看護師の夜勤手当はいくらもらえる?相場・仕組み・手当を増やすコツまで解説
「夜勤手当って実際いくらもらえるの?」「自分の夜勤手当は平均より高い?低い?」と気になっている看護師の方は多いのではないでしょうか。
夜勤手当は病院ごとに金額が異なるため、相場を知らないまま働き続けている方も少なくありません。
この記事では、日本看護協会の最新調査データをもとに、二交代制・三交代制それぞれの夜勤手当の平均額や、月収・年収への影響、手当に差がつく条件を詳しく解説します。
夜勤手当を増やすための具体的な方法も紹介していますので、今の手当額に不安がある方はぜひ最後までご覧ください。
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看護師の夜勤手当とは|仕組みと深夜割増賃金との違い

夜勤に関する手当には「夜勤手当」と「深夜割増賃金」の2種類があります。
名前が似ているため混同されがちですが、それぞれ仕組みがまったく異なります。まずはこの違いを正しく理解しておきましょう。
| 夜勤手当 | 深夜割増賃金 | |
|---|---|---|
| 根拠 | 病院の就業規則・給与規程 | 労働基準法第37条 |
| 支払い義務 | なし(病院の任意) | あり(法律で義務) |
| 対象時間 | 夜勤の勤務時間全体 | 22時〜翌5時の深夜帯のみ |
| 金額の決め方 | 病院が独自に設定(定額が多い) | 時給×25%以上 |
| 相場の目安 | 二交代:約12,000円/回 三交代:約4,500〜5,700円/回 |
時給1,500円の場合 約2,600〜2,700円/回 |
夜勤手当とは
夜勤手当とは、夜間に勤務する看護師に対して病院が独自に支給する手当のことです。
法律で支払いが義務づけられているものではなく、金額や支給条件は病院ごとに異なります。
多くの病院では「1回の夜勤につき○○円」という定額制で支給しています。
たとえば「二交代制の夜勤1回あたり12,000円」「三交代制の深夜勤1回あたり5,000円」といった形です。
夜勤手当の金額は就業規則や給与規程に定められており、病院の経営方針や地域の相場によって大きく差がつくことがあります。
同じ夜勤をしていても、勤務先によって手当額が数千円違うケースは珍しくありません。
深夜割増賃金とは
深夜割増賃金とは、午後10時から翌朝5時までの深夜時間帯に働いた場合に支払われる割増賃金のことです。
労働基準法第37条で定められており、通常の時給に対して25%以上の割増が義務づけられています。
夜勤手当が病院の任意で支給されるのに対し、深夜割増賃金はすべての事業者に支払い義務があります。
パート・アルバイトであっても、深夜時間帯に働けば必ず支給されなければなりません。
つまり、夜勤をすると下記の両方が支給されるのが一般的です。
- 病院独自の夜勤手当
- 法定の深夜割増賃金
給与明細ではこの2つが合算されて表示される場合もあるため、自分の手当がどのような内訳になっているか確認しておくとよいでしょう。
計算例で見る|夜勤手当と深夜割増賃金の内訳
具体的な計算例で、夜勤手当と深夜割増賃金がどのように積み上がるのか見てみましょう。
基本給25万円の看護師が月160時間勤務する場合の例
時給:250,000円 ÷ 160時間 = 1,563円
深夜割増単価:1,563円 × 25% = 391円
深夜時間帯(22時〜翌5時)の7時間分:391円 × 7時間 = 2,737円
夜勤手当:病院独自の夜勤手当(例:12,000円)が加算される
合計:1回の夜勤で14,737円の上乗せになる計算です
このように、深夜割増賃金だけでは1回あたり2,000〜3,000円程度にとどまります。
夜勤による収入増の大部分は、病院が独自に設定する夜勤手当によるものだとわかります。
求人票で夜勤手当を確認するときの注意点
求人票に記載されている「月給○○万円(夜勤4回含む)」という表記には注意が必要です。
この場合、提示されている月給にはすでに夜勤手当が含まれているため、夜勤をしなければその分の金額が差し引かれます。
- 夜勤手当の「1回あたりの金額」が明記されているか確認する
- 「月給○万円」に夜勤手当が含まれているかどうか確認する
- 夜勤の想定回数(月4回、月8回など)を確認する
- 深夜割増賃金が夜勤手当に含まれているか、別途支給かを確認する
求人票だけでは読み取れない場合は、面接時や内定後に夜勤手当の内訳を確認しておくことをおすすめします。
今のあなたの状況は?
看護師の夜勤手当の相場|二交代・三交代でいくら?

ここからは、看護師の夜勤手当が実際にいくらなのかを具体的な数値で見ていきます。
| 勤務形態 | 平均値 | 中央値 | 25%点 | 75%点 |
|---|---|---|---|---|
| 二交代制・夜勤 | 11,815円 | 11,630円 | 10,000円 | 14,000円 |
| 三交代制・準夜勤 | 4,567円 | 4,500円 | 3,500円 | 5,400円 |
| 三交代制・深夜勤 | 5,715円 | 5,700円 | 4,100円 | 7,000円 |
二交代制の夜勤手当:平均11,815円/回
二交代制における夜勤手当の平均額は1回あたり11,815円です。
中央値は11,630円で、平均値と大きな差はありません。
75%点が14,000円となっていることから、4人に1人は1回あたり14,000円以上の夜勤手当を受け取っています。
一方、下位25%でも10,000円を超えており、二交代制の夜勤手当は比較的高水準で安定しているといえます。
三交代制・準夜勤の夜勤手当:平均4,567円/回
三交代制の準夜勤(おおむね16時〜0時頃)の夜勤手当は、平均4,567円です。中央値は4,500円で、二交代制と比べると半分以下の水準となっています。
準夜勤は勤務時間が8時間程度と二交代制の夜勤(16時間程度)より短いため、1回あたりの手当額が低く設定されるのが一般的です。
三交代制・深夜勤の夜勤手当:平均5,715円/回
三交代制の深夜勤(おおむね0時〜8時頃)の夜勤手当は、平均5,715円で、準夜勤より約1,100円高くなっています。中央値は5,700円です。
深夜勤は身体への負担が大きい深夜〜早朝の時間帯に勤務するため、準夜勤よりも手当が高く設定される傾向にあります。
夜勤手当で月収・年収はどれくらい変わる?

夜勤手当の相場がわかったところで、月単位・年単位でどのくらい収入に影響するのか計算してみましょう。
月額に換算すると約3.5万〜5.5万円の収入増
一般的な夜勤回数をもとに月額を計算すると、夜勤手当だけで毎月約3.5万〜5.5万円の上乗せになります。
ここに深夜割増賃金も加わるため、実際の手取りへの上乗せ額はさらに大きくなります。
二交代制のほうが1回あたりの手当は高いですが、月額で見ると三交代制との差は約6,000円程度です。
年収に換算すると約40万〜65万円の収入増
月額を12か月分で計算すると、夜勤手当による年収への上乗せ額がわかります。
夜勤手当だけで年間約50万〜57万円の収入増となります。
深夜割増賃金を含めれば、年間60万円以上の差がつくケースも十分にあり得ます。
夜勤の有無が看護師の年収を大きく左右していることがわかります。
夜勤なしとありで給与総額を比べてみる
日本看護協会の同調査によると、勤続10年(31〜32歳、非管理職)の看護師の税込給与総額の平均は334,325円です。
この金額には夜勤手当が含まれています。
夜勤あり・なしの給与比較(勤続10年モデル)
- 税込給与総額(夜勤含む):約334,000円
- うち夜勤手当(二交代4回想定):約47,000円
- 夜勤手当を除いた場合:約287,000円
夜勤手当を除くと月収は約29万円程度となり、約5万円の差が生まれます。
年収にすると約60万円の開きです。
夜勤は体力的な負担が大きいものの、収入面では大きな柱になっていることが数字からも明らかです。
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夜勤手当に差がつく3つの条件

夜勤手当の金額は全国一律ではありません。
「設置主体」「病床規模」「地域」の3つの条件によって、大きな差が生まれます。
自分の手当が妥当かどうかを判断するための材料として、それぞれの傾向を確認しましょう。
設置主体:医療法人・公益法人は高め、国公立はやや低め
病院の設置主体(運営母体)によって、夜勤手当の水準には明確な差があります。
| 設置主体 | 二交代制 平均額 |
三交代・準夜勤 平均額 |
三交代・深夜勤 平均額 |
|---|---|---|---|
| 国 | 9,769円 | 3,886円 | 4,970円 |
| 公立 | 9,048円 | 3,859円 | 4,658円 |
| 公的医療機関 | 10,389円 | 4,550円 | 5,935円 |
| 社会保険関係団体 | 9,026円 | 3,591円 | 4,223円 |
| 医療法人 | 13,044円 | 5,526円 | 7,013円 |
| その他の法人 | 11,369円 | 4,658円 | 5,841円 |
医療法人の二交代制夜勤手当は平均13,044円と、全体平均の11,815円を大きく上回っています。
一方、国立病院は9,769円、公立病院は9,048円と、1万円を下回る水準です。
医療法人は看護師の確保が経営に直結するため、夜勤手当を高く設定して人材を集める傾向があります。
国公立病院は手当がやや低い反面、基本給や退職金制度で安定しているケースが多いのが特徴です。
病床規模:小規模病院ほど手当が高い傾向にある
病床数別に二交代制の夜勤手当の平均額を見ると、規模が小さい病院ほど手当が高い傾向にあります。
| 病床規模 | 二交代制 平均額 |
三交代・準夜勤 平均額 |
三交代・深夜勤 平均額 |
|---|---|---|---|
| 99床以下 | 12,243円 | 4,627円 | 5,739円 |
| 100〜199床 | 12,255円 | 4,792円 | 6,030円 |
| 200〜299床 | 11,597円 | 4,649円 | 5,750円 |
| 300〜399床 | 11,369円 | 4,444円 | 5,587円 |
| 400〜499床 | 10,676円 | 4,426円 | 5,584円 |
| 500床以上 | 10,165円 | 4,172円 | 5,232円 |
99床以下の病院では平均12,243円であるのに対し、500床以上の大規模病院では10,165円と、約2,000円の差があります。
小規模病院は夜勤に入れる看護師の人数が限られるため、1人あたりの手当を手厚くして夜勤要員を確保する必要があります。
一方、大規模病院は看護師数が多く、教育体制やキャリアパスの充実で人材を引きつけやすいため、手当を高く設定しなくても応募が集まりやすい背景があります。
地域差:東京・首都圏では二交代13,000円を超えることもある
夜勤手当には地域差もあります。
とくに東京をはじめとする首都圏では、看護師の採用競争が激しいことから手当を高めに設定する傾向が見られます。
医療法人の二交代制夜勤手当の75%点が15,000円に達していることからも、都市部の医療法人では1回あたり13,000〜15,000円を支給しているケースが少なくないと考えられます。
地方と都市部では生活コストに差がある分、夜勤手当にも差が生まれやすいのが実情です。
転職を検討する際は、手当の金額だけでなく、住居費などの生活コストとあわせて総合的に判断することが大切です。
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夜勤手当の推移|上がってはいるが伸びは小さい

看護師の夜勤手当は年々少しずつ上昇していますが、その伸び幅は決して大きくありません。
ここでは過去のデータと比較しながら、推移の実態を見ていきます。
夜勤手当の増加幅は12年間で約1,700円
日本看護協会が2012年に実施した「病院勤務の看護職の賃金に関する調査」と2024年度の調査を比較すると、二交代制の夜勤手当は12年間で約1,700円の増加にとどまっています。
年間あたりに換算するとわずか140円程度の伸びです。物価上昇率と比較しても、夜勤手当の上昇ペースは緩やかだといわざるを得ません。
三交代制の準夜勤・深夜勤についても同様に、大幅な上昇は見られていません。
夜勤手当は病院の任意で設定されるため、法改正のような強制力がない限り急激に上がりにくい構造があります。
参考:日本看護協会 2012年病院勤務の看護職の賃金に関する調査報告書
基本給の伸びも限定的で賃金満足度は低い
夜勤手当だけでなく、看護師の基本給の伸びも限定的です。
日本看護協会の調査では、勤続10年の看護師の基本給与額は平均250,380円となっています。
看護師の業務量や責任の重さに対して、賃金への満足度が低いと感じている方は多いでしょう。
看護師の給与体系は、基本給に各種手当を上乗せする構成になっていることが多く、夜勤手当や時間外手当への依存度が高い傾向にあります。
基本給そのものの引き上げが進まなければ、夜勤ができなくなった際に収入が大きく下がるリスクがあります。
今後の賃金改善に向けた動き
看護師の賃金改善に向けた制度面での取り組みも進んでいます。
2024年度の診療報酬改定では「ベースアップ評価料」が新設され、医療機関が看護師を含む医療従事者の賃上げに取り組みやすい仕組みが整えられました。
これにより、夜勤手当のような変動的な手当ではなく、基本給そのものの底上げが期待されています。
ただし、すべての医療機関が同様に賃上げを実施できるわけではなく、経営状況によって対応には差があります。
今後の動向を注視しつつ、自分自身でも収入を上げるための行動を検討していくことが大切です。
夜勤手当を増やすためにできること

夜勤手当の相場や仕組みを理解したうえで、手当を増やすために看護師自身ができることを3つ紹介します。
夜勤手当が高い病院へ転職する
夜勤手当を大きく増やす最も効果的な方法は、手当の高い病院へ転職することです。
前述のとおり、設置主体や病床規模によって手当額には数千円単位の差があります。
たとえば、国公立病院から医療法人へ転職すれば、1回あたり約3,000〜4,000円の増額が見込めます。
月4回の夜勤なら月額12,000〜16,000円、年間では約15万〜19万円の収入増につながります。
夜勤手当の金額だけでなく、基本給や賞与、福利厚生なども含めた総合的な待遇を比較することが重要です。
夜勤専従という働き方を検討する
夜勤専従とは、日勤を行わず夜勤のみで働くスタイルのことです。夜勤の回数が増える分、夜勤手当の総額も大幅に増加します。
二交代制の夜勤専従であれば月9〜10回程度の勤務が一般的です。
仮に1回あたり12,000円の夜勤手当であれば、月額約108,000〜120,000円の手当収入となります。通常の月4回勤務と比べると約2.5倍です。
ただし、夜勤専従は生活リズムへの影響が大きく、体調管理が欠かせません。
自分の体力やライフスタイルに合うかどうか、慎重に検討しましょう。
夜勤回数の加算制度がある病院を選ぶ
一部の病院では、一定の夜勤回数を超えた場合に追加で手当が支給される「夜勤回数加算制度」を設けています。
たとえば「月5回以上の夜勤で1回あたり2,000円加算」といった形です。
ただし、日本看護協会の調査によると、こうした加算制度を設けている病院は全体の約3割にとどまっています。
加算制度のある病院を選ぶことで、同じ夜勤回数でもより高い手当を得られる可能性があります。
転職活動の際には、加算制度の有無も確認項目に入れておくとよいでしょう。
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まとめ

看護師の夜勤手当は、月収にすると約3.5万〜5.5万円、年収では約50万〜57万円の上乗せとなり、看護師の収入に大きく影響しています。
手当の金額は設置主体や病床規模、地域によって異なり、医療法人や小規模病院では比較的高い傾向にあります。
一方で、過去12年間の伸び幅は1回あたり約1,000円と緩やかで、今後は基本給の底上げも含めた改善が期待されています。
今の夜勤手当額と全国平均を比較してみる
設置主体・病床規模による手当の違いを把握する
転職を検討する際は手当額だけでなく総合的な待遇を比較する
夜勤専従や加算制度のある病院も選択肢に入れる
夜勤手当の相場を正しく知ることは、自分の待遇を客観的に見直す第一歩です。
この記事の情報を参考に、より納得のいく働き方や職場選びにつなげてください。






