あん摩マッサージ指圧師と鍼灸師の違い|資格・年収・ダブルライセンスを徹底解説
「あん摩マッサージ指圧師と鍼灸師って、どう違うの?」「両方の資格を取ったほうがいいのかな?」と考えたことはありませんか?
どちらも国家資格が必要な医療系の専門職ですが、施術方法や保険適用の条件、活躍できるフィールドには明確な違いがあります。
この記事では、あん摩マッサージ指圧師と鍼灸師の違いを施術方法・年収・資格取得ルートなど多角的に比較しながら、ダブルライセンスのメリットや就職先、独立開業のポイントまで徹底解説します。
自分に合ったキャリアを選ぶために、ぜひ最後まで読んでみてください。
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あん摩マッサージ指圧師と鍼灸師の違い

あん摩マッサージ指圧師と鍼灸師は、どちらも身体の不調を改善する施術者ですが、アプローチの仕方は大きく異なります。
ここでは施術方法・対応できる症状・保険適用・法律上の位置づけという4つの観点から、両者の違いを整理していきます。
| 比較項目 | あん摩マッサージ指圧師 | 鍼灸師 |
|---|---|---|
| 施術方法 | 手技(押す・揉む・さする・圧迫) | 鍼の刺入・灸の温熱刺激 |
| 得意な症状 | 肩こり・腰痛・筋肉疲労・むくみ | 神経痛・自律神経の乱れ・冷え性 |
| 保険適用 | 筋麻痺・関節拘縮など(医師の同意書要) | 慢性疼痛6疾患(医師の同意書要) |
| 根拠法 | あはき法 | あはき法 |
| 養成校の数 | 少ない(新規開設制限あり) | 全国に多数 |
| 修業年限 | 3年以上 | 3年以上 |
| 国家試験合格率 | 全体80%台後半 | 全体60〜75%前後 |
施術方法の違い
あん摩マッサージ指圧師は、「手技」を用いて施術する専門家です。「あん摩」「マッサージ」「指圧」の3つの技術を使い分け、筋肉のこりをほぐしたり血行を促進したりします。
あん摩は東洋医学に基づく手技で、身体の中心から末端に向かって押す・揉む・さするといった動作が特徴です。マッサージは西洋医学由来で、末端から中心に向かってリンパや血液の流れを促します。指圧は日本発祥の技術で、ツボ(経穴)を親指や手のひらで圧迫して刺激します。
一方、鍼灸師は「はり師」と「きゅう師」の2つの国家資格を持つ施術者の総称です。鍼(はり)は、ステンレス製の細い鍼を経穴に刺入して刺激を与え、身体の自然治癒力を高めます。灸(きゅう)は、もぐさ(ヨモギの葉の繊維)を燃焼させて経穴に温熱刺激を与える施術法です。
5つの施術技法の特徴
| 技法 | 起源 | 特徴的な動作 | 主な効果 |
|---|---|---|---|
| あん摩 | 東洋医学 | 中心から末端へ 押す・揉む・さする |
筋肉のこりをほぐし、気血の流れを整える |
| マッサージ | 西洋医学 | 末端から中心へ さする・揉む |
リンパ・血液の流れを促し、老廃物の排出を助ける |
| 指圧 | 日本発祥 | ツボ(経穴)を 親指・手のひらで圧迫 |
自律神経を整え、身体の自然治癒力を高める |
| 技法 | 起源 | 特徴的な動作 | 主な効果 |
|---|---|---|---|
| 鍼(はり) | 東洋医学 | ステンレス製の細い鍼を 経穴に刺入 |
神経・筋肉を刺激し、自然治癒力を高める |
| 灸(きゅう) | 東洋医学 | もぐさを燃焼させて 経穴に温熱刺激 |
血行促進と冷えの改善、免疫力の向上 |
どちらも東洋医学の理論に基づいており、経絡や気血の流れを調整するという考え方が共通しています。
得意な症状と適応範囲の違い
あん摩マッサージ指圧師が得意とするのは、肩こり・腰痛・筋肉疲労・むくみ・関節のこわばりなど、主に筋肉や関節に関わる症状です。直接的に筋肉を刺激できるため、即効性を感じやすいという特長があります。
高齢者の関節拘縮の予防や、寝たきりの方の血行促進にも活用されています。
鍼灸師は、神経痛・頭痛・自律神経の乱れ・冷え性・不妊症・アレルギー疾患など、身体の内面的な不調にもアプローチできる点が特徴です。
WHO(世界保健機関)は鍼灸の適応疾患として、運動器系・神経系・消化器系・呼吸器系など幅広い領域を認めています。
-
あん摩マッサージ指圧師が得意な症状肩こり・腰痛・筋肉疲労・むくみ・関節拘縮予防など
-
鍼灸師が得意な症状神経痛・頭痛・自律神経失調・冷え性・不妊・アレルギーなど
保険適用の条件の違い
どちらの施術も、一定の条件を満たせば健康保険が適用されます。ただし、保険適用の要件には違いがあります。
あん摩マッサージ指圧師の施術で保険が適用されるのは、医師の同意書がある場合で、筋麻痺や関節拘縮などの症状が対象です。具体的には、脳血管障害の後遺症や、関節リウマチ、パーキンソン病などに伴う運動機能障害が該当します。
鍼灸師の施術で保険が適用されるのも医師の同意書が必要で、神経痛・リウマチ・五十肩・頸腕症候群・腰痛症・頸椎捻挫後遺症の6疾患が対象です。
いずれも慢性的な疼痛を主訴とする疾患に限られます。
健康保険適用の条件
どちらも医師の同意書があり、慢性的な疼痛を主訴とする疾患であることが必要
- 脳血管障害の後遺症
- 関節リウマチ
- パーキンソン病
- その他運動機能障害
- 神経痛
- リウマチ
- 五十肩
- 頸腕症候群
- 腰痛症
- 頸椎捻挫後遺症
業務範囲と法律上の位置づけ
あん摩マッサージ指圧師は「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」(通称:あはき法)に基づく国家資格です。鍼灸師(はり師・きゅう師)も同じ法律の下に位置づけられています。
両者とも医師の指示なく独立して施術を行える「業務独占資格」です。これは柔道整復師なども含めた医療系国家資格の中でも大きな特徴です。
無資格者がこれらの業務を行うことは法律で禁止されており、違反した場合は罰則が科されます。
ただし、あん摩マッサージ指圧師の養成校は法律により新規開設が制限されています。これは供給過多による質の低下を防ぐための措置で、現在も養成校の数は全国で限られています。
一方、はり師・きゅう師の養成校にはそのような制限はありません。
養成校の数を比較
あん摩マッサージ指圧師
新規開設が制限されているため、全国的に学校数が少ない
はり師・きゅう師(鍼灸師)
2000年以降に新規開設の制限が撤廃され、専門学校・大学ともに増加
鍼灸師の養成校はあん摩マッサージ指圧師の約4倍。両資格の取得難易度に差がある要因のひとつ
今のあなたの状況は?
あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師の年収

資格選びにおいて年収は重要な判断材料の1つです。
ここでは、あん摩マッサージ指圧師と鍼灸師の年収相場を具体的な数値とともに紹介します。
平均年収は300〜400万円台
あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師ともに、勤務先に雇用されて働く場合の平均年収は300〜400万円台が目安です。
医療キャリアナビ掲載求人データによると、正社員の平均月給はあん摩マッサージ指圧師が約28.2万円、鍼灸師が約29.2万円です。年収に換算すると、賞与を含めて350〜450万円程度になる計算です。
- あん摩マッサージ指圧師の求人数:2,706件
- 鍼灸師の求人数:2,814件
- 未経験可の求人が約79%と高い割合
- 賞与ありの求人が約60%以上
経験年数・勤務先別の年収目安
経験年数や勤務先の種類によって年収は大きく変わります。
以下は医療キャリアナビ掲載求人データに基づく勤務先別の平均月給です。
| 勤務先 | あん摩マッサージ指圧師 | 鍼灸師 |
|---|---|---|
| 整・接骨院 | 約30.1万円 | 約30.3万円 |
| 鍼灸院 | 約29.9万円 | 約29.2万円 |
| 訪問マッサージ・訪問鍼灸 | 約28.2万円 | 約28.0万円 |
| デイケア・デイサービス | 約25.3万円 | 約25.6万円 |
| 特別養護老人ホーム | 約24.5万円 | 約24.8万円 |
医療キャリアナビ掲載求人データ/正社員募集のみ
整・接骨院は両資格とも平均月給が約30万円と高水準です。訪問マッサージも同様に高めの傾向にあり、歩合制を取り入れている事業所も多く見られます。
一方、デイケア・デイサービスなどの介護施設では、やや低めの水準になっています。
経験年数に応じたキャリアアップも重要です。新卒時は月給20万〜25万円からスタートし、3〜5年の実務経験を積むと月給25万〜30万円程度まで上がるケースが一般的です。
管理職やチーフクラスになると、月給30万〜35万円以上を目指せる施設もあります。
独立開業すると年収はどう変わる?
独立開業した場合の年収は、個人の集客力や立地条件によって大きく異なります。成功した開業者の中には年収600〜800万円以上を実現しているケースもありますが、開業初年度は年収200〜300万円程度にとどまることも珍しくありません。
開業後の年収を左右する主な要素は以下のとおりです。
- 施術単価の設定(保険診療 vs 自費診療のバランス)
- リピーター率と新規集客の安定性
- 立地条件と固定費のコントロール
- ダブルライセンスによるメニューの幅
自費メニューを充実させて客単価を上げることが、開業後の年収アップには欠かせません。特にダブルライセンスを持っていると、手技と鍼灸を組み合わせた独自のメニューを提供でき、差別化しやすくなります。
あん摩マッサージ指圧師の求人を探す国家資格の取得ルート

あん摩マッサージ指圧師と鍼灸師は、どちらも国家試験に合格しなければ名乗れない専門資格です。
ここでは、養成校の選び方から国家試験の難易度、学費の目安まで解説します。
3年制の養成校で学ぶのが基本
どちらの資格も、文部科学大臣または厚生労働大臣が認定した養成校で3年以上学ぶことが受験資格の条件です。
養成校には専門学校と大学(4年制)の2種類があり、カリキュラムには解剖学・生理学・病理学などの基礎医学のほか、各資格に特化した実技科目が含まれます。
あん摩マッサージ指圧師の養成校は、前述のとおり新規開設が制限されているため、全国でも限られた数しかありません。そのため、入学の競争率は比較的高くなっています。
鍼灸師の養成校は全国に多数あり、通学の選択肢は広いといえます。
専門学校と大学の違い
専門学校は3年制で、実技中心のカリキュラムが特徴です。卒業後すぐに現場で即戦力として働けるスキルを重視しており、就職率が高い傾向にあります。
大学は4年制で、基礎医学や研究手法をより深く学べます。大学院への進学や研究職を目指す場合には有利ですが、学費と修学期間がかさむというデメリットもあります。
また、あん摩マッサージ指圧師の受験資格を得られる大学は2026年時点ではなくなっており、専門学校か短期大学の選択肢しかありません。
-
専門学校(3年制)実技重視・就職率が高い・学費を抑えられる
-
大学(4年制)研究も学べる・大卒資格が得られる・修学期間が長い
なお、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の3資格を同時に取得できるコースを設けている養成校もあります。3資格同時取得コースの場合でも、修学年限は3年です。
国家試験の合格率と難易度
あん摩マッサージ指圧師の国家試験は、例年の合格率が80%台後半で推移しており、新卒者に限れば90%を超える年度もあります。養成校でしっかりと学習を積めば、十分に合格を目指せる難易度です。
はり師・きゅう師の国家試験は、全体の合格率が例年60〜75%程度と、あん摩マッサージ指圧師よりもやや低めです。ただし新卒者の合格率は80%台に上ることも多く、在学中にきちんと対策を行えば合格は十分可能です。
・あん摩マッサージ指圧師:全体80%台後半、新卒90%超の年度も
・はり師・きゅう師:全体60〜75%前後、新卒は80%台
・いずれも養成校での学習をしっかりこなせば合格を十分目指せる
学費の目安と教育訓練給付金
養成校の学費は、専門学校の場合で3年間合計300〜500万円程度が目安です。大学の場合は4年間で400〜600万円程度になります。あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の3資格同時取得コースは、500〜550万円程度のところが多いです。
学費の負担を軽減する手段として、厚生労働省の「専門実践教育訓練給付金」を利用できる場合があります。対象講座に指定されている養成校であれば、最大で学費の70%(年間上限56万円、最大168万円)が給付されます。
- 雇用保険の加入期間が2年以上(初回)あれば申請可能
- ハローワークでの事前手続きが必要
- 対象講座かどうかは厚生労働省の検索システムで確認できる
ダブルライセンスを取得するメリット

あん摩マッサージ指圧師と鍼灸師の資格を両方持つ「ダブルライセンス」は、キャリアの幅を大きく広げてくれます。
ここでは、ダブルライセンスがもたらす4つのメリットを紹介します。
対応できる症状の幅が広がる
ダブルライセンスの最大のメリットは、手技療法と鍼灸療法を組み合わせた総合的な施術が可能になることです。
たとえば、肩こりの患者さんに対して、マッサージで筋肉の緊張をほぐした後に鍼で深部の痛みにアプローチするといった多角的な施術ができます。1人の施術者が患者さんの状態に合わせて最適な施術を選べるため、治療効果の向上が期待できます。
給与水準が上がる傾向にある
ダブルライセンスを持っている施術者は、採用時に優遇される傾向があります。求人情報を見ると、複数の資格保有者に対して月額1〜3万円程度の資格手当を上乗せしている施設も少なくありません。
年収ベースで見ると、12〜36万円の差がつく計算です。生涯年収で考えると、ダブルライセンスの有無で数百万円以上の差が生まれる可能性があります。
勤務先の選択肢が増える
あん摩マッサージ指圧師の資格のみ、または鍼灸師の資格のみで応募できる求人に加えて、「両方の資格を持つ方歓迎」とする求人にも応募が可能になります。
中にはダブルライセンス保持者しか採用していないという施術所もあります。
特にデイサービスなどの介護施設で機能訓練指導員として働く場合、あん摩マッサージ指圧師の資格があれば配置基準を満たせます。さらに鍼灸師の資格もあれば、施設内で鍼灸施術も行えるケースがあり、施設側にとっても心強い存在です。
独立開業時の集客力が高まる
独立開業を目指す方にとって、ダブルライセンスは強力な武器になります。「マッサージも鍼灸もできる」という看板を掲げることで、幅広い症状の患者さんを受け入れられるため、集客の間口が広がります。
手技だけ・鍼灸だけの施術院と比較して、メニューの多様性で差別化できる点も大きなメリットです。患者さんの症状や好みに合わせて施術方法を提案できるため、リピーターの獲得にもつながります。
ダブルライセンス取得の費用と期間

ダブルライセンスに興味があっても、「費用と時間がかかりすぎるのでは?」と不安に感じる方は多いでしょう。
ここでは、具体的な費用・期間と、効率的に取得する方法を紹介します。
追加でかかる学費の目安
すでにどちらか一方の資格を持っている場合、もう一方を取得するために再度養成校に通う必要があります。追加で必要となる学費は、専門学校の場合で3年間合計300〜500万円程度が目安です。
ただし、すでに基礎医学の単位を修得していれば、一部の科目が免除される養成校もあります。養成校によって免除の範囲は異なるため、事前に問い合わせて確認することをおすすめします。
同時取得コースで期間を短縮する方法
最初から3資格(あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師)の同時取得を目指す方法が、時間的にも費用的にも最も効率的です。3資格同時取得コースであれば、最短3年で全ての資格を取得できます。
別々に取得すると最低でも合計6年(3年×2回)かかるところ、同時取得コースなら半分の期間で済みます。学費も別々に通うより100〜200万円程度安くなるケースが一般的です。
ただし、同時取得コースを設けている養成校は限られており、定員も少ないため倍率が高くなりがちです。早めの情報収集と出願準備が重要です。
- 同時取得コースは最短3年で3資格を取得可能
- 学費は別々に取得するより100〜200万円程度安い
- 設置校が限られるため倍率が高い傾向
働きながら取得する人向けの制度
社会人として働きながらダブルライセンスの取得を目指す方には、夜間部を設けている養成校が選択肢になります。夜間部は授業が18時以降に設定されていることが多く、日中は仕事をしながら通学が可能です。
また、前述の専門実践教育訓練給付金のほかにも、以下のような支援制度が活用できる場合があります。
- 日本学生支援機構の奨学金(第一種・第二種)
- 各都道府県や市区町村独自の修学資金貸付制度
- 養成校独自の特待生制度や分割払い制度
社会人から資格取得を目指す方は、まず利用できる制度を洗い出すことが大切です。ハローワークの窓口で相談すれば、自分が対象になる制度を具体的に教えてもらえます。
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主な就職先・働き方

あん摩マッサージ指圧師と鍼灸師は、さまざまな現場で活躍しています。ここでは代表的な5つの就職先とその特徴を紹介します。
整骨院・鍼灸院
最も多くの施術者が活躍しているのが整骨院・鍼灸院です。医療キャリアナビ掲載求人データ(2026年4月時点)によると、あん摩マッサージ指圧師の求人の約46%、鍼灸師の求人の約66%が整・接骨院からの募集です。
整骨院では柔道整復師と一緒に働くケースが多く、チームで患者さんの施術にあたります。鍼灸院では、鍼灸を中心とした施術を行います。いずれも直接患者さんと向き合えるため、施術者としてのやりがいを感じやすい環境です。
介護施設
あん摩マッサージ指圧師は、介護保険法上の「機能訓練指導員」の配置要件を満たす資格の1つです。デイサービスや特別養護老人ホームなどで、利用者さんの身体機能の維持・向上を目指した訓練計画の立案や実施を担当します。
鍼灸師は2018年の法改正により、機能訓練指導員として一定の条件下で認められるようになりました。介護分野は高齢化の進展で需要が拡大しており、安定した就職先として注目されています。
訪問マッサージ・訪問鍼灸
通院が困難な方の自宅や施設を訪問して施術を行うのが、訪問マッサージ・訪問鍼灸です。医師の同意書があれば健康保険が適用され、患者さんの自己負担は1〜3割で済みます。
高齢化に伴い需要が増えている分野で、求人数も安定しています。1人で訪問するため自律的に働ける反面、移動時間が多い点や天候の影響を受ける点は理解しておく必要があります。
- 平均月給はあん摩マッサージ指圧師で約28.2万円、鍼灸師で約28.0万円
- 歩合制を導入している事業所も多く、努力次第で収入アップが可能
- 訪問件数に応じたインセンティブがつくことがある
クリニック
整形外科やペインクリニックなどの医療機関で、医師の指示のもとに施術を行うスタイルです。医療チームの一員として働けるため、症例の幅が広がり、専門性を高められる環境です。
ただし、クリニックでの求人数は整骨院や訪問系に比べると限られています。医療キャリアナビのデータでは、あん摩マッサージ指圧師のクリニック求人は約63件、鍼灸師は約50件です。
独立開業
あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師ともに独立開業が認められている資格です。自分の施術院を構え、経営者として働くことができます。医療キャリアナビのデータでは、鍼灸師の求人の約20%に「独立・開業支援あり」の条件がついています。
まずは雇用されて実務経験を積み、技術・経営ノウハウ・資金を蓄えてから独立する流れが一般的です。開業には施術所の構造設備基準を満たすことや、保健所への届出などが必要です。
その他の珍しい就職先
数は少ないものの、資格を活かせるユニークな働き方があります
| 就職先 | 働き方・仕事内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 病院 | 総合病院や大学病院の東洋医学科・ペインクリニック・緩和ケア部門で、西洋医学と連携した施術を提供 | 専門性が必要チーム医療の一員として活躍 |
| ヘルスキーパー | 一般企業に所属し、福利厚生として社員向けのマッサージを提供。IT企業や運送会社など、身体が資本の業界で導入例が多い | 求人が少ない土日休み・運転不要で働きやすい |
| プロスポーツチーム | プロ野球・Jリーグ・Bリーグなどのチームに帯同し、選手のコンディショニングや怪我のケアを担当 | 狭き門実績・人脈・専門スキルが必須 |
| 美容鍼灸サロン | 美容目的の鍼灸施術を提供。顔のリフトアップ・むくみ改善・小顔矯正などを専門に行う | 需要拡大中鍼灸師資格が特に活かせる |
| ホテル・温浴施設 | 高級ホテルのスパやリゾート施設、健康ランドで宿泊客・利用客向けの施術を提供 | 観光地に多い英会話ができると好条件 |
| 養成校の教員 | あん摩・鍼灸の専門学校や大学で、次世代の施術者を育成する教員として勤務。教員養成課程の修了が必要 | 専門性が必要実務経験5年以上が一般的 |
| 研究機関・大学病院 | 鍼灸の臨床研究や効果測定に携わる研究職。論文執筆や学会発表も担当 | 大学院進学が有利アカデミックなキャリア |
| 海外で開業・勤務 | 海外の治療院やウェルネス施設で、日本の伝統医療としての鍼灸・指圧を提供 | 需要が増加中現地資格の取得が別途必要 |
※ 上記の就職先は一般的な治療院・訪問マッサージと比較して求人数が少ないため、専門サイト・エージェント・各施設への直接問い合わせが有効です
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独立開業で成功するためのポイント

独立開業は自由度の高い働き方ですが、安定した経営を続けるにはしっかりとした戦略が必要です。ここでは成功のための3つのポイントを解説します。
専門特化で差別化する
競合が多いエリアで開業する場合は、「何でも対応できます」よりも「この症状に強い」と打ち出すほうが効果的です。スポーツ障害・産後ケア・高齢者リハビリなど、特定の分野に特化することで、その分野の患者さんから選ばれやすくなります。
ダブルライセンスを持っている場合、手技と鍼灸を組み合わせた独自のメニューを「特化型」として提供することも可能です。自分の得意分野と地域のニーズを照らし合わせて、差別化のポイントを見つけましょう。
自費診療メニューの設計
保険適用の施術だけでは1回あたりの売上が限られるため、自費メニューの充実が経営の安定に欠かせません。自費メニューの例としては、以下のようなものがあります。
- 美容鍼灸(フェイシャル鍼灸)
- スポーツコンディショニング
- 全身アロマトリートメント(あん摩師の資格で対応可能)
- 不妊鍼灸・マタニティケア
- 企業向け出張マッサージ
自費メニューは1回5,000〜10,000円程度の単価設定が一般的で、保険施術の数倍の売上につながります。患者さんの満足度を高めるために、施術時間や施術内容をしっかり設計することが大切です。
広告規制(あはき法)を正しく理解する
施術院の広告は、あはき法や医療広告ガイドラインにより細かく規制されています。違反すると行政指導や罰則の対象になるため、正しい知識が必要です。
逆に、「治る」「効く」などの効果を保証する表現や、施術前後の比較写真、患者さんの体験談を広告に掲載することは禁止されています。
ホームページやSNSの発信にも同様のルールが適用される場合があるため、開業前に管轄の保健所に確認しておきましょう。
まとめ
あん摩マッサージ指圧師と鍼灸師は、どちらも国家資格を持つ医療系の専門職ですが、施術方法や得意分野に明確な違いがあります。あん摩マッサージ指圧師は手技による筋肉・関節系のアプローチが中心で、鍼灸師は鍼と灸による自律神経や内面的な不調へのアプローチが強みです。
ダブルライセンスを取得すれば、対応できる症状の幅が広がり、年収アップや就職先の選択肢の増加にもつながります。同時取得コースを利用すれば、最短3年で3資格の取得も可能です。
就職先は整骨院・鍼灸院・介護施設・訪問事業所・クリニックなど多彩で、独立開業も選択肢に入ります。自分のキャリアプランに合わせて、まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
よくある質問
あん摩マッサージ指圧師と鍼灸師の資格は同時に取得できますか?
はい、同時取得が可能です。あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の3資格を同時に学べるコースを設けている養成校があります。このコースを利用すれば、最短3年で全ての資格を取得できます。ただし、設置校は全国でも限られており、定員も少ないため倍率が高い傾向にあります。
あん摩マッサージ指圧師と鍼灸師はどちらが年収が高いですか?
雇用されて働く場合、両者の年収に大きな差はありません。医療キャリアナビのデータでは、正社員の平均月給はあん摩マッサージ指圧師が約28.2万円、鍼灸師が約29.2万円です。ただし、ダブルライセンスを取得すると資格手当が加算され、年収アップにつながる傾向があります。
あん摩マッサージ指圧師と鍼灸師はどちらが将来性がありますか?
どちらも高齢化社会の進展に伴い需要が拡大しており、将来性のある資格です。あん摩マッサージ指圧師は養成校の新規開設が制限されているため、供給が増えにくく資格の希少性が保たれやすいというメリットがあります。鍼灸師は美容鍼灸やスポーツ鍼灸など、新しい分野での活躍の場が広がっています。両方の資格を持つダブルライセンスであれば、さらに将来の選択肢を広げられます。
社会人でも働きながら資格を取得できますか?
夜間部を設けている養成校であれば、日中は仕事をしながら通学することが可能です。また、専門実践教育訓練給付金を利用すれば、学費の最大70%(上限あり)の給付を受けられます。日本学生支援機構の奨学金や各自治体の修学資金貸付制度も活用できます。
独立開業にはどのくらいの費用がかかりますか?
開業費用は立地や規模によりますが、一般的に300〜800万円程度が目安です。内訳としては、物件の敷金・礼金・内装工事費・施術ベッドや備品の購入費・広告宣伝費などがあります。自宅の一室を施術所にする場合は100〜200万円程度に抑えることも可能です。日本政策金融公庫の創業融資なども活用できます。





