言語聴覚士(ST)の離職率と主な退職理由は?長く働き続ける職場選びのポイントも解説!

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言語聴覚士として働いていて、自分の働き方やキャリアに不安や迷いを感じることはありませんか?

実は、多くの言語聴覚士が同じような悩みを抱えています。

特に、経験年数が浅い言語聴覚士は「このまま続けていけるだろうか」「もっと自分に合った職場があるのではないか」と考えることも少なくありません。

この記事では、言語聴覚士の現状の離職率や主な退職理由を詳しく解説し、長く働ける職場を見つけるためのヒントをお伝えします。

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言語聴覚士の離職率の実態

背中合わせに立つスクラブと白衣を着た男性スタッフ

全体の離職率と比較

厚生労働省の令和4年度雇用動向調査によると、言語聴覚士を含む医療・福祉分野で働く専門職の離職率は『15.3%』となっています。

これは全産業平均の15.0%をわずかに上回る数字で、16の産業カテゴリーの中で4番目に高い数値です。

出典:厚生労働省 ―令和4年雇用動向調査結果の概況―

平均勤続年数からみる実態

さらに注目すべき点として、令和4年賃金構造基本統計調査では言語聴覚士を含む医療・福祉分野で働く専門職の平均勤続年数は『9.1年』という結果が出ています。

これは全産業平均の14.2年と比べると、実に5年以上も短い期間となっています。

出典:厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況

これらの結果より、言語聴覚士の転職は珍しいことでなく、多くの言語聴覚士が転職や退職を経験していることがわかります。

言語聴覚士は、理学療法士や作業療法士と比べても人数が少なく、1施設に1人という環境で働くことも珍しくありません。

このような環境要因も、キャリアの選択に影響を与えていると考えられます。

言語聴覚士の主な退職理由

車いすに座る女性患者と隣で話しかける女性スタッフ

1. 専門性の向上が難しい環境

多くの言語聴覚士が直面する課題として、「一人職場での専門性向上の難しさ」があります。

具体的な悩みとしては以下のようなものです。

  • 相談できる先輩STがいない
  • 新しい知識や技術を学ぶ機会が限られている
  • 症例の偏りにより、特定の分野の経験しか積めない
  • 勉強会や研修に参加する時間が取れない
  • 2. 精神的負担の大きさ

    言語聴覚士の仕事は、摂食嚥下障害のリスク管理や高次脳機能障がいのある患者さんの対応など精神的に負担となる場面が多くあります。

    また言語聴覚士が多数在籍している職場はあまり多くないため、職場内で疎外感を感じてしまうこともあります。

    普段は気にならないくらいの精神的負担でも、毎日の積み重なりで疲弊してしまう言語聴覚士は多いようです。

    3. 給与面への不満・不安

    言語聴覚士の年収は、新卒時で320~360万円経験10年目で400万円前後というのが一般的です。

    経験年数の増加に比べて昇給が緩やかなため、経験年数が上がるほど給与への不満が生じやすいです。

    また、人事考課などの評価者が理学療法士、作業療法士という職場も多く、専門性や実績が評価されにくいという声も聞かれます。

    長く働き続ける職場選びのポイント

    言語聴覚士として長く働ける職場を見つけるためには、自分の価値観を知ることが重要です。

    価値観が合わないと、どんなに良い職場でも長く働くことは難しいです。

    専門性、働き方、環境にわけて価値観を考えていくと、自分が大事にしたい価値観が見えてきます。

    専門性を重視

  • 失語症に特化したいのか
  • 嚥下障害のスペシャリストを目指したいのか
  • 小児言語障害を専門的に学びたいのか
  • 働き方を重視

  • 残業を少なくしたいのか
  • 土日祝日は必ず休みたいのか
  • 時短勤務の可能性を残したいのか
  • 環境を重視

  • 複数のSTがいる環境がいいのか
  • 一人職場で裁量を持ちたいのか
  • 多職種との連携を重視したいのか
  • 自分の価値観を知ることができたら、実際に見学に行ったり、面接のときに確認したり、転職エージェントを利用して詳細情報をもらったりなど、長く働ける職場を見つけるために自分からどんどんアクションを起こしていきましょう!

    長く働ける職場選びチェックリスト
    • 人間関係が良好か
    • 自分が希望する給料が出るか
    • 将来的に自分が目指したい給料まで届きそうか
    • 休みが多いか(有給がとりやすい)
    • 残業が少ないか
    • 福利厚生が充実しているか
    • 自分の好きな分野・領域か
    • 業績が安定しているか
    • 時短勤務が可能か
    • スキルを高めていけるか
    • 正当な評価がされているか
    • 離職率が低いか

    職場選びのQ&A

    訪問リハビリに興味があるのですが、経験が必要ですか?

    訪問リハビリでは、利用者様の生活環境に合わせた柔軟な対応力が求められるため、臨床経験が数年あることが望ましいとされています。

    一方、言語聴覚士を採用したいけれど応募が少ないため採用できていない訪問看護ステーションは非常に多いため、内定の難易度よりも、教育・サポート体制が充実しているかどうか、他に先輩STが在籍しているかどうかなど入社後に自分が成長できる環境かどうかを確認することが大切です。

    病院から老健への転職を考えていますが、仕事内容や待遇面での違いを教えてください。

    病院では急性期から回復期の患者様が中心で、医療チームの一員として専門的な評価や訓練を行います。

    一方、老健では維持期の利用者様が多く、生活機能の維持・向上に重点を置いた支援が中心となります。

    給与面では一般的に病院の方が高めですが、老健は比較的残業が少なく、ワークライフバランスを取りやすい傾向があります。

    転職時の給与相場について教えてください。

    経験年数や勤務地域、施設の種類によって異なりますが、一般的な目安として【新卒:年収300-350万円】【経験3-5年:年収350-400万円】【経験5年以上:年収400-450万円】が相場です。

    都市部の医療機関では、これより高めの設定も多くあります。

    言語聴覚士としての経験を活かして、医療機器メーカーへの転職は可能ですか?

    可能です。特に補聴器や嚥下検査機器、コミュニケーション機器などのメーカーでは、言語聴覚士の専門知識や臨床経験が優遇されることがあります。

    しかし、言語聴覚士だけが応募できる求人ではないので、求人を探す際は一般職の求人の中から探すことになります。

    応募しようと思っている求人が年俸制なのですが、メリットやデメリットはありますか?

    年俸制は決まった年収額を12か月で割った値が給与となります。ボーナス支給がない代わりに、毎月の給与が一定で手取りが高くなりやすいです。

    しかし、固定残業代が含まれていることが多く、残業をしても給与は変わらないということもあります。

    まとめ

    言語聴覚士の離職率は約15%と高いですが、それは逆に言えば、より良い環境で働くチャンスが多いということでもあります。

    自分に合った長く働ける職場を見つけるためには、単に給与や勤務条件だけで決めるのではなく、しっかりと自分の仕事に対する価値観とのマッチ度を考慮することが重要です。

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