専門学校(3年制)は400〜600万円程度と昼間部より高め、大学(私立・4年制)は500〜800万円が目安です。
いずれも教科書代・実習費・国家試験費用などが別途発生する場合があります。国公立大学の場合はこれより大幅に低くなります。
専門実践教育訓練給付金で最大192万円が支給される
専門実践教育訓練給付金は、雇用保険加入者を対象とした国の教育支援制度です。厚生労働大臣が指定する教育訓練(多くのOT養成校が対象)の受講費用が給付されます。
専門実践教育訓練給付金の概要
192万円
80%
最大64万円
-
基本給付受講費用の50%(年間上限40万円)を6ヶ月ごとに支給
-
資格取得後就職した場合給付率が70%に引き上げ(年間上限56万円)
-
就職後に賃金が上昇した場合給付率が80%に引き上げ(年間上限64万円)、最大3年間で最大192万円
対象は「受講開始時に雇用保険の被保険者であるか、離職後1年以内で通算3年以上(初回は2年以上)加入実績がある方」です。受講開始2週間前までにハローワークでキャリアコンサルティングを受け、資格確認の手続きが必要です。
養成校独自の奨学金・特待生制度
多くの養成校では独自の学費支援制度を設けています。入学試験の成績優秀者に授業料を免除・減額する「特待生制度」、無利子または低利子で借り入れできる「学校独自の奨学金」などがあります。また日本学生支援機構(JASSO)の奨学金も社会人学生が申請できます(所得・家計基準あり)。
入学前に各養成校のWebサイトや学校説明会で学費支援情報を必ず確認しましょう。給付金・奨学金・特待生制度を組み合わせることで、実質的な自己負担を大幅に圧縮できるケースがあります。
高等職業訓練促進給付金(ひとり親向け)
ひとり親家庭(母子・父子家庭)を対象にした「高等職業訓練促進給付金」は、2年以上の修業が必要な資格(作業療法士を含む)の養成校に在籍している間、毎月支援金が支給される制度です。
月額(訓練期間中)
100,000円
月額(訓練期間中)
70,500円
対象は「児童扶養手当の支給を受けているか同等の所得水準にある方」です。支給を受けるには在住の市区町村に申請が必要です。詳細はお住まいの市区町村の窓口にお問い合わせください。
転職活動するなら?
働きながら資格取得した人のリアルな声

実際に働きながら作業療法士の養成校に通い、資格を取得した方の事例を紹介します。
- 入学前から職場に相談し、実習時期のサポートを取り付けていた
- 給付金・奨学金などの制度を最大限に活用して学費の不安を減らしていた
- 夜間部の同じ立場の仲間と情報共有し、精神的な支えにしていた
介護職から転身して夜間部で取得したケース
Aさん38歳・男性/介護士からOTへ転身
介護老人保健施設で介護士として勤務していたAさんは、利用者さんのリハビリに携わる作業療法士の仕事に憧れ、勤務先から徒歩圏内にある夜間部専門学校への入学を決意。平日は17時に仕事を終えてから直接学校へ向かい、18〜21時の授業を受講し、帰宅後は1〜2時間の自習を続けました。
最初の半年は眠くて集中できない日もありましたが、学んだ知識を翌日の仕事で活かせるのが大きなモチベーションになりました。
実習期間中は職場が2週間の特別休暇を認めてくれ、無事に乗り越えることができました。3年後に資格を取得し、現在は同施設内でOTとして活躍中です。
※個人の体験を基にした事例紹介です。
子育て中に週3日制で取得したケース
Bさん34歳・女性/シングルマザーからOTへ
2人の子どもを育てるシングルマザーのBさんは、高等職業訓練促進給付金を活用しながら週3〜4日の夜間部専門学校に通い、3年で作業療法士の資格を取得しました。
毎月10万円の給付金があったので、収入減の不安なく通えました。子どもが寝た後に課題をこなす毎日で体力的には大変でしたが、クラスに同じひとり親の仲間がいて情報交換できたのがとても助かりました。
実習先の調整も学校が柔軟に対応してくれ、子どもの学校行事とも何とか両立できたそうです。現在は放課後等デイサービスで子どもたちの発達支援に取り組んでいます。
※個人の体験を基にした事例紹介です。
まとめ
働きながら作業療法士の資格を取得することは、適切な養成校と支援制度を選べば十分に実現可能です。3~4年という長い道のりですが、正しい情報と準備があれば乗り越えられます。
「働きながらOTを目指せますか?」というご相談はとても多く寄せられます。最初の一歩は「夜間部の学校説明会に行ってみること」です。実際に通っている社会人先輩の声を聞くことで、具体的なイメージが一気につかめます。医療キャリアナビでも転職・キャリアの相談を無料で受け付けていますので、ぜひお気軽にご相談ください。
資格取得後は、訪問リハビリや放課後等デイサービス、病院など多彩な職場で活躍できます。医療キャリアナビでは、作業療法士の求人情報や転職に役立つ情報を多数掲載しています。ぜひ今後のキャリアの参考にしてください。





