鍼灸師の転職方法や転職スケジュールは?転職に関するQ&Aも掲載!

鍼灸師としての転職を初めて検討される方の中には、「具体的な転職の進め方がわからない」「転職活動はいつから始めるべきか迷っている」という声が多く聞かれます。
転職への意欲はあるものの、不安や疑問が多すぎて何から手をつければよいのかわからず、なかなか一歩を踏み出せないという方も少なくないでしょう。
そこで今回は、鍼灸師の方々に向けて、転職活動の基本的な方法やスケジュールついて詳しく解説していきます!
医療キャリアナビを通じて実際に転職を成功させた鍼灸師の方々の体験談も交えながら、具体的なポイントをお伝えしていきますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
さらに、転職を考える鍼灸師の方々からよく寄せられる「複数の求人に同時に応募しても問題ない?」「退職の意向はどのタイミングで伝えるべき?」といった実践的な疑問についても、しっかりと解説していきます。
鍼灸師の転職方法・流れ

鍼灸師に多い転職スケジュールには2パターンあります。
3ヶ月以内の短期間で転職を決めてしまうパターンと、約半年の期間を設けてじっくり転職活動に取り組むパターンです。
転職準備
転職スケジュールの決定
鍼灸師の転職活動は、3~6ヶ月程度の期間を目安に進めることをお勧めしています。
実際に多くの鍼灸師の転職をサポートしてきた経験から、十分な時間的余裕を持って活動される方は、転職後の定着率が高く、より満足度の高い転職を実現されているケースが多いことがわかっています。
現在の職場での状況が切迫している場合や、すでに離職されている場合を除き、時間的な余裕を確保することで精神的にも落ち着いて判断ができ、より良い選択につながるでしょう。
ただし最も重要なのは、自分のペースに合わせて無理のない転職活動を進めることです。
転職スケジュールを立てる際は、新しい職場での勤務開始時期の目標を具体的に定めることがポイントとなります。
そこから内定時期、面接時期、応募書類の準備時期などを逆算して、実現可能な転職スケジュールを組み立てていきましょう。
転職方法の検討
転職方法には主に以下の5つの選択肢があります。
これらの方法は併用することも可能で、例えば知人から紹介された治療院の面接を受けながら、自身で見つけた別の医療機関にも応募することもできます。
ただし、複数の方法で多くの求人に同時進行で応募すると、かえって比較検討が難しくなったり、エネルギーが分散してしまう可能性があります。
効率的な転職活動のためには、自身の状況や性格を考慮して最適な方法を選択することが重要です。
最初の段階である程度の方向性を定めておくことをお勧めします。
それぞれの方法にメリット・デメリットがあるので、そちらに関しては後述します。
自己分析・キャリアの棚卸し
鍼灸師としての転職活動において、まずは自分自身のキャリアを振り返り、整理することが大切です。
これまでどのような治療経験を積んできたか、得意とする施術技術は何か、鍼灸・マッサージのアプローチ方法、患者さんとの関係づくりのスタイル、そして今後どのようなキャリアパスを描いていきたいのかなどを明確にしていきましょう。
このような自己分析やキャリアの棚卸しを行うことで、求人探しの際に重視すべきポイントが明確になり、面接でも自分の強みや志向性を効果的にアピールすることができます。
なお、鍼灸師の場合は、得意な治療法や、特に力を入れている症状(腰痛、頭痛、美容鍼など)についても整理しておくと良いでしょう。
求人を探す・書類の作成
希望条件の洗い出し・優先順位付け
求人を探す際は、給与や休暇以外にも、鍼灸師として確認しておくべき重要な項目が多くあります。
さらに、職場の雰囲気や立地条件、院長の治療理念なども重要な検討要素となります。
自分にとって譲れない条件を明確にした後は、それぞれの優先順位を決めておくことが大切です。
鍼灸師に限らず転職活動でよくある課題として、理想の条件を詰め込みすぎて、なかなか合致する求人が見つからないというケースがあります。
希望条件に優先順位をつけることで、「週休2日は必須条件だが、土日完全固定休ではなくてもよい」など、状況に応じて柔軟な判断ができるようになります。
また、自身の希望条件と業界の実態に大きな開きがある場合(例:希望年収550万円に対し、業界平均が380万円など)は、転職のタイミングや方向性について再検討する必要があるかもしれません。
(①~③の条件が良ければ検討可)
(①~④の条件次第で妥協可)
履歴書・職務経歴書の作成
履歴書と職務経歴書は、あなたの経歴、治療経験、技術力、人間性などを効果的に伝える重要なツールです。
特に職務経歴書では、これまでの実務経験を時系列で整理し、各職場での具体的な治療実績や、得意分野、症例数などを具体的に記載することが重要です。
前述のキャリアの棚卸しが十分にできていれば、職務経歴書の作成がスムーズに進められるはずです。
また、鍼灸師の場合は、取得している資格や受講した専門的な研修なども重要なアピールポイントとなります。
求人応募・面接準備
気になる求人に応募
鍼灸院や医療機関の求人が見つかったら、いよいよ応募のフェーズに入ります。
より効率的な転職活動のために、この段階では戦略的なアプローチが重要になってきます。
理想的なのは、同時期の応募を2~3求人に絞ることです。
この数であれば、面接日程の調整や各求人の特徴把握、面接準備などを十分に行うことができます。
また、それぞれの選考状況を見ながら、次の応募先を検討できるという利点もあります。
応募するタイミングや順序も慎重に検討しましょう。
一般的には最も希望に合う求人から応募を始めていくのが基本ですが、面接経験が少ない方は、あえて「第二候補」の求人から応募を始めるのも一つの方法です。
これにより、面接での受け答えに慣れながら、徐々に第一希望の求人に挑戦していくことができます。
応募の際は、各治療院の治療方針や特色、求める人材像をしっかりと理解しておくことも大切です。
面接の対策などの準備
面接は、あなたと治療院との相互理解を深める重要な機会です。
まず、面接での質問に対する準備として、自己PR、志望動機、これまでの治療経験について、要点を整理しておきましょう。
ただし、台本を暗記するような準備ではなく、自然な対話の中で自分の考えや経験を伝えられるよう、キーポイントを押さえておく程度で十分です。
特に鍼灸師の面接では、あなたの治療に対する考え方や、得意な治療法、症例経験などについても質問されることが多いため、それらについても整理しておくと良いでしょう。
また、面接は施設の特徴や実態を知る貴重な機会でもあります。
入職後のミスマッチを防ぐためにも、気になる点(治療方針、教育体制、キャリアパスなど)は面接の場でしっかりと確認しておきましょう。
面接対策に不安を感じる方は、転職エージェントのアドバイスを受けることも効果的です。
エージェントは数多くの鍼灸師の転職をサポートした経験があり、面接での具体的なアドバイスが得られます。
面接・職場見学
1次~最終面接
鍼灸師の転職面接は、通常1回のみ、もしくは1次面接と最終面接の2回で完結することが一般的です。
まれに2~3次面接まである治療院もありますので、転職スケジュールに影響がないか事前に確認しておくことをお勧めします。
職場見学
多くの鍼灸院や医療機関では、面接と同日に職場見学の機会が設けられています。
これは、実際の施術環境や職場の雰囲気を直接体感できる貴重な機会です。
治療室の設備や施術ベッドの配置、スタッフ間のコミュニケーション、患者さんの層など、求人情報だけでは把握できない生きた情報を得られるので、しっかりと観察することが重要です。
ただし、この職場見学は単なる施設案内ではなく、あなた自身も評価の対象となっている点に留意が必要です。
例えば、スタッフとのすれ違い時の挨拶や案内担当者との会話、施設や設備に関する質問の仕方など、あなたの態度や振る舞いも採用判断の重要な要素となります。
特に鍼灸師は患者さんとの信頼関係が重要な職種であるため、コミュニケーション能力も重視されます。
職場見学
1次面接
最終面接
応募先から内定をもらう
内定通知書・労働条件通知書の確認
面接選考を通過すると、内定通知が届きます。
通知方法は主にメールですが、治療院によっては郵便や電話での連絡の場合もあります。
具体的な通知方法については、通常、最終面接の際に担当者から説明があるので、必ず確認しておきましょう。
内定通知と共に、重要書類である労働条件通知書が送付されてくることが一般的です。
この書類は、あなたと内定先との間で交わされる雇用契約の基礎となる重要な文書です。
労働条件通知書の内容は、求人情報に記載されていた条件や面接時に説明を受けた内容と完全に一致しているべきものです。
特に、施術時間や施術以外の業務内容、研修期間中の給与条件などは、細かく確認することをお勧めします。
内容に少しでも不明点や疑問点があれば、遠慮なく担当者に確認を取りましょう。
なお、労働条件通知書の内容が簡略化されている場合もありますが、労働基準法では雇用主に対して、契約締結前の労働条件の明示を義務付けています。
そのため、必要に応じて、より詳細な労働条件の説明を求めることも可能です。
内定承諾の連絡
内定を承諾する場合は、メールや口頭にて内定承諾の意思を伝えたあとに、内定承諾書へのサインを行うのが一般的です。
通常、内定から1週間程度が返答の目安とされています。
もし他にも選考を受けていて、その結果を待ってから返事をしたいなどの理由がある場合は、そのことを正直に伝えましょう。
ただし、内定先にも採用計画や他の候補者への連絡などがあるため、必ずしも希望通りの期間が得られるとは限りません。
そのような場合は、内定を辞退するのかどうかも含めて検討が必要です。
内定を承諾する前には、もう一度条件面で不明な点がないか確認することをお勧めします。
入職準備
入社日の決定
入職日は、現在の職場との調整が必要です。
新しい職場の希望と、現職場での引き継ぎ期間を考慮して決定します。
特に、鍼灸師は継続的な治療を行っている患者さんも多いため、十分な引き継ぎ期間を確保することが重要です。
退職日の相談
現職への退職の申し出のタイミングは、円滑な引き継ぎと良好な人間関係の維持のために重要なポイントとなります。
労働基準法では退職届の提出は2週間前でも法的には問題ありませんが、多くの鍼灸院や医療機関では就業規則で1~2ヶ月前の申し出が必要とされています。
現職の就業規則について不明な点がある方は、必ず確認しておきましょう。
引き留めにあう可能性がある場合や、過去に退職者の引き継ぎに苦労した経験がある場合は、内定をもらう前に相談しておくことをお勧めします。
提出書類の準備
入職に必要な書類は、はり師・きゅう師の免許証コピー、健康診断書、住民票、源泉徴収票などが一般的です。
特に医療機関では感染症の検査結果なども求められる場合があるため、準備や確認に時間がかかる書類もあります。
不備がないよう、早めの準備を心がけましょう。
鍼灸師の主な転職方法

鍼灸院・医療機関の公式ホサイトで直接求人を探す
メリット
公式サイトでの求人探しは、治療院の特色や治療方針、設備などの詳細情報を直接確認できるメリットがあります。
また、掲載されている情報が最新のものである可能性が高いです。
デメリット
各治療院のホームページを個別に確認する必要があり、多くの時間と労力がかかります。
求人同士の条件を比較する際も、他のページを開きながら比較する必要があります。
小規模の鍼灸院ではホームページを持っていない、もしくは採用情報を掲載していないケースも多くあります。
また、応募時の連絡や調整を全て自身で行う必要があるため、施術中心の勤務体系では、タイムリーな連絡が難しい場合があります。
医療系求人サイトで求人を探す
メリット
求人サイトでは、多数の求人情報を一度に検索でき、条件による絞り込みや比較が容易です。
また、給与、勤務時間、福利厚生など、基本的な情報が統一されたフォーマットで記載されているため、情報の把握がしやすいという特徴があります。
デメリット
掲載情報が実際の募集状況と異なっている可能性があります。
また、応募後のやり取りは基本的に自身で行う必要があり、中には求人サイトの運営会社を介して連絡を取り合うケースもあるため、スムーズなコミュニケーションが取りづらい場合があります。
転職エージェントを活用する
メリット
転職サイトを利用する最大の利点は、医療業界に精通したキャリアアドバイザーによる手厚いサポートを受けられることです。
求人紹介や面接対策はもちろん、職務経歴書の作成アドバイスや面接日程の調整まで、幅広いサポートを受けることができます。
特に鍼灸師の場合、夜遅くまでの施術や休日出勤もある職種のため、自身で転職活動に時間を割くことが難しい方も多くいます。
そういった方々にとって、転職エージェントの活用は効率的な転職活動を実現する有効な手段となります。
また、一般公開前の求人情報や非公開求人へのアクセスが可能なほか、給与などの条件交渉においても経験豊富なアドバイザーのサポートを受けられます。
医療キャリアナビでも、関東・関西エリアを中心に鍼灸師専門の転職サポートを展開しています。
地域に特化することで、各治療院の詳細な情報や地域特性を踏まえたアドバイスが可能となっています。
デメリット
直接応募ではないため、キャリアアドバイザーを介して応募先とやり取りをする必要があります。
キャリアアドバイザーとの定期的なコミュニケーションが負担に感じる方や、自分のペースでじっくりと転職活動を進めたい方にとっては、必ずしも最適な方法とは限らないかもしれません。
ハローワークを活用する
メリット
ハローワークには地域密着型の鍼灸院や治療院の求人が多く集まっており、対面での丁寧な転職相談も可能です。
また、ハローワーク限定で掲載される求人も一定数存在します。
デメリット
掲載される求人数が限定的な場合があり、ハローワークのみの利用では希望する治療方針や勤務条件に合致する求人を見つけることが難しい可能性があります。
知り合いに紹介してもらう
メリット
実際に働いている知人からの紹介は、職場の雰囲気や治療方針、患者層などの実態を詳しく知ることができます。
また、入職後も身近に相談できる人がいることで、新しい治療院での業務にもスムーズに馴染めるという大きな利点があります。
採用側にとっても、既存スタッフからの紹介は信頼性が高く評価される傾向にあり、一般的な応募ルートと比較して内定に結びつきやすい特徴があります。
デメリット
知人が働きやすいと感じる環境が、必ずしも自分に適しているとは限りません。
特に鍼灸師の場合、得意な治療法や志向する症例が異なることも多いため、入職後にギャップを感じるケースもあります。
また、知人からの情報に依存しすぎて、自身での十分な調査や確認を怠りがちになる傾向があります。
治療方針や待遇面など、重要な情報については知人以外のソースからも積極的に情報収集することが大切です。
さらに、知人の紹介という経緯から、より条件の良い職場が見つかっても辞退を躊躇してしまうなど、心理的な負担を感じやすいというデメリットもあります。
どの転職方法にもそれぞれ特徴があるため、複数の方法を組み合わせながら、自分に最適な転職活動のスタイルを見つけることをお勧めします!
鍼灸師の転職時に多いQ&A
複数の求人に応募しても問題ないですか?
新卒の就職活動では学校のルールとして1社ずつの応募が求められることが多いですが、転職活動においては複数の求人に並行して応募することは一般的に認められています。
ただし、それぞれの治療院の特徴や治療方針をしっかりと理解した上で面接に臨むためにも、また効率的な日程調整の観点からも、同時期に応募する求人は2~3求人に絞ることをお勧めします。
転職方法の違いによって内定率に差は出ますか?
知人からの紹介や、転職エージェントのサポートを受けて十分な面接対策を行った場合は、比較的内定率が高くなる傾向にありますが、転職方法自体が内定率を大きく左右することは基本的にはありません。
最も重要なのは、あなた自身の人柄、これまでの治療経験、施術技術、そして応募先の治療院が求めている人材像とのマッチング度合いです。
複数の資格を持っていますが、給与UPは期待できますか?
鍼灸師の資格に加えて、あん摩マッサージ指圧師や柔道整復師の資格をお持ちの場合、それらの技術を総合的に活用できる治療院では、給与面でのプラス評価が期待できます。
ただし、治療院によって複数資格の評価は大きく異なります。
そのため、面接時に保有資格をどのように活かせるか、また待遇面での評価についても具体的に確認することをお勧めします。
経験年数が募集要件に満たない場合でも応募は可能ですか?
経験年数の要件は一般的に目安として設定されているケースが多く、必ずしも絶対的な基準ではありません。
そのため、経験年数は短くても、自身の強みやスキルをアピールができる場合は、積極的に応募を検討してみてもいいでしょう。
将来的に独立開業を考えていますが、そのことを面接で伝えるべきでしょうか?
開業支援制度を設けている鍼灸院や医療機関では、将来の独立志向をむしろポジティブに評価する場合があります。
一方で、長期的な人材確保を重視している治療院では、開業志向を伝えることでマイナスの印象を与える可能性もあります。
そのため、面接でこの話題に触れるかどうかは、応募先の特徴をよく見極めてから判断することが賢明です。
離職中なのですが、1ヶ月以内で転職することも可能ですか?
可能です。特に鍼灸師は需要の高い職種であり、急募の求人も少なくないため、スピーディーな転職も十分実現可能です。
可能であれば2~3ヶ月程度の期間を設けることをお勧めしますが、急いで転職を決める必要がある場合は、転職エージェントを活用して効率的に求人を探すことも一つの方法です。
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