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【透析看護師に向いている人の特徴5選】やりがいやメリット、大変なことやデメリットも紹介

「透析看護師の仕事内容が気になる」
「透析分野で働きたいけど、自分は向いているのだろうか?」
透析看護師への転職を考えている方は、このようにお悩みの方もいるかもしれません。
透析看護師に向いているのは、患者さんを長期的にサポートしたい、コミュニケーションが得意、ルーティンワークが苦にならない人です。
患者さんの治療期間は長期間となるため、継続的に関わる必要があります。転職を検討する際は、やりがいやメリットだけでなく、大変なことやデメリットも知り判断するのが大事です。
そこで本記事では以下について解説します。
- 透析看護師の役割と仕事内容
- 透析看護師のやりがいやメリット
- 透析看護師の大変なことやデメリット
- 1日のスケジュール
- 透析看護師に向いている人の特徴
ぜひ記事をお読みいただき、転職活動の参考にしてみてください。
透析とは?

透析は血液透析と腹膜透析の2種類があり、患者さんの病状や生活スタイルによって選択されます。
日本では血液透析を選択する患者さんが、約9割との報告があります。
血液透析を受ける場合は、病院の透析室や透析クリニックに週3回程度通院し、1回4時間程度の治療を受けなければなりません。
心身の負担が大きく、看護師は多方面でのサポートが求められます。
透析看護師の役割と仕事内容

透析看護師の役割、仕事内容は以下のとおりです。
- 透析の準備
- 患者さんのバイタル、体調チェック
- 穿刺・抜針などの医療処置
- 生活指導
- ご家族のサポート
ひとつずつ詳しく解説します。
1.透析の準備
患者さんが透析室に入る前に、必要物品の準備をします。
透析液の準備、機器の作動確認、透析器のプライミングと点検などです。
機器操作は慣れるまで緊張を伴います。はじめのうちは先輩看護師の指導のもと行います。
2.患者さんのバイタル、体調チェック
患者さんが入室したら、バイタルサインと体重を測定します。
体調変化の有無やシャントトラブルの有無を確認します。
患者さんが記入している透析ノートもチェックし、状態を把握するのが大事です。
異常があった際は対応を行います。透析終了後、再度バイタルチェックを実施し、看護記録、透析記録を記入します。
3.穿刺・抜針などの医療処置
穿刺部の消毒を行い、シャントに針を刺します。患者さんの苦痛を少なくするには、確かな技術が必要です。
透析装置と接続し、透析を開始します。血液浄化が終了したら、血液を体内に戻す作業を行います。
穿刺していた針を抜針、止血し透析は終了です。
4.生活指導
透析患者さんは、日常生活でさまざまな制限や約束ごとがあります。
患者さんが体調を維持しながら生活するには、健康管理や生活についての指導が欠かせません。
食事指導や体重管理、活動制限などについて、正しい知識を伝えることが重要です。
また、患者さんは免疫力が低い状態であり、感染症にもかかりやすい状態です。
感染症対策に関してもアドバイスを行う場合もあります。
透析は、患者さん自身の自己管理が重要であり、看護師の指導力が求められるといえます。
5.ご家族の支援
透析治療は、患者さん家族のサポートも重要です。通院や食事に関しては、家族も負担になるケースも。
ご家族とコミュニケーションを取り、不安の軽減や相談に対応します。
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透析看護師のやりがいやメリットは以下のとおりです。
- 患者さんと長期に渡って関われる
- 身体的負担が少ない
- 透析看護の専門性を高められる
それぞれ見ていきましょう。
1.患者さんと長期に渡って関われる
透析患者さんは長い期間通院することがほとんどです。
週3回定期的に通うため、看護師との関係性も深くなります。
患者さんの体調を見守りながら、一人ひとりに寄り添えるため、やりがいにつながります。
身体面、精神面、社会面を理解し、サポートすることが大切です。
2.身体的負担が少ない
透析患者さんは、ADLが自立している場合が多く、身体的な負担は少なめです。
移乗動作や体位交換、入浴介助といった介助はありません。
透析はオープンスペースのワンフロアで行われるため、移動も少ないです。
体力に自信のない方や、育児からの復帰を考える方は働きやすいといえます。
3.透析看護の専門性を高められる
透析看護は、透析に特化した知識や技術が必要です。
一般病棟で経験することはなく、専門性を高められます。
検定試験を受験したり、認定看護師資格を取得したりすれば、キャリアアップも目指せるでしょう。
透析看護に関係する試験や資格は以下のとおりです。
透析看護師の大変なことやデメリット

透析看護師の仕事は、一般病棟と比較すると特殊であるといえます。大変なことやデメリットは以下のとおりです。
- 技術を覚えるのが大変
- ルーティンワークで物足りなさを感じる
- 透析以外のスキルが身につきにくい
転職を希望する際は、特殊性を踏まえ転職を検討する必要があるでしょう。それぞれ解説します。
1.技術を覚えるのが大変
透析業務では、シャントの穿刺や透析装置の操作を行います。
未経験の人は、技術を習得するまで苦労することもあるかもしれません。
なかでもシャントへの穿刺は、通常の点滴よりも太い針で実施するため、高いスキルが必要です。
慣れている患者さんに実施する際は、プレッシャーを感じるときもあります。
また、機械操作が苦手な人は、ストレスを感じるかもしれません。
2.ルーティンワークで物足りなさを感じる
透析看護師の仕事内容は、毎日同じことを行うルーティンワークです。
慣れるまでは大変ですが、慣れると物足りなさを感じる可能性があります。
単純作業が苦手な場合、自分の適性をよく考えましょう。
3.透析以外のスキルが身につきにくい
透析業務では、一般病棟で実施するケアをほとんどしません。
そのため、病棟看護の一般的な知識やスキルが身につきにくいといえます。
転職を考える場合、新たな分野へのキャリアチェンジに不安を感じる人もいるようです。
就職や転職を考えるときは、一般病棟で経験を積んでからがおすすめです。
透析看護の1日のスケジュール例

透析治療を行っている医療機関は、午前、午後の2クール制のところが多いです。
中にはオーバーナイト透析を行っている医療機関もあります。
仕事をしている患者さんにとっては、日中の仕事時間を確保できるメリットがあります。
ここでは、日勤のスケジュール例を紹介します。
時間 | 項目 | 業務内容 |
---|---|---|
8:30 | 始業・申し送り | 当日の役割分担確認や、申し送りを行います。 |
8:45 | 透析の準備 | 必要物品の準備や、機器の設定確認を行います。 |
9:00 | バイタルチェック・透析開始 | バイタルチェックや体重測定、体調確認を行い、穿刺、透析を開始します。 |
10:00 | 透析中のバイタルチェック | 血圧の低下や体調変化がないか確認します。 |
12:30 | 透析終了 | 透析が終了したら抜針・止血を行います。看護記録の記入も行います。 |
13:00 | 昼食・休憩 | |
14:00 | バイタルチェック・透析開始 | 午前と同じ流れで透析を実施します。 |
17:30 | 透析終了・退勤 | 患者さん対応をしながら、翌日の準備など行い業務終了。 |
透析看護師に向いている人の特徴5選

透析看護師への転職を考えている人は、自分が向いているか気になっているのではないでしょうか。
向いている人の特徴は以下の5つです。
- 患者さんを長期的サポートしたい人
- コミュニケーションが得意な人
- ルーティンワークが苦にならない人
- 専門的な知識や技術を身につけたい人
- プライベートを重視したい人
ひとつずつ解説しますので、キャリアを検討する際の参考にしてみてください。
1.患者さんを長期的にサポートしたい人
患者さんの背景を理解し、サポートできる人は透析看護師に向いています。透析患者さんの治療は長期に及ぶためです。
日本透析医学会の「2022年慢性透析患者の動態」によると、慢性透析患者の平均透析日数は男性6.91年、女性8.48年でした。
透析歴20年以上は8.6%、30年以上が2.4%、40年以上が0.4%で、透析歴の長い患者さんが増加していると報告されています。
結果からわかるように、患者さんとは長期的に関わることになります。患者さんと関係性を築き、寄り添うことが大事です。
参照:わが国の慢性透析療法の現況(2022年12月31日現在).第2章 2022年慢性透析患者の動態/日本透析医学会
2.コミュニケーションが得意な人
患者さんは、長期間にわたる治療や食事制限によるストレスで、落ち込みやイライラが見られるときもあります。
ストレスや不安に寄り添い、心理的サポートできる人が向いています。
円滑なコミュニケーションは、患者さんとの信頼関係の構築でも重要です。
自分の指導を守り、安定した体調で過ごせることが、やりがいにもつながります。
3.ルーティンワークが苦にならない人
毎日同じ流れで同じ業務を行っても苦にならない人、計画的に進めることが好きな人は透析看護師に向いています。
ルーティンワークの中でも、患者さんのわずかな変化に気づけるアセスメント力も欠かせません。
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透析看護師の求人紹介はコチラ4.専門的な知識や技術を身につけたい人
透析室では、一般病棟では経験しない特殊な処置を行います。透析に関する専門知識や技術を身につけるため、学習が欠かせません。
専門性を高め、資格を取得したい人におすすめです。
5.プライベートを重視したい人
透析の仕事は、基本的に日勤のみの職場が多いです。
ほぼスケジュール通りに進行するため、一般病棟と比較すると残業も少なめです。
休日も固定であることが多く、予定を立てやすいといえます。
日勤のみで働きたい、プライベートを重視したい人に向いているでしょう。
透析看護師として働ける職場

透析看護師として働ける場所は以下のとおりです。
それぞれ解説します。
1.病院の透析室・透析センター
患者さんは、病院で透析導入を行い、近くの透析クリニックで透析治療を行うケースが多いです。
大学病院や総合病院といった大きな病院では、リスクが高い疾患や、緊急性の高い患者さんを受け入れます。医療療養病院は、長期の療養を必要とする場合や通院での透析が困難な方が対象です。入院患者さんは病状が不安定であり、急変に備える必要があります。
2.透析専門クリニック
透析専門クリニックは、入院設備のない医療施設です。状態は比較的安定しており、通院して血液透析を行います。クリニックによっては、送迎してくれる医療機関も少なくありません。
透析看護師についてよくある質問
透析看護師について、よくある質問をまとめました。
未経験でも透析看護師として働けますか?
透析室や透析専門クリニックは、未経験でも転職は可能です。ただし、教育体制が整っている医療機関を選ぶようにしましょう。
転職を考えている人は、教育体制について十分に情報収集してください。知り合いが働いていれば直接話を聞いたり、ホームページを確認したりするといいでしょう。転職サイトに登録し、情報収集するのも方法のひとつです。
透析看護師になって後悔することはありますか?
人によっては、転職して後悔することもあるかもしれません。後悔する原因は、一般的な看護スキルが身につきにくい、オープンフロアによるストレスなどがあげられます。
幅広い知識やスキルを身につけたい人は、キャリアの目標が達成できるかも考え判断するようにしましょう。
今回は透析看護師の仕事内容と役割、透析看護師に向いている人の特徴、やりがいや大変なことなど解説しました。
透析看護師は、一般病棟と異なる点が多いため、情報収集しづらい一面もあります。転職を希望する際は、ハローワークやe-ナースセンターの情報だけでなく、転職エージェントの情報も参考にするとよいでしょう。
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