●方法と目的を患者さんに丁寧に説明する
●筋力レベル3から確認を始める
●一定の抵抗を毎回かける
●代償動作に注意を払う
●プライバシーに配慮する
MMTとは何か?看護師が知っておくべき基本知識と活用法
MMTとは、患者さんの部位別の筋力を簡易的に評価するための方法です。
MMTを行うのは主に理学療法士や作業療法士といったリハビリ職ですが、看護師も働く科や場所によっては基本知識として覚えておくと便利な場面が多いです。
MMTとはどのような評価方法なのか?
また看護師が覚えておくべきMMTの基礎知識やポイントについて簡単にご紹介します!
MMTとは
MMTとはManual Muscle Testの頭文字をとった略称で、日本語にすると徒手筋力検査法と呼ばれています。
部位別の個々の筋力低下を把握するのに用いる評価方法で、特別な機器を使用せず簡易的に評価することができるため、医療業界で広く一般的に使われています。
検査者の手を使って評価を行うため、「徒手」という言葉が使われています。
簡易的に評価できる反面、検査者によって評価結果に差異が生じることもあるため、部位別の評価方法や注意点などをしっかり把握しておく必要があります。
また、定期的に評価方法の見直しや追加が行われており、2024年時点では第10版が最新となっています。
MMTの評価基準
MMTの評価基準は6段階に分類されます。
日本では評価結果として数値を記載するのが一般的です。
評価基準
5 | Normal | 関節可動域を完全に動かすことができ、最大抵抗・重力下で保持が可能 |
4 | Good | 関節可動域を完全に動かすことができ、抵抗・重力下で保持が可能 |
3 | Fair | 関節可動域を完全に動かすことができ、重力下で保持が可能 |
2 | Poor | 非重力下で関節可動域を完全に動かすことができる |
1 | Trace | 関節運動は生じないが、わずかな筋収縮は触知可能 |
0 | Zero | 筋収縮なし |
MMTは順序尺度なので、検査者によっては5や4の認識の幅が広く、5に近い4を4+と記載したりする人もいます。
加齢によって筋力は衰えていくので、単純に評価結果が3だから良い悪いという判断はせず、左右差が生じていないか、麻痺側・非健側の回復具合などを知るためにMMTを行う場合が多いです。
MMTの部位別の評価結果記載用紙を以下のページで紹介しています🔻
看護師がMMTを行う場面
医師やリハビリ職がいない職場では患者さんの筋力評価を看護師が行うこともあるかもしれませんが、看護師がMMTを行うことは非常に稀です。
MMTには細かな注意点があり、検査者間で評価結果に違いが生じないように評価練習を何度もする必要があります。
また患者さんに側臥位や腹臥位の体位をとってもらい評価することもあるので、基本的には看護師が定常業務としてMMTを行うことはないと思っていても問題ないです。
看護師がMMTと関わる機会があるのは、整形外科、脳神経外科、回復期病棟などが一般的です。
多職種の記録や申し送りでMMTが登場するので、これらの場所で勤務する場合は最低限の知識は持っておくと役立ちます。
MMTを行う際のポイント
中にはMMTを行う必要がある看護師もいるかと思います。
そんなときに覚えておきたいポイントを解説します。
方法や目的を丁寧に説明する
MMTの方法や目的を丁寧に説明し、必ず患者さんが理解できているか確認してから行うことが非常に重要です。
説明を流して聞いている患者さんもいるので、抵抗を加える場面で思わぬインシデントにつながらないようにするためにも、説明は丁寧に行いましょう。
3レベルから確認する
MMTを行う際に、いきない5レベルから行おうとするのはNGです。
3レベルの筋力があるかどうかわからない状態で強い抵抗を加える必要がある5レベルの評価を行うことは、患者さんの負担になります。
毎回一定の抵抗をかける
自分の中の評価軸を変えないためにも、加える抵抗は毎回一定になるように心がけましょう。
期間を空けて再評価するときに同じ抵抗を加えることができなければ、変化を正しく評価できません。
また患者さんによって加える抵抗の強さを変えてしまう人もいますが、これも気をつけましょう。
代償動作に注意する
最大筋力を発揮しようとして代償動作が生じてしまうことはよくあります。
評価中は常に代償動作に気を配り、それに加えて運動方向が正しいかどうかも必ず確認しましょう。
プライバシーに配慮する
評価部位によっては体位を変えてもらったり、衣服を巻くって露出してもらうこともあります。
プライバシーに配慮し、MMTを行う場所や時間帯に注意しましょう。
まとめ
MMT(Manual Muscle Test/徒手筋力検査法)は、患者さんの部位別の筋力を簡易的に評価する方法です。
主に医師やリハビリ職が実施しますが、整形外科や脳神経外科、回復期病棟などで働く看護師も基本知識として知っておくと有用です。
もし臨床現場で看護師がMMTを実施する必要がある場合は、以下のポイントを参考にしてみてください。
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