看護師がケアマネージャーになるためには?働き方から資格取得・メリットを解説!

介護支援専門員(ケアマネージャー)は、介護を必要とする方やその家族からの相談に応じ、適切なサービスを受けられるようにケアプランを作成し、サービス事業者との調整を行う専門職です。
医療と介護の知識を持つ看護師にとって、ケアマネージャーはキャリアチェンジ・キャリアアップの選択肢として選ばれることが多いです。
ケアマネージャーの仕事内容

ケアマネージャーの主な役割は、利用者の生活状況を把握し、適切な介護サービスを調整することです。
具体的には以下になります。
アセスメント | 利用者や家族と面談し心身の状態や生活環境を総合的に評価 |
---|---|
ケアプラン作成 | 利用者のニーズに合わせた介護サービス計画の立案 |
サービス担当者会議の開催 | 関係者との情報共有と連携 |
モニタリング | サービス提供状況の確認と計画の見直し |
給付管理 | 介護保険サービスの利用状況管理 |
主な勤務先と働き方
ケアマネージャーが勤務する選択肢としては主に以下の3つです。
施設で働くケアマネージャーは、入居者のケアプランの作成をします。
1人当たり最大100人を担当できるので、施設の規模によっては最大人数を担当することもあります。
施設に応じて、夜勤や看護業務を兼任する場合もあります。
居宅介護支援事務所や訪問介護事業所で働くケアマネージャーは、自宅で介護保険サービスを受けられるよう支援します。
35~40件ほどを担当し、担当する方の自宅へ訪問しケアプラン作成を行っていきます。
地域包括支援センターで働くケアマネージャーは、上記二つの働き方とは異なります。
主な仕事は相談業務や介護予防マネジメント、必要な機関との連携や調整業務になります。
ケアマネジャーの仕事は、日勤帯での業務が多く事務作業が中心となるため、看護業務に比べると身体的負担が軽減されたり、土日祝日が休みとなる場合もあるため、働き方の改革につながります。
ケアマネジャーの資格取得までの流れ

・介護保険制度、医療・福祉の知識を問う試験
・合格率は全国平均で約20%前後
・講義と演習で構成
(更新研修の受講が必要)
試験に合格した後も、87時間の実務研修を受けなければなりません。
実務研修の日程は、実務研修受講試験の合格発表後に公表されます。(日程は都道府県によって異なります)
ケアマネージャーの取得費用
介護支援専門員実務研修受講料 | 約80,000円~100,000円 |
---|---|
介護支援専門員実務研修受講試験受験料 | 約7,000円~12,000円 |
更新研修受講料(5年ごと) | 約20,000円~60,000円 |
参考:厚生労働省 令和5年度 全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料
この他にテキスト代や試験時の滞在費等の経費がかかります。
※試験や実務研修は都道府県ごとの実施になるため、費用は各都道府県ごとに異なります。
研修や取得費用の見直しが議論されているため、今後の動向に注目したいところです。
試験の合格率
実施回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
第24回(令和3年度) | 54,290 人 | 12,662 人 | 23.3 % |
第25回(令和4年度) | 54,406 人 | 10,328 人 | 19.0 % |
第26回(令和5年度) | 56,494人 | 11,844人 | 21.0% |
第27回(令和6年度) | 53,699人 | 17,228人 | 32.1% |
参考:厚生労働省 第27回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について
ケアマネージャー試験の合格率は20~30%とやや難易度は高いといえます。
試験における看護師の科目免除は2015年に廃止されていますが、医療系の科目は看護師の知識で対応できる問題もあります。
ケアマネージャーの平均年収

ケアマネージャー(介護支援専門員)の平均年収
厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、介護支援専門員の平均年収は約420万円です。
この数字は、月額給与を12倍し、年間賞与その他特別給与額を加えて算出されています。
看護師の平均年収
同じく厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、看護師の平均年収は約480万円となっています。
この数字も同様の計算方法で算出されています。
ケアマネージャーの年収は看護師と比べると低くなります。ただし、看護師との兼任や、手当などにより高くなるケースもあります。
ケアマネージャーと看護師のダブルライセンスのメリット

自分でケアプランを作成できる
介護を必要としている利用者や家族のために、自身でケアプランを作成しサポートできる点は大きなやりがいにつながります。
介護の知識を得ることで、より利用者や家族に適したサービスの導入を提供することが可能となります。
医療職と円滑なコミュニケーションがとれる
介護サービスを必要とする方は、通院や入院などの医療的支援を受けていることがほとんどであるため、看護師としての知識を生かすことができます。
医療の視点でのアセスメントや、治療に詳しい点は、医師との相談や連携に役立ちます。さまざまな医療者との連携を図りやすくなり、橋渡し役としても活躍できるでしょう。
キャリアの幅が広がる
資格を得ることにより、看護師として勤務するかケアマネージャーとして勤務するかの選択を得ることができます。
また、看護師業務をしながらもケアマネージャーとして働くこともできるため、自身の働き方やキャリアの選択肢が広がるでしょう。
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